3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:41:25.60 ID:DyFJ33qq0
第8話「reckless」序章・出発編 全4回
━ルナベース(月面国際宇宙港)・ez-132船内・キャビン━
パチ、パチ、パチ、パチ、
ミ,,゚Д゚彡「・・・・・」
黙々とスイッチをONにし、出港の準備を続けるフサギコ
ミ,,゚Д゚彡「メインブースターノズル1〜5番正常反応、サブブースターノズル6〜15番正常反応」
ミ,,゚Д゚彡「AI正常反応、航行誘導シシテム正常、デブリセンサ正常、与圧区気圧1気圧。」
ミ,,゚Д゚彡「ふぅ」
ミ,,゚Д゚彡「他はもうないな・・・」
カチッ
メインモニターに兄者のいる機関室の映像が映る
ミ,,゚Д゚彡『兄者ー!エンジンの具合はどうだー!?』
ピピピッ
モニターに兄者の顔が映る
( ´_ゝ`)『そんな大声出さなくても聞こえてるぞ』
ミ,,゚Д゚彡『おう、悪りい、悪りい』
ミ,,゚Д゚彡『で、どうよ』
( ´_ゝ`)『OKだ。核融合炉、冷却装置ともに問題無し。』
ミ,,゚Д゚彡『把握した』
( ´_ゝ`)『・・・・・・』
( ´_ゝ`)『・・・実物を見るのは、研修生だった頃と合わせて二回目になる』
( ´_ゝ`)『<サーキット・コイルエンジン>』
( ´_ゝ`)『火星往還船に標準搭載されてるエンジンだ』
ミ,,゚Д゚彡『ほう』
( ´_ゝ`)『画期的な発明、サーキットコイルシステムによって核融合エンジンの小型化に成功』
( ´_ゝ`)『この小ささでも立派な核融合エンジンなんだ』
( ´_ゝ`)『その辺の民間船に乗ってるエンジンとはまるで訳が違う』
( ´_ゝ`)『桁違いのスピードが出る』
ミ,,゚Д゚彡『・・・・・・・・・』
ミ,,゚Д゚彡『おいおい』
( ´_ゝ`)『ん?』
ミ,,゚Д゚彡『出港前からそんなにわくわくさせるなよ』
(;´_ゝ`)oO(心配だな・・・・)
ピピピッ
ミ,,゚Д゚彡『ん?」
カチッ
別モニターにクーが映る
川 ゚ -゚)『おい』
ミ,,゚Д゚彡『クーか』
川 ゚ -゚)『※ZPSのチェック完了、船外活動用小型艇のチェック完了、船外作業用ロボットアームのチェック完了』
川 ゚ -゚)『全て正常に可動する。問題無い』
ミ,,゚Д゚彡『把握した。』
ミ,,゚Д゚彡『クー、後は食料やら生活用品やらのチェックをしといてくれ』
川 ゚ -゚)『いや』
川 ゚ -゚)『もう済ませてある』
ミ;゚Д゚彡『そ、そうか。流石やることが早やいな』
※ZPS(ゼロ・プリブリージング・スーツ)
硬質の素材で作られた宇宙服。気圧順化を必要としない。
ミ;゚Д゚彡『・・・・・』
( ´_ゝ`)『・・・・』
( ´_ゝ`)『そういえば・・・・内藤とツンはどこ行った?』
川 ゚ -゚)『二人は確か私用で━』
ミ,,゚Д゚彡『・・・・』
通信ボタンを押すフサギコ
カチッ
ピピピッ
別モニターにに内藤の映像が入る
( ^ω^)『はいはい』
( ^ω^)『もぐもぐ・・こちら内藤だお』
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:45:07.74 ID:DyFJ33qq0
ミ,,゚Д゚彡『内藤お前、今何してる?』
( ^ω^)『フサギコかお・・もぐもぐ』
( ^ω^)『何って』
( ^ω^)『ツンとカレー食ってるお』
ミ;゚Д゚彡川 ゚ -゚)(;´_ゝ`)『!!』
ミ;゚Д゚彡『て、てめ・・・』
(;´_ゝ`)『内藤・・・・・』
( ^ω^)『・・・・?』
(;^ω^)『ど、どうかしたかお?』
(;^ω^)『出航にはまだ時間があr』
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:45:43.66 ID:DyFJ33qq0
ミ#゚Д゚彡(#´_ゝ`)『早く戻って来ぉぉぉぉおおおい!!!!!!』
(;^ω^)ビクッ
(;^ω^)『す、すぐ戻りますお』
(;^ω^)『ツン、戻るお!』
『へ?まだ食べ終わってな・・・』
プツン
(#´_ゝ`)『・・・・・・』
ミ#゚Д゚彡『ったく・・・もうほぼ全機が準備完了してるっつうのによ・・・』
ミ#゚Д゚彡『一発しめとかねぇといけねぇみたいだな』
川 ゚ -゚)『おいおい、乱暴なことは・・・』
ピピピッ
ミ,,゚Д゚彡『あ?』
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:46:12.80 ID:DyFJ33qq0
カチッ
管制『あー、あー、全機聞こえてるか』
管制『こちら管制-ジョルジュ試験管だ。連絡する』
ミ;゚Д゚彡
(;´_ゝ`)
( ゚∀゚)『出発時刻は今から15分後』
( ゚∀゚)『全機同時発進する。カウントダウンは20秒前からだ』
( ゚∀゚)『最終チェックに入ってくれ。くれぐれも━』
( ゚∀゚)『忘れ物をしないように。』
( ゚∀゚)『以上だ』
プツン
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:46:52.86 ID:DyFJ33qq0
ミ;゚Д゚彡(;´_ゝ`)『・・・・・・・・・・』
川 ゚ -゚)『まずいな』
川 ゚ -゚)『内藤達はここで一番上手いカレーがある第二食堂にいるだろう』
川 ゚ -゚)『徒歩でここから40分弱』
川 ゚ -゚)『無駄に広いのがここの隊員達の悩みだ』
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:47:30.32 ID:DyFJ33qq0
━そのころ内藤達・軍港内部通路F━
重力1/6ということもあり、ぴょんぴょん跳ねながら港に向かう内藤達
( ^ω^)「まったく」
( ^ω^)「怒鳴る事なかったお!耳が痛いお。」
ξ;゚听)ξ「も、もう・・・」
ξ;゚听)ξ「・・・誘いに乗って食べになんてくるんじゃなかったわ」
ξ;゚听)ξ「内藤、急ぎましょ」
( ^ω^)「まだ時間あるお。焦る事な・・・・」
ピピピッ
ξ;゚听)ξ「あ」
(;^ω^)「またフサギコのやつだお・・・・」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:48:24.95 ID:DyFJ33qq0
川 ゚ -゚)『緊急事態だ。よく聞け』
(;^ω^)『お?クー?』
ξ;゚听)ξ「え?」
川 ゚ -゚)『出発時間が15分と迫ってきている。お前達はこれに間に合わなくてはいけない』
(;^ω^)『おお!?』
(;^ω^)『ま、間に合わないお!!!』
川 ゚ -゚)『落ち着け。私が近道を教える』
(;^ω^)『!』
川 ゚ -゚)『今どこにいる?』
(;^ω^)『・・・・』
( ;^ω)「ツン、ここどこだお?」
ξ;゚听)ξ「え?」
ξ;゚听)ξ「えーっと・・・」
辺りを見回すツン
ξ;゚听)ξ「中央・・中央会議室前の通路Fよ」
(;^ω^)『中央会議室前の通路Fだお!』
川 ゚ -゚)『それなら・・・』
川 ゚ -゚)『中央会議室を突っ切れ』
(;^ω^)『お?でも電子ロックが・・・・・』
川 ゚ -゚)『解除パスワードを今から口頭で教える』
(;^ω^)『!?』
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:49:50.04 ID:DyFJ33qq0
(;^ω^)『い、いいのかお!?』
川 ゚ -゚)『いいわけ無いがバレなければ大丈夫だろう』
川 ゚ -゚)『いいから伝えるぞ。よく聞け』
(;^ω^)『・・・・』
(;^ω^)『お、おk』
川 ゚ -゚)『****************』
(;^ω^)『・・・・・!!!』
(;^ω^)『長いお!!全然覚えられないお!!』
川 ゚ -゚)『文句言うな。もう一回言うからしっかり覚えろ』
川 ゚ -゚)『****************だ』
(;^ω^)『・・・・・・・・・・』
(;^ω^)『おっおっおっおwwww死にたいwwww』
川 ゚ -゚)『覚えたな?覚えたならさっさと行くんだ』
川 ゚ -゚)『もう10分切ったぞ。早くしろ』
プツン
(;^ω^)『あっ』
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:51:41.69 ID:DyFJ33qq0
ロックパネルの前に立ち、考え込む内藤
(;^ω^)oO(えーっと*************だったかお?*************?)
(;^ω^)oO(*************???********?********??**********)
(;^ω^)「*****?*****?*******だから****が***************?」
ξ;゚听)ξ「内藤!なにわけかわんないこと言ってるの!行くわよ!」
(;^ω^)「い、行くっつってもパスワード覚えて・・・・・」
(;^ω^)「ツン?」
ピッピッピッピッピッピッピッピッ
素早く電子ロックのパネルを押していくツン
ξ;゚听)ξ「・・・・・」
ピッピッピッピッピッ
プシュー
(;^ω^)「ツン!適当に押しても駄目だ・・・お・・・・?」
ロックが解除された
(;^ω^)「!!!」
ξ;゚听)ξ「あ、あんたたちの話聞いてたのよ」
ξ///)ξ「別に気になって盗み聞きしようとかじゃ・・・・」
(;^ω^)「ツン!凄いお!!マジリスペクトするお!!!」
ξ///)ξ「も、もう・・・いいから、早く行きましょ」
(;^ω^)「把握!!!11」
━ez-132船内・キャビン━
不安そうにモニターを見つめるフサギコ
ミ;゚Д゚彡「遅せぇ・・・・・」
(;´_ゝ`)「・・・・・・まずいな」
川 ゚ -゚)「あと5分だ」
(;´_ゝ`)「まさか会議室を突っ切れなかったなんてことは・・・・」
ミ;゚Д゚彡「やたらめったら長いパスワードだしな・・・」
ミ;゚Д゚彡「あの内藤が覚えきれるたァ思えねぇ・・・」
川 ゚ -゚)「あと3分」
ミ;゚Д゚彡「おいおい!」
ミ;゚Д゚彡「レース始まる前に脱落なんて冗談じゃねぇぞ!」
(;´_ゝ`)「・・・・・・」
川 ゚ -゚)「あと2分だ。フサギコ、船を出港準備完了状態にするんだ」
ミ;゚Д゚彡「ちぃ、」
パチッパチッパチッパチッ
フサギコは次々とスイッチをONにしていき、船は出港可能状態になっていく
(;´_ゝ`)「そろそろ・・・・」
ピピピッ
川 ゚ -゚)( ´_ゝ`)ミ,,゚Д゚彡「!!」
カチッ
( ゚∀゚)『あー、あー、全機聞こえてるなー?』
( ゚∀゚)『残り20秒になるぞー予定どうりカウントダウン開始だ。』
( ゚∀゚)『・・・・・・カウントダウン開始ー』
( ゚∀゚)『20、19、18、17、16』
ミ;゚Д゚彡「うおおお・・・」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/29(木) 00:55:59.75 ID:DyFJ33q
( ゚∀゚)『15、14・・・・』
(;´_ゝ`)「・・・・・」
(;´_ゝ`)「まさかこんな形で・・・・・・・」
川 ゚ -゚)「・・・・」
(;´_ゝ`)「これもうんめ・・・・・」
ミ,,゚Д゚彡「あ!!」
フサギコは船尾カメラに映る内藤とツンの姿を見つけた
川 ゚ -゚)「来たか?」
ミ;゚Д゚彡「クー!!兄者!!シートに着け!!!」
( ゚∀゚)『・・・9、8、7、6、』
プシューッ
内藤とツンが滑り込んできた
(;^ω^)ξ;゚听)ξ「はぁ、はぁ、はぁ」
(;^ω^)「つ、つかれ・・・」
ミ;゚Д゚彡「内藤!ツン!シート座れ!!」
(;^ω^)「おお!?」
ξ;゚听)ξ「内藤!急いで!」
( ゚∀゚)『・・・3、2』
内藤とツンはシートに飛び乗り、シートベルトを装着した
( ゚∀゚)『1』
船体がガコンと揺れ、船体が港から離れる
メインノズルから強力な光が放たれ━
ミ,,゚Д゚彡「出力最大!ez-132出港するぞゴルァ!」
( ゚∀゚)『ゼロ!!』
━ez-132、NEXT132号機は慌しく宇宙空間に飛び出した━
( ゚∀゚)『GOOD LUCK諸君!我々は君達の帰りをここで待つ!』
プツン
「reckless」序章・出発編 完