173 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 00:01:07.82 ID:K0noaOQgO
シャキンの横っ面を細い脚が吹き飛ばした。
(`・ω・´)「ぐっ……」
< `∀´>「誰ニダ!!」
( ^ω^)「ツン!!早く逃げるお!!」
ξ゚听)ξ「ブーン!!」
現れたのはブーンだった。
(`・ω・´)「何しに来たんだ?てめぇ…!」
( ^ω^)「ツンを助けに来たんだお!!」
その声には力がこもっていた。
かなわないのはわかっていた。
ツンを助けたい。
ツンを守りたい。
ツンを傷つけたくない。
その想いが、彼の体を突き動かしていた。
( ^ω^)「ツン…早く逃げるお!!」
ξ゚听)ξ「ブーン…でも!」
( ^ω^)「いいから早く!僕のことは心配いらないお!秘策があるんだお!」
ξ゚听)ξ「……わかったわ……」
ツンはブーンに言われるままに走り出した。
176 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 00:07:36.46 ID:+7gbc1tIO
いつもあなたは私のことばかり……
自分のことよりも私のことを優先する。
最初はうざったいとしか思わなかった。バカみたいだと思ってた。
でも今は違う。
暖かい。
嬉しい。
心地いい。
わかってるんだから。
あんた、私のことが好きなんでしょ?
とぼけたってムダよ。
あなたの言葉から…"愛"を感じたもの。
……ブーン…私も好きよ。
だからお願い……無事でいて…
178 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 00:12:16.04 ID:+7gbc1tIO
(`・ω・´)「秘策だかなんだか知らねぇが……俺の邪魔をしてただで済むと思うなよ!」
( ^ω^)「……」
…実は彼に秘策などなかった。
心配するツンを逃がそうと口から出たデマカセなのである。
しかも、彼の体は筋肉痛で悲鳴をあげている。
勝算などない。
だが彼は…ツンが無事なら自分がどうなろうと構わなかった。
ツンのためなら死ねる。
そう思っていた。
185 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 00:24:42.70 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)「おおおおおおおおお!!!」
ブーンはがむしゃらに突っ込んだ。
しかし彼の細い体ではシャキンにはダメージを与えることはできなかった。
与えるのは…隙だけだった。
(`・ω・´)「隙アリ!!」
シャキンの拳がブーンの腹を、顔を、脇腹をとらえる。
(`・ω・´)「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
( ^ω^)「ぐっ…ぐぶっ……ごぶぅ!!」
シャキンの拳がブーンを打つ度に、ブーンの力は限界へ近づいて行った。
( ^ω^)「もう……だめぽ…」
全身の力が抜ける。視界が霞む。意識が遠のく。
そして……ブーンは倒れた。
186 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 00:37:44.31 ID:+7gbc1tIO
(`・ω・´)「トドメだ……」
シャキンがブーンにトドメを刺そうとした瞬間。
<ヴゥゥゥゥゥゥン!!!!>
1台のバイクが廃墟に乗り込んできた。
(`・ω・´)「誰だ!!」
川 ゚ ー゚ル「通りすがりの…正義の味方☆」
翌日。
ブーンは自室で目を覚ました。
( ^ω^)「あれ?…僕は確かシャキンに…」
川 ゚ ー゚ル「あ、目ぇ覚めた?」
( ^ω^)「シャキンはどうなったお!?ツンは無事かお!!?」
川 ゚ ー゚ル「まぁ落ち着いて。」
( ^ω^)「落ち着いてられないお!ツンは…ツンは!!」
川 ゚ ー゚ル「彼女なら無事よ。」
( ^ω^)「よかったお…」
188 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 00:43:56.62 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)「それで、シャキンは?」
川 ゚ ー゚ル「軽くのしちゃった♪」
( ^ω^)「ツヨスwww」
川 ゚ ー゚ル「さて…ちょっと記憶いじらせてね。」
( ^ω^)「記憶いじれるなら僕に知識を植え付けることってできるかお?」
川 ゚ ー゚ル「消すことしかできないわ。」
( ^ω^)「使えないお」
川 ゚ ー゚ル「結構便利よ。あまり多くは消せないけど。」
( ^ω^)「どれくらいだお?」
川 ゚ ー゚ル「半日とかそんなもんね。」
( ^ω^)「ふーん…で、なんで記憶を?」
川 ゚ ー゚ル「これから忘れるんだからわざわざ知る必要ないでしょ。」
( ^ω^)「でも…」
<キィィィィィィィン……>
( ^ω^)「…あれ?何の話してたんだっけお?」
彼女は、ツン、シャキン、ニダの3人から昨日の記憶を消していた。
そして今ブーンの記憶も消え、このことを知るものは彼女一人となった。
189 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 00:45:38.24 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)もう限界です。今日はもう寝ますお。
保守をしていただければうれしいですお。
それではおやすみなさい。
220 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 09:40:00.58 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)「おはおー!」
その日ブーンは何事もなかったかのように登校した。
ξ*゚听)ξ「…ぉ…ぉはょぅ…」
( ^ω^)(ちょ…!!返事しちゃだめだお!!)
ξ゚听)ξ「…き…昨日は助けてくれてありがとう…」
( ^ω^)「…?」
ブーン、シャキン、ニダからは昨日の出来事自体が消されていた。
しかし、ツンから消されたのは"誰に襲われたか"という部分の記憶だけであった。
222 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 10:43:11.90 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)「何の話だお…?」
ξ゚听)ξ「何って…あんた昨日暴漢から私を助けてくれたじゃない!」
( ^ω^)「…覚えてないお…」
ξ゚听)ξ(……きっと殴られすぎたのね…。ごめんね、ブーン…)
------------------
川 ゚ ー゚ル「さぁ〜って…ブーンが帰ってきたらアレ使うか!」
232 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 13:12:56.87 ID:+7gbc1tIO
帰り道
------------------
( ^ω^)「なんかよくわからないうちにプラグ立ってるっぽいおwwwっうぇwww」
ブーンは一人気持ち悪い笑みを浮かべながら家に帰った。
( ^ω^)「ただいまだお!」
川 ゚ ー゚ル「おかえりー!」
部屋には大きなピンクのドア。
( ^ω^)「どこでもドアktkr」
川 ゚ ー゚ル「あなたには今からこの中に入ってもらいます。」
( ^ω^)「なんでだお?」
------------------
数時間前…
川 ゚ ー゚ル「記憶を消してもまだ解決したわけじゃない…どうするか…」
彼女は考えた。一刻も早くブーンを強くしなくては彼はそのうち本当に殺されてしまう。
そこで彼女はこの装置を使用することを決めた。
248 :
◆/MTtOoYAfo :2006/04/14(金) 16:26:03.03 ID:+7gbc1tIO
川 ゚ ー゚ル「この装置はね、別次元の平行空間へ移動するためのものなの。」
( ^ω^)「なんでそれを使うんだお?」
川 ゚ ー゚ル「理由は言えないけど時間が足りないの!」
( ^ω^)「時間?」
川 ゚ ー゚ル「とにかく、向こうの時間での1日がこっちの時間での1秒になるの。行く?行かない?」
( ^ω^)「行くお!」
川 ゚ ー゚ル「わかったわ。」
彼女はそのドアのノブに手をかけた。
251 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 16:43:27.91 ID:+7gbc1tIO
彼女がドアを開けると、その向こうには不思議な空間が広がっていた。
さらに、一番奥には白い扉があった。
( ^ω^)「すごいお!楽しそうだお!」
川 ゚ ー゚ル「言っておくけど…キツいわよ。」
( ^ω^)「お姉さんと一緒なら平気だお!」
彼は奥の扉へと向かった。
川 ゚ ー゚ル「……」
彼女は少しためらったあと、入り口を閉めた。
253 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 16:55:12.49 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)「精神と時の部屋みたいだお!」
川 ゚ ー゚ル「こっちは食べ物もちゃんとあるし重力も気温も気圧も全て暮らしやすい環境になっているわ。」
( ^ω^)「うはwww」
ブーンは奥の扉を開けた。
すると、そこにはとてもきれいな青空がどこまでも広がっていた。
( ^ω^)「最高だおwww」
川 ゚ ー゚ル「一度入ると一年間外に出られないんだけどね」
256 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 17:02:38.54 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)「なんでそれを先に言ってくれないお!」
川 ゚ ー゚ル「あなたがどんどん行っちゃうんだもの。」
( ^ω^)「そんなああああああああああ!!!!!」
257 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 17:07:36.67 ID:+7gbc1tIO
( ^ω^)「やだお!!!ヒドいお!!」
川 ゚ ー゚ル「うるさい!あなたあのツンって娘がどうなってもいいの!?」
( ^ω^)「!?」
川 ゚ ー゚ル「早くしないとあの娘はきっとまた襲われる…!」
( ^ω^)「どういうことだお?」
川 ゚ ー゚ル「どういうことでもいいじゃない!!あなたあの娘が好きなんでしょ!?あなたが守ってあげるのよ!!!」
( ^ω^)「……わかったお……!!」
261 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 17:25:41.57 ID:+7gbc1tIO
川 ゚ ー゚ル(さて…ブーンにはウソついちゃったけど……)
( ^ω^)「さっそくトレーニングを開始しますお!」
川 ゚ ー゚ル「え!?ああ……うん」
彼女はウソをついていた。
この世界での1日は現実世界の1秒ではなく、現実世界の5秒であった。
ほんのわずかな違いではあったが、今の状況ではそれがかなり切実な問題となっていた。
この世界で1年修行する場合、1秒だった場合6分で済むのだが5秒だった場合30分かかる。
そうなると……
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(`・ω・´)「おいツン。」
ξ゚听)ξ「何よ!?」
(`・ω・´)「……お前…ブーンと話してたよな?」
263 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 17:31:26.54 ID:+7gbc1tIO
川 ゚ ー゚ル「早くしなきゃツンちゃんが危ない…」
( ^ω^)「?何か言ったかお?」
川 ゚ ー゚ル「あ、いや!なんでもないわ!」
こうして、ブーンの1年にわたる勉強&トレーニングが始まった。
( ^ω^)「これさえあれば大学受験なんか余裕だお!」
川 ゚ ー゚ル「ごめんコレ使い捨てなの」
(;^ω^)「そんなぁ!!!」
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…一方、現実世界では昨日と同じ出来事が繰り返されようとしていた。
果たしてブーンは間に合うのか!
第二話「戦い(全編)」終
265 :
◆/MTtOoYAfo :2006/04/14(金) 17:33:17.93 ID:+7gbc1tIO
オマケ
川 ゚ ー゚ル「まーるかいて」
( ^ω^)「ちょwww」
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/04/14(金) 17:47:28.01 ID:96tzkOPG0
(全編)←
269 : ◆/MTtOoYAfo
:2006/04/14(金) 17:51:07.40 ID:+7gbc1tIO
>>266
変換ミスったwwwwwworzwww