454 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 12:45:46.93 ID:/6thABtJO
ある日。
ブーンが何気なくテレビを見ていると、そこに臨時ニュースが舞い込んだ。

キャスター『えー、ただいまVIP市のニュー速町の銀行で強盗事件が発生した模様です。』

銀行の映像が映し出された。そこには銃で武装した犯人と、怯える人質。
そして、ブーンは強盗集団のリーダーと思われる男に捕らえられ銃を突きつけられている少女の顔を見た瞬間に全身の血が凍り付いたような戦慄を覚えた。

(;^ω^)「ツン!!!」

 
455 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 12:51:43.14 ID:/6thABtJO
ブーンは慌てて自室の扉を開けた。

川 ゚ ー゚ル「どしたの?」
(;^ω^)「ツンが強盗に……」
川;゚ ー゚ル「ツンちゃんが強盗になっちゃったの!?」
( ^ω^)「違うお!!ツンが強盗に捕まって銃を突きつけられてるんだお!!」
川;゚ ー゚ル「人質か……」
(;^ω^)「強盗を倒せる道具はないかお!?」
川;゚ ー゚ル「あるわけないじゃない!!金属バットで銃に勝てるワケないでしょ!!」
(;^ω^)「じゃあどうすればいいんだお!!」
川;゚听ル「とにかく現場に行ってみるしかなさそうね…」

 
460 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 13:08:14.62 ID:/6thABtJO
事件の起こった銀行

強盗リーダー(●〜●)「金はまだ用意できないのか!!」
銀行員(@△@)「すみません…なにぶん1億という大金は運ぶのに時間がかかりまして…」
(●〜●)「御託はいい!早く金を……」

ファンファンファンファン……
警察官A(´<_` )「武器を捨てておとなしく投降しろ!」
警察官B(´_ゝ`)「もう逃げられはしない。」

ブーンの父親とその弟は警察官であった。
まぁ彼らの紹介はどうでもいいからこの辺で。

(●〜●)「ちっ…サツが来やがったか!!おい!お前2階のドアから誰かが入ってきたりしないように見張れ!!」
(●ω●)「了解ボス!」
(●〜●)「残りの2人は人質が変な動きを取らないように見張れ!」
(●∀●)(●Д●)「「了解!!」」

緊迫した状況に、ツンは不安を覚えた。

ξ゚听)ξ(……誰か助けて…)

 
461 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 13:20:38.34 ID:/6thABtJO
(´<_`;)「どうする兄者…」
(´_ゝ`)「人質がとられている以上ヘタに手を出すことはできない……」
(´<_` )「流石だな兄者。冷静な判断だ。」
(´_ゝ`)「とりあえずここからわかる情報だけでも整理しておこう…」

<犯人グループの特徴>
・犯人グループは4人
・犯人グループは全員同じ迷彩服に防弾チョッキ、ニット帽、サングラスを着用し、口元を布で覆っている
(※顔文字では口が表記されていますが、これは誰が誰なのか区別するためです。)
・人質は銀行員、客を含め8人
<銀行の構造>
・正面には自動ドア
・ドアのそばには観葉植物
・椅子は左右に分かれて並べられており、中央には広いスペースがある
・店の奥には階段があり、2階に通じている
・店の外には2階へ登るための階段
・2階は倉庫になっている


(´_ゝ`)「これくらいか…」

兄者は銀行側から入手した構造図と超望遠撮影した犯人グループの写真を見比べながら情報を整理した。

(´_ゝ`)「よし、機動隊はいつでも突入できるようにスタンバイしていてくれ!これから作戦を練る」

 
462 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 13:28:05.06 ID:/6thABtJO
( ^ω^)「現場に着いたお!」
川 ゚ ー゚ル「さて、どうやって突入しようかしら……」
Σ(;^ω^)「突入する気まんまんかお!!」
川 ゚ ー゚ル「何かいい道具あったかしら…」

彼女はブランドバッグの中をあさる。

川 ゚ ー゚ル「あった!ステルス・スパイ・スキャナー&スクリーン!略してSSSS!!」

彼女はバックから小型の虫のような機械を取り出した。

( ^ω^)「それはどんな道具なんだお?」
川 ゚ ー゚ル「これはね。建物の構造とその内部にいる人たちの位置をこっちの三次元スクリーンに移し出すための装置よ。」

簡単な説明が終わると彼女はその虫を放した。
するとその虫は光学迷彩で完全に消えた。

 
464 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 13:34:00.18 ID:/6thABtJO
数分後、彼女の手の上で虫がその姿を現した。

川 ゚ ー゚ル「ご苦労様。」

彼女が三次元スクリーンにその虫を接続すると、青い光で銀行とその内部の構造が、赤い光で内部の人間の配置が再現された。

川 ゚ ー゚ル「……」
( ^ω^)「……警察に任せてみないかお?」
川 ゚ ー゚ル「…いや…信用できない。」
( ^ω^)「…でも僕たちだけで突入なんて…」
川 ゚ ー゚ル「いいからあなたも考えなさい!あなたはもうバカじゃないんだから!」
( ^ω^)(……あれ?…お父さんと叔父さん…)
川 ゚ ー゚ル「人の話聞いてる!?」
( ^ω^)「すみません聞いてませんでしたお」
川;´兪ル「……」

 
465 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 13:42:29.57 ID:/6thABtJO
( ^ω^)「……ひとつだけ…」

ブーンは構造図を眺め、ある一つの作戦を思いついた。
しかしそれは作戦というより賭けに近いものだった。

川 ゚ ー゚ル「ひとつだけちょうだい」
( ^ω^)「ちょwww」
川 ゚ ー゚ル「…で?その作戦って?」
( ^ω^)「2階から強行突破だお」
川 ゚ ー゚ル「成功するの?」
( ^ω^)「成功確率は60%くらいだけど…他に手はないお」
川 ゚ ー゚ル「…わかったわ…」
( ^ω^)「一緒に…来てくれるかお?」
川 ゚ ー゚ル「…もちろんよ。」

彼らは外の階段を登っていった。

 
466 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 13:50:44.32 ID:/6thABtJO
2階のドアの前―

( ^ω^)「この向こうに一人見張りがいるお。まずはそいつを叫ぶ間もなく倒さなければならないお。」
川 ゚ ー゚ル「ふむふむ…」
( ^ω^)「そしてその後は…」

ブーンは作戦の全てを彼女に話した。

川 ゚ ー゚ル「…わかったわ。」
( ^ω^)「じゃあ…いくお。」

------------------

「ぐあぁ!!」

悲鳴の後、2階から犯人グループの一人が転げ落ちてきた。

(●〜●)「どうした!」
(●ω●)「2階から侵入者が二人…やたら強い…銃も奪われて…」
(●〜●)「ちっ…じゃあお前は人質を見張ってろ!そしてお前ら二人で侵入者を迎撃しろ!」
(●∀●)(●Д●)「「了解!!」」

二人は上へ向かった。
…その時。

ドカッ!!

(●〜●)「ぐぁっ…!!」

リーダーの腕が蹴られ、銃が弾きとばされた。

 
467 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 13:59:08.87 ID:/6thABtJO
(●〜●)「てめぇ…一体何を…」

ドカッ!!

2発目の蹴りで、今度はリーダー自身が吹き飛ばされ、壁に激突してのびた。

(●ω●)「人質はみんな逃げて下さい!!」
ξ゚听)ξ「……!?」

突然起こったクーデターに、ツンをはじめとする人質たちは混乱していた。

------------------
2階倉庫―

(●∀●)「く…」
(●Д●)「侵入者は二人じゃなかったのか!?もう一人は一体……」
川 ゚ ー゚ル「ちゃんといるわよ。」
(●Д●)「く…銃が奪われてもまだナイフが残ってるぜ!!」

シャッ!!

川 ゚听ル「!!!」

犯人の一人が振り回したナイフによって、彼女の首筋が斬られた。

 
468 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 14:12:44.01 ID:/6thABtJO
川;´兪ル「……う…ぐぅ…」

彼女はその場で崩れ落ちた。

(●Д●)「やったぜ!!」
(●∀●)「よし!!下へ降りるぞ!」
(●Д●)「おい!ちょっと待て!こいつは……」

その時彼らが見たのは…

川 ゚听ル「今だ!!!」

ドカドカッ!!!

------------------

(●ω●)「早く!上に行った二人が戻ってくる前に!!」
ξ゚听)ξ「どういうことよ!!」
(●ω●)「こういうことだお」

"彼"はそう言うと…サングラスを外した。

-----------------

犯人グループは逮捕、人質も全員無傷で救出された。
何故か一人半裸のまま気絶している犯人がいたらしい。
そして、事件解決に貢献した少年には後日警察から感謝状が贈られることとなった。

(´<_` )「…流石兄者の息子だな」

 
473 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 15:02:35.91 ID:/6thABtJO
ξ゚听)ξ「ブーン…ありがとう。」
( ^ω^)「いえいえ。むしろYeahYeah!!」

ξ゚听)ξ「私……私…」

その時、ブーンの携帯が鳴った。

( ^ω^)「もしもし?」
川 ゚ ー゚ル『もしもし…ちょっとやられちゃったからあたし先帰ってるね』
ξ゚听)ξ「女の…声?」
( ^ω^)「やられた!?誰にだお!?」
川 ゚ ー゚ル「Zガンダムにね!」

プツッ…ツー…ツー…ツー…

ξ゚听)ξ「誰?」
( ^ω^)「僕にとってドラえもんみたいな人だお。悪いけど僕はこれで帰るお!!」

ブーンはそのまま走り去った。

ξ゚听)ξ「……バカ…」

 
477 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 15:37:01.84 ID:/6thABtJO
(;^ω^)「ただいまだお!」
川;゚听ル「おかえりー!」

彼女は工具箱のような箱を出して何やら作業していたらしい。
しかし、今は首筋に手を当てたまま作業を中断している。

( ^ω^)「何やってたんだお?」
川;゚听ル「何でもないの!いいからこっち見ないで!」
( ^ω^)「首がどうかしたのかお?ちょっと見せるお。」
川;゚听ル「だ、だめ!」

ブーンは首を押さえている彼女の手をどけた。
すると彼女の首には、ナイフで斬りつけられた深く長い傷がついていた。

Σ(;^ω^)「!!!」
川;´兪ル「見られちゃった……」
(;^ω^)「この傷…さっきの奴らにやられたのかお!?」
川 ゚听ル「…うん。」
(;^ω^)「よく無事だったお……」

その言葉で彼女の動きが凍り付いたように止まった。

川;゚听ル「……」

しばらくした後、彼女は何かを決意したように口を開いた。

川 ゚听ル「この傷をよく見て……」

深く斬りつけられた彼女の皮膚の下は……銀色に重く輝いていた。

 
489 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 17:04:03.95 ID:/6thABtJO
(;^ω^)「どういう…ことだお…?」
川 ゚听ル「実はあたし…アンドロイドなの…」
(;^ω^)「せめてここはロボットって言ってくれお」
川 ゚ ー゚ル「アンドロイドなの。」
(;^ω^)「でも…手も暖かいし髪も善き髪だしおっぱいも柔らかいし…アンドロイドだなんて信じられないお!」
川 ゚ ー゚ル「あたしはね……極力人間に似せて造られたの。機械でできてるのは骨格と一部の主要機関だけ。殆ど人間と同じなのよ。」
(;^ω^)「でも…そうなるとお姉さんはいったい何のために…?」
川 ゚ ー゚ル「あなたを更正させて欲しい…それが製作者の願いらしいわ。」
( ^ω^)「じゃあ…お姉さんを造ったのは僕の孫ってことかお…?」


川 ゚ ー゚ル「…違うわ」

 
494 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 17:19:28.92 ID:/6thABtJO
川 ゚ ー゚ル「確かにあたしはあなたの孫にあなたを更正させるように言われたわ。でも、それはただ製作者の願いを伝えられただけ。」
( ^ω^)「…でもそうなると…製作者ってのは一体…」
川 ゚ ー゚ル「…わからないわ。私にも…」
( ^ω^)「……」
川 ゚ ー゚ル「……」
(;^ω^)「き…気にすることないお!ロボットでもアンドロイドでもお姉さんはお姉さんだお!」
川 ゚听ル「……ブーン…」
( ^ω^)「…でも更正させるって…具体的には僕はどうすればいいんだお……?」
川 ゚ ー゚ル「あなたは…胸をはって自分の人生を誇れるような人間になりなさい!」
( ^ω^)「…はいお!」

( ^ω^)(……でも…僕が立派になったら…お姉さんの役目は終わる…そしたら…)

川 ゚ ー゚ル「?どしたの?」
( ^ω^)「な…なんでもないお!」

空は青く晴れ渡っていた。…しかし、ブーンの心には…一つの大きな雲がかかっていた…

第五話「秘密」終

 
508 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 17:47:27.66 ID:/6thABtJO
オマケ

(´<_` )「何もせずに強盗を捕まえるなんて流石だよな」
(´_ゝ`)「俺たちは結局何もしてないけどな」

 
511 ◆/MTtOoYAfo :2006/04/15(土) 17:52:23.44 ID:/6thABtJO
オマケ2

ξ゚听)ξ「賢しいだけの子供が何を言う!」
( ^ω^)「賢くて悪いか!!」
ξ゚听)ξ「映画版ZVだと"賢しくて悪いか!"になってるらしいわよ」
Σ(;^ω^)「マジかお!?」

 
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