850 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/24(月) 22:49:31.90 ID:qJ+AzO0B0
「噴水の前に皆様、お集まりください。もうすぐイベントがはじまります。」
どこからともなく、声がした。
(*゚ー゚)「ん?噴水って・・・私達が待ち合わせた場所よね?」
(´・ω・`)「そうだな。行ってみるか。でも、今日・・・イベントなんかあったか?」
不審に思いながらもショボンとしぃは2人が待ち合わせた噴水のある場所へ向かった。
その場所につくと、既にたくさんの人々が集まっていた。

その時。
誰かが叫んだ。

「通り魔だあああああああああああああああああああ!!噴水のほうへ逃げたぞおおおおおお!!」
「ちょっと!!誰が叫んでるの?」
これだけの人混みじゃ誰が叫んでいるのかわからない。
「通り魔ってどこ?ねぇどこ?誰かーーーーー!!」
「きゃあああああああああああああ!!」

人々はパニックに陥る。

―グサッ
(*゚ー゚)「な、なにか今音がしなかった?」

するとしぃの隣で突然人が倒れる。
腹部にはナイフが刺さっており、血が出ている。
そしてその人物は言った。

「こ・・・コイツだ・・・コイツが通り魔だ・・・・。」

指をさした先にはしぃがいた。
 

863 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/24(月) 22:59:25.96 ID:qJ+AzO0B0
(*゚ー゚)「あ、あたしアタシじゃないよ?!」
「そ、そういえば・・・聞いた事あるぜ・・・限定品のナイフってのは実は手に入らなくて・・・通り魔達の印なんだって・・・それで仲間を見極めてるって・・・。」

誰かが根も葉もないことを口にする。

「お・・・おれも噂で聞いたことある。」

噂。

「こ、コイツ・・・・限定品の身につけてるぜ・・・。」

しぃから周りの人々が遠ざかる。そして囲む。
隣には、ショボン。倒れている人物。

「お、お前が通り魔だな!!お、俺は勇気があるからお前を捕まえてやる!!」
男は身に着けていたサバイバルナイフを取り出し、しぃに向ける。

勇気。

「お、俺も・・・勇気ある男の1人だ!!」

また、1人ナイフを向ける。

勇気。
 

874 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/24(月) 23:07:07.51 ID:qJ+AzO0B0
(*゚ー゚)「ちょ・・・ちょっと・・・な、何言ってるの?私はただ、限定品がたまたま当たっただけよ。」
「じゃあ噂はなんなんだ!!隣に倒れてるのはなんなんだ!!」
(*゚ー゚)「し、しらないわよ。」
「おい、誰か警察を呼べ。俺がこの女を捕まえる。」

男はナイフをしぃに向けながら近づいてくる。

(´・ω・`)「やめろ!!」
ショボンがしぃの目の前に立ち手を広げる。
(´・ω・`)「なに根も葉もない噂に踊らされているんだ!!第一、勇気とかいってんじゃねぇ!ナイフなんか持ってるヤツにそんな事言う資格はない!」
「お・・・おまえそこどけよ!そいつは犯罪者なんだぞ!!」
(´・ω・`)「おれは・・・しぃを・・・・。」
(*゚ー゚)「しょ・・・ショボン君・・・・。」

―グサっ

(*゚ー゚)「あ・・・。」

しぃの背中にナイフが刺さる。

「お、俺は勇気出したぜ・・・犯罪者を懲らしめたんだ!!ヒーローだ!!」

他の男がしぃを後ろから刺した。

ショボンが後ろに振り向く。

振り向いたとき、そこにはしぃの無残な姿があった。

(´・ω・`)「しぃ?しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」


 

887 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/24(月) 23:10:25.07 ID:qJ+AzO0B0

(*゚ー゚)「ショ・・・・ボン・・・・・。」
(´・ω・`)「おい、しっかりしろ!」
ショボンはしぃを抱き上げる。
「へ・・・は、犯罪者の結末はこんななんだよ!」
(´・ω・`)「黙れ!!お前がしぃを刺した時点でお前も罪人なんだよ!!勇気だとほざくな!」
(*゚ー゚)「ショボン・・・ごめんね・・・私がドジだから・・・・。はは・・・・。」
しぃの瞳から涙がゆっくりと頬にかけて流れ落ちる。
(*゚ー゚)「わたし・・・死んじゃうのかな?ねぇ・・・?」
(´・ω・`)「そ、そんな事ない大丈夫さ!!救急車だってすぐくる!!」

生きろ。

生きてくれ。

(*゚ー゚)「もっと・・・・ショボンといたかったな・・・・。ごめんね・・・・・あたし・・・ドジでさ。昨日も靴を間違って履いちゃって・・・本当ドジだよね・・・・。」
(´・ω・`)「生きてくれ・・・・しぃ!諦めるな!まだ・・・俺とお前の・・・過ごした証は・・・・。」

ショボンはしぃを抱きしめた。

強く。

涙がいくら零れ落ちようが、誰が見ていようが構わなかった。

その笑顔が大好きです。

だから消えないで・・・・愛しき人よ。

これからももっと笑っていてください。
 

900 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/24(月) 23:15:09.94 ID:qJ+AzO0B0
病院の手術中の赤いランプが点灯している。
そこにブーンが駆けつけた。
(  ^ω^)「はぁ・・・・はぁ・・・・・本当かお?」
(´・ω・`)「・・・。」
コクリ。とショボンは椅子に座りながらうなずく。
(  ^ω^)「ツン、とかドクオは?」
首を左右に振るショボン。

下を向いたままのショボンから何かが落ちた。

涙。

(  ^ω^)「き、きっと大丈夫だお!!しっかりしろお!!!」
(´・ω・`)「なんで・・・・なんでしぃなんだ?何かしぃは悪いことしたか!!生きてても意味がないやつは他にたくさんいるだろ!!俺がちゃんと警察に話してしぃが犯人という誤解は解けたものの・・・・・・・。」
(  ^ω^)「ショボン、しっかりしろお!!お前が取り乱してどうするんだお!!」

悲しみは怒りに変わる。

そして数時間後・・・長く待った結果しぃが手術室から医師に連れられでてきた。
(´・ω・`)「し・・・しぃは?」
ショボンは医師に尋ねる。
「大丈夫ですよ。成功です。命に別状はありません。あとは少し様子を見るのが必要なので入院した方がいいです。」

その場でショボンは崩れ落ち、涙を流し続けた。


 

922 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/24(月) 23:26:18.19 ID:qJ+AzO0B0
病室でしぃを前にショボンが言う。
(´・ω・`)「通り魔の話・・・俺にも手伝わせてくれないか?」
(  ^ω^)「今はそんな事考える時間じゃないお。」
(´・ω・`)「ああ。そうだな。だが、俺は協力させてもらう。」

復讐。

そんな2文字が浮かびあがる。

(  ^ω^)「とりあえず、落ち着けお。これからだって、しぃは歩く練習しなきゃならないって先生言ってたお。」
しぃはもしかしたら、歩くのが難しくなるかもしれないので、少しリハビリが必要と医師に言われた。
(´・ω・`)「ああ・・・そうだな・・・・。しばらくは、しぃに付き添うよ。」

これから何が訪れるのだろう?

平和な日々かな。

飽きてしまうぐらい平凡な毎日。

この世界は・・・神様から見たらどんな風に見えるんだろう?

どんなものにも惑わされないくらい遠くから。

翼をつけて見て見たい。

この世界を。

そこからは何が見える?

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