103 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 21:38:21.42 ID:m9D8Id4v0
(・´ω`・)「ちょっと・・・今・・・来客中なんだが・・・いいだろう。」
門の前でおじいちゃんがブーンに言う。
(  ^ω^)「先客ですかお。」
(・´ω`・)「まぁ、お前も会っておいたほうがいいだろう。」
そしていつもの畳の部屋に案内されると見知らぬ顔が2人。
( ><)「おじいちゃん、その人は誰ですか?まさか・・・。」
川゚−゚)レ「ちょっと、ちょっとそれはないでしょ。おじいちゃんが敵を招くはずがないわ。」
(・´ω`・)「話していたブーンじゃ。」
川゚−゚)レ「ああ、チキンラーメンが好きな。」
( ><)「あ、あの、数週間で僕より勘が鋭くなったっていう?」
(・´ω`・)「それでもって頭が悪いな。」
(  ^ω^)「ちょwwみんな、言いすぎですお。」
その後、おじいちゃんに2人を紹介してもらった。2人はおじいちゃんの弟子でこれからについて話していたらしい。
(・´ω`・)「もう、ここは危険じゃ、別の場所を探したからな。ほれ。」
そういうと、おじいちゃんはブーンに地図を渡す。どうやら新しい隠れ家のようだ。地図のほかにも手紙があった。
(・´ω`・)「ちなみに、あと1人連絡がとれている弟子がいる。ソイツもそろそろ来ると思うが。」
( ><)「あと、山田オルタ教に侵入できたのはこの人です。」
指差す先には、この中で唯一の女性が。
川゚−゚)レ「ま、あたしに何でも聞きなさい。」

みんな、優しそうで楽しそうな人たちばかりだ。

そう、ブーンは心の中で思った。

 

107 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 21:49:05.19 ID:m9D8Id4v0
―ドクオ行き付けの喫茶店
('A`)「あー会えねーかなー。マジだりー。しぃもあんなになっちゃったしな。けど、ショボンが看病してくれるからいいよな。」
ドクオは昨日の事が忘れられず、また喫茶店に来ていた。彼女に会えることを願って。
('A`)「・・・。やっぱこねぇかな。」
ドクオが諦めかけたその時、その人物は来た。
「あ・・・やっぱり居たんですね。会えるかなと思って来ちゃいました。」
頬を赤らめながら、昨日出会ったその女性は言う。
('A`)「おお、景色はよくないがな。」
「すいません。」
('A`)「そういえばさ、本は読み終わった?」
「ごめんなさい・・・まだなんです。」

俺が昨日あれほど語ったのに?!

また読み終えてない?!

ドクオは思っていた。あれ程、語ったのだから頑張って全部読んでくれればいいのに。きっと自分が嫌いだから、俺の勧めた本など読みたくなくなったのだろう・・・と。
そして、今日は仕返しに来たのだ!!と思っていた。
('A`)「そっか・・・。」
―ハァ
深い溜め息をつく。
「よかったら一緒に新しく出来たデパート行きません?」
('A`)「え?」

 

111 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 22:00:05.33 ID:m9D8Id4v0
('A`)「いいけど・・・。」
「よかった・・・じゃあタクシーでも呼んで。」
('A`)「電車のがよくない?せっかくだし。景色も見たいでしょ?なんか、拘りそうだし。」
「そうですね、電車のがいいかもしれません。」
('A`)「うん、電車で行こうよ。」
ワクワクしながら、ドクオが女性の手を引く。こんな事始めてかもしれない。

('A`)「キップ代は俺が出すよ。」
そして、ドクオはデパートの場所行きのキップを二枚かう。
('A`)「次の電車だな。」

駅のホームで2人は並んで立っていた。

112 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 22:01:57.49 ID:m9D8Id4v0
('A`)「お、電車来たぜ。」
「あ、来ましたねっ。」
女性がドクオに微笑む。
('A`)「ここから3駅ぐらいか?」
電車に乗り込みながらドクオが女性に言う。

―ガタンゴトン、ガタンゴトン

電車は揺れる。

線路は続くよ。

どこまでも。

野をこえ 山こえ 谷こえて。

遥かな町まで僕達の

楽しい旅の夢、繋いでる。

リズムにあわせて僕達も

楽しい旅の歌、歌おうよ。

 

116 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 22:12:53.81 ID:m9D8Id4v0
―プシュー
駅に停車した電車が再び動き出した。
('A`)「次の駅か・・・。次の駅まで10分くらいか?」
車両の端っこにいるドクオが言う。
「ナ・・ナイフ・・・・」
車両のドクオと反対側の端から聞こえる。
('A`)「はぁ?ナイフ?」
すると、端っこから男が真ん中に歩いてくる。

その人物の手には・・・・・ナイフ。

「きゃあ・。」
「叫ぶな。」
叫ぼうとした女性に男がナイフを向ける。
「おまえら・・・この中に俺の仲間がもう1人いる。他の車両に逃げようとしたら刺す。」
('A`)「ちょっと・・・まてよ・・・。」
「それと向こう側から人が来たら、叫ばせるな。口をふさげ。騒いだら仲間が刺す。」

仲間はもう1人。

いるとしたらドクオ側か・・・反対側。

それとも自分達を動けなくするための嘘だろうか?

117 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 22:22:29.83 ID:m9D8Id4v0
「どうしよう・・・。ありえない・・・・。なぜ?」
一緒に乗った女性は隣で震えていた。というより驚いていた感じのほうが強かった。
('A`)「おちつけ。信じられないのはわかるが、それよりもくt・・・」

「全員、黙れ。」

('A`)「・・・。」
ドクオは考えていた。この狭い一車両だけハイジャックしたところでなにをしようという?
目的は?

「おまえら・・・よく聞け・・・。そして忘れるな・・・。俺は今からここで自殺する。その理由を聞いてもらいたい。」
男は突然冷静になり、周りを見渡す。そして何故か驚く。

「!!・・・おまえ・・・なぜそこにいる!?」

男はドクオの方を見ながら言う。

「くそう!!やはり駄目だったか!!電車でも・・・。お前ら覚えておけ!!山田は俺たch・・・。」

―ぐさ

「死ぬならさっさと死ねよ。キモイ顔して何理由とかほざいてるの?そんなの聞きたくねぇんだよ。」

そう言って男の持つナイフを腹に誘導し刺したのは20歳ぐらいの青年だった。
 

122 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 22:33:58.44 ID:m9D8Id4v0
「きゃああああああああああああああああああ!!」
誰かが叫んだ。
('A`)「おまっ!!なにやってんだ!!」
「は?おまえだってさ、こんなやつの自殺の理由なんて聞きたくないだろ?そもそも、なんで電車なわけ?」

青年は平然とした顔で語る。

「ちょww写メ、写メ!!警察とかほら、見せなきゃやばくね?」
「あ、確かに。証拠とかいうやつだろ?」
部活帰りだろうか?

男子中学生が携帯を取り出し、倒れた男性の写真を取り出す。

('A`)「お、おめぇら何やってんだ!!人が倒れてるんだぞ!!き、緊急停止だ!!」

平然とした男。写真をとりだす中学生。

どうなっているのだろう?

('A`)「おまえ・・・いい加減にしろ。」

ドクオは20歳の青年の服を掴んだ。

 

126 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 22:44:37.50 ID:m9D8Id4v0
「お、こっちも喧嘩?」
('A`)「おい、そこのガキ共!!携帯しまえ!!んで、黙れ!」
「何熱くなってるの?寿命縮むよ?」

―何熱くなってるの?

('A`)「お・・・おまえ・・・なんなんだよ?」
「なんなんだよ?って。人間だよ。笑わせるな。」
ハハハと青年はドクオを見ながら嘲笑う。
「おまえこそなんなんだよ?お前は仕事してるの?俺は世の中動かすために今日も頑張ってるんだけど。その手はなしてくれない?」
('A`)「お前・・・・・・・・。」
「お前なんか死んでも歴史には刻まれないんだろうなぁ。生きてた証はどこにも残らないんだろうね。」
('A`)「・・・・・・。」

―ガンっ

思い切り殴ってやった。

('A`)「お前の言ってることはあってるようであってねぇよ。俺達は助けてって言っても誰も助けてくれない世界で生きてるんだ。それでもやってんだ。お前みたいな心を持ってない人間に嘲笑いはされたくねぇなぁ。」
「・・・。は?じゃあ、お前はナイフを向けられてるヤツの自殺の理由を聞きたいわけ?そういえば、お前の方見て驚いてたよな、なんか関係あるの?」
確かにドクオの方を見ていたが、なんの心当たりもない。それに理由を聞きたくないが為に刺すのはおかしい。
('A`)「だからと言って刺すことはねぇんじゃねぇか?お前みたいなのばっかを相手にしてきて、吐き出せずに辛くなってああなったかもしれないだろ?」
「そんなの俺の知ったこっちゃないんだけど。」

―パシャ

('A`)「おまえら・・・いい加減写真取るのやめろや。」

「だって証拠。」

 

128 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 22:56:01.21 ID:m9D8Id4v0
しばらくすると、電車が駅につき、すぐさま警察と救急隊員が中に入ってきた。
('A`)「くっそ・・・・・・・・。いったいなんなんだ・・・・。」

悔しさで溢れていた。

目の前で広がった歪んだ世界に。

それとも自分がおかしいだけなのだろうか?

その後、ドクオ達は警察に取り調べを受けた。そして警察署から出て、ドクオと女性は出会った場所とは違う喫茶店にいた。
('A`)「・・・。わけわからねぇ・・・・。」
「・・・。。」

女性は安心している顔のような・・・けれどどこか哀しいような顔をしながらドクオの横にいる。

('A`)「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
―バンっ!!
テーブルを思い切りグーの手で叩く。
「落ち着いてください・・・。」
('A`)「なんでお前は冷静なんだ?嬉しいのか?」
「・・・。」
女性は黙ったままだった。
('A`)「・・・。悪かった。俺も言いすぎたかもしれん。」

ドクオと女性はその後、しばらく喫茶店で飲んでいた。
 

143 名前:1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY [] 投稿日:2006/04/25(火) 23:07:44.91 ID:m9D8Id4v0
―ブーンのアパートの周り
(  ^ω^)「ブーン!」
ブーンはおじいちゃんの手紙を読み終えた後、手を広げブーンをしていた。

輝き続ける太陽のある青空の下で。

(  ^ω^)「・・・・・。」

そろそろ前に進まなきゃいけないみたいだ。

理由とか、目的とかいらない。

勘でいいじゃないか。

必死でやれるなら。

(  ^ω^)「ブ―――――――ン!!」

その開いた左右の手に

希望の風が吹いている



 

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