121(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 20:26:15.04 ID:s0DpZTui0
また新しい朝が来た日の昼ごろ。
(  ^ω^)「隠れ家は・・・ここかお?」
見慣れ街へ来た。おじいちゃんの新しい住処だ。今度は前よりひっそりした感じの場所にあった。
しかし、以前と同じように屋敷みたいな家で、大きさも同じぐらい。門もちゃんとある。
(  ^ω^)「これじゃ、隠れ家じゃないおww」
そんな事を言いながら、ブーンは家のベルを押す。返事は来ず、しばらくすると、門が空く。
( ><)「おじいちゃんは中で待ってます。入ってください。ちなみに、返事がなくても門が開いたのはカメラで確認したからです。」
そして案内されるがままに中へ入っていくと仲間が前より1人多い事に気付く。
( ´∀`)「はじめまして。」
(  ^ω^)「はじめましてだお。」
川゚−゚)レ「これで全員ね。手紙にも書いてあるとおり、明日実行よ。」

(  ^ω^)「わかってるお。」
おじいちゃんから渡された手紙に書いてあったこと。それは、山田オルタ教本部への潜入捜査。
まずは、あの中に怪しい人物はいないか。とにかく調べられることは調べる。
(・´ω`・)「しかし・・・クーは前々から頭がよく働くのう。」
この計画を考えたのはクーというこの中で唯一女のおじいちゃんの弟子。
川゚−゚)レ「ふふ。女で体が弱いなら頭で勝負よ。」
( ´∀`)「はは。」
( ><)「すごいです。」

なんだかこの部屋に異様な雰囲気が漂っていると感じているのは・・・・

ブーンだけだろうか?

 
171(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 20:35:00.69 ID:s0DpZTui0
(´・ω・`)「ああその事か。勝手すぎて悪いがやめさせてもらうよ。」
(  ^ω^)「そうかお。」
(´・ω・`)「俺は復讐とか考えてた。そんな事したってどうにもならないのに。」

やったらやりかえす。それは無限ループ。

(´・ω・`)「だからやり返すんじゃなくて、防ぐことをしたらいいと思ってさ。俺は犯罪について勉強してみるよ。」
(*゚ー゚)「がんばって。」
病院のベッドの上でしぃが言う。どうやら、少し元気になったようだ。
(´・ω・`)「まぁ、あとはしぃのリハビリを手伝わんといけないがな。」
(*゚ー゚)「歩くぐらいすぐできるわよ!大丈夫。」
(  ^ω^)「頑張ってくれお。応援してるお。」

なんだかんだいってよかったと思った。

誰も巻き込みたくない気がしたから。

なぜ、自分がこんな事に巻き込まれたかなんてわからない。いつのまにか現在状況がこんなだったのだ。

けれど、この現実から逃げずに乗り越えてみようと思った。

(  ^ω^)「さて、ツンにでもメールするかお。」
ブーンはだんだんと使い方がわかってきた携帯を取り出し、ツンにメールを送る。
その後、家路についた。
―キィィィィィ
玄関を開ける。やはり、そこには誰もいない。
(  ^ω^)「結婚でもすれば、いいのかお?」
なんてわけのわからない妄想を膨らます。

その日、ツンからメールの返事が来ることはなかった。

 
211(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 20:44:21.95 ID:s0DpZTui0

―次の日(潜入の日)
(  ^ω^)「さて・・・ツンから返事来なかったお・・・。とりあえず、もう時間がないから行くお。」
本当は行く前にツンに会いたかった。けれど、もう集合時間の夕方。本当は家にでも行けばよかったのだけれど・・・。
そして、ブーンは仲間が集まっている場所へと自転車を漕いでいく。

―ドクオ行き付けの喫茶店
('A`)「明後日、ここに来てくださいって言われたけど・・・・なんだ?もう夕方だぜ・・・。」
ドクオは電車の事件があった日、眼鏡の例の女性から明後日ここで待っててくださいといわれたのだ。
昼ごろから来ているがもう夕方だというのに女性は来ない。

すると、その女性がやっと喫茶店に現れる。
「遅くなってすいません。大事な事だったので・・・・・調べておく事もあって・・・・その・・・・。あなたに言うか決断するのに迷ってました。」
('A`)「はっきり言いなよ。俺は怒ってないから。」
すぐ感情的になる男がよく言えたものだ。
「実は・・・・・・。」

そしてドクオは女性の話を聞いてびっくり仰天。

('A`)「はああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 
271(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 20:51:47.58 ID:s0DpZTui0
川゚−゚)レ「これで全員ね。じゃあ、夜の9時に潜入よ。」
( ><)「それまでどうするんですか?」
川゚−゚)レ「すぐそこのレストランでもう一度作戦の見直し。」
(  ^ω^)「みんな、ちゃんとやれお!」
( ´∀`)「お前もモナー。」

そして夜が訪れ、潜入の時間が刻々と近づく。

―都庁前。
「さて、俺達は仕事をサボって何をやっているのか。」
「・・・・・・。それよりその情報は確かなんですか?どこから仕入れたんですか?」
「長年刑事やってりゃあ情報網はいくらでもある。あとは勘だ。」
「そもそも、こんな夜に本当に出てくるんですか?ありえなくないですか?」
「出てくるは出てくるだろうよ。それも毎週この日、1人でガードもつけず出てくるそうだ。」
「・・・・・・。で、なにをしようと?」
「おまえは覚悟してきたんなら、俺についてこい。」

 
301(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:00:12.10 ID:s0DpZTui0
( ´_ゝ`)「さてさて・・・・・・あいつらも気付いてないでしょうね。」
「さすがだな、お前は私の中で一番のお気に入りだ。」
( ´_ゝ`)「ありがとうございます。しかし・・・残念ながらこの間・・・。」
「聞いている。きっと誰かに騙されて死んだのだろう。世界平和は素晴らしいものだ。」
( ´_ゝ`)「はい。あと、もう1つ。もう1人、仲間を拉致するつもりだったのですが・・・・連絡が取れずにいます・・・。」
「心配するな。正義は勝つ。」

正義は・・・・勝つ。

―場面変わってブーン達
( ><)「こ・・・・ここから潜入ですか?」
川゚−゚)レ「あんた黙りなさい。」
小声で仲間達は会話をする。そして、クーの進む方向に音を立てずにゆっくりと着いていく。
( ´∀`)「なんだか怪しい雰囲気が漂ってるな。」
(  ^ω^)「で?教祖様が誰にも見せない秘密の部屋ってのはどこだお?」
川゚−゚)レ「静かに。」

クーはそういうと何かの部屋の入り口のドアの前で止まる。

 
311(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:01:26.56 ID:s0DpZTui0
川゚−゚)レ「私がドアを開けるから、すぐに中に入って。いい忘れた事があるから言うわ。」
(  ^ω^)「ここで言えばいいお。」
川゚−゚)レ「この部屋の中のが安全なのよ。計画ももう一度確認よ。」
( ><)「わかりました。」

―キィ

ドアが開く。

そして、ブーン達は部屋の中へとすぐに、入っていった。

クー以外は・・・・全員。

部屋の中へ入っていった。

―バタン

( ´∀`)「あれ?クーは?」
( ><)「クーさんが入ってないのにドアを閉めちゃ駄目です!!」
―ガチャガチャ
(  ^ω^)「あれ・・・おかしいお?ドアが開かないお?」

ドアが・・・開かない。

 
351(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:10:59.34 ID:s0DpZTui0
するとドアの向こう側から声がした。
「私達を疑っていたのはコイツらです。」
クーだ。
「・・・・・・正義を疑うとは・・・・最低の愚民共だな。悪だ!!」
これは・・・どこか聞き覚えのある声だ・・・。
(  ^ω^)「ク、クー?どういうことだお?」
「私はあんた達のスパイよ。ジジイの弟子として修行したわ。女だから厳しくされることもなかったわ。ハハハ。」
(  ^ω^)「・・・。」
「あとは、全員の経歴についても調べたわ。趣味までね。あんたがチキンラーメン好きって事も。」
( ><)「チ、チキンラーメン好きなんですか?」
「正義を疑った罰よ。」

クーが言った。

―ガガガガガガガガ
( ><)「・・・・ちょっと・・・・これは・・・・映画でみるような光景です!!」
左右の壁が狭まってきている。
「押しつぶされて死ぬがいい。」
この声は・・・・・・。
(  ^ω^)「兄者かお!!」
「ふっ。そうさ。それと、俺が通り魔だってわかったな。ちなみにクーも通り魔だ。あとは、お前の友達のドクオにも通り魔がスパイとして行っているはず。今頃ドクオは殺されたんじゃないか?」
(  ^ω^)「な、なんの為だお!!」
―ガガガガガガガガガ
「教祖様のいう事に従ったまで。もちろん、そっちの情報を得る為でもある。そして、人質として捕らえるため。今頃ツンという女は大変なことになっているぞ。そこの2人の仲間もな。」
( ><)「僕の友達も拉致されてるんですか?」
「そんな事より、自分の身の心配したら?」
クーが冷めた口調で言う。
―ガガガガガガガガガガ

壁は狭まる。

 
431(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:21:18.69 ID:s0DpZTui0

(  ^ω^)「なんでこんな事をするんだお!!」
返事はない。
―ガガガガガガ
( ><)「くしゃくしゃになって死ぬんですか?」
( ´∀`)「・・・・・・。」
( ><)「いやです。いやです!!こんな所で死にたくないです!!!!」
( ´∀`)「し・・・・しにたくない!!いやだ!!!死にたくない!!」

徐々に壁は僕らに近づいてくる。

目の前に立ちはだかった壁に僕らは押しつぶされてしまうのだろうか?

ここで人生諦めるのか?

たった一枚の壁に?

(  ^ω^)「・・・・・ツン。」

彼女の姿はもう見れないのだろうか?

「ちょっとまてぇえええええええええええええええええええええええええ!!!」

声がした。


 
491(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:31:05.73 ID:s0DpZTui0
('A`)「はぁはぁはぁぁはぁ。てめぇ、ドア開けろや。」
ドクオの声だ。
( ´_ゝ`)「な、なぜお前が?」
「あたしが・・・教えたの。全て。潜入するところを殺すっていうのも聞いていたから・・・。」
ドクオの後ろから1人の女性が現れる。そう、眼鏡の女性だ。

川゚−゚)レ「あ、あなた・・・・ドクオを捕まえてくるように言ったじゃない!!」
「もう・・・アタシは現実から逃げない。世界平和と言っているけれどここは金を取っているだけじゃない。」
( ´_ゝ`)「な、なにを言っているんだ?ちゃんと仕事にも就かせてもらえる約束もしてもらっているじゃないか!!」
川゚−゚)レ「そうよ。教祖様のおかげで歌手、モデル、俳優、スポーツ選手・・・・たくさんもの人たちが夢を叶えられたのよ!!」

夢。

「・・・・・・・。なんか違う気がするの。」
( ´_ゝ`)「何が違うんだ!!」

平和。

それはそんな簡単に語れるものではない。

けれど誰もが心の底から祈っていること。

今日も誰かがどこかで涙を流しながらも歩いている。

「私は・・・この山田オルタ教を信じてきたけど、この間私達と同じ幹部が電車で自殺したの。」
('A`)「ソイツ、かなり思いつめてた顔してたぜ。人を殺す宗教なんて間違ってると思わないか?」
( ´_ゝ`)「せ、世界平和のためには多少の犠牲も必要だ!!」
('A`)「なんでそれが関係ないショボンやしぃまで傷つく結果になるんだよ!!!!!」

なにが真実でなにが嘘?

 
521(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:38:29.18 ID:s0DpZTui0
('A`)「その自殺したヤツみて、コイツも話す気になったみたいだ。」
「・・・。」
女性は何も話さずに黙っている。
('A`)「さぁそのドアを開けろ。」

―ガガガガガガガガガガガガガガ

ブーン達の部屋からは声が聞こえない。
( ´_ゝ`)「ふ。あと、3分程でブーン達は死ぬ。鍵は渡すものか。」
('A`)「てめぇ。」
ドクオは兄者首元をつかむ。
( ´_ゝ`)「ふっ。暴力で解決か?」
('A`)「人を殺した奴が言えることか?」

―カチャ

川゚−゚)レ「撃つわよ。その手を離しなさい。」

クーがドクオに銃を向ける。

―ガガガガガガガガガガ

壁は狭まる。

 
611(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:48:32.45 ID:s0DpZTui0
川゚−゚)レ「さぁ・・・・離しなさい。」
「あ・・・・・・・・・あなた、その銃を・・・・は、離しなさい!」
('A`)「!!おまえ・・・そんなもの持ってきたのか・・・。」
女性がクーに銃を向ける。
川゚−゚)レ「・・・。ふっ・・・このままでいれば彼らが壁に押しつぶされて死ぬ時がくるわ。」
('A`)「眼鏡、何があっても絶対・・・撃つんじゃねぇぞ・・・。」

―ガンッ

ドクオが兄者を力の限り殴る。

( ´_ゝ`)「gふぁおdf」
川゚−゚)レ「くそっ!!死になさい!」

ーパンっ、パンッ、パンッ

銃弾が3発。

ドクオは伏せるが間に合わずに銃弾が肩にかすれる。

「ちょっと・・・私はどうすれば・・・・。」
女性が慌てる。

('A`)「鍵あったぞ!!!」

ドクオが鍵を兄者の服から見つける。

川゚−゚)レ「この女がどうなってもいいの?」

クーの銃口は眼鏡の女性に向けられた。

 
661(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 21:55:12.69 ID:s0DpZTui0
('A`)「て・・・てめぇどこまできたないんだ?」
川゚−゚)レ「これも教祖様の為よ。世の中で正義を疑うものは罰さなければいけないの。」
('A`)「人を殺して何が正義だ・・・・。」
川゚−゚)レ「ふ・・・教祖様の世界平和計画はあなたみたいな凡人には理解できないでしょうね。ちゃんと教祖様には世界平和のシナリオがあるのよ。」

―ぱんっ

川゚−゚)レ「うl・・・。」

クーの身体に銃弾が撃たれた。

「ごめんドクオさん・・・アタシも所詮人殺しなの。せめて最後には人の助けになりたかった。」

('A`)「・・・・・。撃つなって・・・いったじゃねぇか・・・・。これ以上・・・罪を重ねてどうする?」
「ごめんなさい・・・。でも、アナタの為を助けたかった。だってワタシあなたが・・・。」
川゚−゚)レ「く・・・・そ・・・・・。」

―がちゃがちゃ

ドアを開ける。

しかし通路は1人が通れるほどの狭さにまで狭まっていた。

('A`)「おまえら、早くでてこい!!」

ブーン達は走ってドアの向こう側に出る。

ブーン、モナー・・・そして・・・。

( ><)「せ・・・狭くてすす・・・めないです・・・・。」

 
711(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/26(水) 22:07:06.94 ID:s0DpZTui0
(  ^ω^)「が、がんばれお!!」
('A`)「テ、テだ!!引っ張れ!!!」
―ガガガガガガ
( ><)「もう・・・無理です・・・・。」
目から涙がポロポロと落ちていく。止まることなく・・・。
( ´∀`)「諦めるな・・・。」

諦めるな。

限界が来るまで。

息絶えるまで。

目の前に差し伸べられた手を。

希望を信じろ。

そして掴むんだ。

 
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