75 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:12:13.56 ID:j8yUO/Ga0
―ピーチクパーチク
何事もなかったかのようにまた一日が始まろうとしている。
( ^ω^)「うはぇ・・・体が・・・あああ・・・。」
(・´ω`・)「動かんか?」
布団の横におじいちゃんが立っていた。
ブーンは一瞬驚くがすぐに、正常心を取り戻す。
( ^ω^)「う、動くお!!」
けれど、正直体はかなり重たい。
(・´ω`・)「ま、じゃあ今日は木を殴れ。」
( ^ω^)「?」
(・´ω`・)「素手で木を殴って拳を鍛えろ。タダなんだし。」
そして、朝飯を食った後、ブーンは大樹のある場所へと連れて行かれた。
80 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:23:49.62 ID:j8yUO/Ga0
大樹は少し窪んでいるように見えた。
( ^ω^)「この後は・・・。」
(・´ω`・)「そこ、そこ殴り続けろ。一時間ね。」
( ^ω^)「ちょwww」
(・´ω`・)「さっさとせいやああああああああああああ!!・・・タダなんだし。」
―パスっ
(・´ω`・)「もっと強く。」
( ^ω^)「い・・・いたいお!!」
(・´ω`・)「もっと強く。」
またおじいちゃんから強烈なオーラが発せられる。
―パスン
(・´ω`・)「弱くなってるぞ!!」
―ポス
―バスっ
―バスっ
―パシュ・・・
その後もブーンは大樹を殴り続けた。
81 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:24:34.68 ID:j8yUO/Ga0
>>80 後 ×
跡 ○
83 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:29:55.44 ID:j8yUO/Ga0
( ^ω^)「はぁ・・・はぁ・・・拳が・・・やばいお・・・・。」
けれど殴る事に集中していたら、やめようとする気持ちとか、諦める気持ちが薄れてきていた。
ひたすら殴り続けた。
―バスっ
―ガンっ!!
( ^ω^)「いっ・・・。」
―パス・・・
―バンっ!
―バンっ
―ガンっ!!
あと何分だろう?
―パスっ
―ガンっ!
―ガンっ!!
( ^ω^)「はぁはぁ・・・。」
握った掌は汗まみれになっていた。そして拳は熱かった。
( ^ω^)「もう手が・・・手じゃないお・・・。」
そこにあるのはもう、一時間前のブーンの手ではなかった。
84 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:35:51.14 ID:j8yUO/Ga0
(・´ω`・)「よし。終わりだ。」
( ^ω^)「はぁはぁ・・・別にボクサーになりたいわけじゃ・・・。」
(・´ω`・)「考えるな。ただ、体だけ使って動け。」
( ^ω^)「そんな僕は能無しじゃあ・・・。」
(・´ω`・)「今のお前の脳はあろうがなかろうが使い物にならんよ。」
おじいちゃんは真剣に語りだす。
(・´ω`・)「ここに来たからには、お前に成長してもらわんと困るな。」
( ^ω^)「なんだか僕もここに居たくないのに中々帰れないお・・・。何故か・・・。」
(・´ω`・)「なんだか、お前の未来はすごいことになりそうな気がするからな。」
( ^ω^)「すごいこと・・・。」
―すごいこと
その言葉が妙に心の片隅にずっと残っていた。
85 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:44:10.64 ID:j8yUO/Ga0
('A`)うへっ。あはっ。
86 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:44:26.38 ID:j8yUO/Ga0
(・´ω`・)「さて、じゃあ、お前には買い物に言ってきてもらう。タダなんだし。」
そう言って財布とメモを渡された。
(・´ω`・)「少なくとも10km先までね。走っていってきな。」
( ^ω^)「ちょwww無理www帰りとかどうするんだおww」
(・´ω`・)「レシートで場所はわかるんだからね。ずるしたらだめだよ。タダなんだし。」
( ^ω^)「ぐへ・・・。帰りたいお・・・。」
(・´ω`・)「帰れば?」
帰りたい。
そう思って体を家に戻らせようとした。
けれど、思うように動かない。体のどこかが家に帰らそうとしない。
まるで何かに操られているかのように。
( ^ω^)「わかったお・・・。」
そうして、ブーンは10km先のスーパーを目指して走っていった。
90 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 22:57:09.22 ID:j8yUO/Ga0
( ^ω^)「はぁはぁはぁ・・・。」
こんなに走るのは何年ぶりだろう。
汗が流れ落ちる。
太陽が眩しい。
人は・・・人生をどのくらいのスピードで走っているのだろう。歩いているのだろう。
時代という道の上を。時代という風の吹く道を。
息抜きしながら進まないと死んでしまうだろう。
だからと言って・・・
( ^ω^)「へらへらしながら歩いてても・・・。」
ブーンは走るスピードを上げた。
死ぬまで走ってみよう。
92 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 23:04:49.48 ID:j8yUO/Ga0
( ^ω^)「スパ・・・スパ・・・スぅ・・・スゥ・・・スゥ・・・スッパー・・・・スーパーについたお。」
今にも倒れそうだった。
とりあえず、自動販売機でスポーツドリンクを買う。
―ゴックゴックゴクゴクゴク
( ^ω^)「はぁ・・・はあ・・・汗が・・・・やばい・・・お・・・。」
しかし、よくここまで走れる体力が怠けずに残っていたものだ。
( ^ω^)「人間ってすごいお。」
人間は未知の生物だ。
どんな場面でも確かな可能性を秘めている。
( ^ω^)「さて、えっと・・・。」
渡されたメモを見ながらスーパー内のいろんなコーナーを物色しながら買い物かごに入れる。
( ^ω^)「これと・・・。」
しばらくしていると怪しい少年を見つけた。
整髪料を売っているコーナーで怪しい動きをしている。
万引き?
94 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 23:08:22.78 ID:j8yUO/Ga0
なんだか、面白半分でその少年をブーンはひっそり見ていた。
( ^ω^)「まさか・・・万引きなんて・・・。」
―カサっ
( ^ω^)「!!」
少年は目の前にある整髪料を持っているバッグの中に入れた。
確かに入れた。こっそりと。
( ^ω^)「お、おまえ!!」
ブーンが叫ぶと少年はすぐに出口に向かってダッシュしはじめた。
( ^ω^)「ちょ、待てお!!!」
しかし、10km以上走ったブーンは今になって疲れが襲ってきた。
( ^ω^)「ま、万引きだお!!!」
思い切りさけんだ。
そして少年を追った。
95 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 23:16:55.02 ID:j8yUO/Ga0
少年はブーンの叫び声を聞いた店員に止められたようだった。
( ^ω^)「はっぁ・・・はぁ・・・よかったお。」
店員「ちょっとバッグの中身を見せてくれるかな?」
少年「僕じゃない・・・違うよ・・・あの人が・・・僕のバッグに入れろって言ったんだ。なのに・・・僕のことを・・・。」
少年はブーンを指差す。
( ^ω^)「なんで僕なんだお!!」
店員「とりあえず、俺と一緒にこっち来てくれるかな?あと、そこの人も来てくれますか?」
( ^ω^)「・・・え・・・わ、わかりましたお。」
そして、ブーンは少年と共にスーパーの一室へ連れて行かれた。
少年のバッグを店員が探る。
店員「これは・・・うちの商品だよね?買ってないよね?」
少年「はい・・・。で、でも・・・そいつが・・・」
そして少年はまたブーンを指差す。
( ^ω^)「いい加減にしろお!!自分の罪を認めろお!!」
店員「大丈夫です。わかってます。この子は前にもうちの店で万引きをしたことがあるので。」
( ^ω^)「おまえは・・・どんだけ馬鹿なんだお!!」
しかし、少年はブーンの言葉など聞く耳も持たない様子だった。
98 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 23:28:22.18 ID:j8yUO/Ga0
店員「じゃあ、帰ってもらって結構です。ありがとうございました。」
店員はブーンに向かって言った。しかし、納得が出来なかった。
( ^ω^)「もう少し、コイツと話を・・・・。」
店員「これは店側の問題ですので他のお客様に迷惑をかけるわけには行きません。ありがとうございました。」
なんだか馬鹿にされている気分だった。
そしてブーンはしょうがなく部屋を出て行く。そして、メモにある買い物を済ませた。
( ^ω^)「・・・・少年犯罪とか・・・以外に身近に広がってるんだお・・・。」
ショボンをあんな風にしたのも。
まだ幼い少年達だったりするのだろうか?
もしそうだったらなぜ?
( ^ω^)「大人達は・・・なにをしてきたんだお?」
買い物袋をぶら下げながら、アホ面を夕日に向けながら言った。
あと何度出会うだろう?この人生で。
―アホーアホー
カラスが鳴く。
今日の日が終わる。
ブーンは買い物袋を手に屋敷のあるほうへと向かって走り出した。
100 :1(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY
:2006/04/20(木) 23:28:52.59 ID:j8yUO/Ga0
今日はここまでです。読んでくれた方々、ありがとうございました。
これからも、レスがある限り、書き続けようと思います。
みなさん、お疲れ様でした。今後ともよろです。ノシ