1601(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 20:16:34.89 ID:lG2gP89O0
そしてブーンは名前も知らないおじいちゃんの屋敷のような道場でスパルタ的修行をやり続けた。
なぜかその間ずっとおじいちゃんの屋敷に泊まらせてもらっていた。居候というのかもしれない。
ブーンの体、精神は日々強くなっていった。そして数週間がたったある日。

(  ^ω^)「あちょおおおおおおおおおおおおおお!!たぁ!!たぁ!!」
(・´ω`・)「おい、ちょっと話があるから来なさい。タダなんだし。」
数週間経ってもタダなんだしの皮肉が消えることはなかった。
(  ^ω^)「おちょおおおおおおおおおおおおおおおおお!!はぁ!たぁ!!」
(・´ω`・)「おい。」
おじいちゃんからオーラが発せられる。

しかし、初めて会った時に感じたオーラよりかなり弱くなっている気がした。

ブーンが成長したのか。

おじいちゃんが弱く・・・?

(  ^ω^)「なんですかお?」
(・´ω`・)「じゃから、話があると言っておるじゃろお。まずは、ここにあがれ。」

そう言っておじいちゃんは畳の部屋を指さした。

 
1621(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 20:26:29.67 ID:lG2gP89O0
(  ^ω^)「話ってなんですかお?金の事かお?今更遅いお。払えって言ってもこの鍛えられた足で逃げるから無駄だお。」
(・´ω`・)「金の事ではない。お前に頼みがある。お前はワシにとって最後の弟子だ。」
(  ^ω^)「ちょwww弟子ってwww弟子になった覚えはないお。」
(・´ω`・)「いいや、お前はワシの弟子だ。いや、かわいい孫・・・息子同然だ。」
たった数週間しか経っていないのに。何か不思議に思った。焦っているようにも思えた。
(  ^ω^)「・・・とりあえず、その頼みってのだけ聞いておくお。」
(・´ω`・)「そうだな・・・実は・・・今、日本がある宗教にコントロールされようとしている。」
(  ^ω^)「宗教ごときの分際で日本がコントロールできるはずないお。大げさだお。」

「ふぅ・・・。」

おじいちゃんは一呼吸おいてからブーンに語りだした。
謎の宗教、山田オルタ教について。
(・´ω`・)「山田オルタは表向きは、普通の宗教だ。平和をこよなく愛するな。」
(  ^ω^)「平和は大切だお。それでいいじゃないかお。」
(・´ω`・)「だが、裏は違う。国民達をマインドコントロールしようとしている。」
(  ^ω^)「ちょwwwそんな漫画みたいな話ありえないおwwwそれにそうだとしても、そんなに簡単にはいかないはずだお。」
(・´ω`・)「あぁそうだな。そうだといいんだが・・・最近妙に胸騒ぎがしてな・・・ワシの能力も・・・。」
(  ^ω^)「能力?」

おじいちゃんはもごもごと口を濁らせた。


 
1631(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 20:34:40.49 ID:lG2gP89O0
(  ^ω^)「まぁ、詳しいことはあんまり聞かないようにするお。で、僕にどうしろっていうんだお?」
ブーンはどうせ、老人のボケがはじまったのだと思っていた。とりあえず、話だけ聞いてやろうと思っていた。
そもそも、日本中が宗教ごときに簡単にコントロールされるはずがない。どんな風にしたら1億何千万という数の人間を操れるのだ。
(・´ω`・)「ごほごほ、まぁ・・・今までワシの育ててきた弟子もその宗教の実態を調べる為に動いてくれていたんだ。」
(  ^ω^)「なら、その人たちに・・・。」
(・´ω`・)「消えたり、逃げたりさ。行方がわからん。連絡がとれるのは数人だけだ。」
(  ^ω^)「じゃあ、数人に。」
(・´ω`・)「お前は何かやってくれそうな気がするんだよ。」

映画とかで聞きそうな言葉だった。

―お前は何かやってくれそうな気がする

僕はただ、なんとなく、何気なく、たいした理由もなくここに来ただけ。

そしてまた平凡な日常に戻るだけ。

彼女を見つけて、結婚して、子供を生んで・・・共に生きた人達の記憶という小さな歴史に刻まれるだけの人生を送るのだ。

(  ^ω^)「・・・わけわからないお!!もう、ここを出て行くお!!そんな夢見たいな事言ってるあんたの方がよっぽど変な宗教だお!!」

そう言い残して、ブーンはおじいちゃんの元を出て行った。


 
1641(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 20:44:51.59 ID:lG2gP89O0
―カシャ、カシャ
何週間ぶりかに自転車を漕ぐ。

風が気持ちいい。

(  ^ω^)「ったく老人のボケにはついていけないお。」
陽の光に照らされながらブーンが言う。そして、家に帰る前にドクオと出逢ったコンビニによる事にした。
(  ^ω^)「さて、久しぶりにチキンラーメンでもっ♪」
すると、ブーンの視界前方に見覚えのある顔が。
(´・ω・`)「おっはー。」
(  ^ω^)「ちょwwショボン!!」
どうやら無事に退院できたようだ。傷もぱっと見何もない感じで目立っていない。

心の中にかかった暗雲が少しとれた気がした。

(´・ω・`)「おまえどこ行ってたんだ?家に言っても、携帯鳴らしてもでないし。」
そういえば、携帯を家に置いたまま出てきてしまった。
(  ^ω^)「ちょっと修行してたお。」
(´・ω・`)「修行?」
(  ^ω^)「内緒だお。」

そして、2人はチキンラーメンのコーナーへ。

 
1661(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 20:55:16.18 ID:lG2gP89O0
(´・ω・`)「そういえば、今日、ドクオとツンが退院祝いに飲み屋で祝ってくれるらしいんだが、飲みに来ないか?」
(  ^ω^)「ツン?」
(´・ω・`)「あ、いや、まぁ、うん、ツンと言ってたな。」
(  ^ω^)「まあいいけどお。俺が行ってもいいのかお?」
(´・ω・`)「もちろん。じゃあ、夜に酒村(居酒屋の名前)に集合な。」
(  ^ω^)「把握したお。」
そして、ブーンは新しく出た新商品のチキンラーメンを手に取る。ショボンはアイスコーナーを見ていた。
そういえば、しぃは?そんな疑問を頭の中で浮かべながら、レジに並ぶブーン。

店員「温めますか?」
(  ^ω^)「ちょww温めるものなんて無いおwww」
店員「貴方の心のことです。」
(  ^ω^)「・・・。」
店員「失礼しました。」
そして、会計をすませた後、ショボンとちょっと言葉を交わし、コンビニの外へと出て行った。

待ち合わせまであと3時間程。

 
1671(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 21:04:42.55 ID:lG2gP89O0
家に帰ってメールをチェックしたり、チキンラーメン食べたり、チキンラーメン食べたり、チキンラーメン食べたり、テレビを見たりしていたら
待ち合わせの時間まで後30分程になっていた。
(  ^ω^)「WOW!!時が過ぎるのは早いものだお。そろそろ準備をするかお。」
準備と言ってもそれほど用意するものはない。なんとなく、勘でこれだと思ったものを無造作に持っていった。
(  ^ω^)「はぁ・・・。」
なぜだか気が重かったが、久しぶりに旧友達と集まるのだから、思い切りはじけようと思った。

そして、酒村に着く。

―ガラガラガラ

戸を開けるが、まだ誰も来ていないようだ。時計を見ると10分前だった。
(  ^ω^)「みんな、遅いお。ったく遅刻魔ばっかだお。」
そして、5分前に仲間の1人が来た。

ξ゚听)ξ「あ。」

ツンだった。


 
1701(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 21:15:12.07 ID:lG2gP89O0

ξ゚听)ξ「ちょっと・・・え?ドクオとショボンって聞いてたけど・・・遅刻魔のあんたがなんで・・・?」
(  ^ω^)「ちょwww一番早く来たのは僕だおww別にいたっていいじゃないかお。」
ξ゚听)ξ「べ、べつにいなくたっていいんだから!!」
(  ^ω^)「とりあえず、座れお。」
いつになく冷静だった。ブーンとツン。この2人を語るには2人の学生時代に遡る事になる。
そのうち語られるであろうこの物語は、ここでは話さないようにしておこうか。
ξ゚听)ξ「ったく・・・ほんと・・・びっくりはしてないからね!!」
(  ^ω^)「・・・。」
店員「なににしますか?」
ξ゚听)ξ「あと、2人くると思うので、もうちょっと待ってもらえますか?あ、水だけください。」
店員「わかりましたー。」

そして待ち合わせから数分後、ショボンが到着。
(´・ω・`)「待った?」
遅れて数十分後に慌ててドクオが来た。
('A`)「はぁはぁ・・・みんな、早ぇよ。」

お ま え が 遅 い ん だ よ 。

と、全員心の中で突っ込んだ。

 
1721(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 21:22:42.77 ID:lG2gP89O0
(  ^ω^)「じゃあ、ショボンの退院祝いに乾杯!!」
('A`)「かんぱーい。」
ξ゚听)ξ「乾杯!!」
(´・ω・`)「かんぱい。」
4人はジョッキを笑顔で触れ合わせた。乾杯をした。
('A`)「さて、ここで!!特別ゲストの登場です!!」
ドクオがいつになくハイテンションでその場に立ち拍手をはじめる。
(´・ω・`)「特別ゲスト?」

―パチパチパチパチ

ツンが拍手をする。そして、ブーンに「あんたもやりなさい!」と小声で命令する。
居酒屋の入り口の戸が開く。

見えたのは・・・・しぃだった。

(*゚ー゚)「ショボン君、おめでと。」

 
1731(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 21:27:29.17 ID:lG2gP89O0
ショボンは驚いているのか、なんともないのか顔を見る限りは何もわからなかった。その顔からは何も読み取れなかった。
(´・ω・`)「・・・。ああ、ありがと。」
(*゚ー゚)「はい、プレゼント。」
(´・ω・`)「そんな・・・どうも。」
けれど、なんとなく頬が赤く染まっているように見えた。
(´・ω・`)「なんだよ、特別ゲストじゃなくていいじゃないかよ。」
ξ゚听)ξ「別に特別ゲストだっていいじゃない。」
('A`)「すいませーん、ビールもう一つお願いします。あと、焼き鳥も!」

そして、もう一度乾杯をした。

('A`)「しっかし、通り魔・・・犯人まだ捕まらないんだってな。なんか臭いぜ!」
ξ゚听)ξ「なーに、刑事ドラマみたいなこと言ってるのよ。警察が無能なだけよ。」
(*゚ー゚)「とにかく、ショボン君が無事に退院できてよかった。」
(´・ω・`)「しかし、被害者がこれ以上でないためにも犯人は捕まって欲しいもんだな。
(*゚ー゚)「でも、最近は被害者が出てないみたいよ。」
('A`)「ほぉー。」

―シャムシャム

4人の会話を小耳にいれつつ、焼き鳥を頬張るブーンだった。

 
1741(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 21:38:07.13 ID:lG2gP89O0

(  ^ω^)「とりあえず、犯人は警察にまかせればいいお。ま、僕がみつけたらぼっこぼこだけどお!」
ξ゚听)ξ「あんたに何ができるのよ。」
冷めた目でツンがブーンに言う。
(  ^ω^)「僕は強くなったんだお!!」
そして、体についた筋肉をツンに見せる。
ξ゚听)ξ「それ脂肪でしょ?」
('A`)「ははははwww」
(*゚ー゚)「(笑)」
(´・ω・`)「ww」
(  ^ω^)「ちょwww違うおwww本物だおwww」
ドクオ達が笑う。酔いしれながら。みんなのテンションは徐々に上がっていった。

そんな中、ショボンがツンが首からぶら下げているアクセサリーに目をやる。
(´・ω・`)「ツン、そのぶら下げてるの珍しいな。」
ξ゚听)ξ「そう?今、流行ってるのよ。サバイバルナイフ。」

サバイバル・・・ナイフ・・・?

―みなさんも、サバイバルナイフを持てば、きっとモテるんじゃねいですか?イッケーと一緒だから。

いつしか、テレビのインタビュアーが言っていた言葉がブーンの脳裏に浮かび上がった。

 
1751(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/21(金) 21:47:37.90 ID:lG2gP89O0
('A`)「俺もつけてるぜ、ほら。」
ドクオはジーパンの腰の部分をみんなにみせる。確かに腰のとこからサバイバルナイフのようなものがぶら下がっていた。
(*゚ー゚)「あたしも買おうとしたんだけどさ、流行のデザインが売り切れなんだよねー。」
(´・ω・`)「そんな物騒なものをつけるのが流行ってるのか。」
ξ゚听)ξ「別にイッケーがつけてるから、みんなつけてるだけよ。ファッションとして。」
(´・ω・`)「ファションとして・・・ねぇ。」
不思議そうな顔をしてショボンが言う。

そして、テンションが絶頂に達したドクオがこんな事を言い出した。
('A`)「日本中のみんなが、流行でサバイバルナイフ持ち歩いて、なにかの拍子にバトルロワイヤル見たいになったりしたら映画みたいだなwwww」

バトルロワイ・・・ヤル・・・

ぞっとしたのは・・・ブーンだけだったのだろうか?

ドクオのその発言にみんなは酔いがまわっているせいなのか、笑っているだけだった。



 
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