5371(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 18:34:18.60 ID:+pZyMkPn0
ξ゚听)ξ「あーおしいかった。」
2人は目の前に用意された料理を全て食べきった。
(  ^ω^)「久しぶりにこんなおいしい料理食べたおw」
ブーンはかなり御機嫌の様子だった。
そして、この後どうするかという方向に話題が進む。
(  ^ω^)「・・・え、いや・・・か、お互いの家に帰るんじゃないかお?」
ここぞって時に勇気がでないブーンはこんな事しか言えなかった。
ξ゚听)ξ「そ、そうよね・・・!」
沈黙が続く。そして、ブーンは自分に呼びかけた勇気を出せと。
(  ^ω^)「ちょっと・・・いいかお?」
突然、彼はその場を立ちツンの横に座る。
ξ゚听)ξ「ちょっと・・・な、なによ!」

―ちゅ

一瞬だった。

ほんの一瞬。

ツンのやわらかいほっぺたにちょこっとだけブーンのくちびるが触れた。

ξ゚听)ξ「え・・・え?」
戸惑うツン。
(  ^ω^)「。・あなsdふぁlsfだl;k;!!な、なんでもないお!!ご、ごめんだお!!!」

ブーンは何故だかツンに謝り続けた。

それだけ衝動的なものだった。



 
5401(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 18:43:10.35 ID:+pZyMkPn0
帰り道・・・2人の間になんともいえない雰囲気がまとわりついていた。
ξ゚听)ξ「・・・そ、そういえばさ!!今日、なんか面白い番組あったっけ?い、いつも家で1人だから寂しいんだよね!!」
(  ^ω^)「・・・ええ??ぼ、僕あんまテレビみないからわ、わからないお!!」
ξ゚听)ξ「そ、そうよね!あんた、流行とかついていけないもんね!今、流行のサバイバルナイフだって。」
なにに動揺しているのかまったくわからない。どこか不安定な・・・ぎこちない会話。

ξ゚听)ξ「そういえばねー。今私がつけてるサバイバルナイフは結構小さいんだけど、もう少し大きいのを腰につけたいんだよねー。」
確かにツンの胸元に目を向けると5cm程のナイフと呼べるかわからない感じのナイフ。そういえば、ドクオがつけていたのはこれより大きかったような。
(  ^ω^)「でも、あんまり大きいのを持ち歩くと、危ないお。」
ξ゚听)ξ「でもねー今、限定品が発売されてるらしいの。東京で7つしかないんだって。」
(  ^ω^)「ふーん。」
ξ゚听)ξ「それが、綺麗らしくて・・・あ、じゃあここで大丈夫。バイバイ。」
(  ^ω^)「バイバイだお〜!」
まるで、付き合っているカップルのようにお互いに手を振った。

そして、ブーンは家につくと、すぐさまパソコンを立ち上げある事について調べはじめた。

サバイバルナイフ。

何かひっかかった。

―カチ・・・カチ・・・

(  ^ω^)「ど・・・どういうことだお?」

調べれば調べるほど・・・不思議な点が増えていく。


 
5421(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 18:48:12.03 ID:+pZyMkPn0
(  ^ω^)「銃刀法・・・。」
小声でブーンはパソコンに向かって呟く。そう、この世には銃刀法という法律があり、刃渡り15cm以上のものは所持が禁止されているという。
ドクオが持っていたナイフを思い出してみると、さすがに15cmもなかったが・・・日本中がナイフを持ち歩くのはやはりいけないことなのではないのだろうか?
そして、もう少し調べてみると、ありえない事が判明した。携帯に関しては、正当な理由がない限り、刃体の長さが6cmを越える刃物を携帯してはならない。
(  ^ω^)「・・・ちょっと待てお・・・。ありえないお・・・。」
動揺するブーン。
(  ^ω^)「と、とりあえず、今流行りのナイフについても調べてみるお。」
―カタカタカタカタ
画面に出てきたのは、流行のナイフを売っている販売会社。様々な種類のナイフの画像。通称;サバイバルナイフと書かれている。一番長いもので10cm。

これでは・・・持ち歩いたら違法ではないか・・・。

(  ^ω^)「ど、どういうことだお!?」
そしてサバイバルナイフを作っている会社のホームページの下のほうには「注意」と書かれている注意書きがああった

注;本社の販売しているナイフは本社がサバイバルナイフと呼んでいるのであり、従来のサバイバルナイフとは大きく異なります。
  本社のナイフはあくまでファッションの為のものであり、護身用の為ではありません。
  また、定められた法律に関しては一切違反しておりません。

(  ^ω^)「そ、そんなだって法律で携帯するのは禁止だって書かれているじゃないかお!!」

そしてブーンは日本のあらゆる情報が行き交うにちゃんねるへ向かう。

ここなら何かわかるかもしれない。

真実か嘘か・・・それは自分で判断するしかない。

―カチカチ

クリック。

 
5431(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 18:51:26.44 ID:+pZyMkPn0
そして、ブーンはそこからあらゆる情報を吸収した。
滅多に使わない頭をフルに使って理解した。携帯が禁止されているはずのナイフ。
そしてわかったのは・・・山田オルタ教が・・・何かに関わっているかもしれないという事。

(  ^ω^)「イッケーって・・・山田オルタ教だったのかお・・・。」

イケメン俳優のイッケーは山田オルタ教だった。

調べてわかったのは、もともとこのナイフはイッケーが身に着けていて流行った。そして、今流行のナイフを売り出している会社はイッケーが持っていたナイフの販売会社。
流行りだしてから、会社も様々なナイフを作りだしていった。そこでカッコイイ呼び名ということでイッケーがサバイバルナイフと呼んだことからサバイバルナイフと呼ばれるようになったらしい。
もともと、ファッションとして身に着ける為にあったが、世間の波によって「護身用としても」という風にいつのまにか広がっていった。

また、イッケーが身に着けていたものは、視聴者の目ではあいまいだったが、違法ギリギリであったようだ。そして、イッケーが逮捕されないことに疑問を抱く人が出てくる。
にちゃんねるでも「おかしい」とか「ありえない」とか「なにか裏がある」等、真偽のほどはわからないが、そんな事が書かれていたようだ。

そして、一番有力説とされているのが「山田オルタ教」と「日本政府」の関係。

(  ^ω^)「んー・・・頭が爆発しそうだお・・・。」

今日はこれ以上何を考えても理解できそうになかった。何故山田オルタ教と関係あるのかまったく理解できなかった。

そもそも、情報源がにちゃんねるだし・・・だいたいが嘘だろう。

こんなのを真に受ける事はない。

きっと嘘だ。

法律に関しては、会社のいうとおり、ちゃんと筋が通ってるんだろう。

一般国民が心配することじゃない。

 
5441(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 19:00:09.95 ID:+pZyMkPn0
そして、パソコンの電源を切ろうとしたとき、頭の中で1人の人物の顔が浮かびあがった。

( ´_ゝ`)「・・・。」

(  ^ω^)「う、う・・・うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

叫び声が部屋中に響き渡る。

パソコンの画面にはサバイバルナイフ販売会社のホームページ。

額から汗がゆっくりと落ちる。

(  ^ω^)「お、おちつけお・・・あ、あれは・・・夢なんだお・・・。」

体中に気味の悪い生物が動きまわっている気分だ。

じわじわと苦しめられていく。

そして、最後にはその生物に身体中を喰いつくされ・・・

(  ^ω^)「も、もう考えるのはやめるお!!ふ、風呂だお!!んで、寝るお!!」

その後、ブーンはツンの事を思い出しながらいつものように明日へ備え眠りについた。


 
5461(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 19:14:28.57 ID:+pZyMkPn0
―とある警察署内
「・・・会議では・・・サバイバルナイフについてはあまりふれませんでしたね・・・。」
青年は渋顔の男に言う。
「ああ。」
「何故でしょう?違法じゃないんですか?」
「・・・あれは加害者が持ってたものだという事になっている。今の流行がどーのこーのではないらしいぞ。」
「で、でもなんで警察は厳しく取り締まらないんですか!!死者が出たじゃないですか!!危険だって事ですよね?」
青年は怒鳴り声で渋顔の男に尋ねる。感情が丸出しになっているのがわかる。
「だから、そいつは加害者が持ってたものなんだとよ。流行とは関係ない。それと、流行のナイフについては、なんで署が動かないかは知らねぇよ。ただ・・・」
渋顔の男は言葉を詰まらせる。そして、勘の鋭い青年は問う。
「ただ・・・?もしかして、心当たり・・・あるんですか?」
渋顔の男はタバコにライターで火をつけ、口にくわえながら澄んだ目で青年を見つめながら言う。

「おまえの目で確かめろ。おまえの手で真実を掴め。」

「いちいち警察はちっちゃな事で動かないってことですか?」
「さぁな。ほら、山積みの資料が俺達を待ってるぞ!!」

バンっ!と渋顔の男は暗い顔をした青年の背中を強く叩き、呼びかけた。

 
5491(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 19:19:19.15 ID:+pZyMkPn0
―日本のどこか
「いやはや・・・どうにか大丈夫でしたよ」
「そうかそうか。安心しろ、こちらも全力をつくす。」
「ありがとうございます。」
「お互い様だ。ははは。」
「ふふふ。知らぬが仏ですね。」

これは、誰かの夢の中の話かもしれない。

もしかしたら、誰かの書きかけの小説の1部分かもしれない。

実は、誰かの妄想かもしれない。

それは、わからない。

 
5531(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 19:38:10.13 ID:+pZyMkPn0
お月様が仕事を終え、太陽が現れた。そう、朝だ。
幸い、ブーンは奇妙な夢を見ることはなかった。
(  ^ω^)「さて、朝飯でも食うかお。今日は目玉焼きでも作るお。」
―コン、コン、
―ジュワアアアアア
―シュウウウ
おいしそうな匂いと音が台所に広がる。
(  ^ω^)「いただきまーす・・・・・・・・・だお。」
ーシャムシャムシャム

そして、ブーンはある決心をした。

ある人物に会いに行くことを。

(  ^ω^)「ぼ、ぼくは何の為に修行したんだお!!強くなったから恐れるものなんてないはずだお!!」

恐れるものなどなにもない。

けれど、心は震えるもの。

 
5561(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 19:48:54.01 ID:+pZyMkPn0

―カシャ、カシャ
自転車をゆっくりと漕いでいく。
(  ^ω^)「確か家・・・この辺だったはずだお・・・引越してなければ・・・。」
―キィ
(  ^ω^)「あったお。」
ブーンが自転車を止めた横には一軒家があった。
―ピーンポーン
そのベルを押す。
しばらくすると、玄関から1人の男が出てきた。

( ´_ゝ`)「よぉ久しぶりだなブーン。くるならメールぐらいしてくれたっていいのに。」
(  ^ω^)「僕はあんまりメール使わないんだお。」

出てきたのは大学で知り合った兄者。
メールアドレスぐらいは知っているけどそこまでメールする仲じゃない友達。
けれど、大学時代は結構一緒に遊んだ。

( ´_ゝ`)「とりあえず、中入れよ。」
(  ^ω^)「どうもだお。」

兄者とブーンは家の中へ入っていった。


 
5581(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 19:56:09.81 ID:+pZyMkPn0
そして、兄者の部屋へと案内される。
( ´_ゝ`)「弟者や他の家族は今外出中だ。こんなものしか、用意できなくてすまんな。」
そう言って兄者はブーンに麦茶を差し出す。
(  ^ω^)「今は何やってるんだお?」
( ´_ゝ`)「いろいろとだ。それより、おまえこそ何やってるんだ?」
(  ^ω^)「いろいろだお。」
ブーンは兄者に聞きたい事があってここにきた。目的もなしに来たわけじゃない。
(  ^ω^)「そろそろ、本題に移っていいかお?」
( ´_ゝ`)「ふっ・・・おまえの真剣な顔なんてはじめてみたぜ。どうした?なにかあったのか?」
麦茶を飲みながら兄者が言う。

そう、ブーンはあの夜見たのだ。

細い路地で・・・黒いスーツ・・・曲がる時にちらりと見えた・・・その顔を。

兄者の顔を。

 
5601(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 20:02:41.28 ID:+pZyMkPn0
それを見てからというものの体の中に紫色の塊が居座りついて離れなかった。

気持ちが悪かった。

もしかしたら知り合いが犯罪を犯しているかもしれないと思うと・・・

死にたくなった。

だから確かめたかった。

それが見間違えなのか・・・それとも・・・

ずっと頭から離れずにソイツは張り付いた。

まるで生き物のように

身体中を・・・

動き回って、僕を喰い尽くす。

―――お願いだから間違いであって

 
5651(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 20:15:19.61 ID:+pZyMkPn0
(  ^ω^)「最近うわさになってる通り魔の事知ってるかお?」
( ´_ゝ`)「ああ、お前と違って俺は情報通だからな。」
(  ^ω^)「僕はソイツに一度遭遇したんだお。」
( ´_ゝ`)「!!」
兄者は驚いた。それは、何故なのかわからない。ブーンに兄者を疑る心がなければ、ただ単に犯罪者と出会ったことに驚いたのだと思えるのだが
今は兄者を疑っている。だから・・・
(  ^ω^)「なんで驚いているんだお?」

緊迫したムード、張り詰めて。

( ´_ゝ`)「・・・いや・・・け、けがはなかったのかとおもってな・・・。びっくりしたんだ。だ、大丈夫だったのか?」
(  ^ω^)「お前が通り魔の1人だからおどろいたんじゃないかお?犯人だから驚いているんじゃないかお?」
探偵きどりのブーンが言葉を突きつける。本人は真面目だ。
( ´_ゝ`)「い、いい加減にしてくれ!なんで俺が犯人にさせられなきゃいけないんだ!」
(  ^ω^)「本当に何もやっていないのかお?」
疑いの目で兄者を見るブーン。
( ´_ゝ`)「ほ、ほんとうさ。なんで俺を疑う?それに何故俺がそんな事をしなきゃならんのだ?俺は山田オルタ教だぞ!!」

山田オルタ教。

(  ^ω^)「お・・・おまえ山田オルタ教なのかお?」
( ´_ゝ`)「ああ、そうだ。世界平和を望む山田オルタ教だ。教祖様からはかなり認めてもらっている。地位的にはかなり上にいるんだぞ!疑うのも大概にしろ!!」

兄者は真っ赤な顔しながら怒鳴った。

 
5691(´・ω・`) ◆XTkLTDNHHY :2006/04/23(日) 20:22:46.16 ID:+pZyMkPn0
(  ^ω^)「・・・時間をとらせてわるかったお。」
また来るつもりでブーンは言った。
( ´_ゝ`)「探偵ごっこはやめろ。お前には似合わない。警察がそのうちどうにかするだろう。その時を待て。」
冷静を装っているのか?さっきまでとは打って変わった、平然とした顔で兄者は言う。

警察。

何を信じればいいのだろう?

この情報社会で。

見え隠れする真実を。

どうやって手にする?

(  ^ω^)「じゃあ、ここで失礼するお。」
( ´_ゝ`)「ああ、それじゃあな。通り魔に気をつけろよ。元気でな。」
(  ^ω^)「そっちこそ元気でなだお。」

ブーンは兄者の家から出て行った。

 
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