76 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:01:46.86 ID:xjANTQAb0
【第10話】
作戦自体は大企業と癒着してインサイダー取引で儲けている政治家から強請るという、
いつもの作戦の感じだった。当然場所は採石場である。
副首領ツンとニダーが政治家に黒い布袋に金目のものをいれさせていた。
ξ゚听)ξ「あなた達が不正な行為で手に入れたお金は私達が有効に使います。」
<ヽ`∀´>「ウェーハッハッハ !!作戦大成功ニダー!!!」
その時、採石場の砂利が高くなっているところに人影が現れた。
('A`)「この世に悪がいる限り、正義の炎が焼き尽くす!!灼熱の戦士!!ドクオファイアー!!」
ドクオファイアーがいつもの決め台詞を言うとドクオファイアーの後ろで爆発が起こる。
( ^ω^)(いよいよだお。)
僕の体に緊張が走る。そして、ジョルジュとショボンの顔を見る。2人共黙って頷く。
いよいよ最後の戦いが来たのだ。空手で国内最強と言われるシャキンにKEI−1選手にならないかとまで言われた僕達だ。
やれるはずだ。勝てるはずだ。
毎日吐いていた地獄のような基礎トレーニングや毎日殺されると思っていた猛稽古が走馬灯のように浮かんでは消える。
('A`)「トウッ!」
ドクオファイアーは採石場の砂利が高くなっている所からジャンプして僕達の前に降りてきた。
77 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:02:40.20 ID:xjANTQAb0
僕達の遥か後ろで待機しているニダーがゆっくりと歩き始めた
<ヽ`∀´>「さて、そろそろ行くニダ。」
ξ゚听)ξ「ま、待ってください!まずは戦闘員がドクオファイアーと闘いますから!」
<ヽ`∀´>「あいつらでは無理ニダ。」
ニダーは歩みを止めない。僕はニダーに向かって叫んだ。
( ^ω^)「ニダーさん!!あなたも怪人ならヒーローと闘う者の気持ちはわかるはずですお!」
<ヽ`∀´>「・・・。」
( ^ω^)「僕達がドクオファイアーを倒すんですお!だから、僕達の邪魔はしないで欲しいですお!」
ニダーは歩みを止めて、ニヤリと笑った。
<ヽ`∀´>「フン、いつの間にか言うようになったニダ。」
そして、大きな声で言う。
<ヽ`∀´>「ならやってみろニダ!!見事ドクオファイアーを倒してみせろニダ!!
もし駄目だったら私がその獲物をもらうニダ!!」
( ゚∀゚)「言われなくてもやってやるぜ!!」
(´・ω・`)「カニビームごときに出番はない。」
78 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:03:21.94 ID:xjANTQAb0
そして、僕達3人はドクオファイアーを睨みつける。
('A`)「・・・もういいのか。」
( ^ω^)「はいですお。」
ドクオファイアーの全身からすさまじい闘気が流れ出す。
(;^ω^)(ぐっ、なんてプレッシャーだ。)
( ゚∀゚)(こりゃワカパイちゃんに会えないかもしれねーな。)
(´・ω・`)(空手は最強なんだ!)
('A`)「いくぞ!!」
( ^ω^)「行くお!!!」
( ゚∀゚)「おう!!!」
(´・ω・`)「オス!!!」
79 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:04:12.28 ID:xjANTQAb0
僕はドクオファイアーに向かって猛ダッシュを始める。ジョルジュとショボンが僕に続く。
( ^ω^)「ブーン!!」
僕は両手を水平にしてドクオに1番に戦いを挑む。
( ^ω^)「ドクオファイアー覚悟!!」
僕はいつもの台詞を吐くと広げた両手でドクオファイアーにラリアットをする。
ドクオファイアーはいつものように僕のラリアットをかわす。
そこへジョルジュとショボンがドクオファイアーに攻撃をはじめた。
( ゚∀゚)「無駄無駄無駄無駄ァ〜!!!」
ジョルジュがジャブとストレートのコンビネーションでドクオファイアーを攻める。
('A`)「・・・。」
しかし、ドクオファイアーはその攻撃を片手ですべてさばく。
( ゚∀゚)「まだまだ小手調べだぜ!」
ジョルジュのパンチのスピードが上がる。
81 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:04:45.94 ID:xjANTQAb0
('A`)「・・・。」
ドクオファイアーはその攻撃を両手ですべてさばく。
( ゚∀゚)「それを待っていたぜ!」
(´・ω・`)「チェストー!!!」
そこへドクオファイアーの後ろへ回り込んだショボンが足払いを仕掛けた。
ジョルジュのパンチで上への攻撃に注意していたドクオファイアーは、
急な下段からの攻撃を避けられるはずがない。
('A`)「フンッ!」
しかし、ドクオファイアーは小さくジャンプして足払いをかわした。
( ゚∀゚)「クッ!」
(´・ω・`)「ぬう。」
ジャンプしたということは着地に隙ができるはずだ。
僕はドクオファイアーに向かって突っ込んでいった。
( ^ω^)「うおおおお!!!」
82 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:05:23.41 ID:xjANTQAb0
('A`)「ムッ。」
( ^ω^)「もらったお!!!」
僕の両手を広げたラリアットがジャンプから着地するドクオファイアーの顔に向かっていく。
僕は渾身の力を込めてドクオの顔にラリアットを叩き込もうとした。
バキィッ。ラリアットがドクオファイアーの顔に当たった手ごたえがあった。
('A`)「・・・。」
僕のラリアットはドクオファイアーの顔にクリーンヒットした。
( ^ω^)「やったお!」
( ゚∀゚)「よし!」
(´・ω・`)「やった!」
('A`)「・・・残念ながら非力だな。」
ドクオファイアーは着地した姿勢から全く動いていなかった。
僕のラリアットのダメージは全くないようだった。
(;^ω^)(クッ。)
83 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:06:08.49 ID:xjANTQAb0
('A`)「ではいくぞ!!!」
ドクオファイアーは両手を構えると右ストレートをジョルジュの胸に向けて打ち込んだ。
( ゚∀゚)「パ、パンチが見えねぇ!!」
ドクオファイアーの右ストレートの攻撃を胸に受けたジョルジュは吹っ飛んだ。
( ゚∀゚)「ガハァッ!」
そして、地面に叩き付けられるとバウンドし、しばらく転がり続けた。
地面にうつ伏せになって倒れていたジョルジュはゆっくりと起き上がろうとする。
しかし、その途中で急にジョルジュの体が硬直する。そして、ドクオファイアーに殴られた胸を押さえた。
( ゚∀゚)(ウッ、やべぇ。アバラが折れてるな・・・。)
ジョルジュはそのまま地面に膝を付き動けなくなった。
('A`)「次っ!」
そう言うとドクオはショボンの顔に向かって左ストレートを打ち込んだ。
84 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:06:40.59 ID:xjANTQAb0
(´・ω・`)「速いっ!!」
ショボンは先ほどのドクオのパンチのスピードを目の当たりにしていたので、
すかさず両手で顔をガードした。ボキッという鈍い音がする。
(´・ω・`)(ウグッ、腕を折られたか・・・。)
ドクオはすかさずローキックをショボンの足に向けて打ち込む。
再びボキッという鈍い音がする。そして、ショボンはそのまま地面に倒れこんだ。
(´・ω・`)(クウッ、足も折られたか・・・。)
ショボンは立ち上がれなくなってしまった。あの様子では足を折られてしまったようだ。
(;^ω^)(くそおっ!)
('A`)「さて、最後はおまえだ。」
ドクオファイアーはそう言うと僕を睨みつけた。
85 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:07:23.14 ID:xjANTQAb0
ドクオファイアーの強さは予想以上だった。圧倒的な実力差をまざまざと見せつけられた。
ジョルジュとショボンのダメージを見てもこの前の戦いですら手を抜いていたのがわかる。
(;^ω^)(くそっ。このままじゃ、やられるお。)
('A`)「・・・。」
ドクオは黙ってゆっくりと僕に向かって歩き始める。
まるで死神が大きな鎌を持って僕の命を奪いにきているようにも見えた。
一瞬足がすくむ。逃げ出したい衝動に駆られる。しかし、僕の背中に熱い視線を感じた。
ツンとニダーが僕を見ている。振り向かなくても僕にはわかった。
( ^ω^)(そうだお!もう僕しかいないんだお!やるしかないんだお!)
僕は勇気を振り絞りドクオファイアーに向かってゆっくりと歩き出す。
('A`)「いくぞ!」
ドクオファイアーが僕に向かってダッシュで突っ込んでくる。
僕もダッシュでドクオファイアーに向かって走りこむ。
86 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:07:49.47 ID:xjANTQAb0
( ^ω^)「ブーン!!!」
僕は両手を広げてドクオファイアーにラリアットを当てようとする。
('A`)「遅い!」
ドクオファイアーは僕のラリアットをしゃがんでかわすと足払いをしかけてきた。
( ^ω^)「それは読めてたお!!」
僕はジャンプすると空中で両手をクロスさせ、ドクオファイアーに突っ込んだ。
( ^ω^)「天空ペケ字拳!!!」
僕のクロスした両手がドクオファイアーの顔にヒットした。
('A`)「・・・だから非力なんだよ。」
ドクオは微動だにしなかった。
87 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:08:29.77 ID:xjANTQAb0
('A`)「フンッ!」
ドクオは僕の腹にボディーブローを叩きこんだ。
(;゚ω゚)「グフォッ!」
僕のおなかに爆発したような衝撃が走った。あまりの痛さに脂汗が全身を流れる。
この前のボディーブローに比べるとあまりにも違う破壊力。僕はたまらず地面に倒れこんだ。
(;^ω^)(ウグググ。)
('A`)「残念だったな。所詮、戦闘員の戦力などこの程度だ。」
ドクオはそう言うと僕達を放置してニダーの方へ向かう。
<ヽ`∀´>「私の出番ニダ。変身ニダ!!!」
ニダーはカニビームに変身した。しかし、すぐさま片膝をつく。
<ヽ`∀´>「グフゥッ・・・。」
ニダーは口から血を吐いた。
ξ゚听)ξ「だ、大丈夫ですか?」
<ヽ`∀´>(・・・まずいニダ。最近、変身していなかったから、
ここまで変身の負担が大きくなっているとは気づかなかったニダ。)
89 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:09:04.91 ID:xjANTQAb0
片膝をついて苦しそうなニダーが倒れている僕の目に映った。
(;^ω^)(だ、駄目だ・・・ニダーさんをこれ以上変身させたら・・・。)
僕は体の力を振り絞りゆっくりと立ち上がる。そして、猛烈に痛い腹に力を込めて叫んだ。
(;^ω^)「ドクオファイアー!!まだ僕は闘える!!来いお!!」
歩みを止めたドクオファイアーは僕の方を振り返る。
('A`)「・・・本気か?」
(;^ω^)「当たり前だお!!さっさと来いお!」
僕はふらついてる両脚に力を込める。あまり力が入らないがそれでもまだ立てる。
('A`)「・・・。」
ドクオは僕に向かって走り出すと両手を広げた。
(;^ω^)(ラリアットかお!)
90 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:09:50.88 ID:xjANTQAb0
僕は両手で顔をガードした。ドクオファイアーのラリアットはガードできたが、ボキッという鈍い音がする。
(;^ω^)(ウグッ!)
右腕が折れたようだ。
('A`)「フンッ。」
ドクオはすかさずローキックを僕の左足に向けて打ち込む。
再びボキッという鈍い音がする。左足も折れたようだ。
(;^ω^)(ガアアアッ!)
僕は地面にうつ伏せに倒れ込んだ。
('A`)「これでもう動けないだろう。」
ドクオはそう言うと再びニダーの方を見た。
(;^ω^)(まだだ!まだ終わっていないお!!!)
僕はまだ動く左手と右足で地面を這ってドクオの足を掴んだ。
91 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:10:28.00 ID:xjANTQAb0
('A`)「・・・。」
ドクオは地面に這いつくばっている僕を見下ろした。
僕はドクオファイアーを睨みつける。そして叫ぶ。
(;^ω^)「ハァッ!フゥッ・・・。ドクオファイファー!!僕はまだ闘えるお!!」
('A`)「・・・。」
ドクオファイアーは無言で僕の顔を蹴り上げた。
(;^ω^)「ガハァッ!!!」
地面に仰向けに倒れた僕は鼻から血が出ていた。
呼吸が苦しくなってきた。体ももうボロボロだ。
腕も足も折られた。体中が痛すぎてどこが痛いのかよくわからないくらい麻痺している。
(;^ω^)(も、もう駄目なのかお・・・。)
その時、僕の頭の中にある言葉が聞こえてきた。
『自分が負けたと思わない限り敗北は無い。』
( ^ω^)(そうだ!!僕はまだ負けてない!!勝てないかもしれないけど負けてもいないお!!)
92 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:11:18.74 ID:xjANTQAb0
僕は動かせる右足と左手を使って必死でゆっくりと立ち上がった。そして再び叫ぶ。
( ^ω^)「ドクオファイアー!!勝負だお!!」
('A`)「・・・。」
ドクオファイアーはゆっくりと僕に向かって歩いてくる。
何度やられても立ち上がってやる。僕が負けを認めなければ負けはないんだ。
そして、目の前にドクオファイアーが立ち止まる。
('A`)「フンッ。」
ドクオファイアーが僕の胸を殴る。
(;^ω^)「ガハッ!!」
簡単に吹っ飛んだ僕は地面を転がる。
(;^ω^)(・・・アバラが折れたみたいだお・・・。だけど、まだ・・・いけるお!)
まだ、僕の心は折れていなかった。まだ闘える。
体はボロボロだったが気力だけはまだ失われていない。
そして、僕は立ち上がろうとする。
94 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:12:36.93 ID:xjANTQAb0
( ^ω^)「あっ。」
しかし、もう足に力が入らなかった。立ち上がれない。
気力はあっても体がいうことをきかなくなっていた。
僕は地面に大の字になって倒れたまま動けなくなってしまった。
ドクオファイアーはゆっくりと僕に向かって歩いてくる。
そして、目の前にドクオファイアーが立ち止まる。
('A`)「・・・覚悟はいいな。」
( ^ω^)「ドクオファイアー!まだ僕は負けていないお!!まだ闘えるお!!」
僕は地面に倒れながらでもドクオファイアーを睨みつけ叫んだ。
('A`)「・・・。」
ドクオファイアーはしゃがみ込んだ。僕にとどめを刺すのか。
( ^ω^)(クッ!)
僕は思わず両目を閉じてしまった。
100 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:13:29.01 ID:xjANTQAb0
しかし、何も衝撃は来なかった。ゆっくりと目を開けるとドクオファイアーは僕の顔を見ていた。
ドクオファイアーはしばらく黙っていたが、やがて僕に向かって言った。
('A`)「・・・今回は俺の負けだ。」
(;^ω^)「えっ!?」
('A`)「・・・おまえの根性に俺が負けたってことでいい。」
そう言うとドクオは立ち上がり歩き始めた。そして、採石場の入り口に置いてあるドクオサイクロン号に跨った。
('A`)(やっぱり腕ずくでもヒーローにするべきだったな。ブーン、いいハートを持っていやがるぜ。)
ドクオファイアーはドクオサイクロン号のアクセルを拭かした。
ブロロロロォ!という独特のエンジンを響かせるとドクオサイクロン号は採石場を後にした。
去っていくドクオサイクロン号が死角から消えると僕は呟いた。
( ^ω^)「・・・ぼ、僕の勝ちなのかお?」
ツンとニダーが駆け寄ってくる。
ξ゚听)ξ「だ、大丈夫ですか!?」
(;^ω^)「あんまり大丈夫じゃないですお・・・。」
<ヽ`∀´>「戦闘員にしてはなかなかがんばったニダ。褒めてやるニダ。」
(;^ω^)「ははっ、ありがとうですお。」
僕はそのまま気を失ってしまった。
105 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:14:49.15 ID:xjANTQAb0
僕が目を覚ますと病院のベッドに居た。体中が包帯だらけで酷い格好だ。
( ^ω^)「あ、ここは・・・病院かお。」
( ゚∀゚)「よお、目が覚めたみたいだな。」
ベッドの横に立っているジョルジュが声をかけてきた。
服の膨らみを見ると胸の辺りに包帯を巻いているようだった。
(´・ω・`)「心配してたんだよ。」
ジョルジュの横に立っているショボンが声をかけてきた。
松葉杖をして右手と左足にはギプスがついていた。
僕はジョルジュ達の方を向くために体を少し動かそうとした。
(;^ω^)「痛てててっ!」
( ゚∀゚)「あんまり無理に体を動かすなよ。かなり酷い状態だぜ。」
(´・ω・`)「ま、完治するまでは安静だね。」
( ^ω^)「ふぅ。そうみたいだお。」
僕は寝転んだまま天井を見上げた。
106 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:15:52.50 ID:xjANTQAb0
( ゚∀゚)「それにしてもドクオファイアーに勝つとはブーンはすげえな。」
(´・ω・`)「うん、僕も驚いちゃったよ。」
( ^ω^)「みんなのおかげだお。僕1人の力だけじゃ勝てなかったお。」
( ゚∀゚)「おっ、じゃあ俺が勝ったってことにしてもいいか?」
( ^ω^)「うん、当然だお。」
( ゚∀゚)「おお!!じゃあ、さっそくワカパイちゃんに報告しないとな。」
( ^ω^)(あいからわらずおっぱい100%印だお。)
(´・ω・`)「とにかくしばらくはここでゆっくり休んでたらいいよ。」
( ゚∀゚)「そうだな。また見舞いに来るぜ。じゃあな。」
( ^ω^)「わざわざお見舞いありがとうだお。」
ジョルジュとショボンは病室を出て行った。
108 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:16:40.39 ID:xjANTQAb0
僕は再び天井を見上げた。
( ^ω^)(僕達はドクオファイアーに勝ったのかお・・・。)
なんだかあまり実感がわかないけど確かにドクオファイアーは負けを認めたのだ。だから僕達は勝ったんだ。
( ^ω^)(僕達は勝った・・・。それでいいんだお。)
その時、病室に花束を持ったツンとニダーがやってきた。
<ヽ`∀´>「大丈夫かニダ?」
ξ゚听)ξ「大丈夫ですか?」
( ^ω^)「もう大丈夫ですお。」
ξ゚听)ξ「よかった・・・。」
ツンはふぅと息を吐いた。
ξ゚听)ξ「花を持って来たので今入ってる花と差し替えますね。」
そう言うとツンは花束と花瓶を持って病室を出て行った。
112 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:17:45.68 ID:xjANTQAb0
<ヽ`∀´>「いちおうドクオファイアーに勝ったニダ。よくやったニダ。」
( ^ω^)「ありがとうございますですお。」
<ヽ`∀´>「だが、まだ奴は生きている。また闘うことになるニダ。
さっさと怪我を治してバイトに戻って来いニダ。」
( ^ω^)「はいですお。」
ニダーは少し照れくさそうな顔をして言った。
<ヽ`∀´>「・・・あと、ありがとうニダ。」
( ^ω^)「へっ?」
<ヽ`∀´>「おまえのおかげで私は助かったようなものでもあるニダ。」
( ^ω^)「いえいえ、ニダーさんこそ僕達を守ろうとしてくれてありがとうですお。」
<ヽ`∀´>「・・・それは・・・まあ、アルバイトがこれ以上減ったら困るからニダ。それだけニダ。」
( ^ω^)「まあ、そういうことにしておきましょうですお。」
<ヽ`∀´>「じゃあ、私は帰るニダ。とにかく安静にしてさっさと怪我治すニダ。」
そう言うとニダーは病室を出て行った。
113 :
◆0UBHj9d5Uc :2006/06/15(木) 23:18:34.96 ID:xjANTQAb0
新しい花を花瓶に入れたツンが病室に戻ってきた。
ξ゚听)ξ「あら?ニダーは?」
( ^ω^)「もう帰っちゃいましたお。」
ξ゚听)ξ「そうですか。」
ツンは花瓶をテーブルの上に置いた。
ξ゚听)ξ「ブーン、お疲れ様でした。」
( ^ω^)「ツンさんの方こそお疲れ様でした。」
ξ゚听)ξ「ブーンのおかげでドクオファイアーにも勝つことができました。
これからもよろしくお願いします。」
( ^ω^)「みんなで力をあわせたから勝てたんですお。
これからもみんなでがんばりましょうですお。」
ξ゚听)ξ「はい。」
117 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/15(木) 23:19:18.06 ID:xjANTQAb0
それからしばらくはツンと2人で雑談などをしていた。
とても楽しい時間が流れていく。そして、会話が途絶えるとしばらく病室に沈黙が流れた。
その沈黙をやぶるようにツンが言った。
ξ////)ξ「・・・あの、ブーンが元気になったらまたあの屋台に連れて行ってくださいね。」
(*^ω^)「はいですお。早く元気になりますお。」
ツンは顔を真っ赤にしていたが、とてもかわいらしい顔だった。
僕はとても幸せな気分になった。
ξ////)ξ「じゃ、じゃあ私もそろそろ行きますね。ゆっくりと休養してください。」
( ^ω^)「はいですお。」
ツンは照れくさそうな顔をして急いで病室を出て行った。
( ^ω^)(早く元気になってバイトに復帰して、ツンとおでん屋台に行きたいお。)
僕は両手を頭の後ろに置いて天井を見つめた。その時、1人の人物が現れた。
124 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/15(木) 23:19:59.42 ID:xjANTQAb0
('A`)「よお。」
(;^ω^)「ドクオ!!!・・・さん!?」
なぜドクオがここにいるんだ。まさか、僕にとどめを刺しにきたのか。
('A`)「その様子じゃ大丈夫そうだな。」
(;^ω^)「あの・・・何か御用でしょうかお?」
('A`)「今日はおまえに言いたいことがあってやってきた。」
(;^ω^)「?」
ドクオが僕に言いたいこと。何だろう。
('A`)「ヒーローがカッコよくなるためにはいろいろな条件があるんだ。」
(;^ω^)「・・・はぁ。」
何が言いたいんだろう。
127 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/15(木) 23:21:12.79 ID:xjANTQAb0
('A`)「その中の1つにライバルの存在がある。」
(;^ω^)「ライバル?」
('A`)「そうだ。ライバルの存在がヒーローをより一層カッコよくさせる。」
(;^ω^)「はぁ。」
ドクオの言いたいことがまだよくわからない。だが、ドクオは話を続ける。
('A`)「俺のライバルはおまえだ。唯一俺に黒星をつけさせた男。」
(;^ω^)「ええっ!?」
ドクオは真剣な顔で驚いている僕の目を見た。
その目を見た僕はすぐに落ち着きを取り戻し、ドクオの目を見返した。
それはヒーローの目と戦闘員の目だった。
('A`)「・・・。」
( ^ω^)「・・・。」
('A`)「そうだ。それでいい。俺を失望させるなよ。」
ドクオはそう言うと僕に背中を向け病室を去って行った。僕はドクオの背中を眺める。
力強いが孤独で哀愁のある背中。全てを破壊する暴力的な強さを秘めた背中。繊細な心を持った背中。
今までいろいろと感じてきたドクオの背中を受け止め、僕はそれを乗り越える決心をした。
( ^ω^)(僕は最強の戦闘員になるお!)
131 : ◆0UBHj9d5Uc
:2006/06/15(木) 23:22:52.23 ID:xjANTQAb0
それから数ヶ月後。みんなの怪我は完治した。
例によって採石場で悪事を働いている僕達ブラックシャドー。
ニダーとカエルボイラー男が悪徳弁護士に黒い布袋に金目のものをいれさせていた。
<ヽ`∀´>「ウェーハッハッハ !!作戦大成功ニダー!!!」
カエルボイラー男「ゲロゲロゲロォォ!!!」
その時、採石場の砂利が高くなっているところに人影が現れた。
('A`)「この世に悪がいる限り、正義の炎が焼き尽くす!!灼熱の戦士!!ドクオファイアー!!」
ドクオファイアーがいつもの決め台詞を言うとドクオファイアーの後ろで爆発が起こる。
<ヽ`∀´>「ここであったが百年目!今日こそおまえをやっつけるニダ!行け戦闘員!」
( ^ω^)「ブーン!!」
僕は両手を水平にしてドクオに1番に戦いを挑む。なぜ1番に挑むのか。答えは簡単である。
ドクオファイアーのライバルである僕は真っ先にドクオファイアーを倒したいからだ。
( ^ω^)「ドクオファイアー覚悟!!」
僕はやる気のある台詞を吐くと広げた両手でドクオファイアーにラリアットで突っ込んでいった。
こうしてまたヒーローと戦闘員の闘いの歴史が刻まれていくのである。
「( ^ω^)ブーンが悪の組織の戦闘員になったようです」−END−