25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:11:09.09 ID:PeE1/fDw0
【第2話】
悪の秘密組織と言えども毎日悪事を働いているわけではない。
ホイホイ悪事が思い浮かぶわけでもないし、悪いことをするにもいろいろとお金がかかる。
そのため、ブラックシャドーでは悪事をしない日はなんでも屋として営業をしているのだ。
今日、僕達アルバイトは引越し作業をすることになった。
(;^ω^)「このタンスおめぇぇぇ!!」
( ゚∀゚)「タンスって何でこんなに重いんだろうな。」
僕とジョルジュはトラックに乗っているタンスをマンションの3階まで運んでいた。
エレベーターに入らないから直接3階まで持って運ぶ。かなり地獄だった。
(;^ω^)「フヒー。やっと運べたお。」
( ゚∀゚)「さて・・・と次は冷蔵庫でも運ぶか。」
(;^ω^)「ちょwww。また重いの運ぶのかお!」
( ゚∀゚)「こーいうところで地道に体鍛えておいた方が何かと便利だしな。」
( ^ω^)「なるほどだお。またドクオファイアーと闘うことを想定してトレーニングかお。」
僕は楽をしたいと思っているだけだったのでジョルジュは何てポジティブなんだと感心した。
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:12:33.22 ID:PeE1/fDw0
( ゚∀゚)「ワカパイちゃんの好みがマッチョな人らしいんだよなあ・・・。」
(;^ω^)「結局、おっぱいかお!」
<ヽ`∀´>「おーい、休憩ニダー。昼飯食ったらまた続けろニダー。」
ニダーがトラックの運転席の窓からバイトのみんなに声をかけた。
( ^ω^)「お、休憩だお。」
僕は急いでトラックの荷台に乗り込んだ。そこにはお昼のお弁当が積んであるのだ。
( ^ω^)「うめぇぇえ!!」
僕は海苔弁当をモグモグと頬張る。隣でジョルジュも弁当を食べる。
( ゚∀゚)「そーいえばこの前、勝手に帰っちまって悪かったな。
アスワンツェツェバエ男がやられたらニダーの奴が、
戦闘員の点呼もしねーで勝手にワゴン発進させやがったんだよ。」
( ^ω^)「まあ、別に大丈夫だったからいいお。」
ジョルジュと雑談しながら速攻で弁当を食べた僕は横になって少し昼寝をすることにした。
( -ω-)「ムニャムニュ。」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:13:21.85 ID:PeE1/fDw0
ちょっと気持ちよくなってきたところでジョルジュが僕の肩を揺すった。
( ゚∀゚)「おい、ブーン。ちょっと起きてくれ。」
( ^ω^)「ん?何だお。」
( ゚∀゚)「あれ・・・ドクオサイクロン号じゃねーか?」
ジョルジュがマンションの駐輪場に止めてあるバイクを指差した。
(;^ω^)「ああっ!ほんとだお!ドクオサイクロン号だお!」
( ゚∀゚)「どーする?ニダーさんに報告しておくか。」
( ^ω^)「うーん、まあ一応言うだけ言っておこうかお。」
僕達はニダーにドクオサイクロン号のことを話した。
<ヽ`∀´>「な、何!それは大手柄ニダー!」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:14:16.87 ID:PeE1/fDw0
ニダーはトラックの運転席から降りると、
急いで駐輪場に止めてあるドクオサイクロン号にまで移動した。
<ヽ`∀´>「ウェーハッハッ!ここであったが百年目!目にものみせてくれるニダ!」
ニダーは高笑いするとポケットからマジックペンを取り出してドクオサイクロン号に落書きを始めた。
嬉しそうな顔をしながらドクオサイクロン号に放送禁止マークなどを書き込んでいく。
僕はトラックの荷台の上からペットボトルのお茶を飲みながらその光景を眺めていた。
<ヽ`∀´>「チョコランタンに〜へんてこUFO〜とんできたニダー♪」
調子にのって絵描き歌まで書き始めた。
( ^ω^)( ゚∀゚)「アッーーーーー!」
夢中になっているニダーには背後に殺意の塊が迫っているのに気づいてはいなかった。
('A`)「おい、ブラックシャドーのニダーさんが俺のバイクに何してるんだ。」
ニダーの後ろにいるのは弁当の入ったコンビニ袋を片手にぶら下げているドクオファイアーだった。
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:15:47.30 ID:PeE1/fDw0
<ヽ`∀´>「ハヒィッ!ド、ドクオファイアー!!!」
ニダーは驚きのあまり声が裏返っていた。
('A`)「何か言うことがあるんじゃねーのか?」
ドクオはニダーを睨みつける。今日は引越しの作業なので怪人はいない。
ブラックシャドーの作戦実行隊長としてここはどう立ち向かうのか非常に興味深い。
<ヽ`∀´>「す、すみませんでしたニダー!す、すぐに落書きは消すニダー!許してニダー。」
ニダーは土下座して謝りはじめた。
('A`)「じゃあ、すぐに落書き消せ。
俺が弁当食って戻ってきて全部消えてなかったらドクオバーニングキックだからな。」
<ヽ`∀´>「ハヒィッ!わ、わかりましたニダー!」
ドクオはコンビニ袋を片手にマンションに入っていった。
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:16:21.66 ID:PeE1/fDw0
<ヽ`∀´>「・・・。」
( ^ω^)( ゚∀゚)(ダッセェー。)
ニダーは僕達を睨みつける。
<ヽ`∀´>「お、おまえ達!すぐに落書きを消すニダ!さもないとドクオバーニングキックニダー!」
(;^ω^)「テラヒドスwww。」
とは言ってもアルバイトの僕達には拒否権はない。僕とジョルジュは急いで落書きを落としはじめた。
( ゚∀゚)「なんとか間に合いそうだな・・・。」
( ^ω^)「よ、よかったお。」
とりあえず落書きが全部消せたので僕達は胸を撫で下ろした。
そこへ、マンションからコンビニ袋を片手にドクオファイアーが現れた。
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:16:53.27 ID:PeE1/fDw0
('A`)「おう、ちゃんとやってるか。」
ドクオファイアーが僕達に声をかける。そして、ドクオサイクロン号を入念にチェックする。
僕のことは見てみぬ振りをしてくれているようだ。さすがにヒーローと戦闘員が知り合いというのはまずい。
('A`)「これはおまえ達が消してくれたのか。」
( ^ω^)「は、はい。ニダーさんに言われて・・・。」
('A`)「そうか・・・。」
ドクオはトラックにまで移動すると運転席に座っているニダーを引きずり出した。
('A`)「おい、テメーの不始末くらいテメーで落とし前つけろ。何部下にやらせてるんだよ。」
そう言うとニダーの頭に頭突きを入れた。
<ヽ`∀´>「グハッ!」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:17:54.77 ID:PeE1/fDw0
('A`)「まあ、今日はお互いプライベートだしここまでにしておくけどよ。
あんまり調子に乗るんじゃねーぜ。」
そう言うとドクオファイアーはゴミ捨て場に行った。
ドクオファイアーはコンビニ袋に入っている弁当や缶ジュース、ペットボトルをしっかり分別して捨てるとマンションに戻っていった。
そのドクオファイアーの背中にはヒーローが持つ繊細な心のようなものを感じた。
( ^ω^)(あれがヒーローの持つ強引な強さの裏にある繊細なハートなのかお・・・。)
それからお昼休みが終わった僕達は引越し作業を再開した。
午前中に重いものをだいたい運び終えていたので午後の作業は結構楽だった。
それにしてもこのマンションにドクオが住んでいるとはちょっと驚きだった。
この前別れた場所から近かったからもしやと思ってはいたけれど。
( ゚∀゚)「よっしゃ!全部終わったぜ!」
( ^ω^)「フヒー疲れたお。」
<ヽ`∀´>「じゃあ、さっさとここから退散するニダ!」
荷物を全て降ろして荷台が空になったトラックはドクオの住むマンションを後にした。
その時僕はあることに気がついた。
( ^ω^)(ドクオさんは普段着がドクオファイアーの変身スーツなのかお?)
【第2話おわり】
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
:2006/06/08(木) 20:18:30.20 ID:PeE1/fDw0
投下はここまでです。第3話は今日の11時半くらいに投下します。
読んでくれた人サンクスです。