3921 :2006/06/11(日) 00:04:56.37 ID:WQlZ6Sqc0

【第5話】

( ^ω^)「ブーン!!」

僕は両手を水平に伸ばしてジョルジュにラリアットを当てようとする。

( ゚∀゚)「遅いぜ!」

ジョルジュは僕のラリアットをしゃがんでかわすと足払いで僕の足を刈り取ろうとする。

( ^ω^)「それは読めてたお!!」

僕はジャンプすると空中で両手をクロスさせ、ジョルジュに突っ込んだ。

( ^ω^)「天空ペケ字拳!!!」

( ゚∀゚)「グハッ!」

僕のクロスした両手がジョルジュの顔にヒットした。

 

3951 :2006/06/11(日) 00:06:06.94 ID:WQlZ6Sqc0

ここはVIP市の施設であるVIP体育館だ。
VIP市の市民なら誰でも申請すれば貸してもらえる。
今日はブラックシャドーの戦闘員のアルバイト全員でスリーマンセルのフォーメーションの練習をしている。
とは言っても戦闘員の人数の都合で僕とジョルジュは2人だけなんだけど。
だから2人で組み手をして仮想戦闘の練習をしていた。

( ゚∀゚)「いやー、ブーンも結構強くなったなー。」

( ^ω^)「それほどでもないお。」

僕自身格闘が強くなったとは思わない。
だけど、痛い目にあいたくないからドクオファイアーの動きを必死で見ているうちに、
動体視力だけはよくなったような気がする。だから相手の攻撃はよく見える。

( ゚∀゚)「そう言えばブーンの知り合いってのが今日来るんだっけ?」

( ^ω^)「うん、今度からブラックシャドーでバイトすることにしたらしいんだお。
だからそいつを入れたら3人でスリーマンセルができるお。」

( ゚∀゚)「しかし、いきなり格闘練習に参加するとはすごいな。」

( ^ω^)「空手やってるから体動かしたいみたいだお。」

 

3961 :2006/06/11(日) 00:06:45.21 ID:WQlZ6Sqc0

僕達が会話していると体育館の入り口に人が立っていた。

(´・ω・`)「おーい、ブーン。」

( ^ω^)「あ、ショボン。こっちだお。」

ショボンは体育館に入ると僕達のところへやってきた。

( ^ω^)「こいつが僕の知り合いのショボンだお。
で、こっちはバイト仲間のジョルジュだお。」

(´・ω・`)「よろしくね。事情は全部聞いてるよ。
スリーマンセルのフォーメーション面白そうだね。」

( ゚∀゚)「おう、よろしくな。空手強いんだって?」

(´・ω・`)「いやー、それほどでもないよ。」

( ^ω^)「ショボン、着替えてきたらどうだお?」

(´・ω・`)「うん、着替えてくるよ。」

ショボンは更衣室の方へいった。

 

3971 :2006/06/11(日) 00:07:27.11 ID:WQlZ6Sqc0

更衣室から空手着を着たショボンが現れた。腰には黒帯を締めていた。

(´・ω・`)「さて、やるかい。」

( ゚∀゚)「おう、じゃあ俺からいくぜ。」

ジョルジュはジャブでショボンと距離をはかる。
ジョルジュは昔ボクシングを少しやっていたらしい。
反撃もせずにショボンは少しずつ後ろに下がっていく。

( ゚∀゚)「おいおい、それでも空手マスターかよ。」

ジョルジュは、ジャブを連打しつつショボンを壁際に追い詰めていった。

( ゚∀゚)(よし、もう後ろが壁だから逃げられねえぜ!)

ジョルジュがとどめの右ストレートをショボンの顔に向けて打ち込む。
その瞬間、ショボンが後ろの壁に向かってジャンプした。
そして、壁を蹴るとジョルジュに向かって蹴りを放つ。

(´・ω・`)「チェストー!!!!」

 

3981 :2006/06/11(日) 00:07:59.21 ID:WQlZ6Sqc0

( ゚∀゚)「うおっ!!」

ジョルジュはギリギリでショボンの蹴りをかわした。

( ゚∀゚)「さ、三角蹴りかよ。いきなり大技狙いか。」

(´・ω・`)「フフ。やっぱり大技が1番かっこいいよ。」

2人の戦いを眺めていた僕はその時インスピレーションが沸いた。

( ^ω^)(そうだお!)

僕は再び組み手をはじめたジョルジュとショボンに割り込んでやめさせた。

( ゚∀゚)「な、何すんだよ。」

(´・ω・`)「どうしたの?」

 

3991 :2006/06/11(日) 00:08:29.59 ID:WQlZ6Sqc0

( ^ω^)「フォーメーションのイメージが浮かんだんだお。」

( ゚∀゚)「お、そうなのか。」

( ^ω^)「ショボンの大技とジョルジュのパンチでドクオファイアーを揺さぶるんだお。
そしてできた隙に僕がラリアットだお。」

( ゚∀゚)「なるほど。ショボンの大技と俺のパンチのコンビネーションか。面白そうだな。」

(´・ω・`)「じゃあ、もう少し細かい動きを決めていった方がいいね。」

僕達はフォーメーションの入念な打ち合わせをした。
夢中になって練習をしているとあっという間にお昼になってしまった。

( ゚∀゚)「そろそろ昼か。運動会行かなきゃな。」

( ^ω^)「そうだお。」

(´・ω・`)「運動会って何?」

( ^ω^)「それはこれから歩きながら説明するお。」

僕達は着替えると体育館を後にした。

 

4001 :2006/06/11(日) 00:09:07.90 ID:WQlZ6Sqc0

体育館を出た僕達アルバイト全員は近くにある小学校へ向かう。

( ^ω^)「今日は町内対抗の運動会があるんだお。」

(´・ω・`)「ふーん、そうなんだ。」

( ^ω^)「その中に自由参加の特別競技があるんだお。」

( ゚∀゚)「で、その特別競技で1位になったら10万円分の商品券がもらえるんだよ。」

( ^ω^)「うちのバイトのニダーっていう人がその商品券を手に入れるために
アルバイト全員参加して1位を取れって言ったんだお。」

(´・ω・`)「その商品券で何か買うの?」

( ゚∀゚)「洗濯機を買うらしいぜ。」

(´・ω・`)「洗濯機?」

( ^ω^)「僕達の全身タイツとマスクっていつもクリーニングに出してるんだお。
でも、経費削減のために洗濯機を買ってそれで洗うことにしたいらしいんだお。」

(´・ω・`)「なるほど。」

 

4011 :2006/06/11(日) 00:09:45.20 ID:WQlZ6Sqc0

しゃべりながら歩いてる僕達はやがて小学校に到着した。
この小学校のグランドで運動会をやっているらしい。
僕達はぞろぞろとグランドへ入っていく。それを見つけたニダーが僕達のところへ走ってきた。

<ヽ`∀´>「お、来たかニダ。今、エントリー受付してるから早く行って来いニダ。」

僕達はエントリー受付を済ませると特別競技が始まるまでグランドの端にある木陰で休んでいた。

(´・ω・`)「特別競技ってどんな競技なんだろうね?」

( ゚∀゚)「1位が商品券10万円だから事前準備とかさせないために開始直前まで秘密らしいぜ。」

( ^ω^)「かなりの人が参加しているみたいだから1位になるのはかなり厳しそうだお。」

僕達が話をしていると意外な人物が僕に話しかけてきた。

ξ゚听)ξ「午前中のスリーマンセルの練習はどうでしたか?」

(;^ω^)「ツ、ツンさん!!」

なんで副首領がこんなところにいるんだ。

 

4021 :2006/06/11(日) 00:10:26.03 ID:WQlZ6Sqc0

僕達の不思議な視線を浴びたツンは思い出したかのように言った。

ξ゚听)ξ「あ、私も特別競技に参加します。
洗濯機があるとかなりの経費削減になりますので。」

(;^ω^)(副首領自ら運動会に参加かお・・・。ブラックシャドーも結構大変みたいだお。)

その時、スピーカーで特別競技の参加者の呼び出しがあった。僕達はグランドに集まる。
しかし、グランドに集まる人達は異常に多かった。

( ゚∀゚)「おいおい、めちゃくちゃ多いじゃねーか。100人以上はいるんじゃねーか。」

(´・ω・`)「10万円の商品券の力は偉大だね。」

(;^ω^)「これは1位になるのは大変そうだお。」

<ヽ`∀´>「おい、おまえら死ぬ気で1位取れニダ!!」

ニダーがバイト1人1人に声をかけていた。
ニダーもグランドにいるということは特別競技に参加するのか。
まあ、副首領が参加しているから当たり前か。

 

4031 :2006/06/11(日) 00:12:12.75 ID:WQlZ6Sqc0

スピーカーから再び放送が流れた。競技内容の説明らしい。
説明を聞いているとどうやら二人三脚で借り物競争をするそうだ。
スタートしてトラックコースに置いてある封筒に入っているメモに書いてあるものを持ってゴールすればいいらしい。
二人三脚のペアはクジで決まるそうだ。僕はグランドのトラックコースを見た。
スタート地点からゴールテープまでは200mくらいでその途中に封筒が置いてあった。

( ^ω^)「借り物が何かで勝敗が決まるとみていいお。」

( ゚∀゚)「まあ、誰とペアになるかもかなり重要だな。」

(´・ω・`)「あ、組み合わせのクジを配ってるよ。」

僕達は二人三脚の組み合わせのクジを受け取った。クジを開くと7番と書いてあった。

( ^ω^)「えーと、僕は7番かお。もう1枚7番があるからその人とペアだお。」

グランドにいる人達がパートナーを探して右往左往し始めた。
僕も7番のクジを持った人を探す。向こうの方の人ごみの中からツンがやってきた。

 

4051 :2006/06/11(日) 00:12:43.60 ID:WQlZ6Sqc0

ξ゚听)ξ「ブーンは何番ですか?」

( ^ω^)「あ、7番ですお。」

ξ゚听)ξ「あら、私も7番です。よろしくお願いします。」

(;^ω^)「あ、よ、よろしくですお。」

僕は適当にやろうと思ってのでかなり焦った。
粗相をしたらバイト代が減るかもしれない。額から汗が流れる。
その時、僕を見つけたジョルジュがやってきた。

( ゚∀゚)「お、ブーンはツンさんとペアなのか。」

( ^ω^)「う、うん。ジョルジュは?」

( ゚∀゚)「俺はなんとショボンなんだよ。」

(´・ω・`)「知り合いと組めるとは僕達はかなりラッキーだよね。」

( ^ω^)「おお、これは優勝候補だお。がんばってだお。」

 

4061 :2006/06/11(日) 00:13:28.07 ID:WQlZ6Sqc0

ξ゚听)ξ「あ、ニダーがいますね。彼のペアを聞いてみましょう。」

ツンはニダーを呼んだ。ニダーはツンのそばにやってくる。
しかし、ニダーと一緒にやってきた人物に僕達は仰天した。

('A`)「何でニダーと組まなきゃならねーんだよ。」

<ヽ`∀´>「そ、それはこっちの台詞ニダ!!!でも、ペア解除したら失格ニダ!!」

( ^ω^)( ゚∀゚)ξ゚听)ξ「ド、ドクオファイアー!!!!」

(´・ω・`)(誰だろこの人?)

<ヽ`∀´>「だいたいおまえは何が欲しいんだニダ!!」

('A`)「TVぶっ壊れたから新しいのがいるんだよ!!」

 

4071 :2006/06/11(日) 00:14:05.16 ID:WQlZ6Sqc0

<ヽ`∀´>「TVくらい自分で買えニダ。」

('A`)「うるせぇ、俺の勝手だろが。」

<ヽ`∀´>(ペア解除が失格でなければこんな奴とは組まないニダ・・・。)

('A`)「おまえ、足引っ張ったらドクオバーニングキックだからな。」

<ヽ`∀´>「こっちこそ、そっちが足引っ張ったらただじゃおかないニダ!!」

(;^ω^)(これは大変なことになりそうだお・・・。)

僕はこれからはじまる二人三脚にすさまじく嫌な予感がしていた。

 

4081 :2006/06/11(日) 00:15:09.51 ID:WQlZ6Sqc0

1位の商品券10万円獲得を目指して僕達はスタートラインに集まった。
僕とツンのペア、ジョルジュとドクオのペア、そしてニダーとドクオファイアーのペアがスタートラインに並ぶ。
そして、そのまわりには総勢100人以上の参加者がうごめいていた。
その中でもドクオファイアーとニダーのペアからはすさまじい殺気のようなものを発していた。

('A`)(ニダーUZEEEEEE。)

<ヽ`∀´>(ドクオバーニングキックだけはまずいニダ。)

僕はものすごく嫌な予感がしていた。そして、審判の競技用ピストルの音がパアンと鳴り響いた。
みんな一斉にコースに置かれた封筒目掛けて猛烈なダッシュをする。

('A`)「うおおお!」

ドクオファイアーが群集から抜け出してトップに立った。さすがヒーローだ。
しかし、ドクオファイアーのスピードについていけないニダーは転んでしまった。

<ヽ`∀´>「ハゥッ!」

 

4101 :2006/06/11(日) 00:15:59.66 ID:WQlZ6Sqc0

('A`)「ぬおおお!」

ドクファイアーはニダーを無視して走り続ける。
転んだニダーはそのまま地面を引きずられる。

<ヽ`∀´>「痛てててっニダ!!!ちょ、ちょっと止まれニダ!!!」

('A`)「うるせぇ、黙ってろ!!」

ニダーを引きずっていてもドクオファイアーは速い。
あっという間に封筒の置いてある場所まで到着した。

('A`)「さて、どの封筒にするか・・・。」

ドクオファイアーがどの封筒を取るか悩んでいると、
地面でボロ雑巾のようになっていたニダーが勝手に封筒を1つ手に取った。

('A`)「あっ、テメー、何勝手に取ってんだよ!!」

<ヽ`∀´>「悩んでも意味ないニダ。これにしたニダ。」

 

4111 :2006/06/11(日) 00:16:45.22 ID:WQlZ6Sqc0

ニダーは封筒を開いて中のメモを取り出す。
このメモに書いてあるものを持ってきてゴールすればいいのだ。
ドクオファイアーとニダーの借り物は何だろう。

('A`)<ヽ`∀´>「・・・カツラ。」

ドクオファイアーの腕が震えていた。

('A`)「テメー、カツラなんてどこから持って来るんだよ!!変なの引きやがって!!!」

<ヽ`∀´>「し、知るかニダ!!そこらへんのおっさんから奪い取ればいいニダ!!」

('A`)「じゃあ何だ?そこらへんのおっさんの髪の毛をひっぱりまわれって言うのか?あ!!」

ドクオファイアーはかなりご立腹のようだった。
しかし、二人三脚借り物競争はまだはじまったばかりである。
波乱の幕開けだった。


【第5話終わり】

 

4141 :2006/06/11(日) 00:19:40.92 ID:WQlZ6Sqc0

【次回予告】
とうとうはじまった商品券争奪二人三脚借り物競争。
1位になるのは果たしてどのペアなのか?そして、あの人?もついに登場!?
ブーンの運命やいかに?


※都合により次回予告の内容が本編と異なる場合があります。ご了承ください。

 

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