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:2006/06/12(月) 20:02:00.01 ID:aNgQA6s10
【第6話】
1位の商品券10万円獲得を目指して僕達ブラックシャドーの戦闘員は二人三脚借り物競争に参加している。
抜群の運動能力で1番に借り物の書いてあるメモを手に入れたドクオファイアーとニダーのペアは、
借り物のカツラを探してまわっていた。
さて、僕はというとまだスタート地点から少し進んだ場所だ。
ξ゚听)ξ「キャッ!」
ツンが転んでしまった。
( ^ω^)「あ、だ、大丈夫ですかお?」
僕はツンに手を差し伸べる。ツンは僕の手を掴んで起き上がる。
ξ////)ξ「あ、ありがとう。」
( ^ω^)「じゃあ、行きましょうですお。」
しばらくトテトテと走る。するとまたツンが転んだ。
僕はツンに手を差し伸べる。ツンは僕の手を掴んで起き上がる。
( ^ω^)「じゃあ、もうちょっとゆっくり走りましょうですお。」
ξ゚听)ξ「は、はい。」
ツンが運動が苦手というのは意外だった。副首領と言えども運動神経がいいわけないか。
でも、普段の凛々しいツンとのイメージのギャップがちょっとかわいい。
まあ、僕自身あんまりやる気なかったんでちょうどよかったかも。
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:2006/06/12(月) 20:02:45.80 ID:aNgQA6s10
僕達がゆっくり走っているとジョルジュとショボンが向こうからやってきた。
手にはメモを持っている。
(´・ω・`)「借り物がかなり難しいみたいだよ。みんなかなり困ってる。」
( ^ω^)「ショボンとジョルジュのペアは何かお?」
( ゚∀゚)「Fカップのブラジャーなんだよな。」
( ^ω^)「さすがジョルジュ、おっぱい運が強いお。」
( ゚∀゚)「でも、Fカップの人なんて普通いないだろ?参ったぜ。」
(´・ω・`)「もし見つけたとしても貸してくれるかなあ・・・。」
(;^ω^)「確かに借りるの難しそうだお。」
( ゚∀゚)「まあ、何とか探してみるぜ。おっぱい眼力パワー全開で。」
そう言うとジョルジュとショボンはFカップブラジャー探しの旅に出た。
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:2006/06/12(月) 20:03:35.44 ID:aNgQA6s10
それからゆっくり走った僕達は封筒の置いてある場所に着いた。
置いてある封筒の数はかなり少なかった。
ただ、借り物が難しいらしいので僕達にもチャンスはある。
僕は適当に封筒を拾って中のメモを見た。
(;^ω^)「・・・猫。」
ξ゚听)ξ「・・・これはかなり難しいですね。」
(;^ω^)「猫を発見しても捕まえるのは至難の技ですお・・・。」
ξ゚听)ξ「そうですね・・・。」
( ^ω^)「まあ、まずは猫を探しましょうですお。」
ξ゚听)ξ「はい。」
僕達はゆっくりと走り、猫を探す。
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:2006/06/12(月) 20:04:14.72 ID:aNgQA6s10
小学校から出ても構わないルールだけど、小学校を出てしまうとかなりのタイムロスになる。
僕達は小学校内に猫がいないか探すことにした。
まずはトラックコースのまわりにある客席を見てまわる。
ひょっとして猫を連れてきている人がいるかもしれない。
( ^ω^)(うーん、やっぱり猫はいないお。)
僕達が客席に猫がいないか探していると、
向こうの方からドクオファイアーとニダーがやってきた。
('A`)「くそー、カツラをしているかどうかなんて見た目じゃわからねーな。」
<ヽ`∀´>「だから髪の毛引っ張ればいいニダ。」
('A`)「じゃあ、テメーがやれよ。」
<ヽ`∀´>「そんなことしたら怒られるニダ。」
('A`)「・・・。」
ドクオファイアーはニダーの頭をゲンコツで殴る。
<ヽ`∀´>「・・・ぼ、暴力反対ニダ。」
('A`)「フン。」
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:2006/06/12(月) 20:05:12.08 ID:aNgQA6s10
ジョルジュとショボンもやってきた。
( ^ω^)「あ、ジョルジュ。どうかお?」
( ゚∀゚)「いやー、Fカップいねーよ。
やっぱFカップなんてワカパイちゃんくらいしかいねーよなあ・・・。」
ジョルジュがため息をついた。その時、客席から声がした。
???「オー!ジョルージュさんじゃナイデスカ!?」
声のした方を振り向いたジョルジュは驚いた顔をした。
( ゚∀゚)「あっ、ワカパイちゃん!!」
そこには褐色の肌で長い黒髪のフィリピン人がいた。
ワカパイ「ジョルージュさんも運動会デスカ。オツカレサマデス。」
( ^ω^)「ワカパイちゃんってフィリピン人だったのかお。」
( ゚∀゚)「ああそうだぜ。ワカパイーナ=ジョリーっていう名前なんだよ。」
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:2006/06/12(月) 20:05:59.27 ID:aNgQA6s10
ジョルジュはすかさずワカパイにFカップブラジャーの交渉をはじめた。
ワカパイ「イツモお世話ニナッテイルジョルージュさんノ頼みナラOKヨ。」
ワカパイは鞄の中からFカップブラジャーを取り出した。
ワカパイ「キョウハ暑くて汗かきそうダッタからスペア持ってきテたの。」
( ゚∀゚)「ありがてぇ!すぐに返すから!」
(´・ω・`)「よし、ジョルジュ急ごう。」
ジョルジュとショボンはゴールへ向かって走り出した。
その様子を見ていたニダーは真剣な顔をしていた。
<ヽ`∀´>「このままではジョルジュ達が1位になって私の威厳が・・・。
・・・しょうがないニダ。」
('A`)「あ?どうした?」
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:2006/06/12(月) 20:07:06.36 ID:aNgQA6s10
ニダーは意を決すると自分の髪の毛を掴みだした。
そしてモゾモゾと動かすと髪の毛が取れた。ニダーの禿げ頭が眩しい。
( ^ω^)(ニダーはカツラだったのかお。)
<ヽ`∀´>「・・・私のカツラを持っていくニダ。」
('A`)「テメー、自分がカツラならさっさと言えよ!!」
<ヽ`∀´>「うるさいニダ!!これは秘密だったニダ!!
これでもし負けたらドクオファイアーに謝罪と賠償を要求するニダ!! 」
('A`)「知るか!!」
ドクオは猛スピードで走り出した。当然、ニダーはまた引きずられている。
<ヽ`∀´>「痛てててっニダ!!!ちょ、ちょっと止まれニダ!!!」
('A`)「うるせぇ、カツラをしっかり掴んで黙ってろ!!」
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:2006/06/12(月) 20:08:19.03 ID:aNgQA6s10
ドクオファイアーがいくら速くても既にゴールに向かっているジョルジュ達が勝つだろう。
その様子を見ていたツンがちょっと悲しそうな顔をしていた。
ξ゚听)ξ「せっかくがんばったのに私達は無理そうですね・・・。」
( ^ω^)「まあ、ジョルジュ達が勝ちそうだから問題はないですお。」
ゴール手前まで走っているジョルジュペア、それを追うドクオファイアーペア。
勝利はどちらになるのか。客席のみんなも注目していた。
しかし、ドクオファイアーペアはかなり速く、ゴール前でとうとうジョルジュペアと並んでしまった。
( ^ω^)(は、速っ!!)
('A`)「フンヌラバアァッ!」
( ゚∀゚)「やべぇ!」
しかし、ゴール前で突然ジョルジュペアとドクオファイアーペアが消えてしまった。
( ^ω^)「あれ?」
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:2006/06/12(月) 20:09:01.30 ID:aNgQA6s10
ジョルジュペアとドクオファイアーペアは、
ゴール手前にある巨大な落とし穴に落ちてしまっていたのだ。
( ゚∀゚)「痛ててて。何がどうなったんだ?」
(´・ω・`)「落とし穴に落ちたみたいだね。ゴール前にあるとはかなり嫌らしい。
しかも、こんなに深いとすぐには出られないよ。」
<ヽ`∀´>「さっさと出るニダ!」
('A`)「うるせぇ!言われなくてもわかってる。」
その様子を眺めていたツンが張り切りだした。
ξ゚听)ξ「これで誰が1位になるかまたわからなくなりましたね。」
ツンはあちこちをキョロキョロ眺めて必死で猫を探している。
その真剣な眼差しに僕の心は少し揺れ動いた。
( ^ω^)(よし、僕もちょっとがんばるお。)
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:2006/06/12(月) 20:09:34.21 ID:aNgQA6s10
僕達は猫を必死で探す。しかし、猫など見つからない。
(;^ω^)(うーん、猫、猫、猫・・・。)
その時、僕の視界にあるものが入った。
( ^ω^)「そうだ!これだお!!」
僕は小さな女の子に話をしてそれを貸してもらった。
ξ゚听)ξ「えっ!?それは・・・。」
( ^ω^)「僕の考えに間違いがなければ大丈夫なはずだお。急ごうだお!」
ξ゚听)ξ「は、はい。」
僕達はゴールへ向けてゆっくりと走り出した。
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:2006/06/12(月) 20:10:26.81 ID:aNgQA6s10
最初はゆっくりだったがだんだんとツンと息があってきたのかスピードが上がってきた。
( ^ω^)ξ゚听)ξ「1・2!1・2!1・2!」
2人でリズムを取りながら走る。
( ^ω^)「よ、よし!もうすぐゴールだお!」
ξ゚听)ξ「落とし穴には気をつけてください。」
僕達はゴール前の巨大な落とし穴を迂回してゴールを目指す。
ゴールテープまであと少しになった。
( ^ω^)「やったお!!」
その時、落とし穴の中から声がした。
('A`)「俺の両足、真っ赤に燃えるッ!勝利を掴めと轟き叫ぶッ!」
決め台詞を言ったドクオが空中に高くジャンプして落とし穴から脱出した。
('A`)「ばぁぁぁぁく熱ッ!・・ドクオォォ!バアアアアニィィング!!!キイイィィーークッッッ!!!」
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:2006/06/12(月) 20:11:24.71 ID:aNgQA6s10
ドクオファイアーはドクオバーニングキックで僕達より先にゴールしてしまった。
例によって引きずられたニダーがボロ雑巾のようになっていた。
('A`)「よっしゃああ!!1位だぜ!!TV買えるぜ!!」
<ヽ`∀´>「・・・とりあえず・・・1位・・・ニダ・・・。」
ニダーは力尽きていた。
(;^ω^)「アッーーーー!!!」
ξ゚听)ξ「・・・。」
僕達はとりあえずゴールはしたがもう遅かった。2位のようだ。
僕とツンはがっくりと肩を落とした。
その時、ゴールにいた審判は声を大きくして言った。
審判「ドクオファイアー&ニダーペアは失格です!」
('A`)「えっ!?」
<ヽ`∀´>「な、何でニダ?」
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:2006/06/12(月) 20:13:00.90 ID:aNgQA6s10
審判「ゴールした時点で借り物を持っていない場合は失格となります。」
('A`)「おい、俺達は借り物のカツラ持っているぞ。」
ドクオファイアーはニダーを見た。しかし、ニダーは何も持っていなかった。
禿げ頭はキラリと光っていたが。
<ヽ`∀´>「落とし穴から出るときにカツラ落としちゃったみたいニダ。テヘ。」
ドクオファイアーは全身からすさまじい殺気を放っていた。
怪人と戦うときでもこれほどの殺気を感じたことはない。
('A`)「・・・さ、行くか。」
<ヽ`∀´>「ど、どこに行くニダ??」
('A`)「さあな、天国か地獄かはおまえが決めろ。」
そう言うとドクオファイアーはグランドから歩き始める。
ドクオファイアーと足が繋がれているニダーは泣きながら引きずられていた。
<ヽ`∀´>「た、助けてニダァアアアアアアア!!!!」
やがてドクオファイアーとニダーはグランドからいなくなった。
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:2006/06/12(月) 20:13:59.52 ID:aNgQA6s10
審判が僕達の方へやってくる。
審判「1位でゴールしたペアが失格になったので2位にゴールしたペアが繰上げ1位になります。
借り物を見せてください。」
( ^ω^)「これが借り物ですお。」
僕は手に持っている猫のぬいぐるみを審判に見せた。
さきほど観客席にいた小さな女の子から借りたのだ。
ξ゚听)ξ「・・・。」
審判「OKです。メモには猫と書いていましたが生き物の猫とは書いていませんのでOKです。
1位おめでとうございます!!!」
その瞬間、客席から拍手喝さいが起きた。
( ^ω^)「やったお!!!」
僕は思わずツンの両手を握ってはしゃいでしまった。
すぐに気づいてツンの手を離す。
(;^ω^)「あ、す、すみませんだお。嬉しくってつい・・・。」
ξ////)ξ「べ、別にいいですよ。」
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:2006/06/12(月) 20:14:43.19 ID:aNgQA6s10
それから僕達は1位の10万円分の商品券を受け取った。
その頃、ジョルジュとショボンが落とし穴から出てきた。
( ゚∀゚)「ブーン、やったな。」
(´・ω・`)「ブーンならやってくれると思っていたよ。」
( ^ω^)「い、いや運がよかっただけだお。」
ξ゚听)ξ「いえ、ブーンはすごくがんばってくれました。」
(´・ω・`)「これで洗濯機が買えるね。」
( ゚∀゚)「じゃあ、帰りに洗濯機でも見にヨコバシカメラに行くか。」
( ^ω^)「あ、それいいお。」
ξ゚听)ξ「私も行きます。」
( ^ω^)「じゃあ、みんなで行こうだお。」
僕達は小学校のグランドを出るとヨコバシカメラに向かって歩き始めた。
数日後、ツンからニダーが入院したという報告があった。
【第6話おわり】
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:2006/06/12(月) 20:15:56.43 ID:aNgQA6s10
【次回予告】
とうとう決戦の日が来た!!ブーン達スリーマンセルのフォーメーションがドクオファイアーを襲う!!
ブーンの運命やいかに??
※都合により次回予告の内容が本編と異なる場合があります。ご了承ください。