第2話:「黒い乳首〜 oh my nipple 〜」
ブーンは走った。
師走なのに、汗が噴き出してくる。
それでもブーンは走り続けた。
走って走って、走り続けた。
なぜ、そんなに走るのかって?
( ^ω^)b「そこに、道があるからさ。」
(;^ω^)「あの角を曲がれば、学校だお。」
起用にパンを口に咥えたまま、ブーンは、そうつぶやいた。
そして、その角を曲がる。
(;^ω^)「イタイイタイ、鯛の尾頭付き。」
角を曲がると同時に、
ブーンは、何かにぶつかって地面にしりもちをついた。
( ^ω^)「(恋愛フラグktkr!
ここは、相手の女の子を怒鳴りつけるお!
そして、学校のHRでその女の子が転校生として紹介されて、
『アッー!さっきの馬鹿男!』
『お前こそ、さっき僕にぶつかった馬鹿オンナじゃないかお!』
って会話が交わされて、先生が、
『なんだ、お前ら知り合いか。 なら内藤、彼女を学校案内してやれ。』
って流れになって、
なんだかんだで、彼女と僕は親密な関係になるお!
その後は、彼女といんぐりもんぐりするお!
ふひひひ、夢ひろがりんぐwwwwwww)」
それは、わずか1秒間の間になされた思考だった。
( ゚ω゚)「気を付けやがれ、バーロー!」
ブーンは、ぶつかった相手をにらみつけて言った。
( ^ω^)「(ふひひひひwwwww完璧な演技だお!
自分の才能に嫉妬!!!!)」
しかし、そこに立っていたのはどう見ても電柱です。
本当に、ありがとうございました!
(;^ω^)「・・・・・・・・・・。」
( ^ω^)「ま、アフリカじゃ良くあることだお!」
気を取り直して、再びブーンは学校へと走り出した。
教室に入ると、HRは終わっていて、中にいるのは男子だけだった。
('A`)ノ「よう、ブーン。
遅刻なんて珍しいな。」
彼はドクオ。
彼は、自分をニヒルな男だと思っている。
気取ってタバコなんて吸っているけど、
吸っているのはとっても軽い、女が好んで吸うルーシアONEだったりする。
ドクオは、そんなふうにちょっと頭の中がかわいそうな、
でも、気のいいブーンの親友だ。
( ^ω^)ノ「おいすー。
ところで、この学校はいつの間に男子校になったんだお?」
('A`)「なに言ってんだ、お前?」
( ;ω;)「だって、この教室には女の子がいないお。」
そのとき、
不意に現れた、ブーンのもう一人の親友、
クールなナイスガイ、かつ、ミステリアスガイのショボンが耳元でささやいた。
(´・ω・`)「それはね、これから体育だからだよ。」
( ^ω^)「・・・。」
(^ω^ )「・・・・・・。」
(^ω^)「・・・・・・・・・・。」
(゚ω゚)「なんてこったああああああああああああああ!!!!!!!」
(;^ω^)「(まずいお、このまま着替えようものなら
僕の乳首がないことがみんなに知れ渡ってしまうお。)」
( ;ω;)「(それからきっと、僕は
『やーい、お前の乳首、陥没乳首ー。』
なんて言われながらいじめられるお。)」
( ^ω^)「(あ、でも僕の乳首は陥没しているんではなくて、
そもそも陥没以前に、乳首そのものがないんだお!
だから、陥没乳首なんて言われる筋合いはないお!)」
( ;ω;)「(でも、僕は乳首がないから、
消しゴムの消しかすで作った塊を
人口乳首として、みんなに入れられるかもしれないお。
消しゴムのかすは、手垢や汚れで黒いから、
きっとその人口乳首も黒くて
『やーい、お前の乳首、黒乳首ー。』
なんて言って、みんなはきっと、僕のことを馬鹿にするんだお。)」
( ;ω;)「(そんなの嫌だお!
絶対に、言えないお。
いくら親友のドクオとショボンにも、これだけは言えないお。)」
('A`)「なに黙り込んでいるんだよ、ブーン?」
(´・ω・`)「何か、悩み事かい?」
(;^ω^)「乳首が取れたなんて、とても言えないお!!
(いやー、なんでもないお。
ただ、今日の朝はうんちくんの切れがあまりに良くて拭かなかったら
今になって、アナルがむずむずしているだけだお。)」
('A`)「あ」
(´・ω・`)「あ」
( ^ω^)「あ」
あずまんが大王のように
「あ」
と言いながら、
三人は、顔を見合わせた。
( ゚ω゚)「本音と建前を逆に言っちまったああああああああああああああ!!!!!」
(;'A`)「まじかよ・・・・・・。」
(;´・ω・`)「君もだったとは・・・・・。」
(;^ω^)「はい?」
予想もしていない返答を受けたブーンが間抜けな声を出すと、
ドクオとショボンが、体操服の上をめくって乳を見せた。
('A`)「右乳首が取れました。」
(´・ω・`)「左乳首が取れました。」
( ^ω^)「これはビックリ片乳首。」
(´・ω・`)「それでは、ブーンの乳首を見せてもらおうか!!」
ショボンはそう言うと、ブーンの服をめくった。
(;'A`)「なんてこった!!」
(;´・ω・`)「両乳首が無いじゃないか!!」
(*^ω^)「いやん、そんなに見つめないでおw」
(;´・ω・`)(;'A`)「 こ れ は す ご い ! 」
新たな伝説が誕生した瞬間だった。
('A`)「まさか、両乳首とも無い男がいるとはな。」
(´・ω・`)「普通、片乳首が取れた時点で、みんなびびっちゃうのにね。」
( ^ω^)「それにしても、なんで二人の乳首は取れてしまったんだお?」
('A`)「いやー、乳首でオナニーしていたら、ポロッとね。」
(´・ω・`)「僕も、僕も。」
( ^ω^)「なーんだ。
みんな、考えることは一緒だおね。」
('A`)「それで、両面テープでくっつけようと思ったんだ。」
(´・ω・`)「あまいね、ドクオ。
ここは、木工ボンドを使うべきだろ?」
(;'A`)「お、お前、頭いいな!。」
( ^ω^)「僕は、アロンアルファでくっつけようとしたお!」
(;´・ω・`)(;'A`)「て、天才現る!!」
('A`)「それで、両面テープを取りに別の部屋に行って帰ってきたら
置いてあった乳首がなくなっていたって訳だ。」
(´・ω・`)( ^ω^)「僕も、僕も。」
('A`)「それにしても、俺たちの乳首は何処に行ったんだろうな。」
(´・ω・`)「乳首を無くしてしまうとは、一生の不覚だよね。」
乳首を無くした。
ショボンのその言葉が、ブーンには引っかかった。
僕が、乳首を無くすはずが無い。
なぜなら、僕と乳首は生まれたときからいつも一緒だったからだ。
一緒に成長して、一緒に苦労を乗り越えてきた。
最近は、いつもオナビーで愛撫をしてやっていた。
僕と乳首は相思相愛。
それは、ドクオやショボンにも言えることで、
そんな僕やドクオやショボンが、自分の乳首を無くすわけがない。
江戸川「それは盗まれたんだ、ゲン太!」
( ^ω^)「僕もそう思っていたお!」
脳内に響いたアガサ博士の言葉をきいて、
ブーンはその事実を確信した。
( ^ω^)「みんな、聞いてほしいことがあるお。」
('A`)「なんだ?」
( ゚ω゚)「俺たちは、乳首を無くしたんじゃねぇ!!
盗まれたんだあああああああああああああ!!!!」
(;´・ω・`)(;'A`)「き、鬼才現る!!!!!!!!」
(;´・ω・`)「でも、その根拠は?」
( ^ω^)「かくかくしかじか馬の尻。」
ブーンは、先ほどの自分の考えと
脳内のアガサ博士の考えを伝えた。
(;'A`)「なるほど。」
(;´・ω・`)「一理あるね。」
( ^ω^)「というわけで、今から盗まれた乳首を探しに行くお!」
しかし、毒男は浮かない顔で言う。
(;'A`)「でもさ、これから体育だぜ?」
そのときだった。
ショボンの強烈なパンチが、ドクオの顔面を捉えた。
ドクオの体は、中を舞った。
ドクオの目には、世界がスローモーションでまわって見えた。
「回る〜、ま〜わる〜よ、時代〜は回る〜♪」
中を舞うドクオの脳内には、中島みゆきの「時代」が、響き渡った。
ドクオは、気がつけば、教室の後ろで仰向けになっていた。
鼻から、血が滴り落ちている。
その血を、舌でぺろりと舐めてみる。
意外に、うまい。
夢中でぺろぺろ舐め続けた。
ドクオの体内に、鉄分が満ち溢れてくる。
これで、貧血の心配は無い。
やがて、ドクオは、本来の感情を思い出した。
(#'A`)「何しやがる!ショボン!」
(#´・ω・`)「バカやろうが!
体育と乳首と、どっちが大切なんだ!!」
(;'A`)「!!」
(´・ω・`)「僕たちの乳首は、僕たちを待っているんだよ?」
(;A;)「ううう。
俺が間違っていたよ、ショボン。」
(´・ω・`)「うほっ!!」
ドクオとショボンは抱き合った。
( ;ω;)「男の友情って、素敵!」
('A`)「よし! 俺たちの乳首を捜しに出発!!」
( ^ω^)ノ(´・ω・`)ノ「おー!」
('A`)「俺たちの名は・・・・・!」
チ ー ム ・ ニ ッ プ レ ス ! !
ヽ
(´・ω・`)┐ ヽ ヽ
┌ヽ ノ (^ω^) ヽ ('A`)
┛ └┓ ┗-ヽ 9m ヽ ノ―━
┏ └━
ポーズもクールに決まった!!
その勢いに乗って、教室から出ようとしたとき、
教室の連絡用掲示板の前で、ブーンの足が止まった。
('A`)「どうした、ブーン?
早く行こうぜ?」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・。」
すると突然、ブーンは上半身裸になって
掲示板から抜き取った画鋲を、乳首に付けて言い放った。
( ^ω^)「おっおっお! ニードル乳首〜!」
(;´・ω・`)(;'A`)「こ、孔明現る!!」
ショボンはスカウターを取り出して、ブーンの戦闘力を測った。
(;´・ω・`)「1万・・・・2万・・・・・まだまだ上がるぞ!」
(;'A`)「ええい! 連邦の乳首は化け物か!?」
(;´・ω・`)「うわっ!!」
ショボンのスカウターは限界を超え、爆発した。
(;´・ω・`)「ニードル乳首・・・・・恐ろしい子!!」
(´・ω・`)「しかし、ニードル乳首は
僕たちの乳首が見つからなかったときの、最終手段にしようね。
あまりにも危険すぎる。(性的な意味で)」
( ^ω^)('A`)「把握した!!」
三人は校舎の外に出た。
そして、校門の外へと出た。
学校という監獄を抜け出した三人は、新たな冒険のたびへと出かけるのだ。
( ^ω^)「ニップル〜」
(´・ω・`)ノ('A`)ノ「ファイトーーー!!」
掛け声も勇ましく、三人は走り出した。
乳首を取り戻すための三人の冒険は、始まったばかりだ!
第2話 完