120 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:02:14.87 ID:BicNMPfx0

第6章「道具屋ブーンの隣の特産品だお」

ツンがモララーから救出された数日後。

( ^ω^)「えーと、薬草と思わせつつまんげつ草かと思いきや、やっぱり薬草かお。
旗揚げゲームかお。赤上げないで白下げないで赤上げないかお。80Gだお。」
(お 客J)「はい。」

お客Jは、ブーンに80G払った。

( ^ω^)「ありがとうございますだお。また、来てくださいだお。」
ξ゚听)ξ「そういえば、近々会議やるんだったわよね。」
( ^ω^)「うん、明後日だお。モナーがこっちに来て3人でやるお。」
ξ゚听)ξ「何の会議するの?」
( ^ω^)「それはまだ内緒だお。いいアイデアが浮かんだんだおね。」

昼が近づいてきた頃にドクオがやってきた。


122 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:04:39.20 ID:BicNMPfx0

( ^ω^)「あ!ドクオさん。この前はありがとうございましただお。大丈夫でしたかお。」
('A`)「大丈夫だ。キタコレは倒したが[死せる刻の箱]は奪われたままだ。必ず俺が取り戻してやる。」
( ^ω^)「元々はドクオさんのものだし、あんまり無理しなくてもいいですお。」
('A`)「この件に関しては冒険者のケジメとして解決することにしたんでな。
時間はかかるかもしれんが必ず取り戻す。」
( ^ω^)「そうですかお。気をつけてくださいお。」
('A`)「ああ。」
( ^ω^)「それで、今日の御用は何ですかお。」


124 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:07:00.47 ID:BicNMPfx0

('A`)「ツンに聞きたいことがある。」
ξ゚听)ξ「え?なんですか?」
('A`)「おまえが捕まっていた場所を教えて欲しい。
場所が特定できないように捕まっていたとは思うが、どんな些細なことでもいい、教えてくれ。」

ツンはしばらく考え込むと口を開いた。

ξ゚听)ξ「・・・捕まっていた場所は、どこかのお屋敷みたいなところだったけど何処かはわからないです。
捕まったときは眠らされていたし、東の湖のほとりへ連れて行かれたときは目隠しをされていたから。」
('A`)「屋敷の窓から外の景色は見れなかったか?」
ξ゚听)ξ「・・・それが屋敷には窓が1つもなかったんです。」
('A`)「窓が1つも無い?」
ξ゚听)ξ「はい、だから外の景色は見れませんでいた。」
('A`)「・・・視覚情報はなしか・・・なら音か匂いあたりか。」


125 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:09:00.34 ID:BicNMPfx0

ξ゚听)ξ「屋敷の中は静かだったし、匂いも特に気にならなかったです。」
('A`)「・・・手がかりなしか。」

場の雰囲気が重い空気になったとき、ブーンが言った。

( ^ω^)「あ、ご飯は何が出たのかお?おいしかったんだおね。」
ξ゚听)ξ「何言ってるのよ。そんなこと関係ないでしょ。」
('A`)「・・・いや、ツン、話してくれ。」
ξ゚听)ξ「え?はい。ちょっと思い出します。・・・朝食はゆで卵とパンとお茶。」
( ^ω^)「ゆで卵うらやましいお。」
ξ゚听)ξ「・・・お昼ごはんは・・・えーと・・・こごえるチーズとパンと・・・。」
( ^ω^)「え?こごえるチーズが出たのかお?」
ξ゚听)ξ「ええ、出たけど。どうかしたの?」


127 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:11:13.33 ID:BicNMPfx0

( ^ω^)「こごえるチーズを作るにはこおりのチーズとみず草のカビがいるんだお。
でも、みず草のカビはこのあたりじゃ取れないお。」
('A`)「どこでなら取れるんだ?」
( ^ω^)「えーと、確か隣町のニューソクの方では取れたと思うお。」
('A`)「ふむ。つまりツンの捕らわれていた屋敷はニューソクにある可能性が高いということか。」
( ^ω^)「ああ、そうなりますおね。」

ドクオはしばらく考え込むと口を開いた。

('A`)「よし、俺はニューソクの方に行ってみる。ツン、また何か思い出したら教えてくれ。」
ξ゚听)ξ「はい、わかりました。」

ドクオは店を出て行った。


130 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:13:43.20 ID:BicNMPfx0

それから数日後。

道具屋ブーン1号店の閉店後、ブーン、ツン、モナーが集まって会議を開いていた。

( ^ω^)「1号店、2号店共に繁盛しているけど、売り上げは安定してきたおね。」
ξ゚听)ξ「そうね。1号店の売り上げは最近はずっと横並びね。」
( ´∀`)「そうッスね。2号店も落ちはしてないけど上がりもしてないッスね。」
( ^ω^)「それで、売り上げ拡大も考えてそろそろ貿易の方をはじめようかと思うんだお。」
( ´∀`)「お!いよいよ貿易はじめるッスか。」
( ^ω^)「2号店の倉庫を使おうと思ってるんだけど、どのくらいスペース余ってるかお?」
( ´∀`)「ものにもよるッスけど、かなりスペースありますよ。まだ半分以上は余ってるかな?」
( ^ω^)「それだけあれば大丈夫だお。」
ξ゚听)ξ「で、どこの町を貿易の対象にするの?」


131 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:16:30.17 ID:BicNMPfx0

( ^ω^)「ニューソクだお。最初だから隣町と簡単な貿易をしてみることにしてみたお。
あっちの特産品をこっちに持って来て売るのを基本にしようかと思ってるお。」
( ´∀`)「ニューソクっスか。いいッスね。片道数日かかるからあっちでしか売ってないものを買いに行くの面倒ッスからね。」
ξ゚听)ξ「悪くないわね。で、ニューソクから何をこっちに持ってくるの?」
( ^ω^)「僕が得意な薬用植物にしようかと思ってるんだお。あっちでしか採れないのはヌーク草やきつけ草あたりだお。」
( ´∀`)「ヌーク草は食材にも使えるからいいッスね。」
( ^ω^)「他にもいい特産品があったら教えておね。」
( ´∀`)「わかったッス。」
ξ゚听)ξ「わかったわ。」
( ^ω^)「それで、来週あたりに様子見るためにニューソクに行こうかと思ってるんだお。」
ξ゚听)ξ「え?1人で行くの?」


133 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:18:21.73 ID:BicNMPfx0

ブーンはちょっと顔が赤くなったが、急いで平静を取り戻した。

( ^ω^)「・・・コホン。僕だけじゃ交渉とかうまくいくか心配だからツンにも来て欲しいんだお。」
ξ゚听)ξ「・・・。」
( ^ω^)「ツン、いいかお?」
ξ////)ξ「しょ、しょうがないわね。店長命令じゃ行くしかないでしょ。」
( ^ω^)「ツン、ありがとうだお。その間にモナーには1号店を任せるお。」
( ´∀`)「わかったッス。アルバイトでデキル奴をまわしておくっッス。安心してください。」

会議は無事に終わり、3人は店を出た。


135 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:19:18.83 ID:BicNMPfx0

それから数日後の朝。道具屋1号店の前に馬車が止まっていた。

( ^ω^)「じゃあ、ニューソクに行ってくるお。」
ξ゚听)ξ「モナー、あとのことはお願いね。」
( ´∀`)「任せといてくださいッス。」
( ^ω^)「そろそろ頼んでおいた護衛が来るはずなんだおけど・・・。」

ブーン達が馬車の側で待っているとジョルジュがやってきた。

( ^ω^)「あ、ジョルジュ。どうしたんだお。」
( ゚∀゚)「ブーン、待たせたな。俺が護衛だ。」
( ^ω^)「なーんだ、護衛はジョルジュだったのかお。あれ?でも、騎士団のお仕事は大丈夫かお?」
( ゚∀゚)「最近またゾンビが現れているらしくてな。騎士団の方でも護衛の仕事を受け持つことに決まったんだ。」
( ^ω^)「そうだったのかお。じゃあ、よろしくお願いしますだお。」
( ゚∀゚)「ああ、任せてくれ。」

ブーン達は馬車に乗り込むとニューソクに向けて出発した。


137 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:21:28.35 ID:BicNMPfx0

とある場所のとある屋敷。

怪しげな薬品に囲まれ、紫のローブを着た荒巻が研究をしていた。
その研究室に1人の男が入ってきた。入ってきた男は首から上が無く、そのかわりに頭を脇に抱えていた。

/ ,' 3 「ビコーズか。どうした。」

荒巻はビコーズに背を向けたまま、研究の手を休めずに言った。

( ∵)「荒巻様。最近、屋敷の周りをネズミがうろついておりますがいかがいたしましょうか?」
/ ,' 3 「ほうっておけ。どうせ何もわかりはしないだろう。」
( ∵)「・・・しかし、あの男、先日モララーを倒しております。油断されぬ方がよろしいかと・・・。」
/ ,' 3 「油断はしとらんがな。まあ、よい。おまえにまかせる。好きにしろ。」
( ∵)「はっ。」

ビコーズは研究室を出た。


140 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:23:57.31 ID:BicNMPfx0

荒巻は棚から[死せる刻の箱]を取り出した。
中には赤い色の液体が入っていた。そこに荒巻は試験管に入っている青い液体を注いだ。
2つの液体はしばらく[死せる刻の箱]の中で混ざり合い、やがてドス黒い液体にかわった。
その様子を荒巻は満足そうに眺めていた。

/ ,' 3 「よし、第2段階まで成功した。最終段階まではあと少しだな。」

薄暗い研究室の中、荒巻はつぶやいた。

/ ,' 3 「・・・モララーが連れてきていた娘の方もそろそろ確保しておいた方がいいかもしれんな。」


142 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:26:05.77 ID:BicNMPfx0

数日の旅を終えて、ブーン達はニューソクの町に着いた。

( ^ω^)「やっとついたお。」
ξ゚听)ξ「ブーン、まずはどうする?」
( ^ω^)「まずは町をぶらぶらまわってみるお。この町の雰囲気とかを味わってみるお。」
ξ゚听)ξ「それもいいわね。」
( ゚∀゚)「そうか。じゃあ、俺は馬車を馬車止めに置いてから宿屋で待ってるよ。
せっかくの旅行だし、お前達2人でデートでもしてこいよ。」
(;^ω^)「ちょwwww。」
ξ////)ξ「な、なに言ってんのよジョルジュ!」
( ゚∀゚)「え?おまえら結構お似合いだと思うんだけどな。まあ、俺は疲れたんで宿屋で待ってる。」

ジョルジュは、馬車に乗って去っていった。

(;^ω^)「じゃ、じゃあ、行きましょうかお。」
ξ////)ξ「そ、そうね。お仕事よね。」
(;^ω^)「お、お仕事なのだお。」

2人は顔を真っ赤にして町の中を歩いていった。


146 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:28:24.45 ID:BicNMPfx0

その日の夜。ブーン達は宿屋の中の食堂で食事をしながら話をしていた。

( ^ω^)「活気があっていい町だおね。」
ξ゚听)ξ「そうね。私たちの町にはない特産品も多いし、貿易するにはいい町だと思うわ。」
( ゚∀゚)「治安も悪くないな。さっき町の番兵と話したけどしっかりした応対してくれたよ。
町の間を移動するときは護衛つけた方がいいと思うが、町自体は安全とみていいな。」
( ^ω^)「ふむふむ。じゃあ、ニューソクを貿易対象にするのは決定だお。」
ξ゚听)ξ「うん、いいと思うわ。」
( ^ω^)「明日から町をまわってどの商品を貿易の対象にするか考えていくお。
この前話したヌーク草ときつけ草は決定として他にも探した方がよさそうだおね。」
ξ゚听)ξ「そうね。わかったわ。」
( ゚∀゚)「明日は俺も護衛としていちおうお前達についていくよ。お邪魔かもしれないが仕事なんでな。」
(;^ω^)「お、お邪魔じゃないお。ご、護衛よろしくお願いしますだお。」
ξ////)ξ「べ、別にお邪魔じゃないわよ。よ、よろしく頼むわよ。」


148 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:30:36.07 ID:BicNMPfx0

次の日。ブーン達3人は町の中を歩いていた。反物屋の前で何かを見つけたツンが立ち止まった。

ξ゚听)ξ「あら?これは、珍しい色の反物ね。」
( ^ω^)「そうなのかお。」
ξ゚听)ξ「うん、とっても綺麗だし、これは私達の町でも売れるかもしれないわ。
ちょっとこのお店の店長と話してみていいかしら。」
( ^ω^)「うん、いいお。」

ツンは、反物屋の店長のコッチミルナに話しかけた。

ξ゚听)ξ「この反物は、珍しい色なんですけど、どうやって出しているんですか?」
( ゚д゚ )「この色は、先祖代々伝わる染料と糊を使っています。
ですから、色の秘密はお教えすることはできません。申し訳ありません。」
ξ゚听)ξ「つまり、この色は世界中でもここでしか出せないと思っていいでしょうか?」
( ゚д゚ )「世界中の反物を見たことがないから何とも言えませんが、この色の反物はほとんどないとは思います。」


152 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:32:37.99 ID:BicNMPfx0

ツンは、しばらく考え込んでブーンに言った。

ξ゚听)ξ「ブーン、この反物も貿易対象にしてもいいかしら。」
( ^ω^)「どうしてかお?」
ξ゚听)ξ「世界中でも数少ない珍しい色の反物だし、すごく綺麗。きっと売れると思うの。
乱暴に言うと女の勘と言うやつなんだけど。」

ブーンはしばらく考え込んだあとに言った。

( ^ω^)「うん。それも貿易対象にしてもいいお。
反物のことは詳しくわからないけど、ツンの言うことなら間違いないお。きっと売れると思うお。」
ξ゚听)ξ「ありがとう、ブーン。」

ツンは、コッチミルナに反物の大量買い取りを交渉したが、コッチミルナの表情が険しくなった。


155 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:34:42.71 ID:BicNMPfx0

( ゚д゚ )「お話はすごく嬉しいんですが、実はいまお店にある分しかもうないんですよ。」
( ^ω^)「え?また染めればいいんだお。別に今すぐたくさん欲しいわけじゃないお。」

コッチミルナは、悲しそうな表情で話し始めた。

( ゚д゚ )「この反物は町の北にある森に流れている川で洗いながら染めるという[ミル流し]という技法を使っています。
ですが、最近は森にモンスターが現われるようになって川には行けなくなったんですよ・・・。」
ξ゚听)ξ「他の川で洗っちゃ駄目なのかしら。」
( ゚д゚ )「はい。森の北の川は非常に綺麗で成分が染料に非常に馴染むのです。
ですから、他の川では同じ反物はできないと思います。」
( ^ω^)「・・・そうですかお。それならしょうがないおね。」

3人のやり取りを聞いていたジョルジュが言った。

( ゚∀゚)「なら、そのモンスターを退治すりゃいいんだろ。俺にまかせてくれ。」


160 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:36:53.46 ID:BicNMPfx0

( ^ω^)「ジョルジュ、大丈夫かお?」
( ゚∀゚)「まかせておけ。やっと俺の出番が来たぜ。」
ξ゚听)ξ「じゃあ、森のモンスターがいなくなったら反物を売っていただけますか?」
( ゚д゚ )「はい、それはもう喜んでお願いします。」

コッチミルナは深々と頭を下げた。

( ゚∀゚)「決まりだな。腕がなるぜ。」

ジョルジュは、拳を握り締めた。


165 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:38:44.59 ID:BicNMPfx0

次の日。ジョルジュは町の北の森へ向かった。

( ゚∀゚)「まあ、モンスターと言っても一角ウサギやスライムとかだろううな。
さっさと終わらせてブーン達を喜ばせてやるぜ。」

ジョルジュは、歩きながらつぶやいた。

( ゚∀゚)「そろそろ例の川につきそうだな。」

そのとき、木の陰から何かが現れた。

( ゚∀゚)「きたか!」

ジョルジュは、鞘から剣を抜き、盾を構えた。


169 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:40:25.94 ID:BicNMPfx0

木の陰から現れたのはマミーだった。

( ゚∀゚)「ゾンビだと!こんなところにもいたのか!」

ジョルジュは、迫ってくるマミーを袈裟懸けに切った。
切られたマミーが倒れる頃にはジョルジュは、数体のマミーに囲まれていた。

( ゚∀゚)「くっ、いつの間に!」

ゆっくりとジョルジュに迫るマミー。

( ゚∀゚)「王国騎士団を舐めるな!いくぜ!」

ジョルジュは不死者破壊の魔法を唱えた。その場にいた半分のマミーが砕け散った。

 
176 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:42:09.75 ID:BicNMPfx0

( ゚∀゚)「あとは俺が相手してやるぜ。きやがれ!」

残ったマミーを次々と切り倒していくジョルジュ。

( ゚∀゚)「セイ!セイ!セイ!」

最後のマミーを切り倒したジョルジュは一息ついた。

( ゚∀゚)「ふー。やっと終わったぜ。しかし、ここにもゾンビがいたとはな。
フサギコ様に報告しておいた方がいいな。」

その時、川の向こうから何者かが現れた。


178 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:43:43.69 ID:BicNMPfx0

( ∵)「ここにもネズミがいたか。ほうっておくとネズミはすぐに増えるみたいだな。」

ビコーズは、右手にトゲのついた鉄球と柄を鎖で繋いだ武器、モーニングスターを持ち。左手に自分の顔を抱えていた。

( ゚∀゚)「誰だお前は!」
( ∵)「私の名は、ビコーズ。その鎧は王国騎士団の者か。ちょうどいい。見せしめに殺しておく。」

ビコーズは、モーニングスターの鉄球を振り回し始めた。鉄球がものすごいスピードで回転していく。
ジョルジュは、剣と盾を構えた。

( ゚∀゚)「・・・あの回転力だとかなりの威力だ。盾で受けない方がいいな。
鉄球が飛んでくる瞬間を見切ってかわすぜ!」

ビコーズは、回転している鉄球をビコーズに向かって飛ばしてきた。
ジョルジュは、真後ろにステップし、鉄球をかわした。
地面に激突した鉄球はまるで大砲の弾のようであった。


182 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:45:57.67 ID:BicNMPfx0

( ∵)「ほう、かわしたか。思ったよりはやるようだな。」
( ゚∀゚)「・・・これは当たるとヤバイな。だが、当たらなければどうということはないぜ!」

ビコーズが地面に落ちている鉄球を引き戻すと同時にジョルジュはビコーズに突っ込んでいった。

( ∵)「戦い方は悪くないが、スピードが遅いな。」

ビコーズは、引き戻した鉄球を回転させずにジョルジュに飛ばした。
ジョルジュは、咄嗟に盾で鉄球を受けたが威力を抑えきれず吹っ飛んで木に激突した。

( ゚∀゚)「グハッ!」


187 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/04(土) 23:47:22.75 ID:BicNMPfx0

ジョルジュは、木に激突した後、地面に倒れたがすぐに剣を杖代わりにして立ち上がった。

( ゚∀゚)「・・・や、やるじゃねぇか。あんた。」

( ∵)「おまえも思ったよりはやるようだな。だが、そのダメージでは次の攻撃はかわせまい。」

ビコーズは、鉄球を振り回し始めた。どんどんと鉄球の回転が速くなっていく。

( ゚∀゚)「くっ。駄目だ。今のダメージじゃ、かわせない。どうすればいいんだ!」
( ∵)「それでは、さらばだ、王国騎士団の騎士よ。」


222 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/05(日) 00:01:07.33 ID:D/zjzRnt0

だが、ビコーズは鉄球を飛ばさずに回転を落としていった。

( ゚∀゚)「?」
( ∵)「ふむ。これは、分が悪そうだな。この場は、去ることにしよう。
命拾いしたな。だが、次はないと思え。」

そう言うと、ビコーズは森の中に消えていった。

ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュ!大丈夫か!」

フサギコと数名の騎士がジョルジュの後ろから走ってきた。

( ゚∀゚)「フサギコ団長!どうしてここに?」
ミ,,゚Д゚彡「ニューソクの森でもゾンビが出るという噂を聞いたんで調査に来たんだ。」
( ゚∀゚)「そうでしたか。」
ミ,,゚Д゚彡「さっきの逃げた奴は何者なんだ?」
( ゚∀゚)「・・・わかりません。いきなり襲われました。」
ミ,,゚Д゚彡「とにかく一旦町へ戻ろう。詳しい話を聞かせてくれ。」
( ゚∀゚)「・・・はい。・・・(鉄球野郎!絶対に借りは返してやるぜ!)。」

ジョルジュは血が出るくらいに強く拳を握り締めた。そして、フサギコ達は町へ戻った。


229 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/05(日) 00:03:00.54 ID:D/zjzRnt0

その日の夜。宿屋の食堂でブーンとツンとジョルジュは食事をしていた。

( ゚∀゚)「・・・すまないな。結局、モンスター退治は失敗だ。
ゾンビの首領格らしき奴がいる以上森に入るのは危険だ。」
( ^ω^)「気にしなくてもいいお。ジョルジュが無事でよかったお。」
ξ゚听)ξ「そうよ。気にしないでいいわよジョルジュ。」
( ゚∀゚)「しかし、せっかくの貿易のチャンスを1つ潰してしまった・・・。」
( ^ω^)「そんなのほかにもいくらでもあるお。」
ξ゚听)ξ「そうよ。他のものを探すわよ。ほんと気にしないでいいから。」
( ゚∀゚)「・・・。」

そこへ、フサギコがやってきた。


232 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/05(日) 00:04:54.65 ID:D/zjzRnt0

ミ,,゚Д゚彡「ちょっといいかい。」
( ^ω^)「あ!フサギコ様。なんですかお。」
ミ,,゚Д゚彡「ジョルジュから話は聞いた。ここニューソクの森でもゾンビが出るらしい。
おそらく以前に我々の町で現れたゾンビを操っている者と黒幕は同じだろう。
そこで、我々はここに残って本格的に調査を開始することにした。」
( ^ω^)「それは、ご苦労様だお。」
ミ,,゚Д゚彡「それに伴い森への立ち入りを禁止しようかと思ったんだが、町長に反対されたんだ。」
( ^ω^)「え?どうしてかお?」
ミ,,゚Д゚彡「この町はあの森を利用して生活をしている人たちがかなり多いらしい。
だから、森に入る時間を制限した上で護衛もつけることを義務付けて森への立ち入りを許可した。」


234 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/05(日) 00:07:17.45 ID:D/zjzRnt0

( ^ω^)「おお!ってことはだお?」
ξ゚听)ξ「反物の貿易ができるってことじゃない?」
ミ,,゚Д゚彡「そうなるな。まあ、町の人にはあまり無理はして欲しくないんだがね。」
( ^ω^)「やったおー!よかったお!」
ξ゚听)ξ「よかったわね、ブーン。」
( ゚∀゚)「・・・。」
( ^ω^)「あれ?ジョルジュ。どうかしたのかお?」

何か思いつめていたジョルジュは意を決してフサギコに言った。

( ゚∀゚)「フサギコ団長!俺もこの町に残ります!調査を手伝わさせてください!
俺、このままブーン達に迷惑かけてそれで終わりって嫌なんです!
俺の我侭だっていうことはわかってます。でも、お願いします!」
( ^ω^)「ジョルジュ・・・。」
ξ゚听)ξ「ジョルジュ・・・。」
ミ,,゚Д゚彡「・・・それは駄目だな。」
( ゚∀゚)「・・・。」


240 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/05(日) 00:09:47.65 ID:D/zjzRnt0

ミ,,゚Д゚彡「君は今ブーンの護衛の任務があるだろう。だから、それが終わってからなら構わないがね。」
( ゚∀゚)「だ、団長!ありがとうございます!」

ジョルジュは深々と頭を下げた。

( ^ω^)「ジョルジュ、よかったおね。」
ξ゚听)ξ「ジョルジュ、がんばってね。」
( ゚∀゚)「ああ、やってやるぜ!」


245 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/05(日) 00:11:57.38 ID:D/zjzRnt0

数日後。ブーン達は、ニューソクの町から自分達の町へ戻ることになった。

( ^ω^)「じゃ、そろそろ行こうかお。」

ブーンは、馬車に乗り込んだ。

( ゚∀゚)「ああ、行くか。」

ジョルジュは、馬車を走らせた。ゆっくりと進む馬車はニューソクの町を去っていった。





その頃、宿屋で1人の女が叫んでいた。

ξ゚听)ξ「え?ブーン達もう帰ったの?置いてけぼりヒデェェェエェ!!!!!」


第6章「道具屋ブーンの隣の特産品だお」おわり

 


 

250 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/05(日) 00:14:35.07 ID:D/zjzRnt0

【のびたのあとがき】

お話もいよいよ後半戦へ突入です。キャラも少し増えましたが、このままのテンポで進めていければいいなと思っています。
話自体は完結までの構想はだいたい練れていますが、実際に書くとどれくらい長くなるのかは想像がつきません。
とにかく、途中で終わらせないで最後まで書き切りたいと思います。

さて、読者のみなさまの感想でいくつか気になったことがありましたのでお答えしたいと思います。

まず、( ´∀`)の今後の行動に対して読者のみなさまの心配があまりにおおきくて驚きました。
読者のみなさまの考えだと店のっとるのだろうか?ツンを横取りするだろうか?というキャラのようですね。
私は普通に好青年キャラとして作ったのでご安心ください。変なことしませんし、させません。

次にブーンのことですが、彼は基本的には戦闘能力はありません。でも、商才と勇気はあります。
この作品のテーマというほどでもないですが、人間何かしら取り柄があるということを意識して書いています。
ただ、ブーンもやるときゃやるよ!っていうのはいつか書いてあげたいなと思っています。

あと、ドロドロした展開とか鬱な展開とかにも特にするつもりはありません。
最後の最後までいままでのノリとテンポで進めていきたいと思います。

それでは、本日も読んでくださったみなさまありがとうございました。m(_ _)m

 

 

back < >

inserted by FC2 system