22 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:02:12.03 ID:W1MHmkRL0

第8章「道具屋ブーンの本当に大切なものだお」

ブーン達が、ミル流しの反物の独占契約を終えてから数週間後。
道具屋ブーン1号店のある日。

( ^ω^)「えーと、何も買わないのかお。ひやかしならやめてだお。スマイル0Gだお。」
(お 客L)「はい。」

お客Lは、ブーンに0G払った。

( ^ω^)「ありがとうございますだお。また、来てくださいだお。」

今日は、ブーンとモナーが一緒に働いていた。ブーンは、少し寂しそうだった。

( ´∀`)「ブーンさん、・・・何か寂しそうッスね。」
( ^ω^)「べ、別にそんなことないお。」
( ´∀`)「ツン姐さんが2号店でミル流しの反物の担当になりましたしね。
しばらくは、1号店の方には顔出せそうにないッスね。」
( ^ω^)「・・・。」


28 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:04:14.32 ID:W1MHmkRL0

( ´∀`)「あ、そうだ。今日、2号店でアルバイトの面接があるんだった。ブーンさんも来てもらえないッスか?」
( ^ω^)「え?別に2号店の店長はモナーだからまかせるお。」
( ´∀`)「いやいや、最近は急がしくてあんまり面接やってなかったんッスよ。
ブーンさんと一緒に面接をやって勘を取り戻したいッスよ。お願いするッス。」
(;^ω^)「わ、わかったお。べ、別に2号店に行きたいからじゃないお。モナーに頼まれたからいくんだお。」
( ´∀`)「はい、よろしくお願いするッス。じゃあ、閉店後に面接があるんで一緒に行きましょう。」

ブーンは、ちょっと嬉しそうな顔をした。


53 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:16:26.90 ID:6WCavOe/0

道具屋ブーン1号店を閉店した後、ブーンとモナーは2号店に向かった。

( ^ω^)「面接受ける人ってどれくらいいるかお?」
( ´∀`)「えーと20人くらいっスかね。」
( ^ω^)「え!20人もいるのかお!今日中には終わらないんじゃないかお?」
( ´∀`)「いや、今日はそのうちの何人かだけに来てもらってるッスから大丈夫ですよ。」
( ^ω^)「何でそんなに多いのかお?」
( ´∀`)「ああ、ミル流しの反物を扱いたい女の子が多いんスよ。
やっぱ、アルバイトしたら安く手に入ったりするとか思ってるんだと思うッス。」
( ^ω^)「なるほどだお。」


57 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:17:53.97 ID:6WCavOe/0

ブーン達が道具屋ブーン2号店に着くと、見たことのない豪華な馬車が2号店の前に止まっているのに気づいた。
馬車の周りには護衛の冒険者パーティーがいた。

( ^ω^)「あれ?あの馬車は何かお?」
( ´∀`)「いや、俺もあの馬車は見たことないッスね。」
( ^ω^)「でも、すごい豪華な馬車だおね。護衛も1人じゃなくてパーティーだお。」
( ´∀`)「あ、ほんとッスね。すごいえらい人でも来てるんスかね。」
( ^ω^)「まあ、2号店に行ってみようだお。」

ブーンとモナーは2号店に入った。


60 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:19:26.78 ID:6WCavOe/0

2号店へ入るとツンと知らない男が話をしていた。

ξ゚听)ξ「あ、ブーン。ちょうどそっちへ行こうかと思ってたのよ。よかったわ。」
(´・ω・`)「ブーンさんですね。はじめまして。」
( ^ω^)「あ、はじめましてですお。・・・(誰だろうこの人)。」
ξ゚听)ξ「ブーン、こちらの方は、隣の国のラウンジ王国からきたショボン商会のショボンさんよ。」
(;^ω^)「え!?ラウンジ王国の大商人ショボンさんですかお!!」
( ´∀`)「ええ!!あのラウンジの生きる商人伝説と言われている人ッスか!!!」

ブーンとモナーは仰天した。

(´・ω・`)「いやいや、私はただの商人ですよ。」
(;^ω^)「は、はぁ。でも、商人の生きる伝説とまで言われている方がいったい何のためにここへ来たのですかお。」
ξ゚听)ξ「そのことなんだけど、ミル流しの反物を売って欲しいそうなのよ。」


62 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:21:27.07 ID:6WCavOe/0

( ^ω^)「ミル流しの反物ですかお?」
(´・ω・`)「はい。私も長い間商人をやってきましたがこんな珍しい色の反物は見たことが無い。
予想通りかなり売れているそうではないですか。これは、わが国の方でもかなり売れると思いましてね。
道具屋ブーンさんを介してでも構いませんから大量に購入したいと思っております。」
( ^ω^)「・・・どのくらい購入しようと思ってますかお?」

ショボンは、黙って書類をブーンに渡した。
それは、道具屋ブーンからミル流しの反物を大量に定期購入するという契約書だった。

(;^ω^)「ええ!こ、こんなに買ってくれるんですかお!しかも、毎月ですかお!」
(´・ω・`)「はい。この契約書にサインしていただければ契約成立ということになります。」
(;^ω^)「・・・。」
(´・ω・`)「いきなりやってきて今すぐ契約して欲しいなどとは申しません。じっくりお考え下さい。
とりあえず、契約をするにせよ、しないにせよ、いつまでにお返事はいただけるでしょうか?」
( ^ω^)「・・・えーと、では、必ず今月中にお返事いたしますお。」
(´・ω・`)「今月中ですね。」
( ^ω^)「はいですお。」
(´・ω・`)「私は約束事を守れない商人は認めません。もし、今月中に返事がなければ・・・ぶち殺すぞ。」
(;^ω^)「・・・。」
(´・ω・`)「それでは、良いお返事をお待ちしております。それでは、失礼します。」

ショボンは、ブーン達に頭を下げると2号店を出て行った。


63 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:22:49.11 ID:6WCavOe/0

ショボンが出て行った後、ブーン達は緊急会議を行った。

( ^ω^)「・・・まさか大商人ショボンさんが来ていたとは思ってもいなかったお。」
( ´∀`)「いやー、すごい人ッスよね。なんかオーラみたいなのが出てたッスよ。」
ξ゚听)ξ「で?ブーン、どうするの?」
( ^ω^)「・・・ここでショボンさんとコネクションが出来たらかなりメリットになるおね。」
( ´∀`)「そうッスよねー。ここで伝説の商人と繋がりができるってのはかなりデカイッスよねー。」
( ^ω^)「でも、ミル流しの反物がさらに大量生産できるのかも考えないといけないおね。」
ξ゚听)ξ「そうね。契約自体には問題はないと思うけど生産の方は気になるわよね。」
( ^ω^)「そのあたりも含めてじっくり考えてみるお。」

ブーン達の会議は終わり、解散となったが、モナーが思い出したように言った。


64 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:24:09.95 ID:6WCavOe/0

( ´∀`)「あ!やばいッス!面接始めないと!待たせたままッスよ!」
( ^ω^)「あ!そうだったお。準備、準備だお・・・。」

ブーンとモナーは急いで面接の準備を始めた。

ξ゚听)ξ「・・・えーと、私は帰った方がいいのかな・・・。」
( ^ω^)「あ、だ、駄目だお!ツ、ツンも一緒に面接手伝ってだお!」
( ´∀`)「そ、そうっス。ミル流しの反物に興味のある人達の面接だからツン姐さんもよろしくッス。」
ξ////)ξ「べ、別に帰りたくないからじゃないからね!店長に頼まれたから残るんだからね!」

その後、面接は滞りなく進められたが、特によい人材は見つからなかった。


66 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:25:41.56 ID:6WCavOe/0

それから数日後。道具屋ブーン1号店が閉店したあと、ブーンとツンとモナーが会議をしていた。

( ^ω^)「いろいろ考えたけどショボンさんと契約することにしたお。」
ξ゚听)ξ「そう、決めたのね。」
( ´∀`)「とうとう、決まったッスね。」
ξ゚听)ξ「と、なると問題点はミル流しの大量生産が可能かどうかね。」
( ^ω^)「うん、その件はニューソクに行ってコッチミルナさんと話をするお。
それで、コッチミルナさんと話がついたらそのままラウンジ王国へ行こうと思ってるんだお。」
( ´∀`)「えーと、つまりニューソク経由でラウンジ王国に行くってことッスね。」
( ^ω^)「そうだお。」
ξ゚听)ξ「じゃあ、早い方がいいわね。明日には出ましょうか。」
( ^ω^)「そうだおね。明日出発しようかお。モナーも来て欲しいけど大丈夫かお?」
( ´∀`)「え?俺も行っていいんスか?」
( ^ω^)「今回は、大きな仕事だから2号店の店長にも来て欲しいお。」
( ´∀`)「わかったッス!アルバイトのシフト変えて1号店と2号店を任せておくッス。」

無事に会議が終わり3人は店を出た。次の日。ブーン達はニューソクに向けて出発した。


67 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:27:07.64 ID:6WCavOe/0

とある場所のとある屋敷。荒巻は研究室で研究を続けていた。
そこへ、ビコーズが入ってきた。

( ∵)「荒巻様、おっしゃられた研究素材を持ってまいりました。」

ビコーズは荒巻に小さな箱を手渡した。中身を確認すると荒巻は満足そうな顔をした。

/ ,' 3「ご苦労。あとは、プギャー待ちだな。」
( ∵)「え?プギャーはまだ帰って来ていないのですか?遅すぎではないでしょうか。」
/ ,' 3「まあ、どこかで遊びほうけているんだろう。だが、腕は確かだ。待つとしよう。」


68 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:28:34.49 ID:6WCavOe/0

しばらくすると、バタンと乱暴にドアを開けてブギャーが研究室に入ってきた。

( ^Д^)「荒巻さん、ほらよ。」

小さな袋をテーブルの上に放り投げた。

/ ,' 3「研究素材は丁重に扱って欲しいがな。」
( ∵)「プギャー、やけに遅かったな。」
( ^Д^)「いろいろと大変だったんだよ。何でもかんでもすぐに手に入ると思うなよ。」
( ∵)「どうせ、どこかの酒場で飲んでいただけだろう。」
( ^Д^)「はぁ?何勝手なこと言ってるんだ?証拠でもあるんかよ?」
( ∵)「・・・酒臭いぞ、プギャー。」
( ^Д^)「こ、これは、さっきちょっと飲んだだけだ。うっせーな。バーロー。」

プギャーはバツの悪そうな顔をした。


69 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:29:49.74 ID:6WCavOe/0

( ^Д^)「まあ、約束のものは持ってきたんだ。さっさと金くれよ。」
( ∵)「・・・。」
( ^Д^)「あ?何ケチケチしてんだよ。はやくしろよ。」
/ ,' 3「ビコーズ、渡してやれ。」
( ∵)「はっ。」

ビコーズは、プギャーにお金の入った袋を渡した。

( ^Д^)「お、ありがとさん。じゃあ、飲みに行ってくるわ。仕事の後の酒はうめーしなー。」

プギャーは嬉しそうな顔で研究室を出て行った。


72 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:31:21.56 ID:6WCavOe/0

( ∵)「・・・。」
/ ,' 3「何かいいたそうだな、ビコーズ。」
( ∵)「あのような者は、正直この屋敷にはふさわしくないと思うのですが・・・。」
/ ,' 3「まあ、あれでも腕は立つからな。使い道はある。ほうっておけ。」
( ∵)「・・・わかりました。」
/ ,' 3「さて、研究素材もあと残すところ1つになったわけだ。」
( ∵)「と、申しますと。」
/ ,' 3「この前、モララーが連れて来たツンとか言う娘だ。あれが最後の研究素材になる。」
( ∵)「・・・わかりました。近いうちに持ってまいります。」

ビコーズは、研究室を出て行った。


73 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:33:24.40 ID:6WCavOe/0

それから数日後、ニューソクに着いたブーンとツンとモナーは、反物屋でコッチミルナと会議を行っていた。

( ^ω^)「・・・と、いうわけでミル流しの大量生産をお願いしたいんだおね。」
( ゚д゚ )「わかりました。ですが、契約条件を満たす大量生産を行うためには従業員を増やさなければなりません。
すぐに従業員の募集を行いますが、人数が確保できるまではお待ちいただくことになりますがよろしいでしょうか?」
( ^ω^)「わかったお。大量生産するために必要な従業員の人数が揃った時点でラウンジ王国に行くことにするお。」
( ´∀`)「じゃあ、俺達もコッチミルナさんがやる面接とか手伝った方がいいッスかね。」
ξ゚听)ξ「そうね。私たちも協力した方がいいわね。」
( ゚д゚ )「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

募集期間が限られている上に募集人数が多かったため、
規定人数が集まる頃には、契約の締め切りがギリギリに迫っていた。


74 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:34:46.23 ID:6WCavOe/0

そんなある日の夜。反物屋でブーン達が会議を行っていた。

( ゚д゚ )「みなさんのおかげで無事に従業員が揃いました。ありがとうございました。」

コッチミルナは深々と頭を下げた。

( ^ω^)「なんとか従業員が集まったお。」
( ´∀`)「これで、ショボンさんと契約できるッスね。」
ξ゚听)ξ「一時はどうなることかと思ったわ。」
( ´∀`)「ブーンさん、もうラウンジ王国に出発した方がいいんじゃないっスか?」
ξ゚听)ξ「そうね。契約の締め切りがギリギリだし、今から出発しておいた方がいいんじゃないかしら。」
( ^ω^)「わかったお。じゃあ、今すぐ出発するお。ツンとモナーも一緒に来ておね。」
( ´∀`)「了解ッス。」
ξ゚听)ξ「わかったわ。」
( ´∀`)「じゃあ、俺が馬車持ってくるッス。」

モナーは、反物屋を出て行った。


75 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:36:14.77 ID:6WCavOe/0

ブーンとツンは反物屋の前で馬車を待っていた。

ξ゚听)ξ「いよいよね。」
( ^ω^)「うん、これでラウンジ王国へ行ってショボンさんと契約すればまた新しい道が開けるお。」
ξ゚听)ξ「ブーン、がんばろうね。」
( ^ω^)「うんだお。」

そこへ、1頭の馬がブーン達の元へやってきた。

( ^ω^)「あ、モナーが来たみたいだお。」

だが、ブーン達の前に現れた馬を見てブーン達は驚愕した。
その馬には首が無かったのだ。そして、首なしの馬に乗っていたのは、首なしの騎士、ビコーズだった。


76 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:37:33.22 ID:6WCavOe/0

(;^ω^)「だ、誰だお!」
( ∵)「私の名は、ビコーズ。そこにいる娘を迎えに来た。」
ξ゚听)ξ「え?」

ビコーズは、あっという間にツンをさらって去っていった。

(;^ω^)「ツ、ツーン!」

ブーンは、ビコーズの乗った首なしの馬を追いかけたがあっという間に町の中に消えてしまい、見失ってしまった。
呆然と立ち尽くすブーンの元に馬車に乗ったモナーが現れた。


77 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:38:48.45 ID:6WCavOe/0

( ´∀`)「あれ?ツン姐さんがいないッスけど。まだ店の中ッスか?」
( ^ω^)「・・・ツンがさらわれたお。」
( ´∀`)「ええ!?だ、誰にッスか?」
( ^ω^)「・・・ビコーズとかいう知らない奴だお。」
( ´∀`)「え、えーと、ゆ、誘拐ッスよね!ど、どうしましょう?
こ、こういう場合は、詰め所に行って話した方がいいッスよね?」
( ^ω^)「・・・(落ち着け、落ち着くんだお)。」

ブーンは焦る心を沈め、冷静に考えた。

( ^ω^)「モナー、ドクオさんがいる宿屋まで馬車で直行してお!」
( ´∀`)「あ、は、はい!」

ブーンとモナーはドクオのいる宿屋へ向かった。


79 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:40:28.07 ID:6WCavOe/0

その頃。ニューソクの宿屋のドクオの部屋。
ドクオはテーブルにニューソクの町の地図を広げていた。

('A`)「・・・ここだな。間違いないだろう。」

ドクオは、地図に載っている1つの屋敷の上にコインを載せていた。
それは、サムネイル伯爵の屋敷だった。

('A`)「予定よりはやく見つかったな。あとは、どうやって攻めるかだな・・・。」

その時、ドクオの部屋をノックする音がした。

('A`)「誰だ?」
ミ,,゚Д゚彡「フサギコだ。話がある。」

ドクオは、部屋のドアを開けてフサギコを入れた。


80 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:41:55.86 ID:6WCavOe/0

ミ,,゚Д゚彡「ゾンビを操っている黒幕の居場所がわかった。サムネイル伯爵の屋敷だ。
明日にでも王国騎士団の騎士を集めてサムネイル伯爵の屋敷に向かおうと思っている。
ドクオ、お前も一緒に来ないか?」
('A`)「早いもの勝ちだと言っただろう。俺は勝手にやらせてもらうぜ。」

そこへ、ブーンとモナーがドクオの部屋へ入ってきた。

('A`)「なんだお前ら、ノックぐらいしろ。」
(;^ω^)「ツ、ツンがさらわれたんですお!」
('A`)「なんだと!?」
ミ,,゚Д゚彡「なんだって!?」


81 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:43:18.92 ID:6WCavOe/0

('A`)「誰にさらわれたんだ!」
(;^ω^)「ビコーズとかいう首の無い騎士だったですお!追いかけたけど見失ったんですお・・・。」
('A`)「ビコーズだと!」
ミ,,゚Д゚彡「・・・これは、サムネイル伯爵の屋敷にツンが連れていかれた可能性が高いな。」

ドクオは、部屋の隅に立てかけてある大剣を手に取った。

('A`)「ブーン、安心しろ。ツンは俺が必ず助け出してやる。」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオ、私も行こう。」
('A`)「・・・勝手にしろ。」


82 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:44:46.85 ID:6WCavOe/0

宿屋を出ようと準備しているドクオとフサギコにブーンは言った。

( ^ω^)「ぼ、僕も行きますお!連れて行ってくださいだお!」
('A`)「何馬鹿なこと言ってるんだ!この前のレインボウドラゴン戦みたいに入り口で待っているわけじゃないんだぞ!」
ミ,,゚Д゚彡「ブーンには、詰め所にいるジョルジュにこのことを伝えに行ってもらいたい。
そうすれば、ジョルジュが王国騎士団の騎士を引き連れてサムネイル伯爵の屋敷に向かうはずだ。」
( ^ω^)「そんなお使いは嫌ですお!僕も行きますお!ツンは僕が助けるんですお!」

ブーン達の会話にモナーが困った顔をしながら割り込んだ。

( ´∀`)「ブ、ブーンさん!あんまり無茶言わないでくださいッスよ。
ツン姐さんのことはドクオさんとフサギコさんに任せてラウンジ王国に行くッスよ!
今すぐニューソクを出ないと契約に間に合わないかもしれないッス!」
( ^ω^)「そんなのはモナーに任せるお。」
( ´∀`)「い、いや、こんな大事な契約はブーンさん本人が行かないとまずいッスよ!
今後のことを考えると代理人を使って契約するなんてありえないッス。
ショボンさんは普段は温和ッスけど、一度怒らせたら[ぶち殺すぞ]って切れて大変なことになるって知ってるッスよね?」
( ^ω^)「じゃあ、怒らせたらいいんだお。」
( ´∀`)「・・・ブーンさん。」
('A`)「いつまでも駄々こねてるんじゃねえ!」

ドクオがブーンを殴り飛ばした。


83 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:47:12.54 ID:6WCavOe/0

ドクオに殴り飛ばされブーンは床に倒れた。しかし、すぐに起き上がりドクオを睨み返した。

( ^ω^)「僕にとってツンはとっても大切な人なんだお!だから、何があっても僕は絶対にツンを助けに行くんだお!
大切な人を守れないなら僕は道具屋なんて辞めてやるお!」
('A`)「・・・ブーン。」
ミ,,゚Д゚彡「・・・わかった、ブーン。連れて行ってやろう。ただし、絶対に無理はするな。」
( ^ω^)「わかりましたですお。」
ミ,,゚Д゚彡「モナー、君はジョルジュにこの件を伝えに行ってもらえないか?」
( ´∀`)「は、はい、わかりました。それが終わったら、とりあえずラウンジ王国には俺が向かうッス。何とか話つけてみるッスよ。」
( ^ω^)「・・・モナー、ごめんお。」

モナーは微笑みながら言った。

( ´∀`)「まったくッスよ!わがままな店長がいると困るッス!そのかわり絶対ツン姐さんは連れて帰ってきてくださいッスよ!」
( ^ω^)「うん、絶対に連れて帰ってくるお!」

宿屋から出たブーン、ドクオ、フサギコは、サムネイル伯爵の屋敷へ向かった。

 


 

88 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/09(木) 23:49:44.18 ID:6WCavOe/0

【のびたのあとがき】

前編だけしか書いてないのですが、あとがき書いてみます。

いよいよ、最終章が始まりました。第8章が最終章になります。これは変更ありません。
長さ的には章の中では最長で前編、中編、後編の3作になる予定です。
話的には1つの話なので章に分けるのはやめました。
最終章の構想はほとんど終わっています。あとは細かいところをどう詰めていくかという段階になりました。
ブーン達の活躍もあと少しで完結です。気合入れまくって最後まで書きたいと思うのでよろしくお願いします。

前回、好きなキャラについて書いたところ反応がいくつかあって嬉しかったです。
予想以上に好きなキャラがばらついているのは驚きました。
どのキャラが主人公になってもいいくらい思い入れがあるので人気のばらつきはちょっと嬉しいです。

エピソードジパングに関して読んでみたいと言った下さった方ありがとうございます。
まずは、この作品を完結させてたから今後はどうしていくか考えていきたいと思います。

それでは、本日も読んでくださったみなさまありがとうございました。m(_ _)m

 


 


263 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:01:35.34 ID:qPOQS9It0

ブーン、ドクオ、フサギコはサムネイル伯爵の屋敷の前にいた。

ミ,,゚Д゚彡「サムネイル伯爵の屋敷は3階立てだ。手分けしてツンを探そう。私は3階を調べる。」
('A`)「俺は2階を調べよう。」
( ^ω^)「じゃあ、僕は1階を調べますお。」
ミ,,゚Д゚彡「サムネイル伯爵家の者はおそらくゾンビを操っている黒幕に殺害されているだろう・・・。
ゾンビになっている可能性もある。十分に気をつけてくれ。」

ブーン達は、サムネイル伯爵の屋敷に入った。
屋敷の中には窓は無く、廊下には壁に設置された蝋燭の炎が揺らいでいるだけだった。
フサギコは3階、ドクオは2階へ向かった。ブーンは1階を調べ始めた。


267 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:02:43.11 ID:qPOQS9It0

サムネイル伯爵の屋敷の研究室。荒巻は研究を続けていた。
そこへ、ビコーズが入ってきた。肩にツンを担いでいた。

( ∵)「例の娘を連れてまいりました。今は薬で眠らせてあります。」
/ ,' 3「そこのテーブルの上に置いておいてくれ。」
( ∵)「はっ。」

ビコーズは、ツンをテーブルの上に置いた。

/ ,' 3「・・・どうやらネズミ達がやってきたようだな。」
( ∵)「すぐに駆除します。」


268 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:03:48.46 ID:qPOQS9It0

/ ,' 3「プギャー、お前も行け。」

そう言うと、荒巻は床で眠っているプギャーを蹴った。

( ^Д^)「あ?何だよ。気持ちよく眠っていたのによお。」
( ∵)「プギャー、ネズミ達が来た。駆除するぞ。」
( ^Д^)「お!例の王国騎士団長ってのも来てるのか?」
( ∵)「ああ、来ている。」
( ^Д^)「そりゃよかった。あいつぶっ殺したら俺の強さは有名になるだろうし、金もたんまりくれるんだろ?」
/ ,' 3「ああ。倒せたらの話だがな。」


269 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:05:02.19 ID:qPOQS9It0

( ^Д^)「まかせとけって!じゃ、行ってくるぜ!」

プギャーは嬉しそうに研究室を出て行った。

/ ,' 3「まあ、プギャーでは時間稼ぎぐらいにしかならないだろうな。」
( ∵)「では、私も行ってまいります。」
/ ,' 3「ビコーズ、ドクオには面白い趣向を考えた。簡単に殺せるだろうからほうっておいていいぞ。」
( ∵)「了解しました。他のネズミを駆除します。」

ビコーズは研究室を出て行った。


271 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:06:46.49 ID:qPOQS9It0

( ^ω^)「ツーン!」

ブーンは、1階の廊下に面しているドアを片っ端から開けていった。だが、誰も見つからなかった。
やがて廊下の突き当たりにぶつかり、そこにあるドアをブーンは開けた。
そこは、奥に暖炉のある広い食堂だった。ブーンは食堂に入った。

( ^ω^)「ここにも誰もいないようだお・・・。」

その時、食堂の奥から何者かが現れた。
右手にはモーニングスターを持ち、左手には自分の頭を抱えているビコーズだった。

(;^ω^)「ツ、ツンを返せだお!」
( ∵)「残念ながらそれはできない。だが、おまえもあの女と同じところへ連れて行ってやろう。」

ビコーズは、モーニングスターの鉄球を振り回し始めた。
ブーンは、ものすごいスピードで回転する鉄球をただ呆然と見つめているだけだった。

(;^ω^)「・・・(あの鉄球をかわさないとやられるお。)。」
( ∵)「では、さらばだ。」

ビコーズは鉄球をブーンに向けて飛ばした。


272 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:08:17.16 ID:qPOQS9It0

しかし、鉄球はブーンには当たらなかった。
鉄球がブーンに当たる前にジョルジュがブーンを掴んで思い切り横に飛でいたからだった。

( ^ω^)「ジョルジュ!」
( ゚∀゚)「ブーン、待たせたな。こいつは俺がやる。ブーンはツンを探してきてくれ。」
( ^ω^)「わ、わかったお。」

ブーンは食堂を出て行った。それを確認してからジョルジュはビコーズを睨みつけた。

( ゚∀゚)「鉄球野郎!この前のケリをつけてやるぜ!」
( ∵)「この前の王国騎士団の騎士か。わざわざやられに来るとはな。」
( ゚∀゚)「俺はこの前までの俺じゃないぜ!鍛錬の成果を見せてやるぜ!」
( ∵)「ほう。では確かめてみるか。」

ビコーズが鉄球を回転させはじめた。何度も鉄球をジョルジュに向けて飛ばすがジョルジュはそれをすべてかわした。


273 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:09:45.30 ID:qPOQS9It0

( ゚∀゚)「楽勝だぜ!」
( ∵)「身軽なネズミだな。だが、逃げ回っているだけではどうにもならんぞ。」
( ゚∀゚)「・・・(鉄球のスピードにも慣れてきたぜ。そろそろだな。)。」

ビコーズは、再び鉄球をジョルジュに向かって飛ばした。ジョルジュはその鉄球をかわした。
ビコーズが床に落ちている鉄球を引き戻すと同時にジョルジュはビコーズに突っ込んでいった。

( ∵)「この前と同じだな。その程度のスピードでは次の鉄球の攻撃はかわせまい。」

ビコーズは、引き戻した鉄球を回転させずにジョルジュに飛ばそうとした。
だが、ジョルジュは既にビコーズの側まで接近していた。

( ∵)「何!!」


274 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:11:20.43 ID:qPOQS9It0

ビコーズは、ジョルジュの斬撃を体を捻って辛うじてかわした。

( ∵)「・・・(何というスピードだ。以前とは別人のようだ)。」
( ゚∀゚)「だから言ったろ。この前までの俺じゃないってな。」
( ∵)「・・・。」
( ゚∀゚)「どうした?もう諦めたのか?」
( ∵)「名前を聞いておこう。」
( ゚∀゚)「王国騎士団の騎士ジョルジュだ。」
( ∵)「ジョルジュか。では、私も全力で戦わせてもらおう。」
( ゚∀゚)「何!」

ビコーズは、左手に持っていた頭を自分の首の上に装着した。
そして、背中に装着しているもう1つのモーニングスターを左手に持った。


275 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:12:56.99 ID:qPOQS9It0

( ゚∀゚)「鉄球が2つだと!」
( ∵)「そうだ。これが本来の私の戦い方だ。」

そう言うとビコーズは両手に持ったモーニングースターの鉄球を回転し始めた。
両手から繰り出される鉄球の雨。1つの鉄球の引き戻す隙をもう1つの鉄球の攻撃でフォローする。
まさに隙のない攻撃だった。ジョルジュはかわすのに精一杯で攻め込むことができなかった。

( ∵)「どうした?また逃げ回るだけか?」
( ゚∀゚)「・・・(くそ!隙がない!どうすればいいんだ!)」

ジョルジュは、鉄球の攻撃をひたすらかわしているうちにある事に気づいた。

( ゚∀゚)「・・・(そうか。永遠に鉄球を投げ続けることはできない。途中に少し休息が入っているのか。
つまり、休息前の最後の鉄球の引き戻しにあわせてこちらが攻撃するればいいってわけだな。)。」


277 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:14:59.43 ID:qPOQS9It0

ジョルジュは、さらにビコーズの攻撃をかわし続け、攻撃の法則を探った。

( ゚∀゚)「・・・(左5回、右5回の攻撃が終わる度に少し休息が入っている。
つまり右の5回目の攻撃の引き戻しに突っ込めば左の鉄球の攻撃は来ない!見切ったぜ!)。」

ジョルジュは、ニヤリと笑った。

( ゚∀゚)「そろそろこっちも反撃させてもらうぜ!」
( ∵)「ほう。口だけでなければいいがな。」

ビコーズは、両手から鉄球の攻撃を繰り出した。

( ゚∀゚)「・・・4回・・・5回・・・そこだぁ!!」

ジョルジュは、ビコーズの右の5回目の攻撃の鉄球の引き戻しにあわせてビコーズに突っ込んでいった。


278 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:16:29.33 ID:qPOQS9It0

( ∵)「やはりそうきたか。」

ビコーズは、左の鉄球で6回目の攻撃を行った。

( ゚∀゚)「な、何ィ!」

ジョルジュは、咄嗟に盾で鉄球を受けたが威力を抑えきれず吹っ飛んで壁に激突し、そのまま床に倒れた。

( ゚∀゚)「グハッ!」
( ∵)「わざと攻撃を左右5回で止めていたんだがな。こんな単純な手に引っかかったか。」

ビコーズは鉄球を引き戻した。


283 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:18:13.64 ID:qPOQS9It0

( ∵)「そのダメージではもう私の攻撃はかわせまい。動かなければ一撃で楽にしてやろう。」
( ゚∀゚)「・・・(クッ。あれを使うしかないな。まだ覚えたばかりでどこまで使えるかわからないが。やるしかねぇ!)。」

ビコーズは両手の鉄球を回転しはじめた。ジョルジュは、よろめきながら立ち上がった。

( ∵)「ほう、まだやる気か。」
( ゚∀゚)「いくぜ!」

ジョルジュは、神聖魔法「加速」を唱えた。ジョルジュの体が活性化する。
それと同時にビコーズの左手から鉄球が飛ばされた。ジョルジュは、その鉄球をギリギリでかわした。
そして、その鉄球の引き戻しにあわせてビコーズに突っ込んでいった。

( ゚∀゚)「うおおおおお!!!」
( ∵)「玉砕覚悟で突っ込んできただけとはな。さらばだ。」

ビコーズは、右手の鉄球をジョルジュに向けて飛ばした。
鉄球がジョルジュに向かってものすごいスピードで飛んでいていく。


284 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:20:11.41 ID:qPOQS9It0

だが、次の瞬間ジョルジュが消えた。鉄球がジョルジュのいた場所を通過していく。

( ∵)「何!!!消えた!?」
( ゚∀゚)「俺はここだぜ!」

ガッ!と、いう音と共にジョルジュの剣がビコーズの胸を貫いていた。

( ゚∀゚)「・・・へへ!どうだ。これが俺だけの武器[スピード]だぜ!」
( ∵)「・・・見事だ・・・騎士・・ジョル・・ジュ・・・。」

ビコーズは、最後の言葉を残すと床に倒れた。

( ゚∀゚)「ハァハァ・・・。加速の魔法を使ってギリギリの勝ちか・・・。まだまだだぜ俺も・・・。」

そう言うと、ジョルジュは床に腰を落とした。


287 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:22:08.56 ID:qPOQS9It0

その頃。フサギコは、3階を探索していた。

ミ,,゚Д゚彡「・・・ここが3階の最後の部屋になるな。」

フサギコは、3階の最後の部屋を空けた。そこは、武器屋のような部屋だった。
壁には、槍や斧などさまざまな武器がかけてあった。フサギコは、部屋の中を調べたが誰もいなかった。

ミ,,゚Д゚彡「・・・結局3階には誰もいないみたいだな。」

フサギコが部屋から出ようとしたとき、入り口にプギャーが現れた。

( ^Д^)「おー、探したぜ!あんた王国騎士団長のフサギコなんだろ?」
ミ,,゚Д゚彡「誰だおまえは?」
( ^Д^)「俺?俺はプギャーってんだよ。」
ミ,,゚Д゚彡「・・・私は、ツンという女性を探しているんだが、心当たりは無いか?」
( ^Д^)「あるぜ。」
ミ,,゚Д゚彡「では、その場所まで案内して欲しい。」
( ^Д^)「そいつはできないなぁ。あんたぶっ殺すようにこの屋敷の主人に頼まれてるし。」

プギャーは、そういうと壁に飾ってある槍を手に取り、構えた。


288 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:24:11.40 ID:qPOQS9It0

ミ,,゚Д゚彡「ふむ。話し合いができる雰囲気ではないようだな。」

フサギコは、鞘から剣を抜いた。

( ^Д^)「いやー、あんたとは1度戦ってみたかったんだよな!
王国騎士団長をぶっ殺したら俺かなり強いってことになるんだろうし。
そうなりゃ、これからやる仕事の報酬もかなり増えるんじゃね?」

プギャーは楽しそうに言った。

( ^Д^)「じゃ!いくぜ!」

プギャーは、槍で矢のような突きを連続で繰り出した。フサギコはそれをすべてかわした。


290 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:26:13.48 ID:qPOQS9It0

( ^Д^)「当たんねぇなあ。じゃあ、これならどうだ。」

プギャーは、さっきよりもさらに速い突きを繰り出した。だが、これもフサギコは全部かわした。
プギャーは攻撃をやめ、槍を床に立てた。

( ^Д^)「・・・ツマンネェー。あんた本気じゃないだろ?本気出せよ。」
ミ,,゚Д゚彡「おまえと本気で戦う理由などはないからな。」
( ^Д^)「なんだかなぁ・・・。じゃあ、しょうがねぇ。あんたが本気になるような理由を作ってやるよ。」
ミ,,゚Д゚彡「・・・。」
( ^Д^)「俺知ってるんだぜ。ブーンって奴の親父さんがあんたの師匠なんだろ?」
ミ,,゚Д゚彡「・・・それがどうした。」
( ^Д^)「実は、あの親父さん殺したの俺なんだぜ!」
ミ,,゚Д゚彡「な、何だと!!」


292 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:27:57.73 ID:qPOQS9It0

( ^Д^)「いやー、冒険者の間では結構有名だったからなあの親父。
だから、この前力試しのつもりで闘いを挑んだんだよ。そしたら槍で心臓一突きで終わりだよ。すげー弱かったなー。
やっぱり冒険者辞めたら弱くなっちまうみたいだなぁ・・・。俺も気をつけねーとなー。」

プギャーは楽しそうに言った。

( ^Д^)「どう?本気になった?」
ミ,,゚Д゚彡「・・・。」

フサギコの顔から一切の表情が消えた。そして、体の中からすさまじい闘気があふれ出した。

( ^Д^)「お!やっと本気になったみたいだな。そうこなくっちゃ。じゃ、俺も本気モードでいくぜ!」

プギャーは、全身に力を込めた。プギャーの体が膨れ上がる。


297 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:29:55.15 ID:qPOQS9It0

( ^Д^)「おおおりゃあああ!!!いくぜ!!!!」

プギャーは全身の力を込めたの槍の突きをフサギコに放った。フサギコは、その攻撃を盾で受けた。
バキャッ!!という音と共に槍は真ん中で折れた。フサギコは、盾で槍の攻撃を受けてから微動だにしていなかった。

( ^Д^)「うお!槍折れちゃったよー。やっぱあんたすごいわ。俺の攻撃を受けてビクともしないのあんたはじめて。」
ミ,,゚Д゚彡「・・・。」
( ^Д^)「・・・だけどな。俺の最強の武器は槍じゃないんだよな。これだよ、これ。」

そういって、プギャーは壁にかけてあるトンファーを手に取った。


304 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:32:31.31 ID:qPOQS9It0

プギャーは、トンファーを装備すると力任せの攻撃をフサギコに繰り出した。
しかし、フサギコはその攻撃をすべて盾で微動だにせず防いだ。

( ^Д^)「では、そろそろ俺の必殺技いくぜ!!トンファーキ〜ック!!!!!」

そう言うとプギャーは、フサギコに全力を込めたキックを放った。
それとすれ違うようにフサギコの剣の閃光が走った。


313 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:34:56.85 ID:qPOQS9It0

( ^Д^)「おろ?」

プギャーのキックの先にはフサギコはいなかった。
プギャーが周りを見回すとフサギコは部屋の入り口にいた。

( ^Д^)「おいおい、逃げるのかよ。待てって。トンファービ〜ムもあるんだって。」

急いでフサギコのいる入り口へ向かおうとしたプギャーだったが、
歩いているうちにプギャーの首から上が床に落ちて転がった。プギャーの首の無い体もそのまま床に倒れた。

フサギコは一筋の涙を落とすと、部屋を後にした。


323 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:38:16.15 ID:qPOQS9It0

その頃。ドクオは、2階を探索していた。

('A`)「・・・2階で調べていない部屋はあと3つか。」

ドクオは残る3つの部屋から適当に選んだ部屋のドアを開いた。
そこには信じられない光景がドクオの前にあった。部屋の奥にラスター伯爵とエレクトラがいたのだ。

('A`)「!」

部屋の奥にいるラスター伯爵は、両腕を後ろで縛られたエレクトラの首に剣を突きつけていた。

('A`)「こ、これは・・・。」

ドクオは、この2人がネクロマンサーに操られている死体であるとわかっていた。
わかっていたがドクオの体は動かなかった。ドクオの過去のトラウマが彼の体を縛り付けているのだった。


326 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:40:53.62 ID:qPOQS9It0

やがて、ラスター伯爵の要求どおりドクオは大剣を床に放り投げた。
目の前にいるのはゾンビであるとわかっているのだが、体はいうことを聞かなかった。
過去という名の呪縛の力は歴戦の戦士ドクオですら抗うことはできなかった。

('A`)「・・・このままではやられる。」

だが、ドクオの体は動かなかった。まるで麻痺してるかのように痺れている。ドクオの額から汗が流れる。
ゆっくりと近づいてくるラスター伯爵とエレクトラ。
過去と違うのは今はどちらもドクオの命を狙うゾンビであることだった。

('A`)「・・・。」

ドクオは死を覚悟した。結局、自分は過去に捕らわれたまま死んでしまうのだ。
だが、それもいいのかもしれない。俺の人生はあのとき終わっていたのだから。

ラスター伯爵がドクオの前で剣を構えた。ドクオの体はやはり動かなかった。ドクオはゆっくりと目を閉じた。

('A`)「・・・ここまでか。」


328 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:43:17.23 ID:qPOQS9It0

しかし、何も起こらなかった。不思議に思ったドクオは目を開けた。
そこにはドクオをかばって剣に貫かれたエレクトラが床に倒れていた。
死してもなお、エレクトラはドクオを守ろうとしたのだ。

('A`)「エレクトラ!」

ドクオは呪縛が解けたかのように体が動き、側にいたラスター伯爵を殴り倒した。
床に激突したラスター伯爵はそのまま灰になっていった。
倒れてるエレクトラを起こし、ドクオはエレクトラの顔を見つめた。
エレクトラは何か言っているがもはや声が出ないため、何も聞こえない。

('A`)「エレクトラ!」

ドクオは涙が出るのを堪えて、エレクトラの口の動きを見た。

「ド・ク・オ・つ・よ・く・い・き・て」

エレクトラはそう言うとドクオの腕の中で灰になっていった。

ドクオは、エレクトラの灰を強く握り締め、そして泣いた。

 


 

344 :のびた ◆0UBHj9d5Uc :2006/03/11(土) 23:46:09.72 ID:qPOQS9It0

【のびたのあとがき】

中編だけしか書いてないのですが、あとがき書いてみます。

最終章の中編が終わりました。ジョルジュ、フサギコ、ドクオのそれぞれの闘いが繰り広げられました。
漫画だと名脇役たちが敵の四天王と戦うといった感じでしょうか。
今回はバトル中心だったので書いていた自分もかなり手に汗握っていました。
神聖魔法「加速」でみなさんが「ksk」を連打してくれるかなーと思っていたのがなくてちょっと悲しかったですw。^^;
でも、トンファーが予想以上に好評だったのは嬉しかったです。^^
何げにフサギコが闘うのは初めて(ジョルジュとの鍛練はありましたが)だったのでどう書くかちょっと悩んでいました。
ちなみにフサギコは俗に言う天才です。

さて、いよいよ次が最終章の後編です。
どれくらいの長さになるかわかりませんが次でこの物語は終わります。
これでブーン達の活躍も終わるのかと思うと私も寂しいですが最後まで気合を入れて書き上げたいと思います。

それでは、本日も読んでくださったみなさまありがとうございました。m(_ _)m

 

 

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