32 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:02:20.34 ID:bOXNNog4O

物凄いスピードの自転車が、軽く顔を掠めていく。

(;^ω^)「な、なんだお……」

('A`)「あと五分で大会が開始されるから避難してるんだろ。
大会が始まったら、街全体がリングだからな」

大会参加者には暴力行為が許可される。
そして、全ブロックの至る所でバトルが始まる。
参加者による家屋などの損害は大会損害保険でまかなわれ、
参加者が存分に戦えるような処置がなされている。

('A`)「ブーン、気を引き締めろよ。10、9、8、7……」

(;^ω^)「……ごくり」

ドクオがカウントダウンを始めた。
ブーンも緊張する。

「5」

ξ゚听)ξ
川 ゚ -゚)
从'ー'从

「4」

( ,,゚Д゚)
(#゚;;-゚)
(*゚∀゚)


33 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:03:39.26 ID:bOXNNog4O

「3」

( ´∀`)
( ・∀・)
|゜ノ ^∀^)

「2」

(*‘ω‘ *)
( ><)
( <●><●>)

(´・ω・`)

J( 'ー`)し

「1……」

( ,_ノ` )
(=゚ω゚)ノ
(゚∀゚)

「0!」

遂に、大会は始まった。
どこかで雄叫びが聞こえたかと思うと、様々なところで一斉に声が上がる。


35 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:08:05.19 ID:bOXNNog4O

('A`)「ブーン、早速レーダーに反応ありだ!数は3」

参加者は必ず一枚でも参加証を持っていることが義務づけられている。
参加証を奪い合うことが大会の目的だが、基本は1対1で闘い、
勝ち負けを決め、敗者が勝者に参加証を渡す。
参加証を持っていない参加者は、その場で失格になり、
そのあとまた参加証を手にしても失格は取り消されない。
また、勝者と敗者を決せず、相手の隙を突いて参加証を奪うこともルール上許可されている。

( ´_ゝ`)「弟者、最初の相手だ」

(´<_` )「そのようだな、兄者」

ブーンとドクオの目の前に、二人組の男が姿を現す。

(;'A`)「ヤヴァイ……」

二人組を見るなり、ドクオは呟いた。

(;'A`)「前大会でトップ10に入った流石兄弟だ……」


36 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:08:58.44 ID:bOXNNog4O

(;^ω^)「ちょwwwそんな相手に勝てるはずナスwwwwww」

(;'A`)「ブーン、戦術的撤退だ!」

( ^ω^)「言われなくてもスタコラサッサだお」

くるっ

( ´_ゝ`)(^ω^ )

( ´_ゝ`)「やあ」(^ω^;)「あ゛」

('A`)「前門の虎!!!!」

( ^ω^)「肛門の狼!!!!」

( ^ω^)('A`)「まさにこの世は大海賊時代!!!!!111」

(;´_ゝ`)(´<_`;)(なんだこいつら……)

わけのわからないことを叫んでいるブーンとドクオを、流石兄弟は呆れて見た。
しかし、彼等のこの一見アフォな行為には、壮大な秘密が隠されていた!

( ^ω^)('A`) 「うはwwwみwなwぎwっwてwきwたwwwwwww」


38 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:15:52.48 ID:bOXNNog4O

ブーンとドクオに起こった異変。
流石兄弟はそれに気付く。

( ´_ゝ`)「高まっていく闘気……馬鹿かと思っていたが」

(´<_` )「脳内麻薬というやつかな。兄者、早々にやらないとまずい」

ボルテージが最高潮に達する前に。

( ´_ゝ`)「仕掛けるぞ。同時だが1対1のバトルには変わりない」

(´<_` )「御意」

双方から迫りくる二頭の猛虎。
それを待ち受けるのは、ネズミか、龍か。
兄者の蹴りがブーンに跳ぶ。

( ´_ゝ`)「おらぁ!肉体ブラクラキックを喰らえ!!」

ブーンの腹に兄者の靴底がめり込んだ。
確実に入ったと、勝利を確信する兄者だったが……

( ^ω^)「効かんお」

(;´_ゝ`)「な、なに!?」


39 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:16:34.57 ID:bOXNNog4O

コンクリートブロックのように、鉄板のように、押しても動かぬ大木のように、
ブーンの腹はびくともしなかった。

( ^ω^)「ブーンは夢のために体を鍛えたお。腹筋も頑張ったお」

フンッと鼻から息を吹いて、ブーンは兄者の足を跳ね飛ばした。

( ^ω^)「修業の成果を今こそ見せるお!」

ブーンは両腕を広げ、兄者の周りをぐるぐると走り始める。
その速さは次第に増していき、ビュンビュンと風の掠れる音が響いてくる。

( ´_ゝ`)「攪乱戦法か?だが、そんなもので惑わされる俺じゃない……」

兄者はゆっくりと片足を上げる。

( ´_ゝ`)「キックの兄者、パンチの弟者と呼ばれた、
前大会トップ10の流石兄弟を舐めるなぁ!!」

上げた足が激しく動かされている。
それはまるで風を切るように鋭く、春麗の百裂脚(強キック)並である。

40 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:24:03.20 ID:bOXNNog4O

( ´_ゝ`)「お前がどこからこようと、この攻防一体の、
肉体ブラクラキック連撃にかなう者はいないッッッ!」

百裂脚こと肉体ブラクラキック連撃を発動させ、再び勝利を確信する兄者。
だがその時、ブーンの新たな異変に、兄者はまだ気付いていなかった。

  /⌒ヽ
二( ^ω^)二⊃          /⌒ヽ
  |    /  /⌒ヽ  ⊂二二( ^ω^)二⊃        光る風を追い越したらー
  ( ヽノ 二( ^ω^)/⌒ヽ   |    /
  ノ>ノ   ⊂二二二( ^ω^)二⊃ ヽノ    /⌒ヽ
 レレ     ( ヽノ|    /   ノ>ノ  二二( ^ω^)二⊃   君にきっと逢えるねー
        ノ /⌒ヽ     レレ      |   /
  ⊂二二二( ^ω^)二⊃  /⌒ヽ    ( ヽノ    新しい輝き
        |    / レ  二( ^ω^)二⊃ ノ>ノ
         ( ヽノ      |    /   レレ
         ノ>ノ       ( ヽノ                      HAPPY READY GO!!

41 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:25:19.04 ID:bOXNNog4O

(;´_ゝ`)「なんだこれは!?残像?それ程のスピードで!?」

( ^ω^)「ハピマテ最高だおー」

ブーンはただぐるぐると走り続けていたわけではない。
加速をつけ、この現象が発生するのを待っていたのだ。
どれが本体なのか。
いや、本体に命中させるほど精密な蹴りを入れられるほど、兄者は熟練者ではなかった。

(;´_ゝ`)「ぐあっ!」

蹴りの連撃を抜けて、ブーンの腕が兄者の肩を軽くぶつかる。
それだけなのに、相当な衝撃が兄者を襲った。
よろめき、蹴りの連撃が止まった、その直後、

( ´_ゝ`)「ああっ!あああああ!!」

四方八方からブーンがぶつかってくる。
ただそれだけで、体の節々に激痛が走った。
ぶつかってもブーンが減速したような気配はない。
これが、ブーンの1000get※「ゴッドスピードブーンハリケーン」だ!!!!!111
※1000get=超必殺技のようなもの
 

43 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:33:31.92 ID:bOXNNog4O

(´<_`;)「兄者!!」

ドクオと小競り合いを続けていた弟者が声を上げた。

(´<_`;)「くっ!」

ドクオはリズミカルに弟者のパンチをかわしていた。
力量の差は歴然としているはずなのに、ドクオを倒せず弟者は手をこまねいている。

('A`)(どうだ!これが独り身の童貞男の超特技、エアセックス拳法!!)

エアセックスとは、性交をしたことがない者が、
相手がいることを想定して架空の性交をしてみせることである。
ドクオはその独特の動きを自分のファイトスタイルに盛り込んだのだ。

(´<_` )「きめぇ」

確かにきめぇ。
弟者は動きを止め、息を一吸いする。
そして、ドクオを見据えた。

(´<_` )「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラぁっ!!!!」

どこかで見たことがあるパンチのラッシュがドクオを襲う!

44 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:34:40.95 ID:bOXNNog4O

(´<_` )「このオラオラパンチのラッシュ、
星白銀世界で倒れなかったものは……なにィィィィィ!?」

確かに弟者の鈍重な拳の猛攻は、ドクオを叩きのめしたはずである。
だが、ドクオはそこに立っていた。

(#)'A`)「今のは少し効いたぜ……だが、半分はかわした!」

(´<_`;)「半分も……あんなふざけた童貞が想像したセックスみたいな動きで!?」

(#)'A`)「…………」

どう見ても図星です。
本当にありがとうございました。

(#)'A`)「テメーは俺を怒らせた!!」

ドクオは怒りに満ち満ちている。
そして……

  (  ) ジブンヲ
  (  )
  | |

 ヽ('A`)ノ トキハナツ!
  (  )
  ノω|

('A`)「キャストオフ!!」

46 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:44:44.28 ID:bOXNNog4O

(´<_`;)「ちょっ、公然猥褻……」

そんなことを言っている場合ではなかった。

('A`)「か、顔が!?体が勝手に!?」←弟者

 オ ネ ガ イ
  ヽ( 'A)ノ    ヽ('A`)ノ←弟者 タッチ!! タッチ!!
    ( )       ( )
    / ノ       < \
     ヽ( 'A)ノ
       ( ) ('A`)←弟者 ココニタッチ!!
      /ωメ ( )ヽ
          LL
     ヽ( 'A)ノ
       ( ) ('A`)←弟者 アーナーターカラー!
      /ωヽ(人)
          LL
            タッチ!!
       ヽ( 'A)ノ
         ヽ ヽ
         ノωA`)←弟者
      彡   (人)
           LL

(´<_`;)「うぼぁ……」

48 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:46:05.90 ID:bOXNNog4O

ドクオの股間が顔面にタッチし、ドクオはそのまま両腿で弟者の顔をがっちり固定した。

('A`)「さあ!このまま引力で地面に激突だ!脳漿をぶちまけろ!!」

(´<_` )「くっ……くそおおぉぉぉぉ!!」



( ´_ゝ`)「俺達の負けか……トップ10の名が泣くな」

(´<_` )「もう世代交代なのかもしれないな、兄者」

闘いが終わり、流石兄弟は自分達がまだまだ弱いということを実感していた。

( ´_ゝ`)「仕方ない。ルールはルールだ」

(´<_` )「参加証を受け取ってほしい」

( ^ω^)「なんだがデジャブを感じるお」

('A`)「ペロ……これはポケモンでジムリーダーからバッジを貰うときに似てる!」


49 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:47:44.64 ID:bOXNNog4O

なんてことをしつつ、ブーンとドクオは参加証を受け取った。

( ´_ゝ`)「今年もブラクラに引っかからないようになる夢は叶えられなかった」

(´<_` )「いい加減免疫をつけろよ、兄者」

とぼとぼと去っていく流石兄弟。
ブーン達は、初めての勝利に身を震わせていた。

('A`)「トップ10を倒したってことは俺達強くね?」

( ^ω^)「強いお」

('A`)「最強じゃねwww」

( ^ω^)「最強だおwwwwwwwwww」

この男達、ノリノリである。
だが、自惚れはそう長くは続かなかった。

( ゜ω゜)(゚A゚)「アッー!!」

流石兄弟との闘いで負った痛みが、今になってぶり返してきたのだ。

(;^ω^)「腹ITEEEEEEEEEE」

(;'A`)「全身ITEEEEEEEEEE」

50 名前: ヒキニート彼女なし同盟 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:48:32.04 ID:bOXNNog4O

(;^ω^)「今日はもう帰るお。こんなんじゃ戦えないお……」

(;'A`)「そうだな。民家での戦闘は禁止されてるし、今日はもう帰るか」

しかし、簡単に帰ることができるのだろうか。
他の参加者からの襲撃をかいくぐりつつ、安住の地につく。
これもまた、この大会の醍醐味なのである。

 


 

51 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:54:05.79 ID:bOXNNog4O

川 ゚ -゚)「この辺も反応なしか」

レーダーと睨みあいを続けていたクーが、諦めたように呟いた。

ξ゚听)ξ「やっぱり中心街を離れると、参加者もいないのかしらねぇ」

m9从'ー'从「あそこは〜?」

渡辺さんが『VIP』の名所であるVIPタワーを指さして言う。

川 ゚ ー゚)「ビンゴ。反応ありだ」

クーはレーダーを二人に見せた。
画面には、反応を示す光がわずかに点滅していた。

ξ;゚听)ξ「あたし達の初戦ね……」

緊張しているツン。

川 ゚ -゚)「行こう」

冷静なクー。

从'ー'从「レッツゴ〜」

相変わらず天然の渡辺さん。


52 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 22:55:36.86 ID:bOXNNog4O



タワーは静かだった。
普段はデートスポットともあり平日でもカップルでごった返している。
だが、大会が始まったばかりのこの日から、既にもう客はいなかった。
三人はエレベーターに乗り、上階の展望フロアに向かう。
反応は段々と強まり、そこにいることを示している。

ξ゚听)ξ「……」

川 ゚ -゚)「……」

从'ー'从「〜♪」

無言のエレベーター内。
聞こえるのは渡辺さんの鼻歌のみ。
エレベーターの扉が開いた。
誰もいないような、沈黙がフロアを包んでいる。

J( 'ー`)し「お待ちしていました」

そんな沈黙の中で、声が響く。

ξ゚听)ξ「女の人……?」

J( 'ー`)し「それは貴女達も同じでしょう?」

ツン達の前にやってきた女性……カーチャンは優しく微笑んだ。


54 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:00:01.98 ID:bOXNNog4O

J( 'ー`)し(タケシ、待っててね……)

カーチャンの優しい微笑みは、どこか哀しげだった。

J( 'ー`)し「始めましょう。相手はどなた?」

ξ゚听)ξ「クーちゃん、あたしが行っていい?」

川 ゚ -゚)「大丈夫なのか?」

ξ゚听)ξ「うん、試したいの。力を」

力強くツンは言った。
ツンの表情に、クーは笑ってGOサインを出す。

ξ゚听)ξ「よろしくお願いします」

J( 'ー`)し「こちらこそ」

礼儀正しく挨拶を交わす。
ただ、二人に礼儀を重んじるような態度はない。
目の前にいる、今から闘う相手に、敵意だけを向けている。

J( 'ー`)し「よいしょ」

カーチャンは、服の中からフライパンとおたまを取り出した。

ξ;゚听)ξ「な、なに?」

J( 'ー`)し「あら、武器の使用はルール違反じゃないはずよ」

 

55 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:01:04.09 ID:bOXNNog4O

チラッとクーを見る。
クーは、カーチャンが言ったことを肯定するように、軽く頷いた。
だが、そんなことよりもツンは、あまりにも家庭的な『武器』に呆気に取られてしまった。

ξ;゚听)ξ「くっ……先手必勝!」

ツンは間合いを詰めようと駆け出す。

川;゚ -゚)「焦っては駄目だ!」

从;'ー'从「ふぇぇ〜」

クーの言葉の通り、ツンは焦ってしまっていた。
渡辺さんも心配そうにツンを見ている。

ξ゚听)ξ「はぁぁぁぁっ!」

ツンの拳がカーチャンに向かって放たれた!
だが……

J( 'ー`)し「フライパンガードっ」

ドラのような鈍い金属音が、フロアに轟く。

ξ;゚听)ξ「〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」

声にならない叫びを上げるツン。
渾身のグーパンチは、硬い硬いフライパンによって防がれたのである。

56 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:07:16.79 ID:bOXNNog4O

J( 'ー`)し「よいしょ」

ξ(#)゚听)ξ「へぼッ!?」

痛がるツンにも容赦なく、カーチャンはおたまで殴り飛ばした。
パコーンとおたまが音を立て、ツンは床を転がっていく。

ξ;゚听)ξ「……」

川;゚ -゚)「今のは君の不注意だ!焦るな!相手は武器を持っているんだぞ!」

ξ;゚听)ξ「……そんなこと……わかってる……わよ……」

珍しく熱くなっているクーの言葉が身に染みる。
息を荒くしながらも、ツンは立ち上がった。
頬が痛む。口の中も切れているようだ。

ξ゚听)ξ(けど、あの一撃で頭は冴えた)

また、カーチャンに向かって走り出す。

从;'ー'从「ツンちゃん……」

川 ゚ ー゚)「いや、今度は平気だ」

ツンの瞳に、曇りはない。
ツンの拳がカーチャンの顔面に向けて放たれた。

57 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:08:06.18 ID:bOXNNog4O

J( 'ー`)し「同じことを何度やっても」

カーチャンがまたフライパンを構えるが、ツンの拳はギリギリのところで止まる。

J(;'ー`)し「!?」

突然、視界が大きくぶれて、カーチャンは倒れた。
カーチャンは何が起こったのかわからなかったが、
マウントポジションを取ろうとしているツンを見て、足を払われたのだと気付いた。

J(;'ー`)し「くっ……!」

ξ;゚听)ξ「うっ!」

ツンの腹を蹴り上げて、カーチャンはよろけながらも逃げるために走りだす。

J(;'ー`)し「こんなところで……」

受け身も取れず、どこか打ちつけたのだろう。
力を入れると足に痛みが走る。
チラッと後ろに目をやると、ツンが迫っているのが見えた。
あと少し行けば、数本の柱がある。
カーチャンは柱と柱の間に飛び込んだ。

60 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:15:40.49 ID:bOXNNog4O

川 ゚ -゚)「仕方ない……」

从'ー'从「?」

クーは大きく息を吸い込む。

「ツン!どうしたんだお!」

ξ;゚听)ξ「え?ブ、ブーン!?」

どこからかブーンの声が聞こえた。

「やっぱりツンは弱いお。ブーンはそんなツンが嫌いだお」

ξ#゚听)ξ「あ、あたしだってあんたのこと好きじゃないわよ!」

「いつもブーンを怒ってたあの気迫はどこにいったお」

ξ#゚听)ξ「うるさい!別に怒りたくて怒ってるわけじゃないんだから!」

ツンの顔が怒りで紅潮していく。

川 ゚ -゚)(そろそろか……)

クーはまた、息を吸った。

61 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:20:23.51 ID:bOXNNog4O

「でも、いつもブーンを怒ってくれるツンは大好きだお」

ξ///)ξ「なっ……」

ツンの顔は真っ赤になった。

ξ///)ξ「あたしはあんたのことなんか…………あんたのことなんか」

パンッと柱を叩く。

ξ///)ξ「嫌いよ!」

柱が、音を立てて崩れた。

ξ///)ξ「嘘ッ!」

また別の柱を叩く。

ξ///)ξ「ほんとは好き!」

また。

ξ///)ξ「好きじゃ悪い!?」

また。
叩かれた柱は全て、粉々になる。

川 ゚ -゚)「普通なら、闘気はすぐさま体外に流れ、新しい闘気でまた満たされるのだが」

从'ー'从「?」

62 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:21:32.43 ID:bOXNNog4O

川 ゚ -゚)「闘気を溜め込み、それを放出させれば、それは爆発的な力となる」

勝利を確信したクーが、静かにそう言った。

川 ゚ -゚)「闘気を溜め込める体質を持つ者を私は、
彼の地ツンドラから文字って、ツンデレと呼んでいる」

从'ー'从「ツンデレ……?」

川 ゚ -゚)「ツンドラは、夏季に表面が溶けて湿地になるだけで、一年の大部分は凍っている」

从'ー'从「普段はツンツンしてるツンちゃんも、
たまにデレっとすることがある……ってこと〜?」

川 ゚ ー゚)「そう。それが彼女の体質、闘気を溜め込んで一気に放出する、な」

クーがニッと笑う。
渡辺さんもその笑みに返すように、笑った。

ξ゚听)ξ「……あれ?なんで柱が、こんなに壊れてるわけ?」

舞い上がっていたため、自分が何をしたのかわからないツン。

J(;'ー`)し「あ……ああ……」

カーチャンは、崩れた柱のすぐ横で、ガタガタと震えていた。

J(;'ー`)し「ギ、ギブアップ……」

63 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:26:07.52 ID:bOXNNog4O



変わり果てた展望フロア。
カーチャンはまた、悲しげな微笑みを浮かべていた。

J( 'ー`)し「負けたのですから仕方ありませんね。お受け取りください」

懐から、三枚の参加証を取り出す。

ξ;゚听)ξ「待ってください!戦ったのはあたしだけです!そんなに貰えません!」

J( 'ー`)し「いえ、受け取ってください。私にはもう、戦う気力はないから」

カーチャンは自嘲するように笑う。

J( 'ー`)し「貴女達と同じぐらいの年で、息子は亡くなりました。
息子を生き返らせたくて、大会に参加したんですけどね……」

川 ゚ -゚)「その願い、私が引き受ける」

ξ;゚听)ξ「クーちゃん!?」

川 ゚ -゚)「私は夢のために大会に参加したわけじゃない。だから叶えたい夢はないんだ」

クーはそう言う。

64 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:27:42.57 ID:bOXNNog4O

川 ゚ -゚)「もし優勝したら、あなたの息子さんを生き返らせてもらえるよう、願います」

J( 'ー`)し「……ありがとう」

心から嬉しいそうに、カーチャンは笑っていた。
瞳には涙が浮かんでいる。

川 ゚ -゚)(夢が叶えられるような結果になるかは、わからないがな)

ξ゚听)ξ「クーちゃん?」

川 ゚ -゚)「すまない。考えごとをしていた。先を急ごう」

カーチャンに別れを告げ、ツン達はまたエレベーターへと向かう。

ξ゚听)ξ「そういえばおかしいのよね。ブーンの声が聞こえた気がしたんたけど」

从'ー'从「そ〜れ〜は〜」

楽しそうに、渡辺さんはクーを見た。

川 ゚ω゚)「ツン、大好きだお」

ξ;゚听)ξ「あれ、クーちゃんだったの!?」

65 名前: 戦う女子高生チーム(新ジャンルヒロインズ) 編A 投稿日: 2007/03/01(木) 23:28:28.61 ID:bOXNNog4O

川 ゚ ー゚)「なかなか上手かっただろう?」

すっかり騙されたと憤慨するツンだったが、すぐにそれは笑みに変わった。
エレベーターの中で三人は笑いあった。

川 ゚ -゚)(まだ自身での制御はできないようだが、これは大きな力だ)

初戦の勝利を噛みしめながら、クーは思う。
彼女の思惑とは……

川 ゚ -゚)「鉢合わせしないようルートは調査してある。今日はもう帰ろう。
日が暮れるのは避けたい。慣れない内の夜戦は危険だ」

ξ゚听)ξ「そうね」

从'ー'从「よ〜し、明日も頑張るぞ〜」

川;゚ -゚)「君はまだ何もしてないがな……」

 

 

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