152 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 20:06:19.41 ID:HzHvpWMHO
- あれから数日。
まだ大会終了のアナウンスはない。
『中国』ブロック。
その『中国』の山岳地帯を、彼等は歩いていた。
(;'A`)「うへぇ……まだ着かねぇのかよ」
( ,,゚Д゚)「弱音を吐くなゴルァ。それでも参加者かゴルァ」
川 ゚ -゚)「ふう。だがさすが『中国』……無駄に広い」
遠くの山は竹林が茂っている。
しかしこの場は岩ばかり。
ξ;゚听)ξ「キャッ!」
(*゚∀゚)ー゚)「おっと。大丈夫か?」
ξ゚听)ξ「えっ……」
脆くなっていた地面に足を取られそうになったツンの手を、つーが掴んだ。
ツンが顔を上げてつーを見ると、つーの顔と誰かの顔がぶれるように映り込む。
(*゚∀゚)「どうかしたか?」
ξ゚听)ξ「いえ、ありがとう」
しかし、まばたきしてみると、そこにはつーしかいない。
気を取り直して、また歩き出す。
153 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 20:20:34.94 ID:HzHvpWMHO
- (=゚ω゚)ノシ「お〜い、こっちだぃょぅ」
峠で、手を振っているぃょぅがいた。
(=゚ω゚)ノ「遅かったなぃょぅ」
川 ゚ -゚)「すまない。で、奴等は?」
(=゚ω゚)ノ「別のところに入っていったぃょぅ」
(゚∀゚)「アヒャ」
(=゚ω゚)ノ「こいつがスキャンして、気付かれず侵入できる場所を見つけておいたぃょぅ」
目の前の岩盤に向けて、ぃょぅが手刀を振った。
岩は綺麗に切れ目が入り、人一人入れそうな空洞を作る。
斬られた岩盤の下には、鉄製の壁。
(=゚ω゚)ノ「これが言ってた秘密工場だぃょぅ」
('A`)「この中にブーンがいるのか……」
ξ゚听)ξ「何もされてないといいけど……って別に心配してるわけじゃないんだからね!」
川;゚ -゚)「誰に言っているんだ……」
言いながら、皆は空洞の中に入っていく。
決して明るくはない通路、そして機械音と特有のオイル臭……
いかにも、「怪しいことしてます」と物語ってる。
154 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 20:22:08.80 ID:HzHvpWMHO
- (;'A`)「不気味だな……」
ドクオは早くも怖じ気づいていた。
( ,,゚Д゚)「離れると危険ゴルァ。安易に動き回るなゴルァ」
(#゚;;-゚)「……」
でぃを自分の体にしがみつかせるギコ。
ξ゚听)ξ(ブーン……どこにいるのよ……)
心の中では、ツンは素直にブーンのことを心配している。
川 ゚ -゚)「みんな止まれ……何か音がする」
クーが言った。
カサカサ……
カサカサ……
( ,_ノ` )「なんだ?」
(=゚ω゚)ノ「機械の音とは違うぃょぅ」
周りを探る渋澤達。
一つに固まる。
カサカサ……
カサカサ……
157 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 20:33:15.46 ID:HzHvpWMHO
- 川 ゚ -゚)「何かが来る……?」
クーが呟いた。
すると、あるものが目の前に飛び込んでくる。
( ^^ω)「ホマ」
巻き起こる絶叫。
そして誰もいなくなった。
(;^^ω)「この先は危険だと教えてあげようとしたのに行ってしまったホマ」
★
あの場から、ツン達は全力疾走で逃げていた。
(;'A`)「火星人!?あれ火星人!?」
川 ゚ -゚)「いや、あれは人の顔から大量の触手が生えた生物では」
( ,,;゚Д゚)「冷静な分析はいいゴルァ!!」
ξ;゚听)ξ「ちょっ!あなたに掴まってる人、向かい風に煽られて凄いことになってる!!」
( ,_ノ` )「お前達、少しは速度落とせ」
(=゚ω゚)ノ「とか言いつつあんたが一番前を走ってるぃょぅ!」
158 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 20:34:51.92 ID:HzHvpWMHO
- (゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
もうみんなわけわからなくなっている。
だがあの奇形、は瀬川が言おうとしていたことを思い出してみようか。
この先は奇形、もとい危険なのだ。
するとその時、風の切るような音がして、何かがツン達の間を通り過ぎた。
('A`)「なんだ……?」
( ,_ノ` )「とっさだったが、なんとか掴めたぞ」
渋澤が掌を開く。
そこには……
川 ゚ -゚)「ゴム弾か?」
ξ゚听)ξ「そんなものがなんで」
ヒュン
ξ;゚听)ξ「痛ッ!」
飛んできたゴム弾がツンにぶつかる。
威力はないが、当たるとやはり痛い。
159 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 20:49:16.57 ID:HzHvpWMHO
- ヒュン
( ,,;゚Д゚)「ゴルァ!?」
(*;゚∀゚)「うわっ!?」
(#゚;;-゚)「……」
ヒュンヒュン
(;'A`)「イテッイテッ!!」
(゚∀゚)「アヒャ!」
ヒュンヒュンヒュン
ヒュンヒュンヒュン
(=;゚ω゚)ノ「さすがにぃょぅ……」
(;,_ノ` )「こりゃ……」
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
川;゚ -゚)「弾数が……」
ξ;゚听)ξ「多いってレベルじゃないわよ!!」
大量に飛んでくるゴム弾。
当たったり避けたり、中には全弾命中してたり、しながらも皆は先に進む。
160 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 20:50:34.15 ID:HzHvpWMHO
- そして、
[ 冖ш冖]「ターゲット、セッキンダヴォ」
[ 冖ш冖]「リョウカイ。カクキサンカイセヨ」
[ 冖ш冖]「イエス、マイ・ウィーン」
目の前に現れたある者によく似たロボット。
ξ;゚听)ξ「これって……」
(;'A`)「どうなってんだ?」
その者をよく知る二人は、驚きを隠せない。
匚二二二[ 冖ш冖]二コ バッ
匚二二二[ 冖ш冖]二コ バッ
匚二二二[ 冖ш冖]二コ バッ
ロボット達は、一斉に腕を広げる。
そして、何かのチャージを始める。
( ,,;゚Д゚)「これって見たことあるゴルァ」
何かに焦るギコ。
ツンやドクオやギコが想像している者が同じなら、
ロボット達のこの行動は後々とんでもないことになる。
162 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 21:08:06.84 ID:HzHvpWMHO
- ( ,_ノ` )「仕方ねぇ。お前等は先に行け」
川;゚ -゚)「だが……」
(=゚ω゚)ノ「気にしなくていぃょぅ。そんな簡単にやられなぃょぅ」
(゚∀゚)「アヒャ!」
三体のロボット達を、渋澤達が引き受ける。
その意思を汲み取って、クーは静かに頷いた。
(;'A`)「あいつと同じ速さ……いや、この展開だと倍以上か」
( ,,;゚Д゚)「てめぇら、気をつけろゴルァ」
チャージしているロボット達の間を抜け、ツン達は先に進む。
残った渋澤、ぃょぅ、アヒャ。
( ,_ノ` )y━・~~~「脇役ってのは辛いなぁ」
煙草を吐き捨てる渋澤。
(=゚ω゚)ノ「見せ場があるだけ幸せだぃょぅ」
手刀を構えるぃょぅ。
164 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 21:10:45.13 ID:HzHvpWMHO
- ( ゚∀゚)「実は俺、アヒャに見せかけてジョルジュだったんだぜ?」
(;,_ノ` )(=;゚ω゚)ノ「「な、なんだってー!?」」
キバヤシもびっくり。
そんなアヒャ改めジョルジュは、腕を振り始める。
( ,_ノ` )「ブラックコーヒーが飲みてぇな。
砂糖?あんなもん、豚が舐めるもんだぜ」
(=゚ω゚)ノシシ「全神経をこの手に込めるぃょぅ!」
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
戦闘態勢に入る参入。
匚二二二[ 冖ш冖]二コ「チャージカンリョウダヴォ」
匚二二二[ 冖ш冖]二コ「ゼンポウノエネミーヲセンメツスル」
匚二二二[ 冖ш冖]二コ「イエス、マイ・ウィーン」
こちらも、闘る気満々らしい。
167 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 21:20:44.27 ID:HzHvpWMHO
- 匚二二二[ 冖ш冖]二コ「GO」
匚二二二[ 冖ш冖]二コ「GO」
匚二二二[ 冖ш冖]二コ「GO」
合図と共に、ブースターが点火される。
そうしたかと思うと、ロボット達は一気に渋澤達に迫った。
(;,_ノ` )「くっ……」
(=;゚ω゚)ノ「ぃ、ょぅ……」
(;゚∀゚)o彡゜「おっぱ……」
凄まじい音を響かせながら、互いにぶつかりあう。
(=゚ω゚)ノシシシ「ぃょぅ!ぃょぅ!ぃょぅ!」
ぃょぅの手刀がロボットの体に当たった。
しかし、
(=;゚ω゚)ノ「傷ぐらいしか付けられないかぃょぅ……」
鉄製の壁を岩盤ごと斬り裂ける手刀が、かすり傷程度のダメージしか与えられない。
( ゚∀゚)o彡゜「おっぱい!おっぱい!」
168 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 21:22:27.10 ID:HzHvpWMHO
- 問答無用で振られる腕。
迫ってきたロボットに対してもそれは同様で、
衝突した反動で床をえぐりながらもジョルジュにダメージはない。
( ゚∀゚)o彡゜「ダメージがないのは向こうも同じだろうがな」
怪しげに笑いながら、ジョルジュはそう呟いた。
( ,_ノ` )「不用心に飛び込んでくるとはな。
単純なプログラムで構成されているのか?」
ギコとの戦闘の時と同様、ぶつかった衝撃を軽く受け止める。
そして、そのままロボットの腕を掴んだ。
( ,_ノ` )「さあ、その頑丈な体、どこまで耐えられる!」
ロボットを壁に叩きつける。
( ,_ノ` )「さぁ!」
次は床に。
169 :『中国』秘密工場 編@
:2007/03/02(金) 21:23:29.34 ID:HzHvpWMHO
- ( ,_ノ` )「さぁ!」
また壁に。
( ,_ノ` )「さぁ!さぁさぁさぁ!!」
壁と床の応酬。
( ゚∀゚)o彡゜「あ〜ぁ、キャラを失ってるぜ」
(=;゚ω゚)ノ「そういうお前もさっきまでアヒャだったぃょぅ……」
渋澤達とロボット達との戦いは続く……
175 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:04:03.15 ID:HzHvpWMHO
- ツン達は未だ通路を走っていた。
渋澤達はどうなっただろう。
そんなことが頭をよぎる。
( ,,゚Д゚)「止まれゴルァ!」
ギコが皆を制止する。
( ,,゚Д゚)「この闘気の感じ、覚えがあるゴルァ」
川 ゚ -゚)「奇遇だな。私もだ」
ギコとクーが口を揃えて言う。
分かれ道。
その片方から、何者かの闘気が流れてくる。
( ´∀`)「やはり来たモナー、悪者共」
( ・∀・)「さぁモナーさん、今日こそやってやりましょうっス」
|゜ノ ^∀^)「……」
モナー一行。
( ,,゚Д゚)「こいつらは好かないゴルァ。ここは任せろゴルァ」
川 ゚ -゚)「私もだ。悪者悪者と言うが、していることはそちらの方がよっぽど醜悪だ」
ギコとクーが構えを取る。
176 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:05:03.23 ID:HzHvpWMHO
- ξ゚听)ξ「クーちゃん、よろしく」
川 ゚ -゚)「あぁ、行ってくれ。その先に彼がいるのかはわからないがな」
ξ゚听)ξ「気をつけて」
('A`)「行くぞ」
ツンとドクオが誰もいない方の通路に入っていった。
ツンとドクオの姿が小さくなり、薄暗い闇に消えていった。
川 ゚ -゚)「それに訊きたいこともある……貴様等と『運営』の関係についてだ」
★
後ろを振り向いても、もうギコ達は見えない。
ξ゚听)ξ「あんたとはあんまり面識ないけど」
('A`)「あぁ?」
ξ゚听)ξ「でも、信じていいのよね?」
('∀`)b「ブーンと俺は親友だぜ?安心しな!」
ξ゚听)ξ「笑顔キモッ」
なんて会話をしながら、先を進む。
しばらく走っていると、巨大な扉が道を塞いだ。
180 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:12:30.37 ID:HzHvpWMHO
- ('A`)「これは明らかにいそうなふいんき(←何故か変換できない)」
ξ゚听)ξ「雰囲気よ」
('A`)「新参乙」
ドクオは扉を開け始める。
鍵はかかってはいなかったが、重みのある扉はゆっくりとしか開かない。
(;'A`)「誰か潤滑剤持ってきて」
言いながらも、遂に部屋が解放される。
(ヽ´ω`)「……」
ξ;゚听)ξ「ブーン!!」
(;'A`)「おいブーン!しっかりしろ!」
ぽつんと置かれたイスに、ブーンは無気力に座っていた。
(ヽ´ω`)「……ん……」
ξ゚听)ξ「よかった!気がついたのね!?」
(ヽ゜ω゜)「ふぉぉぉ!やめるおおぉぉぉぉ!!」
(;'A`)「どうした!?ブーン!!」
(ヽ゜ω゜)「もうやめてくれお!!ブーンを中を見ないでくれおぉぉぉ!!」
182 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:13:58.50 ID:HzHvpWMHO
- 意識を取り戻した瞬間、ブーンが暴れ出す。
何かに怯え、見えない恐怖に体を震わせていた。
ξ;゚听)ξ「しっかりしてブーン!あたしよ、ツンよ!」
(ヽ゜ω゜)「おおぉぉぉぉ!!」
('A`)「すまん、ブーン」
ドクオがブーンを殴り飛ばす。
(ヽ´ω`)「うっ……うぅ……」
('A`)「目、覚めたか?」
(ヽ^ω^)「ドクオ、ツン……?」
ξ;;)ξ「ぐすっ、助けにきたのよ……このドジ!!」
ブーンの目に、懐かしい者達の顔が飛び込んでくる。
(ヽ;ω;)「おっおっおっ……怖かったお……」
('A`)「大変だったな……」
ξ゚听)ξ「他の仲間達も戦ってるの。早く逃げましょう!」
183 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:24:16.31 ID:HzHvpWMHO
- 「「そうはいかない(ニダ)(アル)!!」」
どこからともなく響く声。
そして、シャッターが出口を閉ざす。
<ヽ`∀´>「そいつにはまだたんまりと働いてもらうニダ」
( `ハ´)「データを吸って吸って吸い尽くして、カスになるまで使うアル」
スピーカーから響くニダーとシナーの声。
(ヽ;ω;)「もう嫌だお!ブーンになんの恨みがあるんだお!!」
<ヽ`∀´>「別に恨みはないニダ。ただお前がこの実験に最適だっただけニダ」
(ヽ;ω;)「実験?そうだお、ブーンはたくさんいじくられたお……」
( `ハ´)「お前のような身体能力も潜在的能力も高いファイターは珍しいアル。
研究してデータを取って、ロボットやクローンにして大量生産するアル」
184 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:25:02.64 ID:HzHvpWMHO
- <ヽ`∀´>「失敗した試作品も中にはあったニダ。
だからまだまだお前には役に立ってもらうニダ」
人を人として扱おうともしない非人道的すぎる発言。
まさに外道。
ロボット、試作品……
( ^^ω)
[ 冖ш冖]
ツンやドクオに覚えがあった。
(ヽ#;ω;)「お前等の都合なんか知るかお!ブーン達を帰せお!!」
<ヽ`∀´>「断るというなら仕方ないニダ」
( `ハ´)「行くアル!ブーンクローン!」
シャッターが開く。
('A`)「今がチャンスだ!逃げるぞ!」
扉に向かってドクオは駆け出した。
扉はドクオが開けた時のままなっている。
まさに逃げる絶好のチャンスだった。
ドクオが通路に飛び出す。
185 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:35:12.21 ID:HzHvpWMHO
- ( ^ω^)「……」
('A`)「あれ?ブーン、早いじゃないか」
(ヽ;^ω^)「志村ー、後ろ後ろ」
('A`)「あれ?後ろにもブーン?」
( ^ω^)「どけ」
ブーンとそっくりな男は、ドクオは突き飛ばした。
壁に叩きつけられるドクオ。
(ヽ;^ω^)「ドクオ!」
( ^ω^)「よそ見をするな、内藤ホライゾン」
(ヽ;^ω^)「ブーンと同じ顔……お前は誰だお」
( ^ω^)「俺はお前のクローンだ。だが今からお前を倒し、俺がオリジナルになる」
ブーンとブーンクローンが話している最中、ツンは急いでドクオの元に向かった。
ドクオは無傷で、それがわかるとツンはブーンに合図を送る。
(ヽ^ω^)(良かったお、ドクオ)
186 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:36:03.51 ID:HzHvpWMHO
- ( ^ω^)「食え」
ブーンクローンは、あるものを放り投げた。
( ^ω^)「俺はやつれたお前と戦う気はない。
俺は本気のお前と戦い、そしてお前を倒す」
ブーンの目の前には、ほかほかのサンマ定食があった。
思わずよだれが出る。
実験による疲労。そして拉致されてから一度も食事をとっていない。
(ヽ^ω^)「サンマの塩焼きジュウジュウ、大根おろしショリショリッ、
炊き立てご飯パカッフワッ、ポン酢トットットッ……ハムッ!ハフハフ、ハフッ!!」
('A`)「きめぇよ、死ね」
ξ゚听)ξ「うわ、キモ」
ブーンはサンマ定食を残すことなく掻き込んでいく。
そして、完食した。
189 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:44:20.34 ID:HzHvpWMHO
- ( ^ω^)「さぁ、俺と戦え!」
( ^ω^)「食べ切ってなんだけど、君と戦う気はないお」
( ^ω^)「何ぃ!?」
( ^ω^)「確かにブーンがオリジナルで、君はクローンかもしれないお。
けど……姿形は同じでも、君の喋り方も性格も、ブーンとはまるで違うお」
( ^ω^)「それがどうした」
( ^ω^)「クローンもオリジナルもないお。ブーンはブーン、君は君だお」
(#^ω^)「ふざけるな!!」
※どっちがどっちかわからなくなるのは仕様です
ブーンクローンが殴りかかってくる。
間一髪それを避けるブーン。
(#^ω^)「お前には帰る場所や迎えてくれる仲間がいる。
だが俺にはそんなものない!ならどうすればいい!?」
190 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 22:44:59.83 ID:HzHvpWMHO
- (;^ω^)「それは……」
(#^ω^)「ならお前を倒して、俺がお前になるしかないじゃないか!!」
(;^ω^)「そんな!そんなのってないお!!」
連打が繰り出される。
ブーンはそれを避け続けることしかしない。
('A`)「ブーンのヤツ、なんで反撃しねぇんだ」
ξ゚听)ξ「できないのよ。すれば、クローンの彼の言うことを肯定することになるんだから」
応戦するということは、自分の存在を守るということだ。
それは相手がクローンだと、何もない存在だと認めてしまうことにも繋がる。
相手に自分の存在を渡すこともできない。
だがブーンクローンの言葉を否定することも、ブーンにはできなかった。
(#^ω^)「はぁぁ!!」
ブーンクローンの拳が、ブーンの頬にめり込んだ。
しかし、ブーンは倒れない。
193 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 23:10:06.13 ID:HzHvpWMHO
- (#);ω;)「やめてくれお……」
(;^ω^)「!?」
(#);ω;)「同じだからってなんで戦わなきゃいけないんだお……
確かにブーンには帰る場所もあるし、仲間もいるお。
けど、君とブーンは全く違うお。性格も考え方も戦い方も……
君には同情するお。殴りたければ何発でも殴ればいいお。
でもブーンにすることはできないお。ブーンの夢は、誰にも渡せないんだお」
( ^ω^)「夢、だと……?」
ブーンクローンの記憶の奥深く。
自分の知らない記憶があった。
それは空。青い青い、深き蒼に染まった空。
手を伸ばしても届かない。
だが、空が飛べれば、手の届かない空にも行けるはず。
( ^ω^)「それがお前の夢……」
194 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 23:11:03.86 ID:HzHvpWMHO
- 純粋で、まるで空のように深く澄んでいる。
( ^ω^)「来い、内藤ホライゾン。俺を倒せ」
( ;ω;)「お……?」
( ^ω^)「自分が奪われたくないのなら、俺を倒せ」
( ;ω;)「そんことできないお……」
( ^ω^)(俺の夢はお前になることだ。だがお前になったとしても、
俺はお前の夢に突き進めない。お前のように純粋ではない……)
ブーンクローンは構えを取る。
( ^ω^)「空を飛びたいなら……来い!」
( ;ω;)「……空……」
その言葉を聞いたブーンは、ゆっくりと両腕を広げていく。
( ;ω;)「ごめんお……」
ぽつりと、呟いた。
195 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 23:28:05.38 ID:HzHvpWMHO
- ⊂二二二(# ;ω;)二⊃「ゴッドスピード!!ブゥゥゥンハリケェェェェェン!!!!」
ブーンの悲痛な叫びが、工場内に響き渡った……
★
( ^^ω)「ホマ……」
★
[ 冖ш冖]「……オンセイニンシキシタヴォ」
[ 冖ш冖]「ニンムチュウダン」
[ 冖ш冖]「イエス、マイ・ウィーン」
( ,_ノ` )「なんだ?」
(=゚ω゚)ノ「逃げたぃょぅ?」
( ゚∀゚)「俺達に恐れをなしたか!」
★
ゴッドスピードブーンハリケーンが炸裂する。
四方からの攻撃を防御もせずに、ブーンクローンはそれを食らった。
ブーンクローンは吹き飛ばされる。
196 :『中国』秘密工場 編A :2007/03/02(金) 23:29:19.93 ID:HzHvpWMHO
- (#)^ω^)「よくやったな……」
( ;ω;)「ごめんお……」
(#)^ω^)「謝るな……」
ブーンがブーンクローンを抱き起こす。
傷は深いが、手加減したのだろう。命に別状はなさそうだ。
(;'A`)「うおっ!?」
ξ;゚听)ξ「きゃっ!?」
その時、ドクオとツンが同時に声を上げた。
部屋に何者かが入ってくる。
( ^^ω)「ホマ」
[ 冖ш冖][ 冖ш冖][ 冖ш冖]「ウィーン」
(#)^ω^)「お前等……」
(;^ω^)「なんだお、このブサイクな生き物とロボット達は」
('A`)「それまるっきり自分への悪口だぜ」
ξ゚听)ξ「言ってたでしょ。あんたを元に作られたって」
(;^ω^)「あうあう……」
199 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 23:46:16.82 ID:HzHvpWMHO
- ブーンはもう一度は瀬川達を見た。
( ^^ω)「オリジナルの声が聞こえたらきてみたホマ」
[ 冖ш冖]「オリジナル、アルジダヴォ」
[ 冖ш冖]「アルジ、メイレイヲ」
( ^ω^)「命令?」
ロボット達に言われて、ブーンは一考した。
( ^ω^)「この人と友達になってほしいお」
( ^ω^)「お前……」
( ^ω^)「君は一人じゃないんだお。駄目なら、ブーンと一緒に暮らすお!」
( ^ω^)「…………馬鹿野郎」
ブーンクローンは、照れ隠しでそう言った。
[ 冖ш冖]「トモダチ……イエス、マイ・ウィーン」
ロボット達に支えられ、ブーンクローンが立ち上がる。
200 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/02(金) 23:47:27.31 ID:HzHvpWMHO
- ( ^ω^)「内藤ホライゾン、俺はこいつらと帰る場所を探しに行こうと思う」
( ^ω^)「きっと見つかるはずだお!」
( ^ω^)「フッ……」
五人は、出口に向かっていく。
( ^^ω)「クローンとかロボットとか寂しいホマ。
君は西川ホライズン、君達は内藤バーティカルホマ」
( ^ω^)「西川ホライズン……いいかもな」
[ 冖ш冖]「ナイトウバーティカル……」
[ 冖ш冖]「イイナダヴォ」
[ 冖ш冖]「イイナ?ソレハウマイヴォ?」
203 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/03(土) 00:02:33.93 ID:MP0Ww1xAO
- ★
<ヽ#`∀´>「どういうことニダ!?主はウリニダ!」
( `ハ´)「とんだ食わせものだったアルな」
<ヽ#`∀´>「ええいまだ終わらんニダ。強化型ブーン『ブーン2』!」
ニダーがその名を呼ぶ。
だがブーン達がいる部屋に何者かが現れる気配はない。
<ヽ;`∀´>「ブーン2!ブーン2どこにいるニダ!?」
「ここにいるお」
モニタールームの入り口付近から声がした。
ヽ(^ω^)-┐「HEY!」
<ヽ`∀´>「何をしているニダ!さっさと奴等を倒しいくニダ!」
ヽ(^ω^)-┐「だが断る」
<ヽ;`∀´>「なんでニダ!?」
204 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/03(土) 00:03:25.33 ID:MP0Ww1xAO
- ヽ
(^ω^)-┐ <新天地を探しに行くのでこれにて失礼!
┗-ヽ ノ ≡
┏┘ ≡
<ヽ;`∀´>(;`ハ´)「ちょ……」
数ヶ月後、そこには『ガイドライン』ブロックに新天地を築いたブーン2の姿が!
ヽ(^ω^)-┐「もうブーン系なんか見たりしないお」
(;^ω^)「え?いや、ブーン系は見てほしいお」
えーまだブーン系!?
キモーイ
ブーン系を見るのは小学生までだよねー
キャハハハハ
(#^ω^)「ブーン系舐めんな」
ヽ(^ω^)-┐「ガ板、全く新しいブーンのガイドラインもよろしく!」
★
遂に手駒を全て失ってしまったニダーとシナー。
( `ハ´)「絶望したアル。もう支援も協力もしないアル」
<ヽ;`∀´>「な!?」
206 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/03(土) 00:15:37.19 ID:MP0Ww1xAO
- 二人の間に亀裂が走った。
( `ハ´)「この件に関しては『ハングル』並び『ニダー』が勝手にしたこと。
『中国』と『中国英雄』は全くもって無関係と発表させてもらうアル」
自ブロックが被害を被るつもりはないらしい。
シナーが逃げようとする。
しかしそんなことは、問屋もとい忍者が下ろさない。
∠ ̄ ̄ ̄ヽ
〜|/*‘ω‘*) にんぽっぽ
/ y ⊂)
U 〉 ⌒l
/(__ノ ̄~U
(;`ハ´)「!?」
目の前に現れたちんぽっぽ。
そして!
ドカーン!!!!
(;><)「ちんぽっぽちゃん、忍術でいなくならないでください!」
自転車が壁を突き破ってくる。
208 :『中国』秘密工場 編A
:2007/03/03(土) 00:16:31.65 ID:MP0Ww1xAO
- ( ・□・)「ご先祖様は!?」
( <●><●>)「いないのはわかってます」
从'ー'从「あれれ〜?ツンちゃんとクーちゃんもいないよ〜?」
(・∀ ・)「いないなら、ぶっ壊せ〜」
自転車がまた別の壁を突き破る。
〜|/*‘ω‘*)「にんぽっぽ!」
手裏剣を投げまくってモニタールームを破壊しまくるちんぽっぽ。
<ヽ;`∀´>「ああああああ……」
(;`ハ´)「アイヤー……」
また壁を突き破ってくる自転車。
忍術を使って破壊活動を続けるちんぽっぽ。
<ヽ;`∀´>(;`ハ´)「駄目だこりゃ」
倒れてきた壁に、二人は押し潰された。
back
< >