209 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 00:32:03.72 ID:MP0Ww1xAO

工場が揺れている。
ブーン達には、モニタールームで何が起こっているかなどわからない。

('A`)「立てるか?」

( ^ω^)「平気だお。西川くん、手加減してたお」

ξ゚ー゚)ξ「馬鹿優しいのはやっぱり同じなのねぇ」

こんなところでほのぼのもしていられない。
ブーン達は部屋を出た。

( ,,゚Д゚)「大丈夫かゴルァ!」

川 ゚ -゚)「彼は無事か?」

ξ゚听)ξ「この通り、ピンピンよ。でも、そっちは……?」

ツンが、ギコ達の後ろで萎縮している者を見た。

(;´∀`)「モナー……」

川 ゚ -゚)「彼は目が覚めたんだ。深いことは聞かないでやってくれ」

ξ゚听)ξ「そうやって自分も追求されないように予防線張ってぇ」

川 ゚ ー゚)「ふふっ、バレたか」

210 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 00:33:02.95 ID:MP0Ww1xAO

着々と仲間達と合流しながら、出口へと向かう。

( ,_ノ` )y━・~~~「おう。待ってたぞ」

(=゚ω゚)ノ「ロボット達、急にいなくなったけどなんでだぃょぅ?」

('A`)「それはまぁ、逃げきった後にでも話すよ」

( ゚∀゚)「もう崩れそうだぜ!」

全員揃い、出口に向けて一気に駆け出した。

(;゚∀゚)(あれ?キャラ変わったのに誰も俺に触れないの!?)

そんなこんなで脱出完了。

(;゚∀゚)(えぇ〜〜〜?ノータッチ?ノータッチなの?)

地面が揺れたかと思うと、脱出した穴から炎が吹き上げた。
内部で爆発が起きたのだろう。
すぐさまブーン達は岩陰に隠れ、難を逃れた。

川 ゚ -゚)「みんな、無事か?」

騒ぎが収まっていき、皆が顔を出し始める。
全員無事のようだ。

 

212 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 00:45:46.70 ID:MP0Ww1xAO

( ^ω^)「皆様、助けに来て頂き、どうもありがとうございましたお」

ξ゚听)ξ「なによ、改まって!」

( ^ω^)「心から感謝してますお」

('∀`)「なぁに礼なんかいらねーよ」

( ,,゚Д゚)「当然のことをしたまでだゴルァ」

気持ちは皆同じのようだ。
思わずブーンが涙ぐむ。

( ;ω;)「おっおっおっ……」

ξ゚听)ξ「泣いてんじゃないわよ!」

そんなブーンを、ツンが引っ叩く。

ξ///)ξ「あ、あんたはニヤケ面の方が似合ってるんだからっ!」

なんてことを付け足して。

川 ゚ -゚)「一件落着して早々悪いが、みんなに伝えなければならないことがある」

クーが静かに、話を始めた。

213 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 00:46:41.64 ID:MP0Ww1xAO



川 ゚ -゚)「それに訊きたいこともある……貴様等と『運営』の関係についてだ」

時間は戻り、ギコ達とクーがツンとドクオと別れた頃。

( ・∀・)「関係?なんだ、知ってやがるのか」

悪びれもせず、モララーはそう言った。

( ・∀・)「『AAサロン』で起こった大虐殺、あれは俺とこいつとでしたことだ」

|゜ノ ^∀^)「……」

驚愕の事実。
ギコはおろか、モララーと一緒にいたモナーまで驚いている。

(;´∀`)「ど、どういうことモナー?モララー、お前やレモナが、何……?」

混乱して、自分で何を言っているかもわからない。

( ・∀・)「あんたが愛した女はなぁ、前大会の終了直後に事故で死んでんだよ。
今ここにいるのは、その女の脳を移植したアンドロイド、いや、バイオ兵器なんだよ!!」

214 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 00:59:02.02 ID:MP0Ww1xAO

(;´∀`)「!!」

( ・∀・)「それに気付きもせず今まで一緒にいやがって、もう笑いが止まらないぜ。
悪者を倒す?正義?大量虐殺の張本人達と一緒にいてか?こりゃあ傑作だな」

(#´∀`)「貴様あああぁぁぁぁぁ!!」

モナーがモララーに殴りかかる。

( ,,#゚Д゚)「待ちやがれゴルァ!!」

(#´∀`)「なんだモナー!?」

( ,,#゚Д゚)「そのクズ野郎に怒りを覚えてんのは、てめぇだけじゃねぇんだゴルァ……」

低く低くただ低く、そう言うギコ。
ギコとモナー、憤怒した闘鬼がモララーに迫り来る。

(;・∀・)(ヤヴァイ……)

後退りしながら、モララーが思った。

( ・∀・)「だがしかし、ここでやられるモララー様じゃねぇんだよ!
やれ、レモナ!奴等を殺し尽くせ!肉片すら残さず、全部だ!!」

215 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 01:00:42.93 ID:MP0Ww1xAO

|゜ノ ^∀^)「了……解……」

モララーの背後にいたレモナが、瞬時にモナー達の前に立ちはだかった。
そして、圧倒的な力を持った拳が、振り下ろされる。

(*゚∀゚)「ハアッ!!」

防御姿勢を取ったモナーとギコだったが、二人にダメージはなかった。
目の前には、つーがいる。

( ,,;゚Д゚)「あの構え、あの動き……」

攻撃を受け流すようにして、レモナの腕をつーが払う。
ギコには見覚えがあった。
無駄な争いを嫌っていたしぃの戦闘スタイルだ。

( ,,;゚Д゚)「しぃ、なのかゴルァ……?」

おかしな質問だった。
しぃだったでぃは後ろにいるというのに。
つーはギコを見て、笑った。

(*゚∀゚)「オレだけじゃないよ、ギコくん」

( ,,;゚Д゚)「ギコくんて、まさか……」

218 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 01:15:27.37 ID:MP0Ww1xAO

(*゚∀゚)「オレは死んでいった一族の魂が少しずつ集まってできた存在。
オレはしぃであり、死んでいったギコ族の人達でもある。
そこにいるのは、魂の入っていないただの人形みたいなもの」

( ,,;゚Д゚)「人形……」

ギコはでぃを見た。そしてまた、つーに向き戻る。
つーは態勢を立て直したレモナと、再び対峙する。

(*゚∀゚)「どんなに強い力でも、分散させてしまえば意味はない。
もう悪いことなどしないと誓え。そうすれば見逃してやる」

|゜ノ ^∀^)「……」

(;・∀・)「俺は他人がぶちのめされてるところを見るとスカッとするんだ!
だからそんなこと誓えるか!レモナ、あの時みたいに全てを破壊し尽くせ!!」

レモナが更に前に出る。
構えを取るしぃ。

219 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 01:16:19.96 ID:MP0Ww1xAO

だが……

( ´∀`)「すまんモナー、レモナ……」

レモナの前にモナーが飛び込む。
そのモナーの拳が、レモナの腹部にめり込んだ。
そしてそのまま、壁まで吹き飛ばされる。

|゜ノ ^∀^)「モ、モモ、モナ、モナ、モナナナナ、モナーくん……」

雑な機械音声。

|゜ノ ^∀^)「好き、スキキキキ、スキキスキススキキキスキキ」

( ´∀`)「……」

|゜ノ ^∀^)「モナーくん、サ、ヨ、ナ、ラ………………」

レモナは、もう何も言わなくなった。
レモナを殴ったモナーの拳が、悲しげに震えている。

(;・∀・)「なんだこりゃあ……こんなの認めない。認めねぇぞ」

221 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 01:31:36.73 ID:MP0Ww1xAO

倒れているモララーに近付くクー。
胃液を吐いてピクピクとしているが、意識はあるようだ。

川 ゚ -゚)「肝心なことが聞けていない。『運営』が貴様に命令したのか?」

(;・∀・)「え゛あ゛……願いを叶えるには、大量の魂を必要とする……
そのために大会を起こして闘魂を集めたり……足りなかったら殺しまくったり……
するそうだ……ぜ……ガクリ」

そう言って、モララーは気を失った。

川 ゚ -゚)「魂か……ますます怪しいな、『運営』」

クーが呟く。
直後、工場が揺れた。

( ,,;゚Д゚)「なんだゴルァ!?まだなんかあんのかゴルァ!!」

川 ゚ -゚)「ここは片付いた、他の仲間達と合流しよう」

クーはモナーに顔を向ける。

川 ゚ -゚)「どうやら騙されていたらしいな。その無念、晴らしたいなら私達と来い」

クーの言葉に、モナーは静かに頷いた。

( ´∀`)(さよならモナー、レモナ)

223 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 01:42:33.74 ID:MP0Ww1xAO



あの時起こったことを、クーは皆に話した。
『運営』に対する不信感が高まる。

(;^ω^)「願いを叶えるために、誰かの命が犠牲に……」

ブーンが呟く。
それが事実だとしたら、いや事実なのだろう。
ここにいる者達の大半は、願いを叶えるために大会に参加した。
それなのに、こんな事実を知ってしまっては。

( ^ω^)「『運営』に乗り込むお」

ξ゚听)ξ「ブーン……」

( ^ω^)「これはやっちゃいけないことだお。
願いの代わりに命を、その人の存在を奪うなんてこと」

直に体験した自分だからわかる。
それがどれだけ恐ろしいかということを。

ξ゚听)ξ「あたしも」

ツンが言う。

224 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 01:43:45.25 ID:MP0Ww1xAO

('A`)「ブーンが言うんだからな。こうなりゃ最後までだ」

ドクオも。

( ,,゚Д゚)「俺もだゴルァ」

( ´∀`)「同じくだモナー」

ギコとモナーも。

川 ゚ -゚)「私達は、『運営』を監視するために大会に参加した」

( ,_ノ` )y━・~~~「無駄な犠牲を出さないために余計な参加者は徹底的に排除していった」

(=゚ω゚)ノ「世界を動かす『運営』。奴等の目的、わかった今となってはぃょぅ」

( ゚∀゚)「断る理由なんてないよな!」

クー達も。

('A`)「だがどうすんだ?『運営』は名前だけが公になってるだけなんだぜ」

ξ゚听)ξ「そうなのよ。肝心な場所がわからないと、『乗り込む』こともできないのよ?」

(;^ω^)「あうあう……」

225 :『中国』秘密工場 編B :2007/03/03(土) 01:56:46.45 ID:MP0Ww1xAO

(=゚ω゚)ノ「ジョルジュ、どうなってるぃょぅ」

( ゚∀゚)「俺のサーチもさっぱりだ」

お手上げ状態……かに見えた。

(*゚∀゚)「その場所なら、オレが知っている」

( ,,゚Д゚)「つー、お前がかゴルァ?」

(*゚∀゚)「違うよ。そっちのオレ」

つーはでぃを見る。

( ,,゚Д゚)「確かでぃは東の楽園とか呟いて、東に向かおうとしたことがあったゴルァ」

(*゚∀゚)「楽園てのはオレ達の残りの魂や死んでいった人達の魂がある場所」

川 ゚ -゚)「そこが『運営』だと?」

(*゚∀゚)「場所がわからないなら、わざわざ場所のわかるブロックにやる必要なんてないだろ?」

答えは出たようだ。

世界を管理する『運営』との決戦。
果たしてブーン達は、勝利を手にすることができるのか。
そして、その後に待っているものとは。

 

 

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