308 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 20:44:48.60 ID:cbbff9Is0
しぃと・・・しょぼんの知らない一人の男が歩いてくる
しょぼんは油断もせず、銃を構えた
(*゚ー゚)「・・・・・・ふーん」
しぃはツンがいないことを確認して、嘲笑する
(*゚ー゚)「あの子を・・・逃がすために裏切ったの?」
(´・ω・`)「・・・えぇ」
(*゚ー゚)「ふふ・・・随分と惚れちゃったのね」
(´・ω・`)「・・・ま、そうですね」
(-_-)「・・・・・・」
(´・ω・`)(誰だあの人・・・知らない人だ・・・)

(*゚ー゚)「・・・それで」

(*゚ー゚)「死ぬ覚悟は出来てるの?」
(´・ω・`)「・・・まぁ、一応」
(*゚ー゚)「そう、よかった・・・今更ないといわれても、困っちゃうから」
(´・ω・`)「・・・でも」
(*゚ー゚)「?」
(´・ω・`)「あなたを殺して死ねるなら・・・その方がいいです」
(*゚ー゚)「・・・・・・・」

(*゚ー゚)「・・・あは、あはははははっははははははは・・・」

(*゚ー゚)「高望みしすぎよ、下僕のくせに」
しょぼんが動いたと同時に、しぃの銃が火を噴いた

 
311 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 20:51:29.27 ID:cbbff9Is0
銃弾はしょぼんの顔の隣の空間をすり抜ける
しぃは立ち止まったまま、次々と発砲する
一方ヒッキーは・・・それを傍観していた
(*゚ー゚)「運動神経いいわね・・・」
そういいながら、しぃはチラリとヒッキーをみる

(*゚ー゚)「・・・手伝ってくれないのね」
(-_-)「少し、様子見だよ」
(*゚ー゚)「・・・・・・」

しょぼんがエントランスを、しぃを中心として円を描くように走る
(´・ω・`)(・・・男のほうは動かない・・・か、それなら)

 
319 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 21:01:20.94 ID:cbbff9Is0
しょぼんは勢いにまかせて受付台のようなものの陰にすべりこんだ
(´・ω・`)(・・・さて)
腰を低くして、しょぼんは作戦を練る
銃声が止んだ

(*゚ー゚)「・・・隠れちゃったわ」
(-_-)「・・・・・・・」
それまでしぃの隣にいたヒッキーが黙って、滑るように動き出す
(*゚ー゚)「・・・?」

(´・ω・`)(どうしようかな・・・彼女のことだ。反射神経、いいんだろうな・・・)
陰でしょぼんは考える
(´・ω・`)(・・・よし)

しょぼんは腰からもう一丁の拳銃を取り出す
そしてそれを、軽く上に放り上げた
同時に、しょぼんは陰から転がるようにして飛び出す

しぃの拳銃は、しょぼんの放り上げた拳銃に向いていた
(*゚ー゚)「!」
それがフェイクだと気付いたしぃは慌てて腕を動かす
しかし、すでにしょぼんが発砲していた

弾丸は彼女の銃を弾き飛ばす

 
324 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 21:08:01.40 ID:cbbff9Is0
(´・ω・`)「やっぱり命中精度に問題が出たけど・・・上出来かな」
(*゚ー゚)「くっ!」
しぃが慌てて銃を拾い上げようとする
しかし、すでにしょぼんの銃が彼女の頭を狙っていた

(*゚ー゚)「!」
(´・ω・`)「死ね・・・」

しかし
しょぼんが引き金を引こうとする直前
一発の銃声
しょぼんが引き金を引いた瞬間
彼の胸を弾丸が貫いた

手もとが狂い、弾丸はしぃの脇を通り過ぎて彼方の壁に直撃する
それとともに、しょぼんが床に、うつ伏せに倒れた

(-_-)「・・・しぃ、弱くなってない?」
ヒッキーが銃を片手に、現れた

 
331 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 21:20:41.68 ID:cbbff9Is0
(*゚ー゚)「・・・ブランクが大きいのよ」
(-_-)「それは僕も同じだよ」
(*゚ー゚)「・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・ぅ・・・」
首を動かし、なんとか呼吸をしようとする
(´・ω・`)(・・・や・・・)
(´・ω・`)(もうダメだな・・・ぼく)

(*゚ー゚)「・・・ふ、ふふふ・・・どう?気分は」
(´・ω・`)「ぁ・・・いい気分では・・・ありません・・・よ・・・っ」
(*゚ー゚)「でしょうね・・・逆らったりするから・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・」

(´・ω・`)「・・・も、いいです・・・よ・・・と、りあえずの目的は果、たしました・・・から」
(*゚ー゚)「・・・・・・・」
(´・ω・`)(ツンさんはきっと逃げ切れたはず・・・それでいい)
(´・ω・`)(・・・裏切った罰・・・だな・・・)

(´・ω・`)「・・・ま、て、ますよ・・・」
(*゚ー゚)「・・・・・」
それだけの言葉を遺し、しょぼんは目を閉じた
先ほどまで聞こえていた荒い呼吸音が、ぱたりと止んだ。

 
357 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:13:06.26 ID:cbbff9Is0
ーーービル内 一階ーーー
(-_-)「・・・にしても・・・随分と死んでるね」
(*゚ー゚)「困ったわね・・・もう、使い果たしちゃったかも」

(*゚ー゚)「犬達」
(-_-)「・・・・・・」

(-_-)「・・・それで、どこ行く?」
(*゚ー゚)「そうね・・・・・・」

(*゚ー゚)「とりあえず、戻りましょう」
(-_-)「どこに?」
(*゚ー゚)「住処に、よ」
(-_-)「そう・・・わかった」

 
359 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:17:40.15 ID:cbbff9Is0
ーーー廃墟ーーー
(,,゚Д゚)「・・・無駄な時間だったな」
( ゚∀゚)「・・・あぁ」
すでに太陽が沈もうとしている

結局良案は思い浮かばなかった
流れたのは沈黙だけ

( ^ω^)「・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・」

未だに押し黙っているブーン
ジョルジュがゆっくりと近づいた

 
361 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:21:47.75 ID:cbbff9Is0
( ゚∀゚)「おい」
肩を叩き、彼の隣に座るジョルジュ
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「そろそろ落ち着いたか?」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・はぁ・・・やっぱお前みたいなのには無理なのかね・・・ここは」

( ^ω^)「・・・生きてる人は」

( ^ω^)「・・・天国が美しくて、綺麗な場所だと信じてるお・・・」

( ^ω^)「誰も・・・こんな世界だと思ってないお・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・・そりゃお前、考え方の違いだよ」

 
363 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:27:39.33 ID:cbbff9Is0
( ゚∀゚)「こんな世界でも、楽しいと思ってる奴はいるんだぜ?」
( ^ω^)「・・・僕は・・・」
( ゚∀゚)「お前の場合は・・・な・・・」

( ・∀・)「そもそも、このシステム自体が間違ってるのかもしれません」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
( ・∀・)「天国が・・・荒廃した美しさを与えてはならないんですよね・・・一般の・・・常識的な美しさ・・・それを与えて、退廃的な人を救う・・・それが、本当の意味での天国の仕事なのかもしれません」
(,,゚Д゚)「お前がそれ言ってどうすんだ」
( ・∀・)「私だから、言ってるんですよ・・・ま、私などが言っても今更どうすることも出来ません」

( ・∀・)「そのうちここは滅びますしね」

 
364 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:31:56.22 ID:cbbff9Is0
( ゚∀゚)「・・・お前はどうするんだ?明日」
( ・∀・)「勿論、滅びる前に退散しますよ」
(,,゚Д゚)「・・・薄情な野郎だな」
( ・∀・)「薄情・・・ですか・・・そう言われましてもね・・・」

( ・∀・)「私だって、生きたいですからね」
(,,゚Д゚)「そりゃ俺達も一緒だっての」
('A`)「・・・そうなんすよね」

('A`)「死んだ後がこんな世界だって知ってたら、俺だって自殺しなかったっすよ・・・」

('A`)「楽になれる・・・そう思って死んだのに」
( ゚∀゚)「・・・・・・・」
('A`)「でも不思議なもんだ」

('A`)「・・・もう二度と死にたくない そう思ってる俺がいる」

 
365 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:37:51.90 ID:cbbff9Is0
川゚−゚)レ「・・・たとえ、しぃを倒すことが出来たとしても」

川゚−゚)レ「私達という存在は消える・・・そうだろう?」
( ゚∀゚)「あ、そうか・・・」
('A`)「どっちにせよ、死ぬんすよね」
(,,゚Д゚)「そん時ってやっぱ、集団自殺か?」
( ゚∀゚)「そうなるんじゃね?」
( ・∀・)「嫌な光景ですね・・・」
(,,゚Д゚)「仕方ねーだろ」

( ・∀・)「・・・そういえば」

( ・∀・)「しぃさん、いつまでここにいるつもりなんですかね?」
( ゚∀゚)「あ・・・」

 
366 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:45:17.82 ID:cbbff9Is0
(,,゚Д゚)「・・・やばいんじゃねえか?今帰られたらよ・・・」
( ゚∀゚)「・・・マジだな・・・」
('A`)「いや、それはまだ、無いと思いますよ」

('A`)「どーせ俺達に負けるわけないと思ってるでしょうし・・・ね」
( ゚∀゚)「・・・だな」
(,,゚Д゚)「・・・つか、モララー」
( ・∀・)「はい?」
(,,゚Д゚)「管理局から応援、呼べねえのか?」
( ・∀・)「・・・まぁ無理でしょうね」

( ・∀・)「誰も明日廃棄される隔離フィールドになんて来たがりません」
(,,゚Д゚)「・・・完全に見捨てられてるわけか」
( ・∀・)「ですね」
( ゚∀゚)「・・・じゃあなんでお前は来たんだ?」
( ・∀・)「彼女、僕の隣の席で作業してたんですよ。帰ってきてくれないよ、作業が滞ってしまいますから」
('A`)「ならお前は仕事してろよ・・・」

 
369 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:48:05.12 ID:cbbff9Is0
その時
廃墟に入ってくる人影が、一つ

( ゚∀゚)(,,゚Д゚)('A`)「!」
( ・∀・)「?」
( ^ω^)「!!!」

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

涙で頬を濡らした、ツンだった

 
371 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:53:18.02 ID:cbbff9Is0
また、重い雰囲気が包む
ξ゚听)ξ「・・・・・・」

誰も、何も喋らない

しかしその直後、ツンがその場に崩れた
( ゚∀゚)「ちょ」
ξ゚听)ξ「しょぼんが・・・」
( ゚∀゚)「あ・・・?」
ξ゚听)ξ「しょぼんが・・・しょぼんが・・・!」
(,,゚Д゚)「・・・しょぼん?なんであいつの名前が・・・今頃」
('A`)「・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・」

( ゚∀゚)「・・・とりうあえず、全部話せ、お嬢さん」
ξ゚听)ξ「・・・・・」
ツンはこくん、と頷いた

 
372 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:54:31.81 ID:cbbff9Is0
>>370 そうです・・・すみません・・・ありがとうございますorz

>>371
とりうあえず→とりあえず
ですorz

もうちょい推敲しよう・・・

 
373 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 22:57:41.31 ID:cbbff9Is0
彼女が話したこと
全てが衝撃的だった

しょぼんが生きていたこと・・・裏切っていたこと・・・
そして最期に、ツンをかばって・・・


( ゚∀゚)「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「・・・・・・」
彼女は、更に泣いた

 
374 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 23:03:56.73 ID:cbbff9Is0
( ゚∀゚)「・・・ッ!」
ジョルジュが傍にあった木材を蹴り飛ばす
( ゚∀゚)「俺の考え違いだったってわけか・・・」
(,,゚Д゚)「お前のせいだけじゃねえよ・・・皆、しょぼんは死んだものだって思ってた」

( ゚∀゚)「・・・・・・」

( ゚∀゚)「・・・つかお嬢さん・・・よくまたここに来たな」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」

ξ゚听)ξ「しょぼんが・・・ここに行けって・・・それに・・・」

ξ゚听)ξ「生きたいから・・・」
( ゚∀゚)「・・・そう、か」
ξ゚听)ξ「・・・いちゃ、だめ?」
( ゚∀゚)「いや、俺は別にかまわねえんだが・・・」
そういって、ジョルジュはブーンを見た

( ^ω^)「・・・僕の」
( ^ω^)「僕のことは気にしないで欲しいお」

 
375 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 23:08:25.66 ID:cbbff9Is0
( ゚∀゚)「そ、そうか・・・?だけどよ」
( ^ω^)「・・・僕も、人を殺しちゃったんだお」
ξ゚听)ξ「!」

( ^ω^)「こんな僕に・・・ツンを否定する権利は無いお・・・」
( ゚∀゚)「・・・・・・」

( ^ω^)「だから・・・気にしないで欲しいお」

そう言ったきり、ブーンは口を閉ざした
ξ゚听)ξ「・・・・・・」

 
378 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 23:14:43.32 ID:cbbff9Is0
(,,゚Д゚)「・・・で、どうするよこれから」
( ゚∀゚)「・・・お嬢さん」
ξ゚听)ξ「!な、何・・・?」
( ゚∀゚)「向こうの戦力どうなってる?随分減ったと思うんだが」
ξ゚听)ξ「・・・うん・・・しぃが・・・乱暴に使ってたからもう・・・減っちゃってると思う」
( ゚∀゚)「そうか・・・」

( ゚∀゚)「夜は動きにくい・・・朝まで待つか」
(,,゚Д゚)「・・・そうだな・・・朝まで待つとしたら、制限時間は17時間ほどなわけだが」
( ゚∀゚)「十分だ。その間に、殺すか殺されるか、どっちかだ」
(,,゚Д゚)「・・・だな」

( ゚∀゚)「つーわけだ・・・お嬢さんも、お前らも疲れてるだろうし、朝まで休め」
( ^ω^)('A`)川゚−゚)レξ゚听)ξ( ・∀・)「・・・・・・」

 
380 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/11(木) 23:18:27.72 ID:cbbff9Is0
どこかぎくしゃくしている一同・・・
周りから知っている人が次々と消えていく・・・
不安・恐怖・・・それらが彼らの障害となっていた

そんな中
闇が濃くなる・・・

そして、日付が変わる
世界が崩壊するまで、あと24時間

 
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