493 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 19:41:22.14 ID:u9InYvdm0
ーーー街路ーーー
ギコたちが目的地に着いたのは、廃墟を出て約1時間後のことだった
(,,゚Д゚)「・・・ふぅ、このあたりだな」
まだ、音がある
すれ違う人々は数日前と変わらず、俯いて顔を見せないように歩いている
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「・・・あれ?」
振り返って後続のツン達を見たギコが一つ、マヌケな声を上げる
(,,゚Д゚)「・・・モララー、どこ行った?」
川゚−゚)レ「・・・あ、そういえば」
494 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 19:45:26.03 ID:u9InYvdm0
ーーー同時刻 別路ーーー
( ・∀・)「・・・よく考えれば」
( ・∀・)「私がわざわざ殺されに行く必要ないんですよね」
( ・∀・)「・・・・・・」
( ・∀・)「私は退散するとしましょう 皆さん、頑張ってください」
・・・
・・
・
495 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 19:49:35.48 ID:u9InYvdm0
・
・・
・・・
(,,゚Д゚)「逃げたなあの野郎」
川゚−゚)レ「・・・・・・まぁ、別にかまわないんじゃないか?必要のない男だったのだから」
(,,゚Д゚)「まぁな・・・逆に、せいせいしたぜ」
川゚−゚)レ「・・・嫌いだったのか?」
(,,゚Д゚)「・・・あぁ・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「・・・・・ツン」
497 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 19:56:33.96 ID:u9InYvdm0
(,,゚Д゚)「元気でねーのか?」
ξ゚听)ξ「・・・・・」
ツンが立ち止まる それに合わせて、ギコたちも立ち止まる
(,,゚Д゚)(これだから、大して適応力のない奴は・・・)
(,,゚Д゚)「まぁ・・・あれだ」
(,,゚Д゚)「どーせ今日で終わる命だぜ?燃え尽きるぐらいつかわねえでどうするよ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・ない」
(,,゚Д゚)「あ?」
ξ゚听)ξ「今日で終わりたくない・・・もっと生きたいもん・・・」
川゚−゚)レ「・・・・・・」
ξ゚听)ξ「・・・生きたい、生きたいよ・・・」
(,,゚Д゚)「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「そうかい」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
(,,゚Д゚)「それなら・・・それでもいい。けどな」
(,,゚Д゚)「しょぼんの仇、全力で倒そうぜ」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
無言のまま、歩き出したツン
(,,゚Д゚)「あー・・・」
立ち尽くしたまま疲労の塊のようなものをため息として吐き出すギコ
(,,゚Д゚)(俺、慰めるの下手だな・・・ショルジュのこと、バカにできねぇ)
川゚−゚)レ「・・・・・・」
498 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:00:39.62 ID:u9InYvdm0
ーーー路地裏ーーー
( ゚∀゚)「・・・つーわけで、この暗い面子か」
('A`)「・・・悪かったすね」
( ^ω^)「・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・ま、仕方ねえけどな・・・つか」
( ゚∀゚)「お前ら、撃てるのか?」
('A`)「・・・・・・俺は撃ちますよ。いざとなればね・・・ま、ささやかな抵抗にしかならないでしょうけど」
( ゚∀゚)「そうか・・・ブー・・・」
( ゚∀゚)(・・・ンは聞くだけ無駄、か・・・)
( ゚∀゚)(ま、こいつは俺が守ればそれでいいな)
499 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:04:14.60 ID:u9InYvdm0
その時
排気音が響いた
('A`)「!」
( ゚∀゚)「・・・きたか・・・」
('A`)「・・・電話しますよ」
( ゚∀゚)「あぁ、頼む」
そういいつつ、ジョルジュは音を探り、方向を特定しようとする
( ゚∀゚)「・・・あっち、だな」
ジョルジュが走り出す
携帯電話を片手に持ったドクオと、何も持たないブーンがそれに続く
501 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:09:18.50 ID:u9InYvdm0
ーーー街路ーーー
(,,゚Д゚)「・・・!」
川゚−゚)レ「?」
(,,゚Д゚)「きたぞ、電話」
川゚−゚)レ「!」
ギコは落ち着いているかのように、ゆっくりと携帯電話を取り出して、ボタンを押す
(,,゚Д゚)「・・・はいよ」
('A`)「・・・きましたよ」
(,,゚Д゚)「わかった」
それだけの会話
ギコが携帯電話をたたむ
(,,゚Д゚)「いくぞ」
川゚−゚)レ「ここからだと・・・向こうまでどれぐらいかかる?」
(,,゚Д゚)「・・・1時間半」
川゚−゚)レ「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「だから走るんだ!行くぞゴルア!」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
502 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:14:55.66 ID:u9InYvdm0
ーーー路地裏ーーー
(*゚ー゚)「・・・あなた、車の運転もできるのね」
車から降り、ドアを閉めながらしぃが言う
(-_-)「まぁ一応ね」
(*゚ー゚)「・・・素敵」
(-_-)「・・・いいから、始めるよ」
(*゚ー゚)「えぇ」
そういってしぃが歩き出す
ヒッキーはというと・・・しぃとは逆方向の道へと歩き出していた
(*゚ー゚)「・・・なんでそっちいくの?」
(-_-)「だって、二手に分かれたほうが効率いいじゃないか」
(*゚ー゚)「でも・・・」
(-_-)「それに、勢いあまってしぃを撃ってしまわないとも限らないし」
(*゚ー゚)「・・・・・・わかったわ」
(*゚ー゚)「戻ってくるのよ」
(-_-)「わかってるよ」
503 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:19:41.82 ID:u9InYvdm0
ーーー路地裏 別所ーーー
( ゚∀゚)「・・・さぁて」
('A`)「電話、終わりましたよ」
( ゚∀゚)「あぁ、わかった」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
( ゚∀゚)(この路地・・・狭いな)
( ゚∀゚)(排気音は一つ・・・もしかして、しぃだけ、か?)
( ゚∀゚)(仮に雑魚がいたとしても・・・少数じゃ相手にならねえ・・・とすると)
( ゚∀゚)(・・・・・・・)
( ゚∀゚)「おい」
('A`)「はい?」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「お前ら、逃げろ」
505 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:24:56.21 ID:u9InYvdm0
('A`)「・・・はぁ?何を今更」
( ゚∀゚)「まぁ確かに今更だがな・・・というか、雑魚もついてきてるんならお前らにも手伝ってもらおうと思ったわけだが・・・どうやらその必要もない」
('A`)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「それにお前ら・・・なるべくならしたくないだろ?」
( ゚∀゚)「人殺し」
('A`)「・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・そうする・・・お・・・」
('A`)「ブーン」
( ^ω^)「・・・逃げれるのなら・・・逃げたいお」
( ゚∀゚)「それでいい・・・だから」
( ゚∀゚)「逃げろ・・・だがあまり遠ざかるなよ?探すのが大変だからな」
('A`)「・・・わかりました」
506 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:29:46.76 ID:u9InYvdm0
('A`)「確かに邪魔っすからね、俺達」
( ゚∀゚)「ひがむんじゃねえよ・・・そういうお前ら、俺は羨ましい」
('A`)「・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・」
('A`)「・・・勝てるんすか?」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・何当たり前のこときいてんだ?」
('A`)「・・・これは、失礼・・・では」
そういって、ドクオとブーンはその場から小走りで離れた
( ゚∀゚)「・・・・・・」
その直後
(*゚ー゚)「・・・あら?どこかで見た顔ね・・・」
腕を少し血で染めた、しぃが現れた
511 :
◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 20:36:10.80 ID:u9InYvdm0
( ゚∀゚)「・・・よう、久しぶり」
軽く応じるジョルジュ
その姿勢に油断はない
(*゚ー゚)「・・・あぁ、あのときの・・・弱い子」
( ゚∀゚)「ひでぇなおい・・・これでも昔は」
( ゚∀゚)「結構バカやってたんだぜ?」
瞬間、ジョルジュが銃を抜き放った
一瞬後、発砲音
しかし、しぃも動いていた
弾丸はしぃには当たらない
(*゚ー゚)「・・・結構強そうなのね・・・意外」
( ゚∀゚)「あー畜生・・・仕留められると思ったのによ」
そういいながら、じりじりとジョルジュは後退する
(*゚ー゚)「それは残念ね・・・でも」
(*゚ー゚)「期待させられるわ・・・」
ジョルジュはわき道に逃げ込む
514 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:44:00.80 ID:u9InYvdm0
(*゚ー゚)「逃げちゃダメじゃないの・・・」
銃を片手に、しぃがゆっくりと歩く
言葉とは裏腹に、慎重に・・・慎重に
・・・
わき道にいるジョルジュ しきりに気配をうかがう
( ゚∀゚)(・・・こういう路地は自由に動けないから困る)
( ゚∀゚)(かと言って逃げ回るとなぁ・・・ブーンやドクオと鉢合わせしたらたまったもんじゃねえ)
( ゚∀゚)(・・・さて)
ジョルジュは考えつつ、しぃが歩いているであろう道からゆっくりと遠ざかる
( ゚∀゚)「!」
彼の前方の壁に、弾丸がめり込んだ
( ゚∀゚)(威嚇ってか・・・?)
( ゚∀゚)「・・・お!」
そこでジョルジュは一つの建物に注目した
そこは・・・倉庫のような場所だった
( ゚∀゚)(ありがたいね・・・使わせてもらいますよっと)
倉庫の中に入るジョルジュ
・・・
(*゚ー゚)「!・・・・?」
しぃがジョルジュの逃げ込んだわき道に向け、銃を突きつける
だがそこに、ジョルジュの姿はない
(*゚ー゚)(いない・・・逃げたの?)
(*゚ー゚)(でもこの路地を突っ切ったならそれなりの足音が聞こえたはず・・・)
(*゚ー゚)(どこかの建物に、逃げ込んだのね)
( ゚∀゚)「おーい」
(*゚ー゚)「!?」
516 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:49:19.24 ID:u9InYvdm0
くぐもった声が・・・どこからか聞こえる
( ゚∀゚)「おーにさーんこーちら」
(*゚ー゚)「・・・・・・」
その声の出処をしぃは特定しようとする
(*゚ー゚)(あの倉庫・・・)
( ゚∀゚)「てーのなーるほーうへ」
次いで、手拍子
(*゚ー゚)(・・・ふふふ、ふざけた真似、してるのね・・・)
(*゚ー゚)(今行ってあげるわ・・・鬼さんが、ね)
微笑を浮かべながら、しぃが倉庫に近づく
520 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 20:58:59.05 ID:u9InYvdm0
ーーー倉庫ーーー
倉庫の鉄扉はスライド式のものだった
その扉が・・・人一人がやっと入れるほどに・・・開いている
挑発する声は既に聞こえなくなっていた
(*゚ー゚)(中に入ったところを狙撃する魂胆・・・?)
(*゚ー゚)(ふふ・・・幼稚)
中の様子をうかがう
薄暗くよく見えないが・・・コンテナがいくつかあるのが見える
(*゚ー゚)(・・・こんな戦場も、ここの住人は好きなのね・・・知らなかった)
ゆっくりと鉄扉に近づく
そして、体勢を低くして・・・
転がるようにして中に入る
同時に、両側に発砲
・・・しかし、どちらも壁に直撃したようだ
( ゚∀゚)「そんな不安定な突撃の仕方・・・俺は勧めないけどな」
(*゚ー゚)「!」
ジョルジュの声が後方から聞こえた
と、同時に
鉄扉が閉まる音がした
(*゚ー゚)「・・・・・」
ジョルジュは彼女を撃とうとはしていなかった
最初から、鉄扉を閉めようとしようとしていたのだ
彼女を・・・外に出さないために
彼女がまた発砲する
しかし、扉の閉め終わったジョルジュが飛び込むようにして回避する
521 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 21:02:11.52 ID:u9InYvdm0
(*゚ー゚)「・・・閉じ込めるのが目的だったわけ?」
( ゚∀゚)「まぁな・・・逃げられても困る」
( ゚∀゚)「この鉄扉・・・ちょっとやそっとじゃ開かないぜ・・・途中で逃げようたって、無駄なこった」
(*゚ー゚)「ふふ・・・危険を冒してまで私を閉じ込めるなんてね・・・」
(*゚ー゚)「目的は、身体?」
( ゚∀゚)「いや、命」
(*゚ー゚)「そう・・・まぁ」
(*゚ー゚)「どっちにしても、させない、わ」
524 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 21:11:13.42 ID:u9InYvdm0
ーーー路地裏ーーー
('A`)「もう随分逃げたよな・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・」
('A`)「大丈夫なのかね?あの人」
( ^ω^)「知らないお・・・」
('A`)「あのなぁ・・・」
その時
前方から鋭い悲鳴
幾つも・・・
('A`)「!?」
ドクオの手が自らの腰に伸びる
(-_-)「・・・手ごたえがない」
わき道から現れたのは、ヒッキーだった
527 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 21:15:57.08 ID:u9InYvdm0
('A`)「・・・・・・」
(-_-)「・・・?・・・」
('A`)「・・・!」
ドクオが意を決して銃を抜く
それを・・・震える手でヒッキーにむける
(-_-)「・・・なんか、君」
('A`)「・・・!?」
すでに彼の額には冷や汗が浮かんでいる
(-_-)「雰囲気が違うね」
('A`)「何を・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・」
(-_-)「・・・ま、いいや」
(-_-)「殺そう」
('A`)「!」
改めて銃をヒッキーに向けるドクオ
震える手で握り締めて・・・しかし
撃てない
その時
ブーンが彼の襟首を掴んだ
そしてそのまま、一気に横道へと逃げ込んだ
(-_-)「・・・あらら」
残されたヒッキーが呟く
(-_-)「逃げられると・・・」
(-_-)「追いたく・・・なるよね」
528 : ◆xh7i0CWaMo
:2006/05/12(金) 21:21:51.61 ID:u9InYvdm0
('A`)「あー、待ておい!走れるからひきずるな!」
( ^ω^)「・・・・・・」
彼らはひたすら路地を駆ける
( ^ω^)「・・・やっぱり」
('A`)「?」
( ^ω^)「ドクオも殺せない・・・お」
('A`)「・・・悪かったな、ヘタレでよ」
( ^ω^)「・・・・・・」
( ^ω^)「・・・そんなこと言ったら僕はどうなるお?」
('A`)「・・・知るか・・・けどな」
ドクオが走りながらブーンの腰の銃を引き抜く
そして、無理やりブーンに握らせた
('A`)「持ってろ」
( ^ω^)「・・・・・・・」
その時だった
後ろから銃声
弾丸がブーンとドクオの間を抜ける
('A`)( ^ω^)「!」
彼方に銃を片手に滑るように走るヒッキーの姿
・・・
(-_-)「・・・うーん・・・なんだか、昔を思い出すなあ・・・」
(-_-)「・・・そうだ、嬲り殺そう」