537 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 21:45:46.83 ID:u9InYvdm0
二人は路地を駆け続けた
右へ、左へ・・・

('A`)「・・・しまった・・・」
( ^ω^)「・・・?」
('A`)「はぁ・・・ここらあたり・・・さっきまでいた場所だ・・・まずい・・・」
( ^ω^)「も、もうこれ以上逃げられないお!その建物に隠れるお!」
ブーンが目の前のビルを指差す
('A`)「はぁ・・・わ、わかった・・・」
ドクオの体力も限界だった

しかしその時
一つの銃声

('A`)「うが・・・」
ドクオが呻いて転がり倒れるのと、ブーンが建物に足を踏み入れたのはほぼ同時、だった

(-_-)「・・・まず、脚を封じる」

後ろから、ヒッキーの冷たい声が聞こえる

 
538 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 21:51:55.57 ID:u9InYvdm0
(-_-)「・・・ま、とりあえずもう一本も」
先程の弾丸はドクオの脚に直撃していた

もう一つの銃声
その弾丸は、彼のもう一本の脚を破壊する

('A`)「ぁ・・・ぅ・・・」
それでもなお、彼は這いずり逃げようとする
しかし
その背中をヒッキーが踏みつけた

(-_-)「さて、次は・・・」

その時ブーンは

( ゜ω゜)「・・・・・・」
ただ、傍観していた
傍観することしか、できなかった

 
540 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 21:56:19.43 ID:u9InYvdm0
(-_-)「・・・あ」
ヒッキーがビルの陰に佇むブーンの存在に気付く
しかし、全く気にしなかった

(-_-)「・・・彼、人殺すの怖いみたいだね」

(-_-)「さっきも君をつれて逃げたしね」
('A`)「・・・・・・・」
背中を踏みつけられ、両脚を破壊されているドクオがまともに答えられるはずも無かった
響く荒い呼吸音
(-_-)「・・・さ、次はどこを壊そうかな」

(-_-)「・・・やっぱり、四肢って観点からすると・・・腕かな」
ヒッキーが彼の左腕に銃口を向ける

 
544 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 22:03:02.47 ID:u9InYvdm0
('A`)「ぁあああああアアア!」
(-_-)「!」
ドクオが意味不明な叫び声をあげ、左腕で無理やりヒッキーの足を掴む、そして、無理やり力を入れた
('A`)「ブーン殺せ!」
( ゜ω゜)「!」
ドクオが力いっぱい叫ぶ

ブーンは硬直した
(-_-)「触るな・・・気持ち悪い」
そう吐き捨て、ヒッキーはその腕を銃で破壊する
(-_-)「彼には何を言っても無駄だよ・・・目が違うもの」
するとドクオはもう一本の腕で最期の抵抗を試みる

( ゜ω゜)(僕は・・・)
ドクオを助けないといけない
ふと自分の腕を見る
握られている黒光りする銃
( ゜ω゜)「・・・・・・・」
ここで彼を撃ってしまったら
もう、戻れないような気がしていた・・・
正気でいられないだろう
狂うだろう
狂った自分がどうなるか・・・想像もつかない
それでも
撃たなければいけないのか
・・・

( ゜ω゜)「うああああああああああああああ!!!!!」
雄叫び
そして、銃声・・・

 
547 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 22:07:01.09 ID:u9InYvdm0
血飛沫がドクオに降りかかる
(-_-)「え・・・」
信じられないといった表情のヒッキー
(-_-)「油断・・・しちゃった・・・?」
口をぱくぱくと・・・しながら
ヒッキーがドクオの隣に・・・倒れた

( ゜ω゜)「・・・・・・」
突っ立ったままのブーンが立っていた
右手の拳銃からは・・・薄く煙がのぼっていた

 
552 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 22:12:36.38 ID:u9InYvdm0
('A`)「・・・ブーン・・・」
( ゜ω゜)「・・・・・・・・・・・・・・」

ヒッキーは強い
それはわかっていた
その男すらも
ブーンは殺してしまった
最早
正気を保てるはずが無かった

('A`)「・・・いてぇ・・・畜生・・・死にたくねえ・・・」
ドクオが呻く
('A`)「なぁ、ブーン、助けてくれよ・・・いてえよ・・・死んじまう・・・なぁ」
( ゜ω゜)「・・・・・・」
ブーンは答えない

('A`)「ブーン・・・!」

ブーンはしかし
その銃口をドクオに向けた
すでに、狂いきっていた
('A`)「ぉぃ・・・なにすんだよ・・・なぁ・・・」
沈黙のまま、引き金に手をかける
('A`)「やめろ!死にたくない!俺は俺はまd」
ドクオの狂ったような叫びは
銃声によって掻き消された

( ゜ω゜)「・・・・・・・」
ブーンは、押し黙ったまま、その場を後にした
二つの亡骸を背にして

 
577 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:04:16.11 ID:u9InYvdm0
ーーー倉庫内ーーー
対峙する二人
力は対等ということだろうか 双方、ほとんど動かない
( ゚∀゚)「なんだぁ・・・・?あの、叫び声は・・・」
( ゚∀゚)(つかあの声・・・)

(*゚ー゚)「あぁ・・・・・・ヒッキー」
( ゚∀゚)「何?」
(*゚ー゚)「私よりもずっと強い子・・・私の、彼」
( ゚∀゚)「趣味悪い男なんだな」
(*゚ー゚)「素敵な人よ・・・それに、私なんかよりずっと強い」
( ゚∀゚)「な・・・」

(*゚ー゚)「外に誰かいるんでしょ?もしかしたらもう、殺されちゃってるかもね」
( ゚∀゚)「・・・・・・!」
一瞬彼の銃が揺れた
それを、しぃは見逃さなかった

すかさず発砲するしぃ
慌てて避けるジョルジュ
しかし
弾は彼に当たった

少しよろめいて・・・ジョルジュは倒れた

(*゚ー゚)「・・・なんだ、弱いのね」

(*゚ー゚)「・・・ヒッキーに会いに行くわ・・・じゃぁね」

 
580 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:11:50.45 ID:u9InYvdm0
ーーー路地裏ーーー
しぃがその悲惨な光景を目の当たりにするまでにさほど時間はかからなかった
(*゚ー゚)「・・・・・・・嘘」

そこに転がるヒッキーとドクオの亡骸

(*゚ー゚)「そんな・・・うそ、うそよ・・・彼が、彼が殺されるなんて・・・」

片恋の相手を失ったしぃの狂気は加速する
(*゚ー゚)「・・・ふふ・・・あはははは・・・残念・・・すごく残念」

(*゚ー゚)「ヒッキーは私が殺してあげようと思ったのに・・・あは、あはははははは・・・・・・」

(*゚ー゚)「・・・・・・」

(*゚ー゚)「殺す」

その時
ドクオのそばに転がっていた携帯電話が鳴った
それをしぃは、躊躇無く踏み潰す
(*゚ー゚)(こんな屑一匹にヒッキーが殺されるわけない・・・)

(*゚ー゚)(誰が殺したの・・・?・・・そいつ、絶対見つけてやるわ・・・)

(*゚ー゚)「殺す」
しぃは再度、呟いた

 
583 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:13:42.61 ID:u9InYvdm0
ーーー路上ーーー
(,,゚Д゚)「・・・チッ」
川゚−゚)レ「どうした・・・?」
(,,゚Д゚)「切れた」
川゚−゚)レ「・・・・・・・」
(,,゚Д゚)「まぁいい・・・もうすぐ、着く」

(,,゚Д゚)「生きてろよ・・・!」

 
585 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:19:25.24 ID:u9InYvdm0
ーーー倉庫内ーーー
( ゚∀゚)「・・・・・・・」
しぃが出て行ったのを確認し、ジョルジュはむくりと起き上がる

( ゚∀゚)「死んでないから困る」

( ゚∀゚)(にしても・・・銃取り落としたのは失敗だったぜ・・・反撃できなかったじゃねえか)

( ゚∀゚)(おまけに・・・腕に撃ちこまれたからなあ・・・痛いのなんのって)
しぃが撃った弾丸は彼の右腕に直撃していた
銃を取り落としたジョルジュはそのまま倒れ、死人を演じることにしたのだ
しかし倒れてからしぃに反撃するなど・・・彼女の能力を考えれば、不可能だということはわかっていた
だから今の今まで、倒れたままだったのである

( ゚∀゚)(・・・・・・)

( ゚∀゚)(あれ以降、叫び声も銃声も聞こえねえ・・・)

( ゚∀゚)(・・・無事なのか、死んだのか・・・)

( ゚∀゚)(とりあえず、行くか)

右腕を左手でおさえつつ
ジョルジュは小走りで鉄扉へと向かう

 
589 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:26:26.53 ID:u9InYvdm0
ーーー倉庫前 路上ーーー
(,,゚Д゚)「うお!?」
( ゚∀゚)「! ギコ!」
(,,゚Д゚)「しぃは!?」
( ゚∀゚)「・・・すまねえ、取り逃がした」
(,,゚Д゚)「何ぃ!・・・ってお前、やられたのかよ」
( ゚∀゚)「あぁ・・・すまん」
(,,゚Д゚)「いや・・・で、ドクオとブーンは・・・」

( ゚∀゚)「あぁ・・・そうだった!探すぞ!」
(,,゚Д゚)「あ?」
( ゚∀゚)「詳しいことは後で話すから!行くぞ!」
そういってジョルジュは走り出す
ギコたちも、わけのわからぬまま、それに続いた

 
590 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:32:18.91 ID:u9InYvdm0
ーーー路上ーーー
数分後・・・
彼らがそこにたどり着いたとき、すでにしぃはその場にいなかった

( ゚∀゚)「!」
(,,゚Д゚)「ドクオ!」
川゚−゚)レ「・・・・これは・・・・」
ξ゚听)ξ「・・・ブーンは!?」
ツンの叫び声に反応して皆周囲を見回す
・・・しかし、ブーンの姿は見当たらない
( ゚∀゚)「あいつだけでも・・・逃げられたのか・・・?」
(,,゚Д゚)「・・・つか、こっちの男は・・・ただの雑魚か?」
( ゚∀゚)「いや、そうでもないぞ」
ジョルジュがしゃがみ、二つの亡骸を観察する

( ゚∀゚)「見事に腕と脚、破壊されている・・・こりゃ素人のやることじゃねえ・・・こいつ、相当な実力の持ち主のはずだ」
(,,゚Д゚)「・・・じゃぁこの男は、誰に殺されたんだ」
( ゚∀゚)「・・・考えられるのはあいつしかいねえだろ」
川゚−゚)レ「ブーン・・・か」

 
593 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:39:25.29 ID:u9InYvdm0
(,,゚Д゚)「でもあいつにできるか?こんなこと」
( ゚∀゚)「・・・どうやったかはしらねえ・・・だが、可能性は高いだろ」
(,,゚Д゚)「・・・・・・・」

川゚−゚)レ「・・・ならば彼はどこに・・・?」
( ゚∀゚)「それなんだよな・・・さっさと見つけねえと・・・面倒になりそうだ」
(,,゚Д゚)「面倒?」
( ゚∀゚)「あぁ・・・」

( ゚∀゚)「もう一度人殺して・・・あいつが正気でいられると思うか?」
(,,゚Д゚)「・・・・・・・」

彼らが知るはずもない
ドクオを殺したのも・・・ブーンだということを

 
594 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:45:50.96 ID:u9InYvdm0
ーーー路上ーーー
目に映るものが全て敵に見える
そんな、錯覚
( ゜ω゜)「・・・・」
ふらふらと、銃を片手に歩くブーン 目的も無くあてもなく
・・・
・・


 
596 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:49:55.89 ID:u9InYvdm0
ーーー別所 路上ーーー
(*゚ー゚)「・・・まだ、血が足りない」
目の前に転がる幾多の人
しぃはため息をつく
(*゚ー゚)「もっと・・・もっと欲しい・・・彼・・・彼がいなくなった寂しさを紛らわせるための・・・血が」

彼女の狂い方は尋常ではなかった
更に激しく、猟奇的に人を殺していく
それでも満足しなかった
彼女は最早
本能で血を求めるただの獣と成り果てていた

 
597 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/12(金) 23:56:01.13 ID:u9InYvdm0
ーーー路地裏ーーー
ジョルジュがギコたちに事情を話す
・・・
・・

( ゚∀゚)「・・・そういや、モララーは?」
(,,゚Д゚)「逃げた・・・もう帰っちまったんだろ」
( ゚∀゚)「ひでぇ野郎だなおい・・・」
川゚−゚)レ「それで・・・これからどうするんだ?」
(,,゚Д゚)「ブーンを探すにしてもしぃに探すにしても・・・もう一度、二手に分かれるか」
( ゚∀゚)「そうだな・・・それにしても」

( ゚∀゚)「減ったな」
(,,゚Д゚)「・・・・・・」
そう思うのも無理はない
つい2時間ほど前には7人いた
今既に、4人になっているのだから

 
599 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/13(土) 00:03:17.96 ID:jxAQEt550
(,,゚Д゚)「・・・じゃ、俺とクー、お前とツンでいいな?」
( ゚∀゚)「あぁ・・・わかった」

結局彼らはまた二手に分かれることにした

(,,゚Д゚)「・・・次、しぃが現れるとしたらさっきまで俺らがいた場所・・・だな」
( ゚∀゚)「あぁ」
(,,゚Д゚)「先、行っといてくれ・・・俺らはここでもう少しブーンを探す」
( ゚∀゚)「・・・・・・え」
(,,゚Д゚)「お前の方が足遅いだろう・・・ほら!」
( ゚∀゚)「わかった・・・行こうか、お嬢さん」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」

 
inserted by FC2 system