584 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 20:48:45.96 ID:gV+dFtHK0
ーーー数分後 同所ーーー
( ´_ゝ`)「・・・・・・」
駆けつけた彼の前に広がるのは
自分の部下の亡骸・・・
( ´_ゝ`)「・・・ニダー・・・が・・・」
兄者は冷静を装っている・・・しかし、その腕は小刻みに震えていた
( ´_ゝ`)「・・・!またんき!」

( ´_ゝ`)「またんき!・・・」
またんきに駆け寄り、しゃがんで彼の上体を起こす
だが彼は
すでに息絶えていた
( ´_ゝ`)「・・・」
つと、兄者は立ち上がった
そして、ゆっくりと歩き出した
( ´_ゝ`)「・・・フン」

( ´_ゝ`)(今日は・・・嫌な一日だ・・・)
ガン、と
壁を殴りつける音が路地に響いた・・・

 
586 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 20:49:40.57 ID:gV+dFtHK0
ーーー天国 雑居ビル 二階 室内ーーー
ξ゚听)ξ「・・・ねぇ、しょぼん・・・」
ツンが小声でしょぼんに話しかける
(´・ω・`)「・・・なんですか?」
ξ゚听)ξ「いつまでここにいるつもりよ」

二人は未だ、クーと弟者の雑居ビルにいた
・・・彼らも、兄者同様、タイミングをつかめずにいたのだ。
(´・ω・`)「・・・どうします?」
ξ゚听)ξ「どうしますって・・・」
(´・ω・`)「やっぱり、このままじゃダメですよね・・・」

クーは涙こそおさまったものの俯いて座ったまま
弟者も・・・何かを考えてるのだろうか、宙を見つめている・・・

ξ゚听)ξ「・・・よくあんな風にずっといられるわね」
(´・ω・`)「そうですよね・・・」
ξ゚听)ξ「私達もだけど」
(´・ω・`)「・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「だから兄者って人が出て行ったときに一緒に出て行けばよかったのに・・・」
(´・ω・`)「・・・ですよね」

(´・ω・`)「でも、行くあてがないことも事実なんです」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」

 
587 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 20:50:31.93 ID:gV+dFtHK0
ξ゚听)ξ「・・・あるにはあるけど」
(´・ω・`)「・・・本当ですか?」
ξ゚听)ξ「ま、まぁ・・・ね。とりあえず、この気まずい部屋から抜け出しましょうよ」
(´・ω・`)「・・・そうです、ね」

(´・ω・`)「じゃ、じゃあ僕達はこれで・・・」
川゚−゚)レ「・・・・・・・・・・・・」
(´<_`  )「・・・・・・・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・」
ξ゚听)ξ「し、失礼しました!」

ーーー雑居ビル前 路上ーーー
ξ゚听)ξ「・・・はぁ」
(´・ω・`)「なんだか、空気が美味しいですね」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
(´・ω・`)「で、どこに行くんです?」
ξ゚听)ξ「・・・・・・ここから、大通りまでの道、わかる?」
(´・ω・`)「・・・まぁ、一応」
ξ゚听)ξ「じゃあそこまで案内して」
(´・ω・`)「わかりました。でも一体どこに」
ξ゚听)ξ「いーから、案内すればいいの!ほら、ニダーとかがやってくる前に!」
(´・ω・`)「は、はぁ・・・」

 
588 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 20:52:13.26 ID:gV+dFtHK0
ーーー天国 廃墟ーーー
( ゚∀゚)「・・・戻ってきちまったじゃねえか」
(,,゚Д゚)「別に怪しい場所なんて無かったよなあ・・・」
( ゚∀゚)「今回歩き回って分かったことがある」
(,,゚Д゚)「ん?」
( ゚∀゚)「俺、この街でまだ行ってない所一杯あるわ」
(,,゚Д゚)「・・・まぁ、そうだろうな・・・広いし」
('A`)「あの・・・これからはどうするんです?」
( ゚∀゚)「前言った通り夜はあぶねえし・・・朝になるのを待とうぜ」
( ^ω^)「でも、しぃたちがここにきたらどうするお?」

('A`)「逆に考えるんだ。しぃは俺達がもう一度ここに戻ってくるはずない。そう考えるんだ」
(,,゚Д゚)「まぁ妥当だな」
( ^ω^)「・・・・・・・」
( ゚∀゚)「まぁそういうわけだから、休もうぜ」
(,,゚Д゚)「おう」
('A`)「ぅぃーす」
( ^ω^)「・・・お」

 
590 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 20:57:40.67 ID:gV+dFtHK0
夜は何事も無いかのように更けていく
日付が変わる
フィールド廃棄まで・・・あと三日

ーーー天国 廃墟ーーー
薄明が始まった
あたりが少しだけ明るくなる・・・
( ^ω^)「・・・・・・」
('A`)「・・・・・・」
ブーンとドクオはせめて寝るふりだけでもと、眼を瞑って横になっていた

 
591 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:01:55.75 ID:gV+dFtHK0
(,,゚Д゚)「・・・なぁ、ジョルジュ」
ギコが小声で、ジョルジュに話しかける
ドクオやブーンに聞こえないように・・・
( ゚∀゚)「ん?」
(,,゚Д゚)「あいつ・・・大丈夫なのかね?」
( ゚∀゚)「ブーンのことか」
(,,゚Д゚)「・・・俺が言うのもなんだが、この世界の空気は相当悪いぞ・・・一般人にあてたら、狂っちまうんじゃねえかってぐらい」
( ゚∀゚)「それはさすがに大げさだろ・・・」
(,,゚Д゚)「あいつ、口数少なくなってんだろ?それに、まだ・・・仕方ねえことかもしれんが、死を引きずっている」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「嫌な予感がするんだが」
( ゚∀゚)「・・・つっても、俺ら、何もできねえぞ?」
(,,゚Д゚)「・・・・・・」

 
594 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:09:10.62 ID:gV+dFtHK0
(,,゚Д゚)「発狂するかも知れねえ」
( ゚∀゚)「まぁそりゃそうだがよ・・・」

( ゚∀゚)「・・・・・・」

( ゚∀゚)「友情は何にも打ち勝つ」
(,,゚Д゚)「あぁ?」
( ゚∀゚)「いや、冗談だ」
(,,゚Д゚)「・・・寝たほうがいいんじゃね?」

???「・・・ぁの・・・?」
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「!?」

 
595 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:12:23.30 ID:gV+dFtHK0
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・なんだ、お嬢さんか・・・可愛い声だと思ったら」
ξ゚听)ξ「なっ・・・!」
( ゚∀゚)「にしてもまた突然帰ってきたな・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
('A`)( ^ω^)「・・・・?」
ブーンとドクオが起き出してきた・・・

('A`)「・・・あ」
( ^ω^)「!」
ξ゚听)ξ「・・・・・・」
ツンは、二人から軽く顔を背ける

 
596 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:16:04.95 ID:gV+dFtHK0
( ゚∀゚)「で、なんなんだ?悩み事か?」
ξ゚听)ξ「いや・・・その・・・」
(´・ω・`)「お邪魔します」
(,,゚Д゚)「・・・おぉ、お前は・・・」
( ゚∀゚)「確かニダーと一緒にいた・・・」
(´・ω・`)「はい、しょぼんって言います」

(´・ω・`)「ツンさん・・・あてって、ここだったんですね」
ξ゚听)ξ「し、仕方ないでしょ・・・ここしか思いつかなかったんだから」
(´・ω・`)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「にしても、俺を嫌がって出て行ったお嬢さんと、ニダーの手下ってのは妙な組み合わせだな・・・話、聞かせてもらうぞ」
ξ゚听)ξ(´・ω・`)「・・・・・・・」

 
597 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:21:27.22 ID:gV+dFtHK0
ツンとしょぼんは話した
色々なこと・・・
しょぼんが裏切ったこと、兄者や弟者のこと・・・・・・

( ゚∀゚)「・・・はぁ、ニダーのところから逃げてきたってわけか」
(´・ω・`)「・・・・・・」
(,,゚Д゚)「・・・ま、気持ちはわからんでもないが・・・な」
( ゚∀゚)「・・・・・・」

その瞬間
一つの銃声
弾丸が、ジョルジュの頬を掠めた

 
598 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:27:18.49 ID:gV+dFtHK0
( ゚∀゚)「な!?」
反射的に、ジョルジュは銃を抜く。
ギコ達も同じように・・・
しかし、弾丸はそれ以上放たれなかった
代わりに、これが聞こえてきた

???「注意力散漫だ、ジョルジュ」
( ゚∀゚)「・・・・・・」

( ゚∀゚)「兄者じゃねえか」
( ´_ゝ`)「・・・・・・」

 
599 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:35:50.26 ID:gV+dFtHK0
( ´_ゝ`)「・・・油断しすぎだ 腕が落ちたか?」
( ゚∀゚)「うるせーな・・・こっちはそれどころじゃねーんだよ」
ξ゚听)ξ「あ・・・」
( ´_ゝ`)「!」
突然現れた兄者はまず、ツンとしょぼんの姿を見とめる
( ´_ゝ`)「・・・お前ら」
ξ゚听)ξ「さ、さっきはどうも・・・」
(´・ω・`)「すみませんでした」

( ゚∀゚)「・・・まぁ、俺らも聞いちまったけどな」
( ´_ゝ`)「・・・・・・・」
( ゚∀゚)「けど、目的はそれじゃねえだろ?」
( ´_ゝ`)「あぁ」

銃をおろし、ジョルジュに近づく兄者・・・

そしてジョルジュの前までやってきた途端 彼は突然ひざをつき、手を地につけた
( ゚∀゚)「!?」
( ´_ゝ`)「・・・力を貸してくれ」
土下座して、兄者はそう言った

 
602 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:41:50.18 ID:gV+dFtHK0
( ゚∀゚)「ちょ、ちょっと待ておい・・・部下が泣くぞ」

( ´_ゝ`)「・・・あいつらはもう、泣けない」
( ゚∀゚)「は?」
( ´_ゝ`)「・・・おそらく、全員死んだ」
( ゚∀゚)「全員って・・・」
( ´_ゝ`)「ニダーの仕業だ・・・またんきも殺された」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
(´・ω・`)「ニダーさん・・・」

 
604 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 21:51:56.34 ID:gV+dFtHK0
兄者は知りうる限りの情報をジョルジュに話した・・・土下座のまま
といっても彼の知ることといえば荒巻の電話の内容と、事後、彼が現場で見た事実だけなのだが

( ゚∀゚)「・・・・・」
(,,゚Д゚)「にしてもそんな短時間で全滅って・・・早すぎだろ」
( ´_ゝ`)「・・・・・」
('A`)「・・・・・・」

('A`)「・・・何人ぐらい死んでました?」
( ´_ゝ`)「?・・・わからないが・・・」
('A`)「もしかして、いない人とかいませんでした?」
( ´_ゝ`)「・・・・・・・」

( ´_ゝ`)「・・・荒巻」
( ゚∀゚)「何?」
( ´_ゝ`)「荒巻がいなかった・・・」
(,,゚Д゚)「・・・ドクオ」
('A`)「・・・だって、考えられないわけじゃないでしょ?」

('A`)「ニダーとしぃが手を組んだ」
( ゚∀゚)「!」
('A`)「まぁ仮説っすけど」
( ゚∀゚)「・・・そうなると・・・やべえな。あの単細胞バカ・・・」

 
633 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 22:29:50.98 ID:gV+dFtHK0
( ´_ゝ`)「・・・しぃ?」
(,,゚Д゚)「ジョルジュ こいつには話しとくべきじゃないか?」
( ゚∀゚)「・・・あぁ、そうだな」
( ´_ゝ`)「・・・なんだ?」
( ゚∀゚)「あぁ・・・ちょっと、な」

ジョルジュが兄者に話す
この世界のこと・・・後三日でこの世界が廃棄されるということ
そして、しぃのことを

 
634 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 22:32:51.61 ID:gV+dFtHK0
( ´_ゝ`)「・・・フン、唐突な話だな」
( ゚∀゚)「・・・ま、信じるかどうかはお前の勝手だが・・・な」
( ´_ゝ`)「・・・・・・その女が、ニダーと?」
( ゚∀゚)「あぁ・・・正直、あいつは半端ねえぞ」
( ´_ゝ`)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・つかお前、そろそろ顔上げろ・・・話しづらくてしょうがねえ」
( ´_ゝ`)「・・・・・・」
ゆっくりと、兄者は顔を上げた

 
635 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 22:36:13.42 ID:gV+dFtHK0
( ´_ゝ`)「・・・つまり、お前達もしぃに追われているということか」
('A`)「・・・共同戦線ってか?」
( ´_ゝ`)「・・・・・・・」

( ゚∀゚)「・・・俺と、ギコ・・・んで、しょぼんだけだぞ?まともに戦えるのは」
(,,゚Д゚)「ジョルジュ!」
(´・ω・`)「・・・僕も入ってるんですか」
( ´_ゝ`)「・・・もう一人、あてがある」
( ゚∀゚)「・・・にしたってよ・・・」
( ´_ゝ`)「・・・頼む」
兄者はもう一度、頭を下げた

 
637 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 22:41:50.72 ID:gV+dFtHK0
('A`)「・・・しぃがニダーと組んでいるとしたら、俺達だけじゃどうにもできないっすよ?」
( ゚∀゚)「・・・・・・」
('A`)「味方ってのは一人でも多いほうがいいっす・・・天涯孤独だった俺にはいまいちわかんないすけど」
( ´_ゝ`)「・・・・・・」
( ゚∀゚)「・・・まぁなぁ・・・」

( ゚∀゚)「お嬢さん」
ξ゚听)ξ「あ、え?私?」
( ゚∀゚)「どうする?」
ξ゚听)ξ「どうするってそんな急に・・・」
('A`)「要は、三日以内にしぃを止めて、ループができるようになったら集団自殺すればいいんすよ」
(´・ω・`)「・・・すごく聞こえが悪いですよね、それ・・・」
(,,゚Д゚)「・・・ついでといっちゃあ何だが、兄者の復讐も手伝う」
ξ゚听)ξ「私・・・そんなに強く・・・」
(´・ω・`)「ツンさん・・・」

( ^ω^)「・・・やるお」
( ゚∀゚)「お?」

 
638 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 22:44:45.91 ID:gV+dFtHK0
('A`)「ブーン・・・」
( ^ω^)「しぃと戦うということは、ニダーとも戦わないといけないと言う事だお」
( ^ω^)「それなら、手を組んだほうがいいお」
( ゚∀゚)「・・・まさかお前がここで出てくるとはな・・・」

そういいながらジョルジュは肩ひざを立ててしゃがむ
そして兄者の前に右手を差し出した
( ゚∀゚)「・・・ま、そういうわけだ・・・よろしく頼む」
( ´_ゝ`)「・・・・・・すまない」
兄者はその手を軽く握った

 
639 ◆xh7i0CWaMo :2006/05/08(月) 22:50:10.35 ID:gV+dFtHK0
('A`)「・・・で、具体的にはどうするんすか?」
( ´_ゝ`)「・・・ニダーは博打場を拠点と兼ねている・・・今の時間ならそこにいると思うのだが・・・」
(,,゚Д゚)「いきなり突撃か?そりゃまずいだろ」
( ´_ゝ`)「・・・だろうな」

( ´_ゝ`)「・・・そういえば今日の夜はやけに静かだったが・・・あれも?」
( ゚∀゚)「?・・・ニダーがやったのかね・・・?それともしぃが・・・」
( ´_ゝ`)「・・・まぁそこはいい。現段階では・・・」

( ´_ゝ`)「味方を一人、集めに行くべきだと思う」
( ゚∀゚)「心当たりって奴か・・・よし、そうすっか」
(,,゚Д゚)「・・・おう、今からか?」
( ´_ゝ`)「・・・しぃやニダーがいつ動き出すかも分からない。早いほうがいい」
(,,゚Д゚)「あぁ、わかった」

 
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