104 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 00:34:09.76 ID:n0uANfZH0
 翌日。
 俺は交番の机で、ぐてーっと座っていた。
 べつに怠けているわけじゃない。
 昨日に続き……ドクオの……パトロールの間……書類……

J( 'ー`)し「ああ、ギコさん。おはようございます」
Σ(,,゚Д゚)「おはよーございまーす!」

 あぶねぇ、寝るとこだった!
 ハッとしてオバチャンに挨拶を返す。
 このオバチャンは近所の有閑マダムだ。
 交番の前を通るたび、わざわざ挨拶してくれる、すごくイイ人である。

J( 'ー`)し「今日も精が出るねぇ」
(;´゚Д゚)*∵.「」
J( 'ー`)し「あらあら、どうしたのスゴイ顔して」

 ごめんなさい。精なら出ました。ええ、朝っぱらから出してきました。
 しぃに寝込みを襲われて、朝立ちを食べられて、ついカッとなってヤりました。
 いまは反省しています。
 
(,;゚Д゚)(でも、そんなこと言えねーだろゴルァ!!)
J( 'ー`)し「? なんだか知らないけどオバチャンはキミを応援しちゃう。はいコレ」

 彼女が差し出したのは、薔薇の形をしたピン留めだった。

(,,゚Д゚)「なんですか?」
J( 'ー`)し「そこで拾ったの。あげる」

 あげるって……オバチャン、ネコババは犯罪ですよ?
105 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 00:34:33.58 ID:n0uANfZH0
J( 'ー`)し「あら。拾った時点で動産の所有権は拾得者に転移するから無問題よ。貴重品や金銭なら財産権の侵害になるんでしょうけど、こんなオモチャに不当利得を申請する人間なんていやしないし、ま、持ち主が出てきたときだけ謝ればいいんじゃない?」

(;゚Д゚)「 ! ? 」

J( 'ー`)し「あら、ごめんなさいね。とにかく誰かにあげるか、捨てちゃって下さいな」
(,,゚Д゚)「はあ…わかりました」

 結局、オモチャのピン留めをもらってしまった。
 しかし誰かにあげろって……

(*゚ー゚)『あは♪』
(,,゚Д゚)(やっぱりアイツだよな)

 そういえば、しぃに物をあげたことって、まだ無かった気がする。
 服に至っては俺のお下がりで、マトモに買ってあげていない。
 外出させられないとは言え、悪かった。

(,,゚Д゚)(とりあえずコレをあげてみるか…)

 あんまり喜びそうにないが、オバチャンの厚意?がこもっている。
 捨てちゃあ悪いだろう。


 やがて昼になり、ドクオがパトロールから帰ってきた。

(,,゚Д゚)「おかえりんこ」
('∀`)「ただいまー。ほれ、のり弁当と缶コーヒーの小っちゃいやつ」
(,,゚Д゚)「サンキュ」

 頼んでおいた弁当を、コンビニで買ってくれたようだ。
106 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 00:34:57.36 ID:n0uANfZH0
('A`)「なあ」
(,,゚Д゚)「ん?」
('A`)「最近、和食の弁当ばっか食ってるな」
(,,゚Д゚)「そうだっけ?」
('A`)「そうだよ。昔はカルボナーラとか、サンドイッチが好きだっただろ」

 そうだよ。いまだって好きさ。だから夕食に食べてるよ。

('A`)「なにかあったのか? ここ二週間、やけに付き合い悪いぞ」
(,,゚Д゚)「べつに」

 ドクオは、じっと俺の顔を見た。
 そして諦めたように、なにかあったら言ってくれ、約束だ、と言った。

(,,゚Д゚)「あ。秘密ならあったわ」
('A`)「なんだ!?」
(,,゚Д゚)「ずっと黙ってたけど……」
('A`)「どうした!?」

(,,゚Д゚)「エヴァンゲリオン、あまり詳しくないんだ」

('A`;)「……そうなの?」
(,,゚Д゚)「うん。あの作風が苦手なんだ。名言だけはネットで覚えたけど」
('A`;)「……こんなとき、どういう顔をしたらいいか、わからないの」
(,,゚Д゚)「笑えばいい、と思うよ?」

('∀`;)「」

(#`A')「裏切ったな! 僕の気持ちを裏切ったんだ!」
(,#゚Д゚)「知らねーよゴルァ!! ジョジョ詳しいから、それで充分だろ!?」
107 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 00:35:21.54 ID:n0uANfZH0
(#`A')「お前はチャーハンばかり出して、ラーメンを出さないラーメン屋が許せるのか!?」
(,#゚Д゚)「ああ許す! 許せるね! 店主がラーメン嫌いならな!」
(#`A')「くぁせふじこムッキー!!」

 午後からのパトロールは、自転車に乗らず、押し歩きですることにした。

(,@Д@)「(タンコブで)前が見えねぇ」
141 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 02:15:59.57 ID:n0uANfZH0
 この町は田舎だけに夜が暗い。
 その分、綺麗に星々が輝く。
 そいつらを見上げながら、

(,,゚Д゚)「はー。今日も帰りが遅くなったなぁ…」

思わず、ぼやきが口をついた。
 しぃのヤツ、ちゃんと待ってるだろうか?
 家の中にいて、心身に悪影響が出ないだろうか?

(,,゚Д゚)(でも、俺が言ってもなぁ……アイツを監禁してる張本人だし)

 こめかみを押さえ、もみほぐす。
 わかっちゃいるんだ。
 しぃの思考と嗜好は、変な方向にかたよっている。
 特に、抱かないと泣くという反応がおかしい。
 なにかセックスに対して強迫観念のようなものを持っている。
 本来は医師なり教師なりの指示を受けるべきだ。

(,,゚Д゚)(それができりゃあ楽なんだがな…)

 しぃの場合、それができない。
 さらに問題なのは、俺のほうが彼女になじみかけている事実だった。
 俺は――認めたくないが――いまの彼女との関係を、当然のように受け入れかけている。

(*゚ー゚)『ねえ』
(,,゚Д゚)「!」

 ほら。また、しぃの顔がフラッシュバックした。
142 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 02:16:21.00 ID:n0uANfZH0
(,,゚Д゚)(正気に戻れ、俺! 相手は子供なんだぞ!)

 ある種の麻薬というか、拷問だ。
 あんな子を抱いて(あんな子に抱きつかれて)あんな子を犯して(あんな子にすがられて)正気でいろというほうに無理がある。
 暗い気持ちを拭えないまま、俺は自宅の玄関をくぐった。

(,,゚Д゚)「ただいまー」

 返事が無い。
 また昨日のように、隠れてオナニーをしているんだろうか?

(*゚ー゚)『あー! あっ、ああ、あああああーっ!』

 雪のような、妖精のような、白い肢体が思い出される。
 違うだろ、俺!
 必死に幻想を振り払い、現実を見つめた。

(,,゚Д゚)「しぃ、帰ったぞー!」

 しつこく呼びかける。やっぱり返事が無い。
 俺は電気をつけ、あたりを見回した。

(*゚ー゚)「はぁ……はぁ……」
(,,゚Д゚)「しぃ?」

 彼女はグッタリと、ソファーにもたれていた。
 なんだか様子が変だ。

(,,゚Д゚)「どうした、しぃ……うおっあちっ!」
149 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 02:28:43.91 ID:n0uANfZH0
 彼女の額は、燃えるように熱かった。

(,,゚Д゚)「ひどい熱だ。待ってろ、すぐ医者に……!」

 そして、彼女は医者に行けないのを、思い出した。

=========================

 あれは二週間前のこと。
 俺が一人で交番にいると、農家のオッチャンがひょっこり来たのだ。

∠ノ ´m`)「うちの近くを見慣れない男が歩いとるんじゃ」
(,,゚Д゚)「はあ。旅行者じゃねえのかゴルァ??」
∠ノ#´m`)「バカ言うでない。あれはワシの命を狙うNINJAに決まっておる」
(,,゚Д゚)「んなこたーない」
∠ノ#´m`)「ちょwwwいいから来いwwwwおまわりwwwwwwブーメラン投げるぞwwwwwww」

 オッチャンが俺を連れてきたのは、野原のボロ小屋だった。
 どっかの農家が使わなくなった物置だろう。

∠ノ ´m`)「この中じゃ。調べてきてくれ」
(,,゚Д゚)「なに、この棒?」
∠ノ ´m`)「2フィートあるから、これで突っつけ」

 言われるまま、俺は小屋を調べた。
 そして不審者の正体を直感したのだ。

(,,゚Д゚)「産業廃棄物…」

 中には注射器や薬剤のゴミが散乱していた。
152 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 02:36:47.48 ID:n0uANfZH0
 中には注射器や薬剤のゴミが散乱していた。
 たぶん悪質な処理業者が捨てていったのだろう。

(,,゚Д゚)「というわけでNINJAじゃねーぞゴルァ!!」
∠ノ ´m`)「おじいちゃんショック…」
(,,゚Д゚)「かわいぶってんじゃねーぞゴルァ!!」

 上司には報告する旨を伝え、俺はジジイを叩き返した。
 現場保存のテープを張る。
 そして一人、小屋の前で待機していたのだ。

(,,゚Д゚)「はぁ。応援くるまで暇だなー」
「あ…う…」
(,,゚Д゚)「?」

 なんか声が聞こえた。
 気のせいかと思ったが、たしかに、何度も聞こえてくる。
 好奇心にかられた俺は、もう一度小屋に戻ってみた。
 ジジイがいた時より丁寧に調べていく。
 そして見つけたものは……

(;゚Д゚)「子供?」
(*゚ー゚)「……」

 ゴミに埋もれるように座っていた幼女だった。
 彼女を見つけたときの衝撃は、うまく言い表せない。
 ゴミの中にいながら、彼女の肌は白く、美しかった。
 掃き溜めに鶴っていうが、そんなもんじゃない。天使が舞い降りたって感じだった。
 そして彼女は、たどたどしい日本語で、俺に向かってこう言ったのだ。
153 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 02:37:07.56 ID:n0uANfZH0
(*゚ー゚)「ねえ、だっこ♪」
156 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 02:51:30.47 ID:n0uANfZH0
 それからの記憶が一瞬、途切れている。
 気が付くと――信じがたいことに――俺は彼女を自宅に連れこんでいた。
 彼女はまったく逆らわなかった。
 そこから俺は現場へとって返し、何食わぬ顔で応援を待った。

( ^ω^)「おまたせだお」
(,,゚Д゚)「ハ! ご苦労様です!」

 ブーン部長が到着したのは、幸運にも俺が戻ってからだった。
 俺と彼は検証を済ませ、その場を後にした。

 家に帰る途中、俺は何度も首をひねった。
 なぜ、あの場にあんな幼女がいたのか。
 どうして俺は、あの子を連れ帰ったのか。
 自分で自分の行動が理解できなかった。

(,,゚Д゚)(夢じゃないのか?)

 自宅の玄関を前にしたとき、ふと、そんな考えが浮かんだ。

(,,゚Д゚)(あれは俺の妄想で、このドアを開けても誰もいないんじゃないか?)

 なんだか気が楽になる。
 妙に軽い気分で玄関を開けた。

(*゚ー゚)「あは♪」
(,,゚Д゚)「……」

 そして現実にブチのめされた。
163 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 03:02:17.07 ID:n0uANfZH0
 そこには白いワンピースを着た幼女がいた。
 彼女は俺を見ると、笑いながら寄ってきた。
 俺も座り、彼女の目線に合わせてやる。

(,,゚Д゚)「お嬢ちゃん、こんにちは」
(*゚ー゚)「……」
(;゚Д゚)「あー、お兄ちゃんは警察官だから、心配しないでな。すぐお家に帰すから」
(*゚ー゚)「?」

 彼女は綺麗な瞳で、じっと俺を見つめてきた。
 ふと嫌な予感がする。

(,,゚Д゚)「ねえ、君、名前は?」
(*゚ー゚)「……」(くぁせふじこ@lp;)

 彼女が何かボソボソ呟くのが聞こえた。
 間違いない。俺の知らない言語だった。

(;゚Д゚)「まさか日本語わからない?」
(*゚ー゚)「……」

 マジかよ。
 あの場にあった薬剤のクズが思い出される。
 この子、どうしてあの場にいた?
 非現実めいた連想が浮かぶ。一気に気分が重くなる。
 俺は無性に悲しくて、溜め息をついてしまった。
 そのとき。

(*゚ー゚)「ねえ」
174 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 03:24:24.89 ID:n0uANfZH0
(,,゚Д゚)「ん?」
(*゚ー゚)「だっこ♪」
(,,゚Д゚)「え?」

 はらり、とワンピースが地面に落ちる。
 彼女は下着をつけていなかった。

(,,゚Д゚)「え……ああ……え?」

 新品の綿のような肌が、股間の窪みまでもが、外気にさらされる。
 かすかに紅潮した頬と、おなじ色に染まった乳首が、やけに印象的だった。
 俺は――正直に言おう――彼女が色っぽいと思った。
 彼女は体中から、幼さに見合わない艶を、男を捕らえて離さないオーラを発していた。
 だから彼女が俺の手を、まっ平らな胸へと導いたときも、さして驚かなかった。

(*゚ー゚)「あは♪」

 彼女は俺の手で、自らの体を揉みほぐした。
 俺は導かれるがままに、彼女の胸を、腰を、秘所までも、触れてしまった。
 彼女に全身の体重を預けられたとき、俺の理性は決壊した。
 力任せに抱き寄せ、ズボンを脱ぎ捨てる。
 だというのに、彼女は驚かなかった。
 それどころか平然と俺を押し倒し、馬乗りになって、跳ね回ってみせた。

(*゚ー゚)「あはっ、はあっ、はあっ…」
(,,゚Д゚)「ああっ、うああああっ!」
(*゚ー゚)「ああっ、あああああーっ!!」

 そして最後は自分の手で自分の芽を摘み、果ててみせた。
176 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 03:40:15.93 ID:n0uANfZH0
=========================

 こうして、しぃは俺の家に住むようになった。
 ゴミが捨ててあった小屋は、科学捜査班も検証に来たそうだが、幼女がいたという話は出なかった。
 しぃの存在を知るのは俺一人ってわけだ。

 だから、彼女には戸籍も、保険証も無い。
 うっかり外に出すこともできない。
 誰かにバレて、身元が問題になったら……孤児として施設に入るか、最悪、国籍不明として入管の預かりとなろう。

(,;゚Д゚)「とは言え……熱で苦しんでるのを放っておくワケには、なぁ」

 自己中な俺といえど、考えないでもない事態だった。
 ただ考えないように、先延ばしにしてきただけだ。
 まあ、今回はただの風邪みたいだし。治ってから考えよう。

 とりあえず氷枕をしてやる。
 それから市販の風邪薬を持ってきた。

(,,゚Д゚)「飲みな。楽になるよ」
(*゚ー゚;)「?」

 彼女は錠剤を見て、不思議そうに首をかしげた。

(,,゚Д゚)「飲めって。平気だから」
(*゚ー゚;)「? ?」
(,,゚Д゚)「なんだよ。薬キライなのか?」

 言いながら、なんか違うなぁと思う。
 錠剤が飲めないんじゃなくて……コイツもしかして……
179 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 03:51:12.57 ID:n0uANfZH0
(,;゚Д゚)「しぃ、薬飲んだことある?」
(*゚ー゚;)「 ? 」

 だーっ、ダメだこりゃ!
 どうする。
 小児用のシロップ薬なんて、この時間じゃ手に入らないぞ。

(;゚Д゚)「いっそ……座薬とかのが抵抗無いのかな……」
(*゚ー゚;)「?」

 落ち着け、俺。何を考えてる。
 よく考えろ、これはただの風邪だ。すぐ治る。

(,,゚Д゚)「薬無しで……俺が看病するか……ゴルァ...」

 まずは水。
 薬を飲ませる予定だったコップの水を、そのまま手渡した。
 飲んでいるのを確認して、枕元にミネラルウォーターの500mlを並べる。

 次は食事。
 鍋に白飯とネギ、鶏肉、醤油、とき卵を放り込む。
 すこし煮れば、偽おかゆの一丁あがりだ。

(,,゚Д゚)「ほれ、メシだぞー」
(*゚ー゚;)「メシ…」

 そうです、メシです。よく出来ました。
 すこし皿に取り、冷ましながら食べさせる。
184 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 04:08:05.72 ID:n0uANfZH0
 食欲は無さそうだったが、食ってくれたので安心した。

(,,゚Д゚)「汗かいたか? よし、着替えて寝よう。俺がいるから安心しろよ?」
(*゚ー゚;)「……」

 なかば自分に言い聞かせるように語りかける。
 そして彼女の服を脱がせたときだった。

(*゚ー゚;)「ねえ」
(,,゚Д゚)「ん?」
(*゚ー゚;)「だっこ……?」
(,,゚Д゚)「なっ」

 しぃは熱に苦しみながらも、俺の首に抱きついてきた。
 絶句した。
 いくら鈍い俺でも分かっている。
 彼女の言う「だっこ」は、セックスのことだ。

(,,゚Д゚)「待てゴルァ!! これは着替えだ。着ー替ーえー!」
(*゚ー゚;)「?」
(,,゚Д゚)「だっこしないの。変えのシャツ着ろゴルァ!!」
(*゚ー゚;)「? ……!」

 彼女の顔に困惑の色が浮かぶ。
 そして狂ったように泣きついてきた。

(*゚ー゚;)「だっこ! ねえ、だっこ!」
(,,゚Д゚)「ちがう! だっこじゃない、寝るの!」
(*;ー;)「だっこ! だっこ! だっこ!」
(,;゚Д゚)「暴れるな! 熱が上がる!」
185 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 04:16:36.07 ID:n0uANfZH0
 仕方ない。俺は彼女をソファーに寝かせた。
 起きようとするのを、力で押さえつける。

(*;ー;)「だっこ! ちがう? だっこ!」
(,;゚Д゚)「ちがう! そうじゃない! 俺は……」

 ふと、彼女が何を求めているのか、わかった気がした。

(,;゚Д゚)「俺はお前に、元気でいて欲しいんだ!」
(*;ー;)「!?」
(,;゚Д゚)「いいんだよ、だっこしなくても! そんなに寂しきゃ抱っこしてやるから!」

 体が欲しいから看病するんじゃない。
 病気だから大事にするんじゃない。
 一人暮らしのこの部屋で、お前だけが暖かかった。ぬくもりだった。
 元気なお前と一緒にいたい。だから俺は看病してるんだ。

(*;ー;)「!? うーっ!」

 全体重をかけて彼女を押さえつける。
 暴れて、疲れて、眠るまで。俺は、ずっとそうしていた。


 翌朝。

(;゚Д゚)「もしもし部長ですか」
( ^ω^)『おっおっ、どうしたお?』
(;゚Д゚)「風邪で死にそうなんで、休ませてくだしあゲフ! グフッ! ドムッ! ゲルググッ!」
( ^ω^)『わかったお、治るまで休むといいお』
189 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/01(土) 04:28:47.87 ID:n0uANfZH0
 俺は上司をだまくらかして、休暇をとりつけた。
 今日も、しぃの看病をしなければならない…

(*゚ー゚;)「うーっ」

 諦めたのやら何やら、彼女は「だっこ♪」を言わなくなっていた。
 かわりに、ひどく不満そうな声をもらす。

(,,゚Д゚)「そんな噛み付きそうな顔するなよ」
(*゚ー゚;)「うーっ」
(,,゚Д゚)「喉かわいたろう? 水飲む?」
(*゚ー゚;)「うー……ゴクゴクゴクゴク」

 やれやれ。
 彼女の髪をかきあげる。
 汗でベットリ額に貼りついたそれは、普段の軽さと違って、とても暑苦しそうだった。
 濡れタオルで頭を拭いてやる。

(*゚ー゚;)「うーっ!」
(,,゚Д゚)「そんなに嫌がるなよ……ちょっと傷つくぞゴルァ」

 さて。食事は何を食わせよう?
 毎食おかゆじゃ飽きるだろうなぁ。
 そんなことを考えたときだった。

ガチャリ!

( ^ω^)「おっはよー! 暇すぐるからお見舞いに来たおー!」
(,,゚Д゚)「」
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