94 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:13:19.67 ID:WzyZH+yf0
 夜。
 俺は、バカの一つ覚えで簡易おかゆを作り、しぃに食べさせた。
 飽きたって顔をしているが、気にしないことにする。

(,,゚Д゚)「まだ熱さがらねーな…」

 そもそもコイツ、どうして風邪ひいたんだろう?
 風邪が流行っているなんて話、聞いたことがない。

(,,゚Д゚)「布団けっとばして寝たか? さもなきゃ裸で――」
(*゚ー゚)『あー! あっ、ああ、あああああーっ!』

 ……そうでした。毎日、裸になってました。

(,,゚Д゚)「しばらく、だっこ禁止かなぁ…」

 そう口にしてみるものの、すでに彼女の体を思い出してしまっていた。
 みるみるムスコが元気になっていく。

(,,゚Д゚)「……ケダモノか、俺は?」

 自己嫌悪を起こす前に、仕事を済ませよう。
 寝る前に、汗だらけのしぃを着替えさせねばならない。
 濡れたタオルとシャツを持って居間に向かった。

(*゚ー゚;)「……」
(,,゚Д゚)「少し楽になったか? ほれ着替えるぞ」
(*゚ー゚;)「ん」

 シャツを脱がせ、背中を拭いてやる。
 

95 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:13:38.47 ID:WzyZH+yf0

 汗と、風邪ひき特有の匂いがして、まっしろな背中があらわになった。
 たったそれだけのことなのに、一瞬、くらりと意識が遠のく。

(,,゚Д゚)「じゃ、じゃあ、拭くぞゴルァ」
(*゚ー゚;)「……」

 つばを飲んだ音が聞こえませんように。
 そう祈りながらタオルに手をかけた。
 しぃからの返事は無い。でも、抱きついてこようともしない。
 おとなしく世話をさせている。

(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚;)「……」

 田舎の一軒家。
 あたりには街灯も無く、民家も無い。
 あるのは無人島のような、居間の明かりだけ。

(,,゚Д゚)「……」
(*゚ー゚;)「……」

 お互いの息遣いが聞こえる。
 かすかに虫の音も聞こえる。
 でも、それしか聞こえない田舎の一軒家。

(,,゚Д゚)「背中、拭いたぞ。こっち向け」
(*゚ー゚;)「……」

 立つように、と軽く腰のあたりを押してやる。
 しぃはうなずいて、四つんばいになった。
 

96 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:13:53.19 ID:WzyZH+yf0

 その拍子に、はかせてあったダブダブなジャージがずり落ちる。
 桃のような――というには小さい、そう、ボールのような尻が見えてしまった。

(,,゚Д゚)「う……」
(*゚ー゚;)「……?」

 なにを考えている、俺。しぃは病人だぞ?
 頭をふって意識を戻す。タオルを握りしめ、そっと彼女のおしりに当てがった。

Σ(*゚ー゚;)「ひゃう!?」
(,,゚Д゚)「あれ?」

 胸を拭く予定だったような……ま、いっか。
 そのまま、曲面にそって、静かになでおろす。

(*゚ー゚;)「ひ……あ……!?」
(,;゚Д゚)「……」

 股間を一周して、今度は背中のほうへなであげる。
 その頃には、彼女のスイッチは完全に入ってしまっていた。

(*゚ー゚;)「あう……あはは、あはははっ♪」
(,;゚Д゚)「…………」
(*゚ー゚;)「ねえ」

 彼女は四つんばいのまま、うるんだ目で振り向いた。

(*゚ー゚;)「だっこ♪」
(,;゚Д゚)「あ……」
 

97 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:14:34.15 ID:WzyZH+yf0

 ねだるように、おしりを押し付けてくる。
 それで俺は、また理性がブッとんでしまった。

(,,゚Д゚)「しぃ…」
(*゚ー゚;)「ひゃうっ♪」

 タオルを置き、手のひら全体で、じかにおしりをなでまわす。
 そのまま下へおりていく。
 まだ固い、けれども肌ざわりは最高の太もも。
 くすぐるように、何度もなでまわす。

(*゚ー゚;)「あはは……あっ……あはっ」

 身をよじって逃げようとするのを、覆いかぶさるように抱きすくめた。
 背後から胸に手をまわし、桜色の先端を人差し指でこすってやる。

(*゚ー゚;)「きゃあっ! ……あっ……ふあっ!」
(,,゚Д゚)(はむっ)
(*゚ー゚;)「ひっ♪」

 犬や猫がそうするように、首筋を噛んでやる。
 彼女はまるで子犬みたいに、ベッドに顔を埋めていた。

(,,゚Д゚)(そろそろいいかな…)

 ズボンを脱ぎすてる。
 なにか固いものが落ちる「コツン」という音がした。
 が、確かめてる余裕が無い。
 

98 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:15:00.06 ID:WzyZH+yf0

(,,゚Д゚)「いくぞ…?」
(*゚ー゚;)「……」

 気配を察したのか、しぃは振り返らないまま、こくんと頷いた。
 双丘に両手を添え、軽く割ってやる。
 ピンク色の花弁が開くのが、はっきりと見えた。

(*゚ー゚;)「う…」

 中心に自分自身を押し当てる。
 ぴちゃ、と音がした。だいじょうぶ。いける。
 彼女の腰をしっかりつかみ、思い切って挿入した。

(*゚ー゚;)「はあ…あああーっ!」
(,,゚Д゚)「う、くっ」

 相変わらず熱い。そしてキツい。
 それでも強引に、割り込むように入っていく。

(*゚ー゚;)「きゃあっ……うああっ……」

 彼女の悲鳴が耳をうつ。
 やっぱり痛いんだろうか?
 何度か往復するうちに、そんな疑問が頭をかすめた。
 でも、それにしては嫌がるそぶりが無い…

(,,゚Д゚)「ちょっとストップ…」
(*゚ー゚;)「?」

 腰を止め、両手をおしりから離した。
 

100 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:15:19.07 ID:WzyZH+yf0

 そして、勢いよく乳首をつまみあげる。

(*゚ー゚;)「ひいっ! あぁ、やああああっ!!」
(,,゚Д゚)「うあっ!?」

 その途端、彼女はギューッと俺自身を締め付けてきた。
 こみあがる射精感を必死にやり過ごす。

(,,゚Д゚)「はぁ、はぁ……オーケー、感じてるね?」
(*゚ー゚;)「ふぅ、ふぅ、ふぅ…」

 冗談めかして独り言をいい、呼吸を整える。
 それから、もう一度おしりを持って、めいっぱい挿入した。

(*゚ー゚;)「きゃああああっ! あっ、ああああっ!」
(,;゚Д゚)「はぁ、はぁ、あっ! あうっ!」

 速く、できるだけ速く、彼女の中を往復する。

(*゚ー゚;)「ああああっ! あああああーっ!!」
(,;゚Д゚)「はぁあっ、うあああああっ!」

 彼女の中に、ありったけの熱を注いで、俺は果てた。

(,;゚Д゚)「はぁ、はぁ、はぁ……」
(*゚ー゚;)「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」

 ぐったりした彼女を眺めるうち、今度こそ酷い罪悪感がこみあげてきた。
 うつ伏せに倒れた彼女を、仰向けに抱き起こしてやる。
 

102 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:15:41.89 ID:WzyZH+yf0

(,;゚Д゚)「その、えーと……ごめんな?」
(*゚ー゚;)「……」

 彼女は答えない。
 汗で額に貼りついた髪を、丁寧にはがしてやる。

(,,゚Д゚)(……髪?)

 さっきの音の正体がわかった。
 床に脱ぎ捨てたズボン。そのかたわらに落ちている物がある。

(,,゚Д゚)「これ……やる……」
(*゚ー゚;)「?」

 小さな、薔薇の模様の、おもちゃのヘアピン。
 目の前で見せてから、前髪にさしてやる。

(,,゚Д゚)「昼間、オバチャンにもらったんだ。ほら、俺って警官だからさ、近所の人と仲いいんだぜ?」
(*゚ー゚;)「……」

 しぃは俺の話なんか聞きもしないで、自分の髪にささったヘアピンをなでていた。
 それから、自分でタオルを手に取ると、自分の体を拭き始めた。

(*゚ー゚;)「……」
(,,゚Д゚)「あ……」

 そして、さっさと服を着替えると、ベッドに入って寝てしまった。
 取り残された俺は、ぼんやり座って、彼女が眠るのを眺めていた。
 

105 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:19:40.87 ID:WzyZH+yf0

 次の日もバカどもはやってきた。

(・∀ ・)「遊びにきたぞー!」
(,,゚Д゚)「もはや見舞いじゃねぇぇぇ!!」
(*'∀`)「しぃちゃん、元気かーい?」
(・∀ ・)「遊びにきたぞー!」
(,,゚Д゚)「バーロー! 帰れ!」
(#`A')「なにしやがる! ロリコン仲魔として平等にめでさせろ!」
(・∀ ・)「やーいロリコーン」
(#゚Д゚)「ぶるぁぁあああああああああああああああああああああああああ!! 」
(*゚ー゚;)「……」

 大騒ぎする俺たちを、しぃは楽しそうに眺めていた。
 その次の日も、さらにその次の日も。
 だから部長が家に来たとき、俺はその意図に気づけなかった。

( ^ω^)「どう? 風邪治った?」
(,,゚Д゚)「ありがとうございます。おかげ様で、すっかり……」
( ^ω^)「そう。じゃあ、最初の約束、守ってくれるお?」
(,,゚Д゚)「え?」
( ^ω^)「その子の風邪が治ったら、書類つくるって」

 ああ。そういえば、そんなこと言った気がする。
 俺と部長は台所で書類を作った。

( ^ω^)「じゃ、この子を拾った場所と時間しゃべって」
(,,゚Д゚)「……はい」
( ^ω^)「あなたが話した内容をタイプライターで記録しました。この内容で間違いありませんね?」
(,,゚Д゚)「……はい」
 

106 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:20:00.77 ID:WzyZH+yf0

( ^ω^)「では、その旨、署名捺印してください」
(,,゚Д゚)「……はい」

 隣の部屋からは、しぃとドクオとMTNKの笑い声が聞こえてくる。
 ピコピコ電子音がしてくるところを見ると、ゲームでもやってるんだろうか。
 まったく、俺のゲーム勝手に使うなよ…

( ^ω^)「さてギコ君。いいニュースと悪いニュースがあるお」
(,,゚Д゚)「……はい」
( ^ω^)「と言っても、どっちも同じ内容なんだけどね」
(,,゚Д゚)「?」
( ^ω^)「しぃちゃんの保護者が見つかったお。君から届出を受けたので、僕は彼女を親元に帰すことにするお」

 なにを言ってるんですか、部長?

( ^ω^)「こっちのセリフだお。君は病気のしぃちゃんを保護するという義務を果たした。次は彼女を帰すんだお」

 待ってください。しぃは病気です、治療が必要なんです。

( ^ω^)「何の病気だお?」

 それは……っ!

( ^ω^)「彼女の保護者は立派な人物だお。安心して帰すんだお」
(,,゚Д゚)「しかし!」
( ^ω^)「ギコ君。ドクオ君も、MTNK君も、みんな彼女のことを知っている。君は彼女を渡すしか無いんだお」

 間抜けな俺は、はじめて部長の意図に気づいた。
 

107 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:20:30.65 ID:WzyZH+yf0

( ^ω^)「一人暮らしが寂しかったかい? でも彼女は君の家族にはなれない。ましてやペットじゃない」
(,,゚Д゚)「……」
( ^ω^)「さ。しぃちゃんを帰すお」

 それは……そうだ。
 社会的にも、道徳的にも、正しいことだ。

(,,゚Д゚)「部長」
( ^ω^)「ん?」
(,,゚Д゚)「この子は幸せになれますかね?」
( ^ω^)「……」

 部長は、なにかハッとしたようだったが、何事も無かったかのように先を続けた。

( ^ω^)「なれるお。だから、その手を放すお」
(,,゚Д゚)「はい」

 なんだか良く分からないまま、俺は頷いた。
 それっきり、俺の家から、しぃは消えた。

 なんだか良く分からないまま、翌日になった。

(,,゚Д゚)「おはよーございまーす」
('A`)「おっはよー」

 朝が来る。ドクオと一緒に交番に来て、制服に着替える。

('∀`)「室伏に心の金メダル!」
(,,゚Д゚)「金メダルなら、この前とってたよね」
('∀`;)「え? ああ、いや、そうじゃなくて……ま、いっか」
 

108 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:20:57.61 ID:WzyZH+yf0

 かみ合わない会話をして、交代でパトロールに出る。

J( 'ー`)し「あ、ギコ君。こんにちは」
(,,゚Д゚)「ちわーっす!」
J( 'ー`)し「ちゃんとご飯たべてる? 一人暮らしだからって不摂生しちゃダメよ?」
(,,゚Д゚)「へーい」

 近所のオバチャンに挨拶をして、世間話をする。

(・∀ ・)「よーし、夜勤だ交代だ! 働くのメンドクセー!」
(,,゚Д゚)「本音が漏れてるぞゴルァ!!」
( ^ω^)「おつかれさま、先に帰るお」
('A`;)「俺も今日は帰る! 密林からCDが届くんだ!」

 そして

(,,゚Д゚)「ただいま……」

夜になり、俺しかいない我が家へ帰る。
 何も無いと知りながら、なにかを期待して暗い居間へと入っていく。

(*゚ー゚)『ねえ、だっこ』
(,,゚Д゚)「!!」

 空耳だった。
 電気をつける。誰もいやしない。
 だというのに、まぶたの裏には彼女の顔が、鼓膜の中には彼女の声が、はりついて消えやしない。

(*゚ー゚)『キャア! あーああーああー!』
(,,゚Д゚)「やめろ……」
 

109 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:21:16.06 ID:WzyZH+yf0

(*゚ー゚)『ふあ! あっ、あっ、ああーっ!』
(,,゚Д゚)「やめろ!」
(*゚ー゚)『ギコ♪』
(,;゚Д゚)「やめてくれ! 思い出させるな、ぬくもりなんて!」

 力任せに、雨戸を開ける。
 俺が手入れをしないせいで、荒れ放題の庭が見えた。

(,,゚Д゚)「ハァ――ハァ――ハァ……」

 血が出るほど拳を握りしめ、首を痛めるほど頭を揺さぶる。
 暴れだしそうな自分を無理矢理おさえつける。
 早くも沈みかかった三日月が、あざわらっているような気がした。


 一週間が経った。
 俺は、すっかり衰弱していた。
 夜になっても眠ることができず、苦しい日が続いた。

('A`)「おい、お前だいじょうぶか? なんかヒドイ顔してるけど」
(;゚Д゚)「ふははは、これが本体のハンサム顔だ!」
(;・∀・)「マジだいじょぶか?」

 みんなに怪しまれている。マズイ。

( ^ω^)「・・・・・・」

 部長だけは何も言わなかった。
112 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:27:29.99 ID:WzyZH+yf0
 日曜の朝。
 新聞を取りにいった俺は、なにかがポストに入っているのに気が付いた。

(,,゚Д゚)「黒い……封筒?」

 中には『しぃが待っている。迎えの車に乗りたまえ』とある。

(,,゚Д゚)「なんだ……これ……?」

 正午に玄関のチャイムが鳴った。
 出て見ると、ごく普通のタクシーが停まっていた。
 なんでも俺を迎えに来るように頼まれたんだという。前払いで。
 少し迷ったが、俺は客席に座った。なにが起こっているのか、知っておきたかった。
 そして……そして何より、しぃに会いたかった。

 タクシーは交番の前を過ぎ、農家も畑も通り越し、山の中へ入っていく。
 そして、見たことも無いような、綺麗な家の前についた。

(,,゚Д゚)「誰かの……別荘……?」

 玄関で呼び鈴を鳴らすと、ドアは内側から開いた。

?「やあ。招待状は届いたようだね」
(,,゚Д゚)「誰だゴルァ!!」
川゚-゚)「しぃを連れてきた男さ」
(,,゚Д゚)(――女!?)

 いや、ちがう。現れたのは、中性的な男だった。
 高そうなスーツに身を包み、髪を長く伸ばしていて、お上品な顔とよく似合ってやがる。
 まるでテレビに出てくるイケメンホストみたいだ。
113 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:27:47.58 ID:WzyZH+yf0
 俺は雰囲気に呑まれまいと、声を張る。

(,,゚Д゚)「しぃはどこだ?」
川゚-゚)「ふふ。変わったお巡りさんだね」
(,,゚Д゚)「あ?」

 男はニッコリと笑う。

川゚ー゚)「私が誰なのかでも、事件についての質問でもなく、しぃの話をするからさ」
(,;゚Д゚)「……彼女は保護対象だ」
川゚-゚)「ふむ。それだけかい?」
(,,゚Д゚)「どういう意味だゴルァ!!」
川゚ー゚)「あの子は、そんなに良かったかい?」

 自分の顔から、血の気が引くのを感じた。

川゚-゚)「ああ、そんなに警戒しなくていいよ。あれは、そう仕込んだんだから」
(,,゚Д゚)「!?」
川゚-゚)「来たまえ」

 男は後ろを向くと、さっさと歩き出した。
 俺も一緒に屋敷の奥へと踏み込む。
 やがて一つのドアの前で立ち止まった。

川゚-゚)「ここだ」

 気軽にドアを開ける。
 その途端、か細い声と人間の体臭が漏れ出してきた。

(*゚ー゚)「はあ…あ…ああ…」
114 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:28:07.32 ID:WzyZH+yf0
(,,゚Д゚)「!」

 しぃがいた。
 両手両足を拘束され、両乳首と股間に計4つのローターをあてがわれ、あられもない姿で悶え続けるしぃが。
 どれだけの時間この状態でいたのか。汗と涙と滴り落ちる雫で、全身ぐしゃぐしゃになっている。
 彼女は虚ろな目でこっちを見た。たぶん外して欲しかったんだと思う。
 しかし俺の顔を認めると、彼女の表情に変化が現れた。

(*゚ー゚;)「ひっ! ああ…あうっ…あ…」

 弱弱しく首を振り、逃げ出そうともがく。
 だが革手錠から逃げられるはずも無い。
 しかも、もう体力が残っていないようで、首を振るだけの動作すら酷く鈍い。

川゚-゚)「はい、ここまで」
(,,゚Д゚)「!」

 男がドアを閉めた。
 それで彼女の声は聞こえなくなる。
 俺は男の襟首をつかみ、その背を壁に叩きつけた。

(,,゚Д゚)「テメェ! なにしてやがる!」
川;゚-゚)「うおっ苦しっ」
(,,゚Д゚)「しぃを放せ!」

 すると彼は、くすっと笑って言い放った。

川;゚-゚)「どうして? あの子とヤッておいて、それを言うのかい?」
(,;゚Д゚)「!?」
川;゚-゚)「私はあの子に危害など加えていない。その証拠に彼女はよろこんでいたじゃないか」
115 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:28:25.92 ID:WzyZH+yf0
 背筋を冷たい汗が伝う。
 彼はなんなく俺の手を払い、背筋を伸ばして語り出した。

川゚-゚)「君に来てもらったのは他でもない、誤解を解くためだ」
(,,゚Д゚)「誤解? なにが誤解だゴルァ??」
川゚-゚)「君は私を何だと思っている? いや、察しはつくんだが…」

 何を言ってやがる、うさんくさいインチキヤローめ。

川゚-゚)「インチキ? それは私に資産があるからか? 金持ち=悪党だなんて言いはすまいな?」
(,,゚Д゚)「……」
川゚-゚)「私は不正な手段――たとえば人身売買や、違法ドラッグで儲けたことは、一切無い」
(,,゚Д゚)「ハァ??」
川゚-゚)「ある大工場を経営していてね。すべての資産は正規に得たものだ」

 意味がわからない。

川゚-゚)「ギコ君。あの子がゴミの中にいたのは、ただの偶然なんだ」
(,,゚Д゚)「なんだと」
川゚-゚)「散歩に出たまま迷子になってな。おおかた隠れんぼのつもりだったんじゃないか? そこを君に拾われた」

 じゃあ、あの薬剤の山は?

川゚-゚)「それこそ身に覚えが無い。君たち警察の出番だろう」
(,,゚Д゚)「そんな…」
川゚-゚)「この子と出会ったのは、東南アジアの某国に、下請け工場の用地買収に行ったときだ。
    聞けば身寄りが無いというし、やたら可愛かったから、ついパスポートから何から揃えて連れてきてしまった」

 間違ってる。
 まるで犬猫を拾うような感覚じゃないか。
116 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:28:45.92 ID:WzyZH+yf0
川゚-゚)「では拾うべきでなかったと? なら彼女は今頃どうなっていた?
    全ての人間が幸せにするなんて無理だが、せめて気に入った者に幸せであって欲しいと願うのは間違ったことか?」

 じゃあ、あんたは正しいってのか?

川゚-゚)「断っておくが私だって常識を、しかも君のそれに近いものを持っている。拾った以上きちんと世話はした。
    だが親でもないのに馴れ馴れしくするのも違う気がした。
    それで、すこし距離をおいて見守ろうとしたんだが……それがマズかったらしい。
    私が日本語の勉強を教えていたとき、彼女は突然、自分の体を差し出してきた」

 それで彼女を抱いたのか? なぜ止めさせなかった?

川゚-゚)「ふふ…それを聞くとはね。あの誘惑から逃れられるものか。それは一番、君が知ってるんじゃないか」

 彼は初めて憂鬱そうにうつむいた。

川゚-゚)「私が彼女をああしたのか、最初からああだったのか? わからないが責任は取る。治療を受けさせようと思う」

 なら、なぜすぐ受けさせない?

川゚-゚)「しぃは、まだ日本語を話せない。母国で治療を受けさせるのも考えたが、向こうの病院は頼りないんだ…」

 じゃあ何だ。
 たしかにアンタは間違ってるが、責任は取るってのか?

川゚-゚)「そうだ。むしろ罪を犯したのは君だよ、ギコ君。まさか警官が誘拐をするとは思わなかった。
    この件は不問に付すが、二度とこうした犯罪はおかさないでくれたまえ」

 言うな! お前も彼女とヤッたんだろうが! 同じ穴のムジナじゃねーか!
117 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:29:06.98 ID:WzyZH+yf0
川゚-゚)「私には資産があり、彼女が抱える問題に対処する能力と人脈がある。時間はかかるが彼女を幸せにしてみせよう」

 じゃあ、さっきのは何だ!? 縛り付けてローター責めしてたじゃねーか!

川゚-゚)「ちょっと過激だが精神安定の一環だ。私が直接触ってしまうより、彼女の自立に役立つと判断した」

 ふざけるな!

川゚-゚)「むしろ君こそセラピーが必要じゃないか? 聞けば一人暮らしで寂しいそうじゃないか。
    セックス中毒になってるのは、君も同じなんじゃないか? 彼女から離れるべきじゃないか?」

 ふざけるな!
 俺は正気だ! 狂ってなんかいない!
 そんなのは……そんなのは……アンタの……!

川゚-゚)「アンタの、なんだね?」
(,,゚Д゚)「……アンタのが正しいよ……ちくしょう」
118 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:32:21.52 ID:WzyZH+yf0
 数日後。

(,,゚Д゚)「ただいまー」

 今日も一日の仕事を終えて、我が家に帰ってきた。
 世界が回っている。
 ドクオと呑んだヤケ酒が効き過ぎたようだ。

(,,゚Д゚)「なんでだ……昔はこのくらい平気だったのに……」

 歳なのかなぁ……考えたくないけど。
 仕方無いので、田舎名産・うまい水道水をガブ飲みする。
 ふらふらと居間へ入ったところで、

(*゚ー゚)『ねえ、だっこ』
(,,゚Д゚)「う……!」

 しぃの顔が思い出された。

============================

川゚-゚)『しかし分からないな』

 あの日、去り際に彼はこう言った。

川゚-゚)『しぃが私と寝たのは恩返しとして。どうして君と寝たんだろうな』
(,,゚Д゚)『それしか知らないからじゃないですか?』
川゚-゚)『まさか。子供だからな、テレビゲームは大好きだ。遊べと言われたこと無かったか?』
119 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:32:48.61 ID:WzyZH+yf0
 そういえば、うちにはテレビゲームがあった。
 なのに彼女は決して触れようとしなかった。

川゚-゚)『くく……まさか恋だったりしてな』
(,,゚Д゚)『あ?』

 いきなり彼はケラケラと笑い出した。

川゚-゚)『いいだろう。彼女が大人になって、自分から君に会いたいと言い出したら、ちゃんと連れてこよう』
(,,゚Д゚)『はぁ…』
川゚-゚)『じゃあな青年。せいぜい、その時までに立派なジジイになっておけよ?』

============================

 あれきり彼も、しぃも居なくなってしまった。

(,,゚Д゚)「勘弁しろよ……なんだよ、この寂しさ……」

 温度が欲しい。人のぬくもりが欲しい。
 それは風邪の寒気のように、俺の胸へと食い込んできた。
 仰向けに寝転がる。
 一人で過ごす夜は、暗くて、静かで、悲しい気配がした。


     完
 

 

 

 

 

 

 

123 名前: ◆sf6RhhIV4Q 投稿日: 2006/07/02(日) 13:37:15.93 ID:WzyZH+yf0

 あの、失礼ですが……

(,,゚Д゚)「はい?」

 ぷっ、あはははは!

(,,゚Д゚)「何だよゴルァ!!」

 ごめんなさい、あんまり変わっていないから、つい。
 あの、私のこと、おぼえていますか?

(,,゚Д゚)「え? え? あれ?」

 あ、やっぱり、おぼえてないですよね。
 いいです、ごめんなさい。

(,,゚Д゚)「その安物ヘアピン…もしかして薔薇の?」

 ……あ。

(,,゚Д゚)「……」

 ……。

(*゚ー゚)「こんにちは、ギコ君」
(,,゚Д゚)「ひさしぶり、しぃ」

今度こそ完
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