( ^ω^)「遊戯王で勝負しよーぜwwww」
この男、内藤ホライゾン(14)
とてつもなく大人気ない中学生である
なぜならこの男、とてつもなくキレやすいのである
2 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:31:43.25 ID:wmBIl2TQ0
(#^ω^)「テメー!!!なにがロックバーンだよ!!!ふざけんな!!!」
内藤はひたすら殴り続ける
右の拳で相手の鼻の下を殴り続ける、血が止まらない同級生
その様子を見て止めにはいる他の同級生達であるが、力の強い内藤の前に皆返り討ちにあう
「誰か内藤を止めろ!!!」「きゃー!!このままじゃ佐藤君が死んじゃう!!」
飛び交う悲鳴と止めろの声、しかし内藤は殴るのをやめない
( ^ω^)「ヒャハーッ!!!ウゼェエエエ!!!マジウゼェ1!!wwwどうだ?もう卑怯なデッキは使わないと誓えるか?」
同級生は鼻血を垂らしながら、泣きながら訴える「ああああ、痛い、ゆるじでえええ」
殴ることに飽きた内藤は佐藤を放す、その場で倒れこむ佐藤
ふと気がつくと、内藤の周りには内藤を止めようとした5名の男子が鼻血を出しながら倒れていた
( ^ω^)「うはwwwwまたやっっちったwwwwこれで5回目wwwwww」
4 名前:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
投稿日: 2006/06/06(火) 00:33:31.52 ID:wmBIl2TQ0
この事がきっかけで内藤は家庭裁判所行きが決定した
内藤に両親はなく、保護者も遠い親戚が一人だけだった。このような事件を頻繁に起こす内藤に親戚は呆れていた
手の負えないクソガキ、こいつをどうにかできないかと思っていたが、中学生とは思えない怪力に
親戚もあまり口出しできないでいた・・・・・しかし、今回の事件で内藤を少年院送りに出来ると思い
親戚は内藤と家庭裁判所へと出向いた
裁判は淡々と行われた
「何か言い残す事はありませんか?」
頭の悪い内藤には裁判がどのように進んで自分がどんな立場かは分からないでいた
何か言い残す事はないか?そう聞かれて内藤は何を思ったか事件のことを話し出した
「ロックバーンは気分を害す、あれは公式でも禁止にすべきだ」
内藤の言葉に裁判官は聞き返した
「暴力を起こしたことへの反省はないのですか?」
内藤は一瞬黙り下を向いた
しばしの静寂・・・・・1秒、2秒、3秒、時間がたつのがとても長く感じた
うつむきかげんの内藤の方が小刻みにう震えだす
プルプルと震える内藤、皆はどんなありきたりな反省の言葉を述べるのかと、皆が内藤を注目したが、答えは違っていた
内藤は笑っていた、思い出し笑いをするようにクスクスと
「わっははははははwwwwwwうぇうぇwwww」
大声が響き渡り、おなかを抱え笑う内藤、そして
「フヒヒヒwwwすいませんwww」
内藤の少年院行きが決定した
6 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:34:28.13 ID:wmBIl2TQ0
目が覚めると、内藤はベットに寝ていた
埼玉VIP少年院 通称VIP、ここは最近出来た少年の更生と社会復帰を目的とした少年院である
中には図書館、医療施設、体育館と、受刑者の少年達が自由に使うことの出来る空き部屋や、ホールが存在する
内部の装備はエアコンもあり、ユニットバス、水道、電気コンロがあり 常に清潔感を保った部屋が用意されている
自分の部屋を見て内藤はTVとゲームにPCは無いが、自分の部屋よりキレイだと喜んでいた
( ^ω^)「・・・・・大きな壁だ、ここまで高くする必要があるのか?」
この少年院に来て最初に思ったことがそれであった、少年院の建物は一部私設をのぞては全て出入り自由
自分の部屋に戻るのも自由であり、決められた時間に中に戻る事は強制されない
罪を犯した少年にはあまりにも自由な所である
内藤が疑問に思った壁・・・・・私設を取り巻く塀は高さが30m以上
私設のグラウンドはとても広く、端に行くまでに20分は掛かってしまうのではないかという広さだ
内藤は看守、通称先生に私設でのルールを説明される
自由に出入りでき、何処に何があるかとうを・・・・説明が終わると先生は帰っていった
先生達があつまる監視塔はVIPで唯一の立ち入り禁止区域である
施設の末端にあり、行くのには少し時間がかかるため、あまり近づかないようにしろと先生に言われた
( ^ω^)「さて、マジヒマだしブラブラしてよwww」
7 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:35:24.77 ID:wmBIl2TQ0
広い施設には各階に大きなホールが2つずつある
広間には人が溢れており、皆それぞれ気の合う奴と話し、喧嘩している者がいる
新入りの内藤を気にかける奴はおらず、皆それぞれ好きかってやっていた
( ^ω^)「ここでは飯が食えるのか」
食堂とホールは一緒になっているようだ、正確には食堂と通路を挟んで目の前にホールがあるのだが
ホールには喰い散らかした残飯や食器が転がっている
( ^ω^)「キタネェwwwすげー不衛生だなwwwキレイがウリじゃねーのかよwwww」
適当にイスに座る内藤
騒がしいホールの中で助けを求める声が耳についた、ふと振り返ると
数名にリンチにされている者がいた
(;><)「助けてください!!!」
「うるせぇんだよ!!」「ノロマが!仕事もできねぇのか!!クズが!」
腹を蹴られてゴホゴホと咽る、口を切っているのか血がだらだらと垂れていた
( ^ω^)「・・・・・・」
なんとなくだった、なんとなくこの時、この男を助けてしまった事が、内藤の人生を大きく変える事になってしまった
8 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:36:58.33 ID:wmBIl2TQ0
「喧嘩だ喧嘩だ!!」「いいぞー!!やれーやれー!!」「殺せ!殺せ!殺せ!」
内藤が4名の不良をボコボコにするのに時間は掛からなかった
不良が言う、「てめぇ・・・・俺たちにこんなことしてタダですむと思ってンのか?」
( ^ω^)「弱いな、出直してこい・・・・雑魚ww」
「コイツ新入りだぜ・・・へっ、後で思い知らせてやるさ、バーボンハウス、騎士に喧嘩を売った報いをな!」
不良たちはそれぞれに肩を貸し帰っていた
( ^ω^)「・・・・・大丈夫か?」
血を流し倒れている少年に手を差し出す
( ><)「・・ああ・・ああ・・・・・あ・・・、」
血を流しながら内藤の手を・・・・・払う
( ^ω^)「おい!なにするだー!!貴様!」
( ><)「どうして・・・・ぼくを、助けたんだ!!これじゃああなたまで!!」
新入りの内藤にはよく理解できなかったが、さっきボッコにした連中らしい
こいつが言うには必ず報復されると言っているが、自分にはどうでもいい
内藤は「助けてくれといったのはお前だ」と言い( ><)にビンタをした
内藤は反省房に入れられていた
喧嘩の現場をたまたま通りかかった先生に見られ、内藤は反省房行きとなった
暗い部屋・・・ただ狭く、毛布とせんべい布団が1枚だけの部屋、空調は効いておらず、室内は冷蔵庫のように寒かった
何時まで自分はここに入れられるのか?
内藤が入ってどのくらいたったのだろうか?時間の過ぎる速度が分からない内藤には3日も監禁されているような気がした
出して欲しいと思うが、辺りを包む静寂に内藤はそろそろ耐えられなくなっていた
自分の声するこだましない、叫んではいるが声がこだましない・・・・闇に全てが飲まれるのではないかと錯覚し
余計に不安を煽る
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」
毛布に身を包み、ただひたすら小さく丸まっていた
何時終わることも無い沈黙に、ただただ怯えていた
孤独は怖い
内藤は孤独には慣れていた、だが・・・それはあくまで、世界があってのものだった
自分以外の存在を目で確かめる事が出来、音も聞こえ、触ることが出来る
光がある世界の孤独
それが内藤の孤独の概念であり、もっとも慣れていた孤独
しかし、何も無い闇黒と、自分の心臓の音すら聞こえない無音・・・・内藤の孤独とはまるで違う世界だった
唯一の共通は、自分とその周りにあるものに触れることが出来るだけだった
身を丸め、自分の体を触り、そこに自分が居るということだけを感じているしか、孤独の中で理性を保てなかった
暗闇の中、光が差し込む
外に出れる!!内藤は光の指す方向に手を差し伸べる
「だしてくれーーーー!!!」腹のそこから声を出した
鍵が開き、檻の扉が開けられた
隣の部屋だった
反省房にまた新たに客人が迎られたそして
再び闇が支配した
??「内藤さんですか?」
暗闇の中、最初に声をかけたのは客人の方だ
( ^ω^)「そうだ」
内藤はこの孤独を紛らわせてくれる話し相手が出来た事に歓喜した
( ><)「先ほどはありがとうございました、助けてくれたのに、キツイ事を言って」
14 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:47:12.28 ID:wmBIl2TQ0
声を聞いて喉のつっかえが取れる
自分を暗闇に落とした原因だった「おまえかー!!!」
憤怒の炎が内藤にともる
「お前のせいで俺はこの中に!!!」
罵声を浴びせ、鉄格子をバンバン叩く、怒りを表に出し、ストレスを紛らわせようとしていた
( ><)「すいません・・・・自分のせいで・・・・」
今にも泣きそうな声で謝る、怒り疲れた内藤は、ヒマを潰すため会話を続ける
「お前、なんでこんなところにきたんだ?」
素朴な疑問を少しずつ解決していく、それが暇の潰し方だ
( ><)「・・・どうしても謝りたくて」
内藤は驚いた、自分に謝るために、わざわざこんな闇黒の世界に入ってくるとは
「お前は馬鹿だな、わざわざはいって来るなんてよ」
「すいません、僕はバカなんで・・・・だから皆から嫌われちゃうんですね」
たわいも無い会話を続けていく
気がつくと、お互いわだかまりも解け、自然と話せるようになっていた
16 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:48:27.92 ID:wmBIl2TQ0
反省房への出入りは自由らしく、外で先生に頼めば、指定した時間に外に出してくれるという
( ><)会話の中でこの男がビロードと言うことが分かった
そしてなぜリンチされていたのかも、バーボンハウスについても
まあ、リンチされていたのは、たんにビロードが使えない奴だからだが・・・・
バーボンハウス
このVIPにはそれぞれコミニティが存在し、受刑者が各フロアごとにコミニティをつくり、私設の使用権をめぐり
抗争が起きているそうだ
バーボンハウスはそのコミニティの1つで、1階の全てのフロア、を仕切っているという
1階に自分の部屋がある受刑者は、バーボンハウスに入らなければ、まともな生活は出来ないという
そしてこの少年院、各施設はそれぞれ受刑者達が管理運用しているとのことだ
図書館、食堂、医療私設までもが受刑者により動いている・・・・・・大人は何もしてくれない・・・それが
社会復帰と自立を目的とするVIPの規則である
内藤はVIPに来たときに先生からはそう言った説明はされなかった
ビロードにたずねると、先生はそういった説明はせず、私設で仲間を見つけ教えてもらい
自分もまたコミニティ入り、それを人に教えていくのだと
ビロードは自分が反省房から出るまで居てくれるという
壁一枚挟んでいるとはいえ、そばに誰かがいてくれる。そんな安心感に包まれ内藤は眠りについた
眠りから覚めた時、内藤とビロードは反省房から出る事が出来た
17 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:49:44.58 ID:wmBIl2TQ0
( ^ω^)「まぶしいな・・・・・蛍光灯が」
お日様の光よりも、私設の蛍光灯の光のありがたみを内藤は知った
( ><)「内藤さん・・・・内藤さんは1階に部屋があるんですよね?」
内藤は先ほどの話を思い出す、バーボンハウスに喧嘩を売った自分は、バーボンハウスに入ることは難しいだろう
( ><)「このままじゃ・・・・ご飯も食べれないですよ?」
水は自室で飲める、自室トイレは使える、シャワーもある・・・・しかし
電気・水道すらも受刑者が管理しており、1階の電気水道はバーボンハウスが管理している
( ><)「あの・・・・もしよかったら、僕の部屋で暮らしませんか?巻き込んでしまったのは僕の責任ですし
受刑者は与えられた部屋でしか暮らせないって訳じゃないんですよ、寝泊りは自由なんです!」
汚い体を洗うシャワーとトイレが使えるのはありがたいが
やはり飯を食べれる場所が食堂しかなく、バーボンハウスをなんとかしないとこの先、生活できない事には変わりなかった
( ><)「ここでは・・その、自分で仕事を見つけ・・・コミニティに貢献すれば、賃金じゃないですけど
ご飯、と電気、水道を使う権利を与えてくれるんです」
内藤は反省室での話を思い出す
そう言えば、そんなことを話していたような気がしないでもない・・・・そういえば、ここでは通貨みたいなのが存在すると
ビロードはズボンのポケットからクシャクシャの紙切れを出す
( ><)「これが、ここでの働いた代価・・・ペリカです」
汚い紙に、少年院の絵が印刷されており、「ショボン」と書かれていた
18 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 00:50:44.40 ID:wmBIl2TQ0
それぞれペリカは1ペリカ 10ペリカ 100ペリカ 1000ペリカ 10000ペリカとある
それぞれ、コミニティが紙幣を印刷し、それを先生達に提出、VIPの判子が押され、そこでコミニティのTOPの
サインが入る・・・・・コミニティのTOPの名前によって、各フロアでの価値は大きく違ってくるという
ビロードのペリカは1000ペリカと書かれている
この1000ペリカで1週間は食堂で飯が食えるというが、はたして内藤がこのペリカを持って行って
飯を作ってもらえるのだろうか
バーボンハウスには騎士と呼ばれる警察みたいなものがある
正確にはバーボンハウスに逆らったものを制裁するTOPの親衛隊のようなものだ
内藤は騎士に喧嘩を売ってしまったのだ
( ^ω^)「やれやれだ・・・・・・」
とりあえず、食堂に向う事にした
食堂は自分がはじめて来た時と同じように騒がしかった
人と人とがわいわいがやがやと楽しくやっている、ここは本当に自由な場所なんだと内藤は実感した
ふと壁にある張り紙に目をやると、自分が映っていた、どうやら自分はかなり嫌われてしまったようだ
自分の似顔絵が似ている事に少し笑ったが、あまり笑えないことが書いてあった
内藤が振り返ると、数名の男達が内藤を取り囲んでいた
「ようこそバーボンハウスへ!こいつはサービスだ受け取ってくれ!」
内藤は顔面にパンチを叩き込まれ、はなから鼻血が噴出した
26 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 01:08:22.53 ID:wmBIl2TQ0
気がつくと内藤は顔面がボコボコにはれ上がり、床を血でベトベトにしていた
顔の表情を歪めようとするだけで激痛が走る
目が青たんで晴れ上がり目を開けることが出来ない、辛うじてほんの少し目を開けることが出来るが
かすんでよく見えない、分かる事は目の前に誰かがいるという事だけだけだ
誰かは分からないが必死に何かを訴えている
「やめてください><」
誰かの泣き声とやめてくれの怒号
内藤は自分の立場を理解した
自分は庇われている、嫌、守られている 必死に
誰かが泣き叫び、横たわる自分の前に立ち、必死になって俺を守っている
内藤はこの現実が考えられなかった
内藤はいつも喧嘩の頂点に立っていた
馬鹿力でのし上がり、相手を黙らしてきた、最高の喧嘩は6人、全てをボコボコにしてきた
だが、今は自分がボコボコにされている・・・・・たった5人に
28 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 01:16:42.90 ID:wmBIl2TQ0
「><やめてください!!!」
人を守るためにこんなに大声で泣く事が出来るのか?
疑問を抱きつつも、この状況をなんとしてでも変えるしかない
内藤は馬鹿とは言え、多少は空気の読める男だ
「すいませんでした!!!!」
顔面の激痛を耐え、必死に土下座を始めた
「許してください!!自分が悪かったです!!!お願いです!!許してください!!!!!!」
化け物のように変形した顔を床にこすりつけ
必死に土下座をして許しをこう内藤
「お願いです!!お願いです!!!許してください><」
ビロードも必死に土下座をする
土下座をするブーンを中心にゲスな笑いがこだまする
バーボンハウスの騎士はなにか捨て台詞を吐き内藤の頭にタンをはきかけ去っていく
騎士が去った後も頭を下げ続ける内藤
しばらくしてビロードが声を掛けるまで頭を下げ続けていた
29 名前:
◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/06(火) 01:21:29.41 ID:wmBIl2TQ0
次に目が覚めると、内藤はどこかのベットの上に寝ていた
消毒液の匂いが鼻を刺激する 臭さに顔をゆがめるが、激痛が走る
「ぎゃあああああああああああああ」
顔だけではなく体も痛い
痛くて痛くてただ泣く事しか出来なかった、痛くて泣き叫ぶ
そのたびに激痛が走る、泣くと激痛、泣くと激痛、その連鎖が繰り返される
そして
内藤は考えるのをやめた
いや、強制終了・・・・・気絶である
次に目を覚ましても・・・痛みで同じ事を3回も繰り返した
( ><)「内藤さん・・・・・大丈夫ですか?」
目が覚めるとビロードの顔が見えた ビロードで安心感を覚えたのは2回目だった