大量の血を流して倒れる内藤、手首からはとてつもない量の血が吹き出る
「なんでこんなことになったのだろうか・・・」
薄れ往く意識の中内藤は今日一日を思い返す
あの時の選択さえ間違わなければ
自分という人間の欲望さえ分かっていれば
こんなことにはならなかったのに
「これじゃあ使い物にならないな、せめて働いてから死んでくれればよかったのに」
ショボンの声が耳に入る
内藤は胸の奥底から湧き上げてくる何かを必死に言葉にしようとした
その結果、頭の中をよぎった言葉は
こ の ま ま じ ゃ 死 ね な い !
もう一度立ち上がるしかない
( ^ω^)は大人げなく、キレやすいようです第2部
〜黒い花編〜
ここしばらく、仕事を終えると内藤は遊技場でドンジャラを打ちに行っていた
今日の仕事場はVIP1階の最西端、普段絶対に通らないような場所だ
1階は少し大きめの廊下通りを中心に2つのメイン廊下で別れている
内藤とビロードの居る部屋があるのは東棟の中央沿い
今日の仕事場は西棟の一番奥に当たる、用事も無い限りだれも寄り付かないようなところだった
仕事中は気にならなかったが
帰りの道で通りすがりの受刑者に目がいってしまう
擦れ違う相手擦れ違う相手、皆それぞれ体の一部が欠けている
中には両足が無く車椅子の受刑者も居る
ここは身体障害者が多く住むところなのだろうと
内藤は自分を納得させた
たしかにその通りだが・・・・・なぜ身体障害者になったのか
その理由を内藤は導き出せなかった
汚く壁に貼られたポスターに、「地下での作業を募集」と書かれていた
だれも気がつかないくらい汚いポスターが
快勝を続けていく内藤
内藤とよくドンジャラをする仲間も今の内藤を止める事は出来ないと思い
なかなか内藤と勝負をしてくれようとしない
しかし、それは内藤の勝利に妬んでの事ではなく
今の内藤への尊敬、誇りを持ち
より強い相手と勝負をしてさらなる高みへと進んで欲しい、自分のような奴と打たず
もっと上を目指して欲しいと言う、気持ちからのことだった
( ^ω^)「・・・・なんだよ、つまんないな」
当の本人は気がついていなかった
ここが内藤の分かれ道だった
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名前: ◆TWITbguOWY 投稿日:
2006/06/08(木) 22:06:45.04 ID:Za1HLkDp0
「あんた内藤か?」
振り返ると内藤よりも背の高い受刑者が立っていた
普段よく見かけない奴だった、こんなに人が居る遊技場ですら一度も見たことが無い
不信感、不安、そんな気持ちが胸をよぎるが
自分が相手に恐れをなしているという事を察知されてはなるまいと、内藤は気丈に振舞った
( ^ω^)「自分が内藤ですけど、なにか?」
気を遣えば遣うほど、声が上ずってしまう
「噂は聞いたぜ、なんでもここで最強らしいな?」
内藤はこの男はドンジャラをしようと誘っていると分かったが
やはり、不安と不信感は大きくなるばかりだった
( ^ω^)「自分と、ドンジャラですか?」
分かりきってはいるが一応聞いて見ることにした
答えはYESだった
内藤はその男の後を追い遊技場の一番はじ、バーボンハウス特別卓へと案内された
空気が明らかに違っていた
遊技場の中でここだけひときわ静かで、誰もこの場所を見ようとはしない
壁に覆われているわけでもなく、遊技場の受刑者達はこの一角だけはだれも覗こうとしていなかった
「まっていたいよ、内藤君」
(´・ω・`)「ようこそバーボンハウスへ」
初めて会う男は見慣れた顔の男だった
自分の財布の中に2枚ほどあるペリカ、それに印刷されている男だった
こいつが・・・・こいつがこのVIP1階を全て仕切っているショボン
おごりだと言って飲み物を出された
( ^ω^)「酒・・・・?」
「バーボンだよ、飲んだこと無いのか?」
バーボンは名前だけは知っている、実際に飲んだことは無い
だが、そんなことに驚いているのではない、なぜここに酒があるかということだ
ここは少年院、いくら特殊な少年院でもなぜ酒があるのか
内藤は手にグラスを握り、これから行われるドンジャラに不安を感じた
積み込みでもされているのではなかろうか?
自分もなんでこんな勝負を引き受けたのだろうか?
流れに飲み込まれ、気がつくと自分はこんなところに・・・・
サイコロを振るショボン
(´・ω・`)「・・・・・君が親だよ内藤」
牌をとっていく内藤
積み込みでもされていればそれまでだが、一体自分に何をしたいのだろうか?
何気なしに牌を並べていく
やはり積み込みをされていた
(´・ω・`)「どうだした内藤君?はやく切れよ」
切る事は出来なかった・・・・・何故なら
( ^ω^)「・・・・・・・揃ってる・・・・」
あからさまな積み込み、これは内藤への宣戦布告・・・・
いや、バーボンハウスからの死刑宣告だ
内藤は席を立ち帰ろうかと思ったが、やはりできなかった
気がつけば内藤の周りを他の受刑者が囲んでいた・・・・
「すげー、天和だぜ」「さすが内藤だな」
自分の周りを取り囲む観客達
あたかも自然と周りを囲み内藤の自由を奪う作戦だろうか?
( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・」
(´・ω・`)「いやー、さすがだね内藤君・・・・こんなに強いとはおもわなんだ」
点棒を内藤に渡し、牌をかき混ぜる3人・・・・内藤に離籍は許されなかった
(´・ω・`)「さあ、もう一回やろうか?」
気がつけば、先ほどからずっと1位で2チャ終わらせていた
最初の積み込みから、自然な積み込み
しかも、ずっと内藤を勝たせ続ける3人組
周りの観客も内藤の勝利に歓喜の声を上げていた
も う こ の 場 を 離 れ る 事 が で き な い
(´・ω・`)「いやー強いね内藤君・・・・・ここはどうだい?レートをあげてみないか?」
レートを上げた所で内藤から取れるものなど何も無い
この男は何を考えているんだ?何が望みだ?
内藤は疑心で男の目を見た・・・・・やはり見えてくるのは内藤を罠にはめるという意思のみだった
( ^ω^)・・・・・・・・命が望みか
( ^ω^)「・・・・・・なにが望みですか?」
内藤の発言にまっていたとばかりにショボンの目が輝く
(´・ω・`)「・・・・・・・不足しているんだ、労働者が」
労働者の不足?このVIPにか?
いや、最近では便所掃除くらいしか残ってないくらい職が満員のはずだ
こんなに人が溢れているのに・・・・・なぜ労働者を
( ^ω^)「・・・・・・・やるしか・・・ないんですね」
(´・ω・`)「それはドンジャラで勝負してからだよ・・・・・」
負ける、負ける
内藤は負ける事を覚悟していた・・・・
ホンの一瞬自分が強い奴と戦えると喜んだ事が馬鹿みたいに思えた
だめだ・・・・書き溜めしていたのが消えてしまって
これいじょうはさすがに精神が磨り減ってしまう
すまない・・・・俺のミスなのに
ごめん、今日はここまでです・・・すんません