( ^ω^)が歌手になりたいようです-第一部

その日いつものようにブーンはドクオと一緒にカフェに来ていた。

ウエイトレス「ご注文は?」

('A`)「アメリカン」

( ^ω^)「オレンジジュースお願いしますお」

ウエイトレス「かしこまりました。少々お待ち下さい」

('A`)「とうとう俺たちも4月から3年だな・・・今年の終わりには就職活動か・・・」

ドクオがため息をつく。今年の4月から二人はVIP大学の3年生になる。

( ^ω^)「まったく月日がたつのは早いお。ドクオは将来の希望とかあるのかお?」

('A`)「俺?俺はまあ、とりあえず無難に銀行勤めでもできりゃ万々歳かなとか思ってるけど
今就職難だしな。最悪どこでもいいから就職できりゃそれで満足だよ。」

( ^ω^)「うはwwww相変わらずドクオは夢も希望もないお」

('A`)「ほっとけよ・・・ブーンはどうなんだ?」

( ^ω^)「僕かお?僕は・・・」

今までへらへらしていたブーンの顔つきが変わった。それにドクオは少し戸惑う。

('A`)「な、なんだよ急に真面目になって」

( ^ω^)「実は・・・僕は、僕は歌手になりたいんだお」

ブーンのあまりに厨房な発言にドクオは一瞬言葉を失った。

('A`)「ちょwwwwwは!?え!?それはガチで言ってるのか!?」

( ^ω^)「ガチもガチ。おおガチだお。僕は真剣なんだお」

('A`)「マジかよ・・・まあおまえ音楽大好きだもんな・・・」

( ^ω^)「もう音楽は僕の生きがいなんだお。」

('A`)「そうかあ・・・いきなりだけどなんだか思い出すなあ・・・あれやこれや・・・」

( ^ω^)「ちょwwwwかってに回想シーンに入るなおwwww」

('A`) <推奨BGM ムーンリバー

ドクオとブーンが初めて出会った日のは大学1年の5月の事だった。
念願のVIP大学にどうにか補欠で入学できたのはいいが人見知りが激しいためまったく友達ができなかった。
そして気がつけば周りはもうグループで固まっていてドクオは完全にあぶれてしまった。

('A`)「あーあ・・・大学じゃたくさん友達できてサークルにも入ってそこで彼女ができたりして
念願のセクロスができると思ってたのにな・・・やっぱ現実はそう甘くないよな・・・」
そんな事を考えながらドクオは授業を受けていた。
大学は高校と違いとても広い部屋で授業を行っている。この教室だけで300人以上の人間が授業を受けていた。

('A`)「・・・」
ドクオはごそごそと鞄から持ち運び用の小型CDプレーヤーを取り出した。

('A`)「俺、真ん中の方にいるし・・・先生こっち見てないし・・・大丈夫だよな・・・」

そう自分に言い聞かせ、ちょうど今朝買ってきたCDをだす。

('∀`)「うえへへへ・・・」

どうやらドクオはもう授業を放棄し、CDに没頭しようと決めたらしい。

 たいていの子供は中学生くらいから音楽を聴くようになる。

ドクオも中学くらいから音楽を聴くようになった。その頃はSMステーションやOH!OH!YES!などの人気音楽番組を欠かさず
観ていて人気フォークデュオ「もず」や人気バンド「ラノレク」「グロイ」等を聴いていた。
その他にもオリコン上位の曲は何でも聴いていた。
みんなと話が合うように、みんなと友達になれるように。
しかしドクオは徐々にオリコンには興味を示さなくなった。
CD屋で視聴したりラジオを聴いたりして自分が良いと思った音楽だけを聴くようになった。
人と話を合わすために音楽を聴くのはおかしいし、音楽に対して失礼だと気づいたからである。
そうして次第にドクオはマイノリティな邦楽ロックを聴くようになり、それに伴い友達は少なくなっていた。
でもドクオは気にしなかった。音楽があったから。
人と話を合わせたいというだけの理由で聴いていた音楽は、いつしかドクオにとっての支えになっていた。

('A`)「友達なんかいなくたって音楽があれば俺はやっていけるよ・・・」
そんな事を考えながらドクオは音楽に身をまかせていた。その時・・・

ぽんっ。

('A`)「おうっ!?」

急に肩を叩かれドクオは我に返る。

( ^ω^)「ほい。プリントだお。後ろから回ってきたお。」

('A`)「あ、ああ・・・すんません・・・」

プリントを受け取ったとき、ふとその顔に見覚えがあるのを思い出した。
そしてそれは向こうも同じようだった。

( ^ω^)「あれ?君見たことあるお。もしかして同じ科の子かお?」

('A`)「え・・・俺はエロゲ科っすけど・・・」

( ^ω^)「やっぱり!僕もエロゲ科だお!」

ああ、だから見たことあったのかとドクオは納得した。

( ^ω^)「奇遇だお。ってあっ!?そのCD!!ワロカンの今日発売のやつだお!?」

ブーンは半ば興奮気味にドクオの机に置いてあるCDを指す

('A`)「えっ。ワロカン知ってる!?」

ワロカンとはワロスンカンフージャナレーションの愛称で今でこそ大人気バンドであるが
当時はまだまだマイナーな存在であった。

( ^ω^)「知ってるも何もミニアルバム崩壊アンヤメテの時からの大ファンだお。君は?」

('∀`)「お、俺も!俺も崩壊からファンになったんだ!」

( ^ω^)「うはwwww結婚ktkrwwwwwwww僕は内藤ホライゾンだお。ブーンでいいお。」

('∀`)「じゃ俺はドクオで」

( ^ω^)「おし。ドクオ、2限終わったら一緒に昼食べるお。学食行こう。」

それから授業の終わったあと二人は学食へ向かった。
そして二人で好きなミュージシャン達を言っていったらなんとほとんど同じ人たちであった。
それ以来二人は大の仲良しとなったのだ。

ウエイトレス「お待たせいたしまいたご主人様。アメリカンとオレンジジュースです。」

ウエイトレスが飲み物を持ってきてやっとドクオは回想から戻ってきた。

( ^ω^)「でさ・・・」

('A`)「なに?」

( ^ω^)「欲を言えば僕はドクオと一緒にバンド組みたいお」

('A`)「マジかよ。てかバンドは2人じゃ機能しないだろうが。
せめてあと1人いなきゃ。しかも俺音楽はやるより聴くほうが好きだし」

ドクオがそういうとブーンは「やっぱりな」とでも言いいたげな顔をした。

( ^ω^)「・・・そういうと思ったお。一人じゃ寂しいから万に一つの可能性をかけて言ってみただけだお」

('A`)「そうか良かった。そういえば俺お前の歌聴いたことないけど歌うまいの?
歌は音程じゃなくて心だおとか言ったらブン殴るぞ」

ブーンとドクオはいつも一緒にいて
ライブやイベントに行ったりしていのだがカラオケ等は行ったことがなかった。
しかも二人とも音楽が好きな割には普段から鼻歌すら歌わないので
お互いの歌声を聴いたことがなかったのだ。

( ^ω^)「自分ではうまいかどうか分からんけど唯一ブーンする事以外でみんなから褒められたのが実は歌なんだお」

('A`)「お世辞とかではなくてか?」

( ^ω^)「僕が今までお世辞でも褒められた事があったかお?」

('A`)「・・・スマン」

( ^ω^)「謝らなくていいお。こっちが辛いお。」

('A`)「しかしいつから歌手になりたいと思ってたんだ?おまえ全然そんな素振りみせてなかったよな?」

( ^ω^)「高校の時からだお。音楽聴き始めたのもそれからだお。」

('A`)「だけど・・・へぇ・・・歌手か・・・ブーンぽいっつったらぽいけどな・・・」

そう言ってドクオはぼんやりとウエイトレスを眺めていた。

( ^ω^)「こんな事言ったのドクオだけだお。恥ずかしいから内緒にしてくれお。」

('A`)「安心しろよ。俺おまえとあとネコぐらいしか友達いないから。」

( ^ω^)「そういえばそうだお。安心したお。持つべきものは友達のいない友達だお」

('A`)「ちょwwおまえだって俺しか友達いねえじゃねえか!」

( ^ω^)「バーローwwwww僕はもうあと2人ほどいるおwwww」

それから小1時間ほど二人でバカな話をした後、カフェから出て二人は別れた。

('A`)「じゃな。・・・なんつーか、ガンガレ」

( ^ω^)ノシ「ガンガルおwwwサンキュ。ばいばいおー」

その夜、家に着いたブーンは部屋で悶々としていた。

( ^ω^)「はあ・・・とうとうドクオに打ち明けてしまったお。もう後にはひけないお。」

( ^ω^)「あああ、なんかこっ恥ずかしくなってきたお。こんな時はCDでもきくお。」

そんな独り言を呟きながらブーンはコンポにCDを入れた。
印象的なギターソロが始まり、そこからベース、ドラムが重なり爆音となりブーンの耳に届く。

( ^ω^)「うはwwwwwwやっぱブンバーガールは最高だお。」

ブンバーガールとは2002年に解散してしまった伝説のロックバンドでありニュー速市で行われた
ラストライブは未だに語り継がれている今もなおファンの多いバンドである。
ブーンが世界で一番好きなバンドだ。

( ^ω^)「右肩!エロゲが!張り付き!ヤバスー!!!!!」

CDと一緒にブーンが歌いだす。歌ってるときがブーンは何よりも楽しかった。生きていると思った。
一生歌っていたい。そう思っていた。

( ^ω^)「歌は最高だお。僕が今元気なのも歌があったお陰だお。」
ブーンはふと高校時代を思い出していた。

高校の時、ブーンにはショボンとギコという二人の親友がいた。
あいにく大学は離れてしまったが中学から高校までずっと一緒にいた。今でもこの二人とは仲がいい。
ブーンはいつもショボンとギコの3人でいた。今のドクオとそうであるように。
ショボンは優しく頭脳明晰。運動神経もバツグンで生徒会長までやっていた。
ギコは口調は荒いがリーダーシップがあり、運動部で主将もやっていて二人とも大変人気があった。
一方ブーンは走るのは早いが他はとくにこれといった特徴もなくどちらかというと落ちこぼれでタイプであった。
しかし3人はそんな事気にせず楽しくやっていた。
だが、そんな3人の関係を妬ましく思っているのもクラスに少なからずいた。
「なんであんな落ちこぼれが人気者二人とつるんでるんだ?」そう思う人間がいたのである。

そしてそれは、ある日起こってしまったのだ。

<ヽ`∀´>「おはようニダ、内藤君」

( ^ω^)「ニダー君。おはようだお」

<ヽ`∀´>「あれ?ショボン君とギコ君は?今日は一緒に来てないニダね。」

( ^ω^)「ショボンは生徒会の集まりでギコは朝練で今日は二人とも早いんだお」

<ヽ`∀´>「へえ。そうニダか」

ニダーはクラスであまり目立たない方だった。ブーンともめったに話さなかった。
そしてニダーはショボンに憧れていた。何でもできて心優しいショボンになりたいとすら思っていた。
仲良くなりたいと思ったが内気なニダーはなかなかショボンに話しかける事ができなかった。
そして彼はいつも思っている事があった。
「なんで内藤なんかがショボン君やギコ君と仲が良いんだ。あいつにはなんのとりえもないくせに」と。
日に日にその思いは増していき、いつしかニダーは本気でブーンを憎むようになった。
「あいつをズタズタにしてやる。」そう思うまでになってしまった。
しかし暴力を振るったらすぐに誰がやったかバレてしまう。
そしたらショボン君に嫌われてしまう。だから、ココロを、精神をズタズタにしてやろう。
そう彼は考えていた。

<ヽ`∀´>「ところで内藤君、聞きたいことがあるニダけど・・・」

( ^ω^)「うん?なんだお?」

<ヽ`∀´>「そのショボン君とギコ君の事ニダ。」

( ^ω^)「あいつらがどうかしたのかお?」

「あいつら」
ブーンがそう呼んだのがニダーは気に入らなかった。

<ヽ`∀´>「なれなれしくあいつらなんて言うんじゃないニダ・・・」

( ^ω^)「え?何?聞こえなかったお?」

<ヽ`∀´>「あ、ああごめんニダ。カムサムニダ」

ハッとニダーは我に返る。どうやらつい声に出してしまったようだ。
幸い小声だったようで聞こえていなくて良かった。もし聞こえていたら
自分がブーンを嫌っている事がばれてしまう。それは避けなければ。

<ヽ`∀´>「あのさ、内藤君、あの二人に何かしたニダか?」

( ^ω^)「へ?うーん。特になにもしてないと思うお。普通に喋ってるだけだお。」

<ヽ`∀´>「なーんだ、そっかーやっぱり僕の聞き違いだったニダね。」

そういってニダーはほっと胸をなでおろした。もちろん、それは全て演技なのだが。

( ^ω^)「聞き間違い?どういうことだお?」

<ヽ`∀´>「え!?いや、なんでもないニダ!こっちのこと!アイゴーアイゴー!」

わざとらしくニダーは慌ててみせる。その素振りがますますブーンは気になった。

( ^ω^)「なんだお?気になるお。」

<ヽ`∀´>「いや実はさ、僕昨日聞いちゃったニダ・・」

( ^ω^)「?」

<ヽ`∀´>「二人が内藤君の事をむかつくとかなんとか言ってたニダ」

( ^ω^)「え!?二人が!?」

<ヽ`∀´>「い、いや、でも多分さっきも言ったけど僕の聞き違いニダよ!
だって内藤君何もしてないニダろ?だったら言うハズがないニダ。」

( ^ω^)「・・・うん・・・」

<ヽ`∀´>「元気だすニダ。ぜったい僕の聞き違いニダ。
それによく考えたらあの二人が内藤君の悪口言うわけないニダ。
変なこといって悪かったニダ。謝罪するニダ。」

(´・ω・`)「おはよ」

(゚Д゚)「おっす。」

ガラっと教室の戸が開きギコとショボンが入ってきた。

( ^ω^)「あ・・・おはようだお・・・」

(´・ω・`)「?」

<ヽ`∀´>「ギコ君、ショボン君おはようニダ!」

(゚Д゚)「ああ、ハヨー」

(´・ω・`)「ニダー君おはよう」

<ヽ`∀´>「じゃ内藤君、またニダ!」

そう言い残しニダーは自分の席に戻っていった。

(゚Д゚)「ニダーと話してるなんて珍しいな。やっとお前にも俺ら以外にダチできたかww」

( ^ω^)「・・・」

(´・ω・`)「どうした?なんか元気ないぞ。」

(゚Д゚)「・・・腹でも壊したか?」

二人が心配そうに聞いてくる。

( ^ω^)「な、なんでもないお!ちょっと二人で鬼畜エロゲについて語ってて
あまりにも燃え上がったから疲れちゃったんだお!」

ブーンは不安を悟られないよう明るくふるまった。

(゚Д゚)「おまwwww朝からそんなヘビーな話してんなよwwww」

(´・ω・`)「はは。エロゲ話でそこまで疲れるなんてバカだなww」

( ^ω^)「無駄な心配かけてゴメンだお。そろそろ予鈴だから席着くといいお」

(゚Д゚)「お。ヤベ、早く席着かないと担任うるせんだよな。」

(´・ω・`)「じゃブーン、授業中寝るなよ。」

二人がそう言って席に着くのをブーンは複雑な気持ちで見つめていた。

( ^ω^)「(二人が僕にムカつくなんてそんな事はないお。仮にそうだとしても
ギコはハッキリしてるから僕が何かしたらその場で怒鳴られてるはずだし
ショボンだって注意してくれるはずだお。やっぱりニダー君の聞き間違いだお。)」

ブーンはそう自分に言い聞かせたが頭の中ではニダーの言葉がこびりついて離れなかった。

「二人が内藤君の事をムカつくとかなんとか言ってて・・・」

( ^ω^)「(・・・聞き間違いに・・・決まってる・・・お・・・)」

 小学校までブーンはいじめにあっていて友達がいなかった。
何をしても笑われた。聞こえるように悪口を言われた。
1年から6年まで、ずっとずっとそうだった。
原因は分からなかったが、いじめなど得てしてそんなものだろう。
おそらくこんな日が死ぬまでずっと続くのだろう。ブーンはいつもそんな事を考えていた。
しかし中学にあがりギコとショボンにであった。
二人はその時からとても人気があった。
そしてどういう訳か気づけばいつもブーンのそばにいてくれた。
二人に出会ってからいじめもなくなった。笑えるようになった。
3人でいるのがとても心地よかった。
ブーンは二人が大切で大切でしかたなかった。
その二人にもし嫌われたら・・・そう思うだけでブーンは目の前が真っ暗になった。

その時ニダーはこみ上げる笑いを抑えるのに必死だった。

<ヽ`∀´>「(ニダニダニダwwwwあんなにうまくいくと思わなかったニダ。顔真っ青にしちゃってたニダwwww
やっぱり日本人はバカニダwwwwwww)」

あまりにもあっさりだまされたブーンが面白くてしかたないようだった。
そしてそんなニダーをみてショボンはふと考えた。

(´・ω・`)「・・・(あいつ・・・ブーンに何か言った・・・?いや、でも決め付けるのはまだな・・・)」

ショボンは前々からなんとなく気づいていた。ニダーがブーンを嫌っていることに。
だから今朝二人が話していて、その時ブーンの様子がおかしいのが非常に気になったのだ。

(´・ω・`)「(ブーン・・・ぜったい嘘ついてるよな・・・)」

ニダーに何を言われたのかはともかく、ブーンが嘘をついてるのは確信していた。
なぜならブーンは鬼畜エロゲーが嫌いだからである。
最終痴漢電車よりも姉、ちゃんとしようよが好きだからである。

(´・ω・`)「(ニダーか・・・気をつけないとな・・・)」

それから1ヶ月後の休み時間・・・

(゚Д゚)「(ふうー50分我慢した後の立ちションは最高だぜ・・・)」

(゚Д゚)「(にしても最近ブーン元気ないよな・・・)」

(゚Д゚)「(あんまこういう考え方したくねえけど・・・最近ニダーと話すようになってからなんだよな・・・)」

あの日以来、ニダーとブーンが話しているのをよく見かけるようになった。
そしてあの日以来、ブーンは目に見えて元気がなくなっていった。

<ヽ`∀´>「あ、ギコ君。」

ギコが用をたしているとニダーが入ってきた。

(゚Д゚)「・・・お、おう、ニダー」

<ヽ`∀´>「ふう〜。トイレマンセー。」

(゚Д゚)「な、ニダー。」

<ヽ`∀´>「ニダ?なにニダか?」

(゚Д゚)「お前最近ブーンと仲良いよな。」

自分でも唐突だと思ったが他に話の切り口が思い浮かばなかった。

<ヽ`∀´>「仲良いっていうか・・・、まあよく話しはするニダね。」

その言い方がギコは少し気になったがそのまま話を続ける。

(゚Д゚)「じゃお前もブーンの元気がないことに気づいてるだろ?」

<ヽ`∀´>「ギコ君も気づいてたニダ?うん・・・僕も気になってたニダ。」

(゚Д゚)「なんでかお前、原因知ってるか?」

ギコがそういうと、ニダーはひどく気まずそうな顔をした。

(゚Д゚)「なんだよ。お前ブーンからなにか聞いてるのか?」

ギコがニダーにつめよる。

<ヽ`∀´>「まあ・・・いや、でもギコ君は聞かないほうがいいニダ。」

(゚Д゚)「なんでだよ。教えてくれよ。俺やショボンが聞いてもあいつ何も言わないんだ。なあ、頼む。」

ギコがそういうとニダーは仕方なく、といった感じで話し出した。

<ヽ`∀´>「実は、内藤君は二人の事で悩んでるニダ。」

(゚Д゚)「えっ?俺らのことで!?」

ニダーはこくりとうなずく。ギコは驚きを隠せなかった。

<ヽ`∀´>「最近二人にたいしてすごくイライラしてる。そう言ってたニダ。
そして僕は今ブーン君の悩みを聞いているニダ」

(゚Д゚)「・・・・・・」

キーンコーンカーンコーン・・・
まるで、謀ったかのようにチャイムがなった

<ヽ`∀´>「おっ、授業ニダ。ほら、ギコ君もはやく、教室に戻るニダ」

(゚Д゚)「あ・・・お、おう」

二人はダッシュで教室へ戻る。廊下を走りながら、ギコはブーンの事を考えていた。

(゚Д゚)「(ブーン・・・嘘だろ。俺ら、お前に何かしたか・・・?)」

ガララッ
勢いよく戸が開きギコとニダーが入ってきた。

( ^ω^)「(ギコ・・・ニダー君と一緒だお・・・何話してたお?)」

あの日以来、ニダーは毎日ブーンの元へやってきた。
そしてその度に言うのだ。

「今日はアイツがブーンを悪く言っていた」と。そして「自分は味方だ。」と。

人は良い噂より、悪い噂を信じ込むものである。ブーンはすっかりニダーに騙されていた。
たったの1ヶ月であんなに大切に思っていたギコとショボン、仲の良かったクラスメイト達のことより
ニダーの方を信じ込んでしまっていた。他の人間は全て敵にさえ見えていた。

( ^ω^)「(きっとまた・・・ギコは僕の悪口を言ってたんだお。・・・なんでだお・・・
なんでこんな風になったんだお・・・)」

ブーンは悲しそうにギコとニダーを見つめていた。

そしてギコとニダーを見つめているのがもう一人・・・

(´・ω・`)「(ギコ・・・?なんか様子が変だな・・・)」

(゚Д゚)「・・・・・・・・・。」

ショボンは何かに動揺している様子のギコにすぐ気がついた。

(´・ω・`)「(あいつ・・・どうしたんだ?)」

<ヽ`∀´>「・・・・・・」   

(´・ω・`)「(ニダーもなんだかしてやったりみたいな顔してるし・・・)」

ニダーのその顔にショボンは見覚えがあった。
あの日、ブーンとニダーが話していたあの日も彼は同じような嫌な笑いを浮かべていたのだ。

(´・ω・`)「(・・・休み時間になったらギコに聞いてみるか・・・」

 

 

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