826 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:01:36.70 ID:j0H7/fQ80

ξ゚听)ξ「お姉ちゃん・・・止めて・・・」

ツンの言葉が聞えないのか、ユリは喚きながら壁を引っ掻き続ける。

ξ゚听)ξ「(・・・・・・)」

ツンの精神状態はもう限界に来ていた。

ξ゚听)ξ「止めてって言ってるでしょう!?」

J゚-゚)「!」

ツンは大声で怒鳴った。ユリはそれに驚いて壁を引っ掻くのを止める。
怒鳴った事により、ツンが今まで気づかないフリをしていた
ドロドロした感情が一気に込み上げてきた。そしてそれを抑える事などツンにはできなかった。

ξ゚听)ξ「誰の為にバイトしてると思ってるのよ!お姉ちゃんの為じゃない!
私だってバイトなんかしたくないわよ!もっと絵を描いていたいし、
友達と遊びたいし、好きな人とも一緒にいたい!!」

J゚-゚)「・・・・・・」


827 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:02:47.34 ID:j0H7/fQ80

ユリは悲しそうにじっと下を向いている。

ξ゚听)ξ「なんでそれを分かってくれないの!?なんでありがとうって言ってくれないの!?
私お姉ちゃんの為にどれだけいろんな事を我慢してきたと思ってる!?
お姉ちゃんのせいで、私やりたい事だってちゃんと出来ない!
疲れてたって、誰にも助けてもらえない!!」

J゚-゚)「ツンちゃん・・・」

ξ゚听)ξ「私一人なら仕送りだけで十分やっていけるのに!!
お姉ちゃんがいるから、私は・・・お姉ちゃんなんか!!」

オ姉チャンナンカ、死ンジャエバイイノニ

ξ゚听)ξ「!」

やっとツンは正気に戻る。自分は今なんて残酷な言葉を言おうとしたのだろう。
なんて残酷な言葉で傷つけたのだろう。


828 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:03:53.12 ID:j0H7/fQ80

J;-;)「ツンちゃん・・・ごめんね・・・ごめんなさい・・・ユリの事、もう嫌いになっちゃった・・・?」

ユリは泣きながらツンに謝る。しかしツンはそんなユリを直視できなかった。

ξ゚听)ξ「私・・・もうバイト行くね・・・」

そう言ってツンは部屋から出て行った。

J;-;)「ツンちゃん・・・ツンちゃん・・・」



ツンはどうしようもなく重たい気持ちでバイト先へと向かった。
疲れてたとはいえ、よくもあんな酷い事が言えたものだと思った。


829 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:05:01.80 ID:j0H7/fQ80

本当はユリだって施設に入ったほうが良かったのかもしれない。
そうすればこんな苦労などさせなかった。
きっともっと幸せでいられたのかもしれない。
それを自分が無理やり右も左も分からない東京にいきなり連れて来たのだ。
一緒にいたい、それだけの理由で。
もしかしたらユリは、自分の事を恨んでいるかもしれない。
なのに自分はあんなにも酷い事を言ってしまった。そして言ってしまった事はもう取り返せない。

ξ゚听)ξ「(ブーン・・・)」

ツンは携帯電話をバッグから取り出しブーンに電話する。
無性に彼の声が聞きたかった。しかしブーンが出る事はなかった。

ξ゚听)ξ「(バカ・・・)」

ξ;凵G)ξ「なんで出てくれないのよ・・・?」

バイト中もブーンは来なかった。
バイトが終わり携帯を見ても彼からは何の連絡もなかった。


832 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:07:48.16 ID:j0H7/fQ80

ξ゚听)ξ「(・・・帰るか・・・)」

店長「あ、ツンちゃんお疲れ様。今日はケーキがたくさん余ったんだけど
何か持っていくかい?」

店長はそう言ってケーキの棚を見せる。

ξ゚听)ξ「・・・じゃあ、ショートケーキとチョコレートケーキ下さい・・・」

チョコレートケーキはユリの一番好きなケーキだった。

今日帰ったら、ユリにちゃんと謝って許してもらおうとツンは思った。


833 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:08:58.43 ID:j0H7/fQ80

ξ゚听)ξ「あれ・・・?」

家に帰りインターフォンを鳴らしてもユリから応答はなかった。

ξ゚听)ξ「(もう10時だし、先に寝ちゃったのかな?)」

ツンは鍵を使って家に入る。人の気配は、なかった。

ξ゚听)ξ「お姉ちゃん?」

ツンは姉を呼んだ。しかし返事はない。

ξ゚听)ξ「お姉ちゃん?お姉ちゃん!」

ふとツンがテーブルに目をやるとそこには「ごめんなさい」と書かれた手紙が置いてあった。

ξ゚听)ξ「(お姉ちゃん!?まさか・・・)」

ツンに嫌な予感が走る。その時・・・

ピンポーン

突如インターフォンがなり、ツンは確認もせずドアを開けた。


834 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:10:02.63 ID:j0H7/fQ80

ξ゚听)ξ「お姉ちゃん!?」

( ^ω^)「あ、ツン久しぶりだお。さっきは電話出れなくてごめんだお。」

そこには久しぶりに見るブーンがいた。

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

( ^ω^)「や、やっぱり突然、しかもこんな時間に来てまずかったかお!?
でもなんだかツンが気になって・・・って、えっ!?」

ツンはブーンを抱きしめた。
会いたくて、声が聞きたくてたまらなかった。

( ^ω^)「ツツツツツツツン!?どどどどどうしたんだお!?」

ξ゚听)ξ「・・・お姉ちゃんが、いなくなったの・・・私の・・・せいで・・・」

( ^ω^)「えっ!?」

ツンはブーンを部屋に招き、今までの事を話した。


836 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:11:05.18 ID:j0H7/fQ80

( ^ω^)「それは大変だお!!早速探しにいかないと!!」

ξ゚听)ξ「うん・・・ねえ、ブーン、今の話聞いて、どう思った?」

( ^ω^)「へ?」

ξ゚听)ξ「今の話聞いて、私の事どう思った!?」

そう言うと、ブーンは少し黙り込む。
答えを聞くのがツンはとても怖かったがでも聞かずにはいられなかった。

ξ゚听)ξ「私、自分の我が儘でお姉ちゃんを無理やり連れてきたのに、
自分が疲れたってだけであんなに酷い事言えちゃうなんて、最低でしょう!?
すごく汚い人間でしょう!?」

( ^ω^)「ツン・・・そんな事、そんな事ないお・・・」


838 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:14:10.17 ID:j0H7/fQ80

ξ;凵G)ξ「う、嘘言わないでよ!
それに私、今だってこのままお姉ちゃんが見つからなければなんて思ってしまったの。
そうすれば、もっとブーンといられる、好きな事もできるって・・・思って・・・
ねえ私、最悪でしょう!?死んじゃえばいいのは、私の方なのよ!!」

泣きじゃくるツンを、ブーンはそっと抱きしめた。
抱きしめられた時、「ああ、私はこの人が好きなんだ。」と、無性にツンは思った。

( ^ω^)「ツンはお姉さんが大好きなんだお。
でも、やっぱり綺麗な事ばかり言ってられないんだお。だって二人とも人間なんだから。
それに気づけたツンはえらいお。頑張ったお。」

ξ;凵G)ξ「・・・私、自分がお姉ちゃんにやっている事で見返りなんて求めてないって思ってた。
なのに私は、無意識のうちに見返りを・・・ありがとうって、
頑張ってくれてありがとうって言葉を期待してたの・・・」

( ^ω^)「ツン・・・」


841 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:15:02.99 ID:j0H7/fQ80

ピンポーン

不意にインターフォンがなった。

ξ゚听)ξ「はい・・・」

「あ、すみませんニュー速警察署の者ですが・・・」

ξ゚听)ξ「え!?」

( ^ω^)「どうしたんだお?」

ツンが急いでドアを開けるとそこには警察官と、ばつが悪そうに俯いているユリがいた。

ξ゚听)ξ「お姉ちゃん!!」

( ’_’)「妹の、ツンさんですか?」

ξ゚听)ξ「はい・・・」


842 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:16:14.75 ID:j0H7/fQ80

( ’_’)「いやあ良かった。いえね、先ほどユリさんがうちの署の方に来て
「帰り道が分からない」というものですから、お宅の住所をお聞きして、
ここまでお送りしたんです。」

J゚-゚)「ツンちゃん・・・ごめんね・・・」

ユリは申し訳なさそうにツンに言う。

ξ゚听)ξ「お姉ちゃん・・・良かった・・・」

( ’_’)「では本官はここで。これからは気をつけてあげて下さいね。」

ξ゚听)ξ「はい。すみません・・・ありがとうございます・・・」

ユリは部屋に戻るとぽつりぽつりと喋りだした。


843 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:18:05.07 ID:j0H7/fQ80

J゚-゚)「あのね・・・さっきツンちゃんに怒られて・・・ユリはもうツンちゃんに嫌われたんだと思ったの・・・」

ξ゚听)ξ「お姉ちゃん・・・」

J゚-゚)「だから、出て行こうと思ったの。お父さんとお母さんの所に帰ろうと思ったの。
だけど泣きながら歩いてたら駅までの道が分からなくなっちゃって・・・」

( ^ω^)「・・・」

J;-;)「そうしたら、どんどん心細くなってきて、お腹もすいてきて、
ツンちゃんの、ご、ご飯がっ、食べたくなって・・・」

ユリは泣きながら話す。ツンもそんな様子のユリを見て泣いていた。

J;-;)「でっ、でも帰り道が・・・分からなくって・・・怖くって・・・」

ξ;凵G)ξ「お姉ちゃん・・・ごめんね・・・。」

J;-;)「・・・」

ξ;凵G)ξ「私の我が儘でお姉ちゃんを勝手に東京に連れてきて、
苦労させて・・・本当にごめんね・・・」

J゚-゚)「そんなっ、ツンちゃんは悪くないよっ!」

涙を拭いてユリが言う。


844 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:19:56.53 ID:j0H7/fQ80

J゚-゚)「ユリが悪いんだよ!ユリが我が儘いったから・・・ツンちゃん、ごめんね・・・ごめんなさい・・・」

そしてユリはツンをしっかりと抱きしめた。

J゚-゚)「これからはユリ、もっとツンちゃんの事手伝うから・・・
難しい事はできないかもしれないけど、でも頑張るから!!
だから・・・嫌いに、ならないで・・・?」

ξ;凵G)ξ「お姉ちゃん・・・」

ユリの胸の中でツンは言う。

ξ;凵G)ξ「あのね、ケーキ貰ってきたの・・・
お姉ちゃんの好きなチョコケーキもあるんだよ。・・・一緒に、食べよう?」

その言葉を聞いてユリはまた堪えていた涙が溢れ出した。

J;-;)「うんっ・・・!うん、食べよう!ユリ、お腹すいた・・・」


845 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:21:27.49 ID:j0H7/fQ80

( ;ω;)「・・・・・・」

ξ゚听)ξ「・・・なんであんたまで泣いてんのよ。」

ツンにそう言われて初めてブーンは泣いている事に気づいた。

( ;ω;)「こっ、これはうっかり・・・」

ξ゚听)ξ「うっかり、じゃないわよ。」

そう言ってツンは笑った。
ユリも楽しそうに笑っていた。二人が仲直りして本当に良かったとブーンは思った。


ξ゚听)ξ「悪かったわね。姉妹のゴタゴタにつき合わせちゃって。」

ブーンを駅まで送っている途中、ツンが呟く。

( ^ω^)「全然悪くないお。仲直りできて良かったお。」

ξ゚听)ξ「ありがとう・・・本当に。感謝してる。」

ツンはブーンに微笑みかける。


846 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:22:59.94 ID:j0H7/fQ80

唐突にブーンは思った。
自分はツンが好きだ。と。
頭の中に優しいメロディが流れ出す。
綺麗な歌。この人を思ったから、流れ出した歌。

( ^ω^)「ツン、僕は今急に歌ができたお。」

ξ゚听)ξ「は?何急に。」

( ^ω^)「家に帰ったら早速制作開始だお!
できたらツンに一番に聞かせるお!ああ、急がないと!
ツン、見送りはここまでで良いお!じゃバイバイだお!!」

ξ゚听)ξ「え?ちょ、ちょっと・・・」

そしてブーンは全力疾走で帰っていった。


847 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:23:55.66 ID:j0H7/fQ80

5日後・・・

ξ゚听)ξ「ん?」

ツンが郵便受けを覗くと小さな小包が入っていた。

ξ゚听)ξ「なにコレ・・・あれ?ブーンからだ」

小包には住所も書いてなく切っても張られていなかったが
隅のほうに小さく「内藤」と書かれてあった。

ツンが小包を開けるとカセットテープと手紙が入っていた。

ξ゚听)ξ「(手紙・・・?なんて書いてあるんだろ・・・)」


849 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:25:34.49 ID:j0H7/fQ80

ξ゚听)ξ<以下手紙の内容よ。

ツンへ

昨日やっと歌が完成したのだけど、やっぱり直接ツンの前で歌うのは恥ずかしいので
この手紙と一緒に郵便受けに入れる事にしました。
ツンを思って作った歌です。
聴いてくれると嬉しいです。
明日、またツンのいる喫茶店行きます。 それでは、また明日だお。 ブーン

ξ゚听)ξ「ブーン・・・。」

J゚-゚)「ツンちゃんどうしたの?」

ユリがひょいっと手紙を覗こうとしたが、ツンはとっさに隠した。

ξ゚听)ξ「なっ、なんでもない!なんでもないのっ!」

J゚-゚)「?ふーん」

そして夜中、ユリが眠った頃にツンはヘッドフォンをしてブーンのテープをコンポに入れた。

ξ゚听)ξ「(再生っと・・・)」

再生ボタンを押し、曲が流れ始める。


850 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:27:00.88 ID:j0H7/fQ80

再生ボタンを押し、曲が流れ始める。

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

優しくてとても静かなメロディに、ブーンの歌声が乗る。
ツンは一言も歌詞を聞き漏らさないように耳をそばだたせて聴いた。
真っ直ぐで、優しい歌詞だった。

ξ;凵G)ξ「ブーン・・・」

ツンは涙が溢れてとまらなくなった。
自分はこの人にきっととても愛されているんだろう、そう思った。
嬉しくて嬉しくて堪らなかった。


「電話なってたって別に気にしないんだからねっ!
誰からとかそんな事気にしないんだからっ!電話・・・」

( ^ω^)「ん?電話だお。」

ガチャ

( ^ω^)「もしもしブーンだお。」

ξ゚听)ξ「もしもし。」

( ^ω^)「つっ、ツン!?どどどどうしたんだお!!?こんな時間に!!」


851 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:28:13.05 ID:j0H7/fQ80

ξ゚听)ξ「あんたねえわざわざ家の郵便受けに入れに来るんだったら直接渡しなさいよ。」

( //ω//)「だ、だって恥ずかしかったんだお・・・」

ξ゚听)ξ「・・・良かったわよ。あんたの歌・・・」

( ^ω^)「え?」

ξ゚听)ξ「なんか、感動した。ブーンに感動させられるとは思ってもみなかったわ。」

ツンの言葉は素直に嬉しかった。
そして思った。ちゃんと言わなくては、と。

( ^ω^)「・・・ツン、僕はツンに言いたい事があるお・・・」

ξ゚听)ξ「な、なによ急に・・・」

( ^ω^)「あ、でも電話だとアレでアレだから・・・明日直接会っていうお。」

ξ゚听)ξ「・・・分かった。・・・楽しみに、してるから。」

そう言ってツンは携帯を切った。
何だかとても幸せな気分だった。


852 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:29:52.12 ID:j0H7/fQ80

次の日ツンがバイト先の喫茶店に行こうとしてると、ブーンがドギマギ駅に立っていた。

ξ゚听)ξ「あ、ブーン・・・」

( ^ω^)「ツン・・・昨日も言ったけど、僕はツンに言いたい事があるんだお。」

余程緊張しているのか、ブーンの手は微かに震えていた。

ξ゚听)ξ「な、なあに?私これからバイトなんだから手短にね。」

( ^ω^)「僕は、ツンが好きだお。」

ξ゚听)ξ「・・・!」

あまりにストレートなブーンの言葉にツンは少したじろいだ。

( ^ω^)「僕は、僕は今まで誰かを「一番」好きになる事なんてなかったんだお。
「一番」の人を作ったら、他の自分の大切な人たちへの気持ちが薄れてしまう、
そう思ってたんだお。でもそれは間違いだったんだお・・・」

ξ゚听)ξ「・・・・・・」


856 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:31:16.92 ID:j0H7/fQ80

( ^ω^)「ツンが一番大切になったからって、他の人たちへの気持ちが薄れる事なんてなかった。
いや、むしろ前よりもっといろんな人たちを大切にしたいって、改めて思ったんだお。」

ブーンは真っ直ぐにツンを見つめて言う。

( ^ω^)「ツンを好きになってから毎日楽しくて、人に優しくしたくて仕方なくって、
何もかもが大事に思えたんだお。それはツンのお陰だお。」

ξ゚听)ξ「・・・そう・・・」

( ^ω^)「ちょっと前まで僕はラブソングの意味なんて分からなかったけど、
ツンに会ってなんでこんなに世界にラブソングがあるのかも分かったような気がするんだお。」


857 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:32:34.50 ID:j0H7/fQ80

( ^ω^)「好きって、すごいんだお。言葉だけじゃ足りないんだお。
だからみんな自分の思いに曲をつけるんだお。
言葉じゃ少なすぎるから、音楽の力を借りて伝えたいんだお。
だから世界にはこんなにもラブソングがあるんだお。」

ξ゚听)ξ「・・・ブーン・・・」

( ^ω^)「ん?」

ツンはそっとブーンの手を取り、言った。

ξ゚听)ξ「私も好き。ブーンの事がすごく好き。」

( ^ω^)「ほ、本当かお!?」

ξ゚听)ξ「ブーンの歌を聴いて思った。この人はきっと私の事が好きなんだって。
勘違いかもしれないけど、すごく強くそう思った。・・・とても嬉しかった。」

( ^ω^)「ツン・・・」

ξ゚听)ξ「私と付き合うとすごく大変だと思う。本当に、いろいろと・・・
それでも、良いの?」


861 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:33:47.42 ID:j0H7/fQ80

( ^ω^)「いっ、良いに決まってるお!!僕がどんだけツンの事好きだと思ってるんだお!?
ツンが同性愛にでも走らない限りどんな事だって何とかしてみせるお!!」

ξ゚听)ξ「・・・じゃあ、これから、よろしくね?」

ツンの言葉にブーンは飛び跳ねて喜んだ。

( ^ω^)「マジかお!!やったお!!ツン、どうもありがとうだお!!!」

ξ゚听)ξ「私の事泣かしたら許さないわよ。」

( ^ω^)「泣かす訳ないお!!これからよろしくだお!ツン!!」

ξ゚听)ξ「うん、よろしくね。・・・あ」

( ^ω^)「え?」

ツンが時計を見ると、時刻はあと2分で17時を迎えようとしていた。


862 : ◆8esz8O/.sM :2006/04/05(水) 22:35:00.10 ID:j0H7/fQ80

ξ゚听)ξ「どっ、どうしてくれんのよ!!バイト17時からなのに!!
あんたの話聞いてたせいで遅刻決定じゃない!!」

( ^ω^)「えええええええ!?ご、ごめんだお!」

ξ゚听)ξ「たった今私を泣かさないって言ってたくせに、もう私は泣きそうよ!
責任取りなさい!!」

( ^ω^)「そんな事言われても・・・ごめんだお・・・」

ξ゚听)ξ「謝ってる場合じゃないわよ!ほら、電車来てる!ダッシュで乗り込むわよ!!」

ブーンはツンに手を引かれ電車に乗り込む。

これからはずっとこんな風に慌しくて、でも幸せな毎日がやってくるのだろう。
一生大切にしよう。一生側にいてくれるように頑張ろう。
ブーンだけでなく、ツンも実はそう思っていた事を、ブーンは知らなかった。

ξ゚听)ξ「(私がこんな事思ってるなんて、ブーンには内緒にしとかなきゃね。)」

そんな事を考え一人にやけるツンであった。

 

 

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