そしてまた月日は流れる・・・
( ゚∀゚)「えー、それでは文化祭の打ち上げはお好み焼き・ツンデレになりました!
2時間食べ放題です!」
クラスから拍手が沸き起こる。今日は文化祭の打ち上げ日なのだ。
本当は文化祭当日に行われるハズだったのだが片付けに手間取ってしまい
その日は打ち上げをする時間がなくなり、後日、という事になったのだ。
( ゚∀゚)「なお、強制全員参加!これは委員長命令です!こなかった人はおっぱいうpです!」
クラスに笑い声が起こる。ブーンはそれを暗い気持ちで見つめていた。
( ^ω^)「(全員参加か・・・てことはギコとショボンもくるお・・・きまずいお・・・)」
ブーンは行きたくないと思ったがおっぱいうpもしたくないので仕方なく参加することにした。
全員「かんぱーい!」
お好み焼きやでは和やかに打ち上げが行われあっという間に2時間がすぎた。
( ゚∀゚)「えーそれでは2次会の場所を発表します!場所はカラオケ触るんだ村です!
いきたい人は手をあげて!」
ジョルジュ委員長がそういうと、みんな一斉に手を上げる。
(゚Д゚)「ブーンも行くよな!なっ?」
( ^ω^)「僕は・・・」
(´・ω・`)「行こうよ。ね?ブーン来なきゃつまらないよ。」
自分は二人に嫌われている。しかしそれでも優しい言葉をかけてくれる
そんなショボン達の気持ちがブーン嬉しくてたまらなかった。
( ^ω^)「(たとえ嘘でもそう言ってくれるのは嬉しいお。
ショボンもギコも本当に優しい奴だお)」
( ^ω^)「うん、行くお・・・」
゚Д゚)「よっしゃ決まりなっ!そういやブーンとカラオケいくの初めてだよな!?
もう今日はみんなで歌いまくろうぜ!」
そう言って笑いながらギコはブーンと肩を組んだ。
カラオケ店触るんだ村は料金が安く学生に人気の店であった。
( ゚∀゚)「おーし!今日は朝まで騒ぐぞ!とりあえず酒飲もうぜ!」
ジョルジュ委員長はそういって適当に酒を頼む。どうやら飲み放題コースを頼んだらしい。
(゚Д゚)「ほら、ブーンも飲も・・・ってアレ?ブーンは?」
ブーンはいつの間にかニダーに呼び寄せられ端の方の席に座っていた。
<ヽ`∀´>「まあ内藤君も気づいてると思うけどショボン君たちがいってたの、あれ演技ニダよ?
本当は二人は内藤君に来て欲しくないってさっき言ってたニダ」
ニダーはキツい口調でブーンに言う。どうやらブーンがショボンやギコに誘われて
2次会まできたのが気に入らないらしかった。
( ^ω^)「そんなの・・・分かってるお・・・」
<ヽ`∀´>「それなら何でわざわざ来たニダ?辛いのは内藤君ニダよ?
僕は内藤君を心配していってるニダ。
このクラスの奴はみんな影でコソコソな内藤君を笑ってるニダ。酷い人達なんだニダ」
( ^ω^)「・・・」
そんなの、分かってる。
そう言いたかったけど、何か一つでも喋ったらブーンは泣いてしまいそうで
それ以上何も言えなかった。
「そこの二人ー!!何コソコソ話してるー!!」
<ヽ`∀´>「ひっ!」
酔っ払ったジョルジュが突然二人の間に割って入ってきた。
( ゚∀゚)「みんなと騒いでない罰としておっぱいうp!と言いたいとこだけど
お前ら女子じゃないからいいや。代わりに歌えー!歌いまくれー!
これは委員長命令だー!ほら内藤、歌えー!」
( ^ω^)「ええ!?僕かお!?」
( ゚∀゚)「お前最近元気ないからな!クラスみんな心配してんだぞ!
だから歌って元気な事をアピールしろ!」
そういってジョルジュはカラオケ本とマイクをブーンに持ってくる。
( ^ω^)「えっ?みんなが・・・?だって僕はみんなから・・・」
動揺するブーンにニダーが小声でささやく。
<ヽ`∀´>「委員長の言ってることは嘘ニダよ。どうせ無理やり歌わせて
また内藤君をバカにする材料にするニダ。歌わない方が良いニダ。」
( ^ω^)「・・・それでもいいお。」
<ヽ`∀´>「アイヤー!な、なんでニダ?」
( ^ω^)「たとえニダー君が言った通りになったとしても、
ジョルジュ君が言った事が嘘だとしても、僕にそう言ってくれた事が嬉しいお。
元気がないって気づいてくれたんだお。だからバカにされてもいいお。」
( ゚∀゚)「なにしてるー!早く歌えー!」
( ^ω^)「おーし!じゃアニソン歌うお!」
ブーンはそう言ってリモコンに番号を打ち込む。
( ゚∀゚)「うはwwwwアニソンかよwwwww」
遥かファービーのイントロが始まりみんなから拍手が沸き起こる。
ブーンは酔っ払ったみんなの手によってセンターに移動させられた。
ブーンに再び小学校の時の音楽の授業の光景が蘇ってくる。
バカにしたような、あの笑い声。向けられる、冷たい視線。
鮮明にフラッシュバックしてくる。
( ^ω^)「(もういいお・・・ヤケクソだお。みんな笑うなら笑うがいいお・・・)」
ブーンは歌った。力いっぱい歌った。もうどうだってよかった。
歌っている時はあの時と違ってなぜかものすごく気持ちよかった。
そして曲が終わった。
( ^ω^)「お粗末様でしたお」
ブーンがそういってペコリとお辞儀する。
先ほどあんなに騒いでいたクラス一同がシーンと静まりかえっている。
( ^ω^)「(やっぱり僕は音痴なんだお。またバカにされてしまうお・・・)」
と思った矢先・・・
ワー!!!!!!!!!
( ^ω^)「!?」
突如大歓声がブーンを包む。
( ゚∀゚)「すげええええええ!うめえええええ!おっぱい触りてえええええ!」
(゚Д゚)「ちょwwwwwwwお前そんな歌うまかったなんて知らなかったぞwwwww」
(´・ω・`)「かっこよかったよおおブーン!」
( ^ω^)「え!?え!?」
鳴り止まない拍手と賞賛の嵐にブーンはうろたえる。
女子1「ブーン君歌うますぎ!」
女子2「ねね、もう1曲歌って?」
( ^ω^)「(僕が・・・褒められてる・・・?しかも歌で・・・?)」
ブーンは今自分の身に起こっていることが信じられずにいた。
ブーンは小さいときからあまり、いや、まったくと言って良いほど人に褒められた事がなかった。
それでも両親はブーンが家の手伝いをする度、学校で作った作品を持ち帰るたび、
テストだって0点じゃなければいつだって褒めてくれた。
ブーンもそれは嬉しくて、それだけを支えに頑張ってきたのだが、いつも満たされるという事はなかった。
両親は大好きで、褒めてくれるのは本当に嬉しいのだけれど
やっぱり一人でも良い、他人から認めてもらいたい。褒めてもらいたい。そう思っていた。
しかし現実に他人から言われる言葉は「お前は何の取り柄もない」だの
「役立たず」だのそんな辛辣な言葉ばかりであった。
そんなブーンが今、たくさんの級友達から褒められている。
しかもあんなに嫌いだった歌で。
今、こんなにも褒められている。ブーンという存在が、認められている。
ブーンは恥ずかしかったけど、それ以上に背筋がゾクゾクする程の快感が走った。
( ^ω^)「(こんなに気持ちよかったのはエロゲをやりながら
ダッチワイフ「明美」を使ったとき以来・・・
ううん、それ以上に気持ちいいお!こんな気持ちいい事がこの世にあるのかお!?)」
その日ブーンはみんなのリクエストに答えて知っている曲、
聴いたことのある曲はとにかく歌いまくった。
その度にみんなからの歓声、巻き起こる拍手は鳴り止む事がなかった。
ブーンは嬉しくて嬉しくて仕方なかった。自分でも他人を喜ばすことができる。
それがとにかく嬉しかった。
それ以来、ブーンは少し強くなった。
歌うことの快楽を知ってしまったから。音楽で人を動かせることを知ってしまったから。
人に嫌われてる事を悲しんでる場合じゃない。
いや、悲しいならその気持ちを歌にすればいい。
そうすればきっと自分は誰かに受け入れてもらえる。強く、そう思った。
( ^ω^)「(・・・たとえみんなに嫌われていたとしても、
あの時褒めてくれたみんなの気持ちはきっと本物だお。
だからもう僕は悲劇のヒロインをやってる場合ではないお。もう大丈夫だお)」
文化祭後の、あの一日は、今まで生きてきたどの瞬間よりも嬉しかった。
生きてて良かった、これからも生きていける。そうブーンは思った。
それからブーンはようやくニダーによって沸き起こっていたショボンやギコ、
そしてクラスメイトに対する猜疑心を、
昔を思い出し再び戻ってきたあのドロドロとした悲しい感情に見切りをつける事ができた。
そして1週間後の朝、またいつものようにニダーがブーンの元にやってきた。
<ヽ`∀´>「内藤君、あんな調子に乗って歌なんて歌ったからまたブーム君達が・・・」
( ^ω^)「ニダー君、もういいお。」
ブーンは優しくニダーに言う。
<ヽ`∀´>「ニダ?どういう事ニダ?」
予想していなかったブーンの返答にニダーはきょとんとする。
( ^ω^)「だから、今までみたいに誰が僕を嫌ってるとか、
ばかにしてるとか、そういう事はもう教えてくれないでいいお。」
<ヽ`∀´>「な、なんでニダ!?ウ、ウリは内藤君が心配だから
一応相手にどう思われてるか知ったほうがいいと思って親切で・・・」
( ^ω^)「それは分かってるお。ニダー君がいなかったらきっと僕はショボンやギコ、
それにみんなにも甘えて調子に乗ってしまっていたと思うお。
だからみんなから好かれてるなんて思わないほうがいいと
伝えてくれたニダー君には感謝してるお。でも、もう良いんだお。」
今までと違い、生気のこもったブーンの瞳を見て、ニダーは戸惑う。
<ヽ`∀´>「な、何を言ってるのかよく分からないニダ!は、ハングルでお願いするニダ!」
( ^ω^)「分からなければそれでいいお。今までありがとう、カムサムニダお。」
(´・ω・`)「やあブーン、おはよう」
戸口が開き、ショボンが入ってくる。
( ^ω^)「ショボンおはようお。という訳でニダー君も、今までありがとだお。」
(´・ω・`)「なになに、何の話?」
<ヽ`∀´>「・・・・・・」
ニダーは黙ってその場を離れた。その顔はとても悔しそうだった。
(´・ω・`)「なんか二人とも妙に神妙だったけどどうしたの?」
( ^ω^)「なんでもないお。それよりショボン、あとで話したいことがあるお」
(´・ω・`)「え?今じゃダメなの?」
( ^ω^)「今はギコがまだ来てないから・・・昼休みにでも話すお。」
(´・ω・`)「そか。ん。わかった。」
ブーンの口調にもう誰かに怯えている様子はなくなっていた。
また前のように、どんな人でもすぐ好きになってしまう、疑うことを知らない、
そんな人の良さが前面にでたブーンの雰囲気に戻っていた。
ショボンにはそれがとても嬉しかった。
昼休み・・・
屋上でブーンとショボンは持ってきたお弁当を、
ギコは学食で買ってきたパンを食べながら話をしていた。
(゚Д゚)「で、なんだよ、話って。俺今日はもう150円しか持ってないぞ。」
悪戯っぽく笑いながらギコが言う。
( ^ω^)「ちょwwwww金の話じゃないお」
(´・ω・`)「でも本当になに?話って。」
( ^ω^)「うん、あの・・・」
(゚Д゚)「なんだよ。愛の告白かwwww?」
ひどく緊張したようなブーンにギコが軽口を叩く。そんな気遣いがブーンは嬉しかった。
( ^ω^)「実はここ半年くらい、僕はずっと誰も信じる事ができなくなっていたお。」
(´・ω・`)「・・・・・・うん。」
そう話を切り出したブーンにショボンは優しくうなずく。
( ^ω^)「原因は・・・まあいいお。それで僕はクラスのみんなや、シ
ョボンやギコ達の事まで信じることができなくなってしまったんだお・・・
みんなに嫌われている僕はこの世にいらないと思ってたんだお・・・」
(゚Д゚)「なっ、そんな事あるわけ・・・」
口を挟もうとしたギコをショボンがそっと制し、ブーンに話を続けさせる。
( ^ω^)「僕は自信がなかったんだお。小学校の時はずっといじめられてて、
みんなからも、先生からも、誰にも褒めてもらえなくて・・・
中学に上がってギコとショボンにあっていじめはなくなったけど
それでも僕は自信がつくことなんてなかったんだお・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・」
( ^ω^)「僕は走るのは速いけど、それだって普通よりちょっと上ってぐらいで
本格的に陸上をやってる人には敵わないし・・・
ショボンみたいに何でもそつなくこなすこともできないし、ギコみたいに頼りがいだってない。
僕は何の取り柄もない役立たずだって、今までずっとそう思ってたお。」
ぽつりぽつりと、まるで涙を落とすように話すブーンを、二人は優しく見守っていた。
( ^ω^)「でも文化祭のあの日、僕は初めてあんなに大勢の人から褒められたんだお。
二人はこんな事でって思うかもしれないけど、本当にそれは自分でも思うけど・・・
でも僕はあの時ほど生きたいって思ったことはなかったんだお。
たかがカラオケ店での出来事だけど、みんなとってはただの楽しい思い出だけど、
僕にとっては・・・」
ぽとんっとブーンの瞳から涙が落ちた。
( ;ω;)「・・・僕にとっては・・・最高に・・・嬉しくって・・・ううっ」
これ以上ブーンは言葉にならなかった。それでもなんとか声を絞り出しブーンは続ける。
(´・ω・`)「ブーン、もういいよ。」
涙がとまらないブーンの頭をショボンが優しくなでた。
( ;ω;)「みっ、みんながっ・・・笑って、く、くれるのがっ・・・嬉しくって・・・
みんなっ、僕のしてる事で喜んで、く、れてっ・・・」
(´・ω・`)「ブーン分かった。分かったから・・・」
( ;ω;)「うっ・・・うぇっ・・・」
(´・ω・`)「元気がない理由を話してくれて嬉しかった。ギコと二人でずっと心配してたんだよ。」
ショボンの言葉をきいて、ブーンはさらに泣き続ける。
(´・ω・`)「僕達親友なのに、なにもしてあげられなくてごめんね。
今まで辛かったね。・・・頑張ったんだね。」
(゚Д゚)「おまえなぁ・・・そんなことで悩んでんだったらとっとと俺らに言えよな。」
(;Д;)「ほんと・・・バカだなおまえは・・・」
ギコはそう言って流れ落ちた涙を拭おうともせずがしっとブーンを抱きしめた。
この半年間、ブーンはほとんど二人の会話にまざろうとしなかった。
たまに話をしてもまるで喧嘩を売るような口調になって、勝手に自分で話を終わらすこともしばしばあった。
そんな自分が嫌で嫌で仕方なかった。でもどうすることもできなかった。
だけどそんなときでも二人は怒らなかった。少し悲しそうな顔をして見守るだけだった。
今だって優しくブーンを見守って声をかけてくれる。
頭をなでてくれている。抱きしめてくれる。
その事がブーンには嬉しくてたまらなかった。
キーンコーンカーンコーン・・・5時間目の予鈴がなった。 (´・ω・`)「あ・・・予鈴だ・・・戻らなきゃ。」 (゚Д゚)「バカ野郎。男3人が泣き腫らした目で教室に戻ってみろ。ものすごく気まずい空気に包まれるぞ。」 あの時、ギコとブーンが泣きじゃくっている時、ショボンまでもがもらい泣きをしてしまい きづいたら3人とも涙で顔がグシャグシャになっていたのだ。 (´・ω・`)「・・・それもそうだね。」 ( ^ω^)「ここはサボるしかないお。高校生らしく近くの河原にでも行って青春するお」 ブーンはようやっと泣き止んだようだ。その顔はとてもスッキリしていた。 (゚Д゚)「おっ、良いね。行くか!」 (´・ω・`)「賛成。」 ( ^ω^)「おーし、久しぶりにエロゲについて語りあうお!」 (゚Д゚)「ちょwwww今までエロゲについて語り合ったことねーだろwwww」 (´・ω・`)「ははは・・・」 もうこのままダメになるかもしれなかった3人は再び前のように、 いやそれ以上に仲良く笑いあった。そして3人同時に叫んだ。 (´・ω・`)( ^ω^)(゚Д゚)「おまえらと友達で良かったー!!!!」 後日放課後・・・ <ヽ`∀´>「ギ、ギコ君にショボン君!何か用ニダか!?」 ギコとショボンは先にブーンを帰らせ、ニダーを教室に残らせた。 もう下校時刻はとうに過ぎているので教室にはこの3人しかいなかった。 (゚Д゚)「やっぱりブーンがおかしくなった原因はお前だったんだな。」 <ヽ`∀´>「い、いきなり何言い出すニダか!?」 (゚Д゚)「黙れ。もうみんなバレてるんだよ。」 先日、3人で河原に行った時ギコはブーンに言った。 「俺らに文句があるならこれからちゃんと言ってくれ」と。 前ニダーに言われた事がギコにはずっと気になっていたのだ。 するとブーンは驚いた顔をして言った。「二人に対して不満等何も持っていない」と。 もちろんブーンはこんな嘘がつけるような人間ではない。 そこでギコもようやく気づいた。自分もブーンも、ニダーにはめられたのだと。 (´・ω・`)「ねえ、ニダー君。」 静かに、冷たい口調でショボンが話しかける。 <ヽ`∀´>「ショ、ショボン君・・・ヒッ!?」 ニダーが口を開くのとほぼ同時にショボンはニダーの座っている机を殴りつけた。 ショボンの拳からは血が流れ、机にはものすごいヒビが入っていた。 (´・ω・`)「ブーンはさ、ちょっとトロいけど優しい奴なんだよ。人の事嫌いになれないんだよ。」 ショボンは淡々と話す。 (´・ω・`)「ニダー君がブーンを嫌ってたのは、俺前から気づいてたよ。理由は知らないけど。」 <ヽ`∀´>「・・・」 ニダーは恐ろしさのあまり声がでなかった。あの温厚で優しいショボンが今自分に対して 憎悪の感情を向けている。その事がニダーは本当に恐ろしかった。 (´・ω・`)「嫌いなのは仕方ないよ。それは個人の価値観だから。だけどさあ・・・」 続いてギコがニダーの胸元をつかんで言う。 (゚Д゚)「あんな騙されやすい奴に、なんである事ない事嘘ついたんだよ。」 <ヽ`∀´>「う、嘘じゃにニダ。ほ、ほんと・・・」 この期に及んでまだ嘘をつこうとするニダーをギコは殴り飛ばした。 (゚Д゚)「ふざけんなよ。おまえのせいであいつ人間不信にまでなったんだぞ!! あいつ誰にも言えなくて、一人で辛い思いしてきたんだぞ!!お前にその気持ち分かるのか!? それでも未だにお前の悪口一つ言わないあいつの気持ち分かるのかよ!?」 <ヽ`∀´>「あ、あいつ、二人に喋ったニダか!?」 口元から流れる血を拭いながらニダーが言う。 (´・ω・`)「ブーンは何も言わないよ。これは俺らが勝手にやってるんだ。 こんな事してるのバレたらそれこそ俺たちがブーンに殴られるよ。」 <ヽ`∀´>「・・・」 (´・ω・`)「ブーン、ニダー君のこと、自分が知らなかった事を教えてくれた。 優しい人だって言ってたよ。」 ショボンは座り込んでいるニダーに向かって言う。 (´・ω・`)「頼むからこれ以上ブーンにも俺らにも関わるな。 それから、もし今後懲りずにブーンに近づいてみろ。」 <ヽ`∀´>「・・・」 (´・ω・`)「ぶち殺すぞ。」 その言葉は冗談でもなんでもなく、本気だった。そう言い残してショボンとギコは教室から出て行った。 <ヽ`∀´>「・・・」 一人取り残された教室でニダーは呟いた。 <ヽ`∀´>「こ、この恨みはサッカーで晴らすニダ・・・」 それ以来ニダーはブーンには近づかなくなった。それに伴いブーンはますます元気になっていった。 やがて春になりショボンは日本のトップ、最強大学へ、ギコはスポーツ推薦でヌホン体育大学、 そしてブーンはまぐれでVIP大学へと進学することとなった。 ( ^ω^)「高校3年の時はホント辛かったお・・・でも自分の生きがいも見つけられたし 本当生きてて良かったお。」 多分あの時の事は一生心に残るのだろうな。と、ブーンは思った。 「ブーン!お風呂わいたわよー!」 ( ^ω^)「おっ。今いくおー!」 自分の思い込みだけで様々な人に迷惑をかけてしまった。傷つけてしまった。その事は決して忘れてはならない。 それでも人は自分を見てくれた。自分を守ってくれた。だから自分は生きていかなければいけない。 これに気づかせてくれたのは音楽だ。あんなにも嫌いだった音楽が助けてくれた。音楽が自分を救ってくれた。 ( ^ω^)「うはwwwwww自分カッコヨスwwwwwwww」 そしてブーンは風呂へと向かっていった。