6 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
00:46:45.44 ID:goVUgrBl0
- ――――第一話
深い眠りから目が覚める。
しかしそこは自分の部屋ではなかった。そこは教室。自分のクラス。
そして自分以外にも数人のクラスメイトがいた。
( ,,゚Д゚)「何がおきているんだゴルァ・・・」
( ^Д^)「これは夢・・・じゃないよな?」
クラスのDQNのギコとプギャー。
('A`)「・・・・・・」
_
( ゚∀゚)「どうしたドクオ?いつも以上に不機嫌な顔をして」
常に不機嫌面のドクオ。スネオ的存在のジョルジュ。
川 ゚ -゚)「・・・・」
援助交際を平気でやっているクー。
そして
( ・∀・)つ□
いつも本を読み、何を考えているかわからないモララー。
クーが私の元に近づいてくる。
8 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
00:50:16.60 ID:goVUgrBl0
- 川 ゚ -゚)「・・・どうした?考え事か?」
きつい香水の匂い。あまりの匂いの強さに頭が痛くなる。
ξ゚听)ξ「・・・え、えぇ。ちょっとね」
川 ゚ -゚)「こんな状況だ。考え事の一つや二つ当たり前かもな」
こんな状況。
こんな状況が数分たったとき、ギコが騒ぐ。
( ,,゚Д゚)「・・・俺はもう帰るぞゴルァ!!!」
ギコが教室から出て行こうとしたときその声は聞こえた。
『やぁ。みんな元気だったかお?』
突然発せられる声。しかし驚いたところはそこじゃない。
9 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
00:53:44.14 ID:goVUgrBl0
- ( ,,゚Д゚)「この声・・・。ブーン・・・・なのか?」
『おっおっお。覚えてくれて嬉しいお』
(;^Д^)「お前・・・死んだんじゃないのか?」
『そうだお。死んだお』
ジョルジュが席を立ち、声を荒げる。
_
( ゚∀゚)「じゃ・・・じゃあッ!お前はなんなんだよ!!幽霊とは言わせねぇぞ!!!」
『幽霊じゃなかったら・・・僕は一体なんなんだろうね』
語りかけてくるような口調。
他の者が次々と罵声に似た質問を交わす中、一人だけ静かに喋る。
13 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
00:57:23.22 ID:goVUgrBl0
- ( ・∀・)「で、だ」
本を閉じ、今まで沈黙を護っていたモララーが口を開く。
( ・∀・)「君はこんな状況をつくりだしてなにがしたいんだい?目的があってやっているんだろう?」
あまりにも的確な質問。全員が思っていることを一寸の狂いもなく声に出す。
『・・・・復讐・・・だお』
( ,,゚Д゚)「ふざけるんじゃねぇぞゴルァ!!!!さっさと家に帰せ!!!」
『いいのかお・・・?そんな言葉をきいて』
ギコの体がふわり、と浮く。
( ,,゚Д゚)「ななな・・・なにするんだゴルァ!!!!!」
じたばたと手足を動かす。
その姿は空気という水に溺れている人間を彷彿させていた。
15 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
01:00:46.07 ID:goVUgrBl0
- 『だから僕は聞いているんだお。そんな言葉できいていいのかって・・・』
凄みのある声。
『君にはさんざん靴を隠されたお』
( ;,,゚Д゚)「な・・・・なんだよ・・・」
『上履きを隠され靴を隠され新しい靴を買ったのにもかかわらずまた隠され・・・』
それは呪いの言葉。
ギコは先程までの余裕はどこにいったのか顔からは大量の汗が出て、必死に空中でもがいていた。
『君にも・・・ものを隠されることの辛さを・・・味わってほしいお』
瞬間、ギコの付け足の付け根から下が消える。
そこから出るおびただしい量の血。私は・・・私たちは見ていることしかできなかった。
( ,,゚Д゚)「ギャアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァッッ!!!!!!!!!!!」
16 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
01:04:26.50 ID:goVUgrBl0
- 『これで君は靴を買う必要がなくなったお。隠されても平気だお!!』
そしてそのまま教室の天井くらいの高さまで持ち上げられ、頭が下になる。
( ,,;Д;)「ブ・・・ブーン!!!すまなかったぁッ!!だからもう・・・・もうやめてくれっ!!!」
『その言葉を・・・僕が生きているときに聞きたかったお』
その言葉を尻目にギコが落ちる。頭からいきおいよく。地面に。
轟く轟音。その音はいまだかつて聞いたことのない生命が絶たれた音。
ξ;凵G)ξ「お・・・おえぇっ・・・」
ギコの頭からは脳みそがみえていた。
思わず吐き気をもよおす。
18 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
01:09:16.23 ID:goVUgrBl0
- (;^Д^)「に・・・逃げろぉーーーーーーッ!!!!」
プギャーが大声で叫ぶ。
その言葉が合図となり教室のドアを乱暴に開け走る。
階段を3段飛ばしで駆け下り、昇降口へむかう。
川;゚ -゚)「あ・・・開かない!!」
ドアを引いたり押したりするがびくともしない。
しかしそれでもいろんな可能性を試している姿は滑稽であった。
『ペットをみすみす逃がす飼い主はどこにいるんだお?』
握っていたドアの取手から手をはなす。
_
( ゚∀゚)「ち・・・ちきしょう!!!姿を現しやがれこのピザッ!!!!!」
ジョルジュは言ってしまってから自分が失言したことに気づく。
ピザとは彼の・・・ブーンのことを示すあだ名であった。
20 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
01:12:10.48 ID:goVUgrBl0
- _
(;゚∀゚)「わ・・・悪いブーン!!つ・・つい・・・」
『ひどいお・・・。そのあだ名で僕がどんなに傷付いたか・・・』
_
(;゚∀゚)「ご・・・・ごめん」
ジョルジュは必死にあやまる。
目からは涙がこぼれていた。
『君はいつも口だけってこと・・・僕は知っている』
_
(;゚∀゚)「・・・・ぇ・・・・?」
『その口で二度と喋られなくしてやるお』
突然、ジョルジュの口が開く。
その開き具合は限度を越えているからか口が徐々に裂けていく。
21 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
01:15:50.64 ID:goVUgrBl0
- _
(;゚∀゚)「・・・・ゃ・・・・・・めてぇ・・・・・・・・・・く・・・・・・・れぇ・・・・」
だらしがなく開かれた口からはよだれがぽたり、ぽたりと落ちる。
『その口が言葉を喋るからだめなんだおね』
_
(;゚∀゚)「・・・・・ぁ・・・・・・・・ゃ・・・・・・・・ぃ・・・・・」
もう喋るのも困難のようだ。その口からは擦れた声しか出ない。
口が裂け、血が顎をつたい、首へ流れる。
瞬間、ゴギィッっと何かが砕けた音が鳴る。
22 : ◆I40z/j1jTU :2007/03/07(水)
01:18:38.03 ID:goVUgrBl0
- _
( ;∀;)「・・・・・・・・ぁ・・・・・・・・・・・ぅ・ぅ・・・・・・・」
ジョルジュの顎が砕けていた。
口からはだらしがなく舌が垂れている。
川 ゚ -゚)「もうやめるんだ!!!!ピ・・・・ブーン・・・君!!」
『君が君付けするなんて珍しいことがあるもんだお。今日は雨が降るかもね。おっおっお』
雨が、降っていた。
舌が引き抜かれたジョルジュの口から噴水のような血の雨が。
制服が紅で染まっていた。
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