231 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:09:11.68 ID:NuE7KZdQ0

――――エピローグ


闇のなかにある光。
その光を放っている建物に足を進め、扉を押す。
べるが軽快に鳴る。カランカランと。
ここまでが前と同じ。
違ったのはここから先。

(´・ω・`)「お疲れさん。このオレンジジュースはサービスだから受け取って欲しい」

カウンターに出されたオレンジジュース。
僕はそれを口にする。

( ^ω^)「おいしいお」

(´・ω・`)「そこの100円ショップで買ったものなんだけどね」

(;^ω^)「地獄にも100円ショップってあるのかお」

しばし笑いあう。
その感覚はとうに忘れたもので、思い出すことはないと思っていた。
感覚が甦る。
 

233 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:13:23.64 ID:NuE7KZdQ0

( ^ω^)「忘れていたものだと思っていたお」

マスターはグラスを拭きながら聞く。

(´・ω・`)「なにをだい?」

( ^ω^)「人と一緒に笑いあうこと」

(´・ω・`)「君は、前に来た時と変わったね」

( ^ω^)「・・・・・?」

マスターはニヤリと笑う。

(´・ω・`)「表情がさ。いい顔だよ」

飲み終わったグラスをカウンターに置く。

235 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:17:33.50 ID:NuE7KZdQ0

( ^ω^)「マスターは・・・人間が醜いと言ってたおね」

(´・ω・`)「そうだね、言ったよ」

( ^ω^)「僕は以前までそう思っていた。でも今は違う」

(´・ω・`)「それが君をその表情にさせた理由かい?」

( ^ω^)「多分そうだお。人間は過ちを償える唯一の動物。僕は罪を償うお」

(´・ω・`)「僕も、人間が醜いとは思わなくなってきたよ」

マスターの顔を見る。

( ^ω^)「マスターもかお?」

(´・ω・`)「あぁ。君を見ていたらとても醜いとは思えないよ」

優しく微笑む。

236 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:21:29.43 ID:NuE7KZdQ0

( ^ω^)「僕はこの機会を与えられなかったら人間なのに人間をずっと恨んでいたと思うお」

出された二杯目のオレンジジュースを口入れる。

( ^ω^)「僕は、この機会をくれたあなたに感謝している」

(´・ω・`)「ははっ、君は強いなぁ。そんなことを言われたのは初めてだよ」

マスターはテキーラを開け、グラスに注ぐ。
グラスを口元まで運び、一口、二口と飲んでいく。
やがてグラスにはテキーラがなくなった。マスターは心なしか頬が赤くなっている。

(´・ω・`)「君は・・・、地獄に逝って良かったかもしれない。天国に逝けば二度と人間に戻れないからね」

僕は静かに聞く。

237 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:23:39.87 ID:NuE7KZdQ0

(´・ω・`)「罪を償えば地獄人は再び人間になれる。でも天界人は平和な日々を永遠に淡々と過ごすだけだからね」

( ^ω^)「僕は罪を償って、きっと人間になるお」

突然、扉が開く。
その扉の先の光景は先程と違う。
闇の渦がそこにあった。

(´・ω・`)「どうやらお別れみたいだね」

( ^ω^)「この先が・・・地獄かお」

(´・ω・`)「地獄の番人がこう言うのも変だけど、最後に君に逢えてよかったよ」

その言葉を聞き、僕は先へ進む。
地獄に繋ぐ闇の渦へと。

・・・・・・
・・・・
・・



 

238 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:28:28.52 ID:NuE7KZdQ0

誰もいない店。
マスターは看板にクローズと書く。
もうこの店に来る客はいない。

(´・ω・`)「これで・・・僕の罪滅ぼしが終わった・・・」

マスターは椅子に勢いよく座り込む。

(((´・ω・`)))「情けない・・・足の震えがとまらないよ・・・」

震える足を手で押さえ込む。
しかし、手も震えていた事がわかったのは数秒後である。

(´・ω・`)「僕は彼に逢わなかったら・・・きっと人間を絶望したまま人間になっていただろう・・・」

光の渦が現れる。
その光はマスターを祝福しているように輝いていた。

(´・ω・`)「さぁ・・・いこうか・・・新しい希望に」

マスターは光の渦へと消えた。
その背中はたくましい。

 

 

241 名前: ◆I40z/j1jTU [] 投稿日:2007/03/09(金) 00:33:55.02 ID:NuE7KZdQ0

――――あとがき

なんとか無事に終えることができた。みんなのおかげ。
前の作品はノリで書いたようなものだから気楽にできけど今回はそうもいかなかったね。
最初は前回みたいにグロ中心にいったけど途中でストーリーを入れたからこうなったかも。
今度書く機会があるかわからないけどガチガチのシリアスをやりたいなーと思ったり。
うん、結局はこうなんだ。みんなありがとう。

 

 

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