72 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:30:39.33 ID:jM1l2e+j0

三時限目:「勝ち組?負け組?」

ξ;゚听)ξ「…何よ、これ?」

先程僕が恐る恐る開いた錆びたドア。
同じくそのドアを開けて入ってきた少女は、間違いなく入学テストで僕の隣にいた彼女だった。
knud(これなんて運命の出会い)?

(*^ω^)「あの時のマイスィートベイベだおwww」

(=゚ω゚)ノ「美人ktkrwww」

(´・ω・`)「どうやら君が最後の一人みたいだね。ブーンとは知り合いかい?」

僕の時と同じように優しく問いかけるショボンさん。
しかし彼女はそれには答えず、落ち着かない様子で辺りを見回している。
そしてようやっと開いた口から出てきた言葉は、日本語としては大変お粗末なものだった。

ξ;゚听)ξ「ここ…Dクラス?」

('A`)「…うん…君…名前は…?」

ξ;゚听)ξ「嘘…なんでこのあたしが…?」

('A`)「……無視……された……」
 

74 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:32:53.81 ID:jM1l2e+j0

見事にスルーされたナナフシは放っておくとして、どうやら僕の運命の相手は大分ショックを受けているようだ。
ここは紳士として黙っちゃいられない。

(*^ω^)「Dクラスへようこそだお!僕を覚えてるかお?」

ξ゚听)ξ「…」

(*^ω^)「(wktkwktk)」

ξ゚听)ξ「………あぁ…あの時の鳥肌金玉口どもり野郎…」

(;^ω^)「……うん、まぁ、出来ればブーンって呼んでくれお、よろしくだお」

OK、何故かとてつもなく悪いイメージを持たれているような気がしないでもないが、気のせいという事にしておこう。
むしろ認めたら心が折れそうだ。

(;´・ω・`)「(口悪いなこの子…)で、もう一度聞くけど君の名前を教えてくれないかい?」

ξ゚听)ξ「…ツン・デレです」

(´・ω・`)「ツンだね、わかった。君を含めたこの六人がDクラスのメンツだから、
これから頑張っていこうね」
 

76 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:35:02.89 ID:jM1l2e+j0

ξ゚听)ξ「一緒にしないで下さい。あと呼び捨てもやめろオッサン」

(;´・ω・`)「…え?」

瞬間、その場の空気が凍る。何だこのむき出しの敵意は。


誰も声を発しない非常に気まずいふいんき(何故かへ(ry の中、聞こえてくるのはジョルジュがおっぱいプリンを咀嚼する音だけ。
空気嫁よ外人。
ちょうどその時僕らの沈黙を破るかのようにチャイムが鳴り、
勢い良くドアを開け新たに若い女性が入ってきた。
思わずGJと叫びたくなる程のナイスタイミング、まさに救世主、女神さまさまだ。

(*゚∀゚)「おい!さっさと席につけカス共!!HRはとっくに始まってんだよこのニート予備軍が!!」

(;^ω^)「(……女神?)」
 

78 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:36:07.77 ID:jM1l2e+j0

一見清楚で穏やかな性格の持ち主のように見えるこの方。
どうやら人は見かけによらないと言うのは本当らしい。

(*゚∀゚)「あ〜とりあえず自己紹介な。今日から君達を担当する事になりました、
つーと言います、はいよろしく」

(*゚∀゚)「でまぁ、言いたい事は一つなのよね」

そこで一端言葉を区切り、彼女は満面の笑みを浮かべてこう言い放った。

(*゚∀゚)「君らには 一 切 期待してないから。
せいぜい沢山講習取ってヒュン台に金落としてあたしの給料上げてよね☆
じゃあHR終わり〜授業頑張ってね〜キャハハ♪」

ξ;゚听)ξ「あっ、ちょっと!聞きたい事が…待って下さい!待ってってば!まっ、待てこの年増!!」

ホントに言いたい事だけ言ってそのまま退室するつー。それを追いかけてツンも慌てて出ていく。


79 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:38:26.60 ID:jM1l2e+j0

(=;゚ω゚)ノ「二人とも黙ってれば美人なのに…」

(;^ω^)「禿同…」

( ゚∀゚)「D…and…AA…」

さっきから感じていたが、ここ滅茶苦茶じゃないか?
本当に天下のヒュン台予備校なのだろうかとすら思えてきた。
大体このクラスだけこんな教室なのもおかし(ry

(;^ω^)「そうだお!何でDクラスがこんなのなのかまだ聞いてないお!」

(;´・ω・`)「あ、あぁ、そうだったね…」

嵐のように現れ嵐の様に去っていったつーにさすがのショボンさんも呆気に取られているようだ。
彼は一つ小さく息をはくと、その独特の落ち着いた口調で説明を始めた。
このクラスの出来た理由というものを。

 

81 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:40:40.84 ID:jM1l2e+j0

(´・ω・`)「元々このDクラスは、7年ほど前にVIP大志願者の増加を受けて増設されたものなんだ。
それまではCクラスまでしかなかったんだよね」

(´・ω・`)「勿論その頃はこんな場所じゃなくちゃんとした教室に設置されていたし、
生徒数ももっと多かった」

Cクラスに入れなかった人達が主だから、必ずしも全員が優秀という訳じゃなかったけどね、
とショボンさんは付け加える。

(´・ω・`)「ヒュン台の誤算はそこにあった。
中途半端な学力の寄せ集め集団を仮にもVIP大コースの中にくくってしまったんだ
。当然彼等は己の力を過信してVIP大を受験し、もれなく全滅…」

(=;゚ω゚)ノ「全員落ちたのかヨゥ…」

(´・ω・`)「結果として残ったのはDクラスへの不信感と、誰もどこも受からないというジンクス。
それから年々生徒数は減っていき、ついにこんなへんぴな場所に閉じ込められるようにまでなったってワケさ」


82 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:41:51.72 ID:jM1l2e+j0

('A`)「…なんで…廃止されないんですか…」

(´・ω・`)「恐らくは、一度新しくクラスを増設してしまったヒュン台の変な意地と
、僕の存在だろうね」

( ^ω^)「ショボンさんの存在?」

(*´・ω・`)「うん、僕七年前のDクラス創設時に浪人初めて今もここにいるし、
毎年お金払ってるんだからヒュン台からしたらいいカモでしょ?」

そう言って愛らしく首を傾げて見せる。
いや、あんた、可愛く言ってもそれ帳消しにならない程ひどいぞ。

(;^ω^)「(現役と合わせて八年間浪人ってどうゆうことだお……あれ、歳が合わないような…)」

(=゚ω゚)ノ「Dクラスの由来は初めて聞いたヨゥ…二年間いたけど知らなかったヨゥ…」

こいつもカモかよ。


83 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:43:11.16 ID:jM1l2e+j0

(;^ω^)「こいつはヤバい所に入ってしまったお…」

とんでもない失敗だ。
VIP大コースに入ったのだからもう道は拓けたものだとすっかり思いこんでいたが、
まさか第一歩目からこんな大きな岩にぶち当たるとは予想だにしなかった。
BMWだと思って乗ったらヒュンダイ製だった、例えるならばそんな感じ。
そんな僕の不安を汲みとってか、ショボンさんが優しく話しかけてくる。

(´・ω・`)「心配しなくても大丈夫だよ、授業は他のVIP大コースと変わらないし、講師だって同じさ。
後は自分の頑張りようでなんとかなるさ、ね?」

なんとかなってない例が今まさに目の前にいるのですが、とは到底言えない僕はチキンです。
 

85 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:44:26.89 ID:jM1l2e+j0

結局そこで一時限目の始まりを告げるチャイムが鳴り、
どこか疲れたような、半ば諦めたような表情を浮かべてツンも戻ってきた。

彼女はなるべく僕らから離れた席を選んだつもりだろうが、
如何せん教室が狭いのでその距離は1mと離れていない。
そこまでして僕らを敵視する理由は何だ?やっぱりナナフシがキモイのか?

( ^ω^)「(そういえば、ここにいるって事はツンも頭悪いのかお?
あんなにスラスラテストで解いてたのに?)」

ふと浮かんだ疑問は入室してきた講師の挨拶によって遮られ、意識の隅へと追いやられる。

( ^ω^)「(一時限目は数学かお)」

数学は得意科目だ。自慢じゃないが今年のセンター試験では角度を求める問題は全て正解している。

( ^ω^)「(30、60、45、90度のどれかしかないから勘で楽勝だおwww)」

そうして、初めての授業が始まった。


86 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:45:57.97 ID:jM1l2e+j0

〜数学終了〜

(;^ω^)「あれ…?」

黒板に残された白墨の痕跡、僕のノートにも同じく書かれた記号と数字達。
共通しているのは、全く理解出来ないという事だった。

(;^ω^)「ちょ、ちょっとショボンさん、今のところ説明して欲しいですお…」

僕は隣で静かに次の講義の準備をしているショボンさんに話しかける、と同時に後悔した。
万年浪人のこの人にわかるワケがないじゃないか、僕にだってわからないのに。

(´・ω・`)「どれどれ?」

( ^ω^)「……ここですお」
大して期待もせずにノートを指差す。
どうせ何も答えられないはず、早く終わらせて講師に聞きにいこう。


87 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:47:04.28 ID:jM1l2e+j0

(´・ω・`)「あ〜、これはね、指数関数の微分だから公式を知らないとまず解けないよ。
一端微分したら、ここをこう変形することによってこの式が増加関数な事がわかるよね?
そしたら増減表を書いて±両方に無限大に発散させて、
更に微分して凹凸を調べればグラフが描けるよ。
後はこの部分をtとおいて簡単な式に持ち込む事も出来るけど、
今回はそのままやった方が楽だろうね。
グラフが求められたら、後はこの直線との交点を求めるだけさ、簡単だろ?
次にこの問題だけど、ここは区分求積法を用いて…(ry」

 

89 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:48:09.31 ID:jM1l2e+j0

一度も考えこむ事もなく、ショボンさんは次々と僕のノートに解説を書き加えていく。
その様子を見て僕はただただ呆然としていた。

(´・ω・`)「わかったかい?」

(;^ω^)「お…」

大変わかりやすかった、講師の発言より理解しやすかったくらいだ
。ここで僕の頭に一つの疑問が浮かび上がってくる。

(;^ω^)「ショボンさん、一つ聞いてもいいですかお?」

(´・ω・`)「ん?」

(;^ω^)「なんでそんなに頭いいのにまだ浪人なんですかお?」

ここまで出来るのに何故に未だにこのポジションに甘んじているのか、
この人ならとっくに上に進んでいるはずではないのか。


90 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:49:14.83 ID:jM1l2e+j0

純粋に好奇心からの発言だったが、どうやら僕は失敗したようだった。
ショボンさんは急に悲しそうな顔を見せると、一言、

「僕にも事情があるんだ…」

と呟いて席に戻っていってしまう。
その背中はとても小さくて、先程までの包容力はまるで消え去ってしまったかのようで。

(;^ω^)「(聞いちゃいけない事だったかお…?)」

次の授業が終わるまでには元の柔和な表情に戻っていた彼だが、
その後の一日中、僕の脳裏からあの寂しげな顔はこびりついて離れなかった。

 


92 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:50:04.35 ID:jM1l2e+j0

全ての授業が終了した夕方五時頃。
僕は帰る方面が一緒だったイヨウとジョルジュと共に帰路につき、今は自室の天井を見つめている。
本当はツンと一緒に帰りたかったのだが、授業が終わってすぐに彼女はまたどこかへ消えてしまったので仕方ない。
本当は自習室にでも残るべきなのだろうが、
今日受けた授業が殆ど理解出来なかった僕はとてもその気にはなれなかった。

(=゚ω゚)ノ「Dと言ってもVIP大コース、授業が難しいのは当たり前だヨゥ。頑張れヨゥ」

なんてイヨウは言っていたが、ノートが全部自分のサインで埋めつくされていたヤツには言われたくない。
大体お前去年も落ちてるだろうが。


93 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 14:51:11.04 ID:jM1l2e+j0

( ^ω^)「あのクラスで僕はやっていけるのかお…」

初日を終えて得た物と言えば、解読不能の文字が羅列された複数のノートと、
不思議と僕らを敵視するツンへの疑問と、
心の大部分を現在支配している不安の暗雲。
あとジョルジュの好きなAV女優が堤さやかだという知識。

( ^ω^)「前途多難だお…」

モヤモヤとした気持ちを拭いきれないまま寝そべっていた僕は、
結局一度も机に向かう事もなく、そのまま深い眠りへと落ちていった。

 

 

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