185 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:44:18.22 ID:jM1l2e+j0

じゃあ続けて六話いきます。ブーン頭悪くしすぎたかな...w


六時限目:「リベリオン〜後編〜」

ξ#゚听)ξ「何回言ったらわかんのよ!ここに<こそ>があるんだから文末は已然形でしょ!?」

(;^ω^)「お…気付かなかったお、すまんこ」

ξ#゚听)ξ「あたしに謝ってどうすんのよ!後一週間しかないのよ!?
一生実験に使われる羽目になってもいいわけ!?」

(*^ω^)「交配実験とかあるならむしろ…」

あれから二週間、ついに翌週に判定模試が行われるという段階になっても、状況は芳しくなかった。
日々が過ぎるのは矢のように速く、僕の学力が伸びるのは亀のように遅く。
まぁ一言で言うならば、ヤバいって事だ。


186 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:45:19.99 ID:jM1l2e+j0

ξ゚听)ξ「はい、次英語」

(#)ω(#)「ふぁい…(フルボッコってレベルじゃねーぞ)」

順調とは言えない僕に比べると、イヨウはすこぶるいい調子できていた。
教えられる事をどんどん吸収し、メキメキと力を伸ばしてきている。
伊達に一年浪人してない。もっとも、今回は他にも集中している理由はありそうなのだけども。

(´・ω・`)「そうだね、ここは副交感神経だからアセチルコリンだね」

(=゚ω゚)ノ「って事はこっちはインスリンだヨゥ」

ξ゚听)ξ「イヨウ達は順調みたいね…」

( ^ω^)「お…(僕が170点でも大丈夫な気もするお…)」

ξ゚听)ξ「あんた今自分が取らなくても平気かもと思ったでしょ」

(;^ω^)「おおおおお思ってないお!」
 


187 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:46:03.11 ID:jM1l2e+j0

ξ゚听)ξ「動揺しすぎよ。はい、この単語の意味がわからなかったらシャーペンで突くから」

(;^ω^)「体罰は嫌だお…何何?…operation…?」

なんだ、簡単じゃないか。

( ^ω^)「おっぱいレーション?」

ξ゚听)ξ⊃ー「バルス」

(;;゜ω゜)「目がぁぁぁぁ目がぁぁぁぁ」

そんなこんなで、後一週間。

 

189 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:47:16.46 ID:jM1l2e+j0

ツンの地獄のしごきに堪え、這うようにして公園にたどり着くとそこには既にイヨウがいた。

(=゚ω゚)ノ「お疲れだヨゥ」

( ^ω^)「お互い様だお…」

ポケットから取り出してくわえた煙草に、イヨウが火をつけてくれる。
軽く頭を下げて感謝の意を表し、晴天の空に向かって煙をはいた。
そのまま無言でしばらくの間煙を眺めていると、イヨウが話しかけてきた。

(=゚ω゚)ノ「巻き込んじゃって、悪かったヨゥ…」

( ^ω^)「今更なんだおw僕は別に気にしてないから平気だお(コネのためだし)」

それにそこまで貢献できてないし。


190 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:48:13.84 ID:jM1l2e+j0

(=゚ω゚)ノ「本当は、俺一人の問題だったんだヨゥ。
勝手な都合で巻き込んで、本当に悪いと思ってるヨゥ」

(=゚ω゚)ノ「でも、俺はこれだけは、これだけは負けられないんだヨゥ。
あいつに、荒巻の思い通りになんかさせてたまるかヨゥ…」

その、荒巻との因縁の辺りを是非聞かせて欲しいのだが、
如何せん聞いていいものなのかが迷いどころだ。

( ^ω^)「イヨウは、荒巻コーポの跡を継ぎたくないのかお?」

(= ω )ノ「むしろ、奴とは縁を切りたいくらいだヨゥ…」

なんか…イヨウの目が鋭い…聞けるふいんき(何故かryではなさそうだ。

192 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:49:21.64 ID:jM1l2e+j0

( ^ω^)「(正直僕は本当に関係ないし…この時期に勉強に本気出すのもだるいお…
まぁ別にA判定取れなくても本気で実験に使われる事はないと思うし…)」

(=゚ω゚)ノ「ちなみに、これが奴に人体実験された人の参考写真だヨゥ」

急に懐から取り出した写真を僕に無理矢理突きつけてくるイヨウ。
手にとって見てみれば、目がいっちゃってる人や手足がなくてかわりに義足が付いてる人、
得体の知れない吹き出物を全身に発症して苦痛の表情に喘いでいるものすらあった。

(;^ω^)「(なんでこんなものを…ハッ)」

もしかして、脅されてね?


193 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:50:50.95 ID:jM1l2e+j0

手に持った写真とイヨウの顔を交互に見つめ、
なんと言っていいのかわからない僕を見てニヤニヤと笑っていたイヨウだが、
次第に僕の上下の動きが速くなってくるとついにはいきなり笑い始めた。

(=゚ω゚)ノ「あははははwwww冗談に決まってるヨゥwww
それはどっかのグロサイトからとってきたやつだヨゥwww」

(;^ω^)「おま…信じかけたお…」

(=゚ω゚)ノ「まぁ実際どんな実験してるかはわからないけど、案外似たようなことかもしれないヨゥww」

(;^ω^)「え〜…」
僕を不安にさせたいだけなのかコイツは。年上だからって調子乗ってるとフルボッコにすんぞ。

(=゚ω゚)ノ「でも」

一気に真顔に戻ったイヨウがこちらに身体ごと向き直る。
 

195 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:51:57.84 ID:jM1l2e+j0

(=゚ω゚)ノ「ブーンは何も心配しなくていいヨゥ。
これは俺の問題、俺が一人でA判取れるくらいはやってみせるヨゥ。
それで荒巻ともおさらばだヨゥ」

一息ついて、キッと上を向いて口を開く。

(=゚ω゚)ノ「自分の自由は、自分で掴みとるヨゥ。それが俺の頑張る理由だヨゥ」

先に帰ってると言い残して、彼は去って行く。残された僕は、今の彼の言葉を反芻していた。

( ^ω^)「頑張る理由…かお」

僕の、頑張る理由はなんだ?世間体?見栄?仕方なしにやっているだけ?


196 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:53:26.32 ID:jM1l2e+j0

次第に想いは記憶の引き出しの一番下、セピア色の部分へと移っていく。

〜〜〜
(    )いいかブーン、男には守るべき事があるんだ。

( ^ω^)な〜にトーチャン?

(    )まず、がんばってる人を邪魔しちゃ駄目だぞ。
自分にとってはたいした事なくても、その人にとっては大事な事だったりするんだ。

( ^ω^)たいしたことないこと?

(    )そうだ。たいせつなことは人それぞれ違うんだ。

( ^ω^)う〜ん…僕お外で遊んできていい?

(    )まだ難しかったかなwいいよ、遊んでおいでw

( ^ω^)わーい
〜〜〜

煙草は、いつの間にか短くなっていた。


197 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:54:33.25 ID:jM1l2e+j0

ξ#゚听)ξ「遅い!!」

イヨウより少し遅れて教室に戻った僕を、頭に角を生やしたツンが仁王立ちで迎える。

( ^ω^)「…ごめんだお…」

ξ゚听)ξ「?あんたなんか大人しくない?」

( ^ω^)「…目標のない奴が、目標のある奴の邪魔をしちゃ駄目なんだお…」

ξ゚听)ξ「ん?なんか言った?」

( ^ω^)「なんでもないお、さぁ、始めるお」

良くわからないと言った表情を浮かべるツンの横を通り、席に座って教科書を開く。
あと一週間、出来るだけの事はやってやろう。


198 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:55:35.24 ID:jM1l2e+j0

そして迎えた判定模試の朝。

(´・ω・`)「君らにはこの期間で教えられる全ての事を伝授したつもりだ、
特に今回の範囲にしぼってね」

ξ゚听)ξ「これでA判定取れなかったら相当の馬鹿よ」

(‘A`)( ゚∀゚)「がんばれ、がんばれ」←今回出番の殆どない人達

(=゚ω゚)ノ「おし、ブーン、いくヨゥ!!」

( ^ω^)「おっ!」

勝負の時間だ。


199 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:56:39.55 ID:jM1l2e+j0

〜試験終了〜

( ω )「人体…実験…薬物…中毒…」

(= ω )ノ「オワタ…もう何もかもオワタ…」

(;´・ω・`)「ふ、二人とも、今回のは難しかったからきっと平均点も低いって」

ξ;゚听)ξ「確かにあれは難しかったわね…」

完全に予想GUYだった。
過去問で何度も練習したはずだったのに、まさかここまで難易度が上がっているとは思いもしなかった。
頼みの鉛筆サイコロは試験官により封印され、
途中でマークがずれていることに気づくも時間がなくて直せなかったという始末。
これはもう駄目だ、僕の人生は一週間後の答案返却日には途絶える運命なのだ。
童貞のまま終わるのか…いや、それはイヤだ、ならば目の前のこの子を…!

(*^ω^)「ツン!!冥土の土産に一発だけ(ry」

ξ゚听)ξつー「バルス」

(;;゜ω゜)「目がぁぁぁぁ目がぁぁぁぁ」

それからの一週間は、僕もイヨウも生きた心地がしなかった。
ただヒュン台にきては、ぼーっと授業を受けそして帰る日々。
ショボンさんらの励ましも、耳をすりぬけていった。
そして、ついに審判の日、答案返却日となった。


200 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:57:54.70 ID:jM1l2e+j0

(*゚∀゚)「おらおら席につけ有象無象の童貞処女共、この前の模試を返却すっぞー。
どうせ悪いけど落ち込むなよーキャハハハハ☆」

ξ;゚听)ξ「(この人本当に社会人…?)」

(*゚∀゚)「まずは虫〜、次が変態外国人〜、そんでもってお蝶婦人とショボクレ〜」

次々と手渡されて行く成績、それと共に近づく僕の最後の瞬間。

(*゚∀゚)「で、金玉口少年とチャラ男〜。
ちなみに今回の判定は810以上がAな〜、まぁお前らには関係ないだろうけど☆
あとは勝手に見てなwww」

ついに、この手にきてしまった。
緊張で震える手は、この一枚の薄っぺらな紙すらも上手く持つ事を許さない。
一旦深呼吸をして顔を上げると、皆がこちらを見ていた。

(;´・ω・`)「まずは…イヨウ君から開けようか…」

無言で頷き手を紙に書けるイヨウ。ごくりと喉を鳴らすと、彼はゆっくりとそれを開いていく。

(*゚∀゚)「(なんでこいつら模試ごときでこんなに緊張してんだ?)」

(= ω )ノ「俺は…」

 

203 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:59:09.89 ID:jM1l2e+j0

(=゚ω゚)ノ「600点だったヨゥ!」

つーを除く全員の顔が瞬時に綻ぶ。

ξ゚听)ξ「これなら….これならいけるかも!」

(‘A`)「…ブーンが…210点以上なら…」

( ゚∀゚)「ソシタラ結果オゥラァァイトデスネー」

僕に7対の視線が注がれる。注目を浴びて汗ばむ手を一端服で拭き、僕は口を開いた。

( ^ω^)「…いきますお…」

そしてこの目に飛び込んできた文字は。


204 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 21:59:50.13 ID:jM1l2e+j0


『内藤ホライゾン:合計点 205点 ・・・』


205 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 22:00:44.34 ID:jM1l2e+j0

ξ;゚听)ξ「どう…なの?」

何も言わない僕に耐えかねたのか、ツンがそっと声を発する。僕は無言で成績を手渡す。
それが全員の目に入る頃には、教室を支配するこの絶望感は最大にまで高まっていた。

( ω )「イヨウ…ごめん….だお…」

(= ω )ノ「お前のせいじゃないヨゥ。むしろこの短期間で良くやってくれたほうだヨゥ…。
なんとか、ブーンの人体実験は取りやめさせるように言ってみるヨゥ…」

これ以上、僕には何も言う事は出来なかった。
僕がイヨウの努力を水泡に帰した。
僕のせいでイヨウは努力の理由を奪われた。
何もない僕のせいで。

(;*゚∀゚)「あ〜…なんかお通夜中みたいで悪いけど、伝達事項があるからしてもいいかな?」

(;´・ω・`)「どうぞ…」


206 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 22:01:57.64 ID:jM1l2e+j0

(;*゚∀゚)「あのですね、出題の方にミスがありまして…」

この空気に飲まれたのか、いつものつーのような言葉遣いではない。

(;*゚∀゚)「英語の大問3の(3)、答えが二つあったようなので、
そこだけ全員正解となるから伝えとけって言われたんだけど…
訂正が遅れて成績には反映されてないから…」

ξ゚听)ξ「…ッ!」

ツンが僕の手から成績を奪い取り、スゴい勢いで視線を横にスクロールしだす。
やがて一点にとどまり、そこを凝視した彼女は一言、「やった…」とだけ洩らした。

(‘A`)「どう…したの…?」

満面の笑顔でドクオに僕の成績を渡し、一点を指差すツン。

ξ*゚听)ξ「ここよここ!ブーンは大問3の(3)間違えてたのよ!!で、ここは6点の問題だから…」

(;´・ω・`)「って事は、ブーン君は211点?」

(=;゚ω゚)ノ「あわせて811点…」

(;^ω^)「もしかして…A判定!?」


207 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 22:03:13.35 ID:jM1l2e+j0

その瞬間を僕は決して忘れないだろう。
皆で歓声をあげて喜んだあの瞬間、初めて僕の勉強が何か意味のあるものになった瞬間を。
あとつーがショボンさんに抱きつかれてm赤くなっていたのは勿論見逃さなかった。
僕もツンに抱きつこうとしたが、
何故か全てデンプシーロールでかわされて最後にアッパーをもらってしまった。
まったく、シャイなのには困ったものだ。
そして、更に僕は気づいてしまった...。

( ^ω^)「(イヨウが跡継がないならコネとか意味なくね?」

209 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 22:05:00.42 ID:jM1l2e+j0

荒巻の応接室。
豪華でありそれでいてセンスのいい調度品が並ぶ室内で、二人の男が向かい合っている。

/ ,' 3「そうか…イヨウは目標点に達したか…」

(■3■)「はい」

/ ,' 3「ならば仕方ないな、あいつについている監視を全て外せ。
不本意だが出来の悪い方を育てるとしよう」

(■3■)「よろしいの…ですか?」

/ ,' 3「ふ…約束は違えんさ…それに、元からそのつもりだった。
あいつはわしが囲うには大きな羽を持ちすぎているのでな…」

(■3■)「…お茶をお持ちします」

/ ,' 3「ああ、頼むよ」

松元がいなくなったのを確認すると、荒巻は小さな写真立てを座っていた机の引き出しから出して眺め始める。

/ ,' 3「子はいつか、親離れするものだな…」

窓の外では、雀の親子が優雅に空を飛び回っていた。
 

211 名前: 留学生(東京都)[] 投稿日:2007/03/13(火) 22:05:46.75 ID:jM1l2e+j0

(´・ω・`)「…ちっ」
くしゃくしゃに丸めた紙を壁に向かって投げつけ、ショボンはベッドに派手に横たわった。
床に落ちた紙からは、197点という字が見える。一人寝の夜は静かに過ぎて行く…。

 

 

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