1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:02:16.13 ID:75qBrrQv0

とある居酒屋で三人の男が酒を飲み交わしていた。
内藤、ドクオ、ショボン。
彼らは幼馴染。歳の頃は20台の半ばほどだろうか。
数年ぶりに再会して、つもり積もった話に花を咲かせている。


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:03:29.32 ID:75qBrrQv0

('A`)「そういやよ、内藤は彼女とかいねーの?」
( ^ω^)「んなことドクオに聞かれたくないおwww」
('A`)「あん?てめ、うっせーよコノヤロー」
(´・ω・`)「けど、もう僕らもそろそろいい年だし・・・そういう話のひとつもないのかい?」
( ^ω^)「ああ、ないお。こりゃずっと独身貴族だおwww」
('A`)「・・・やけに明るく話すじゃん」
(´・ω・`)「もしかして、まだ彼女のことを・・・?」
( ^ω^)「ん・・・まぁ、そうだお」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:03:48.69 ID:75qBrrQv0

彼ら三人は保育園のときからの腐れ縁。
保育園で楽しく育ち、小学校でふざけ合い、中学・高校で馬鹿をして。
そうして共に育った、かけがえのない親友同士。
だからもちろん、お互いの初恋相手くらい良く知っている。

('A`)「はー・・・馬鹿だなぁ、お前」
(´・ω・`)「本当に馬鹿だよ・・・だって彼女は・・・」
( ^ω^)「そういうバカな奴が、一人くらい居ても良いと思わないかお?」

内藤はグラスに残ったビールを一気に飲みほし、思い出話を始めた。
今まで親友にも話していなかった、内藤の淡い初恋の話を。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:05:31.88 ID:75qBrrQv0

あれは中学校に上がりたてのころ。
仲良し三人組だった内藤、ドクオ、ショボンは、一人の少女と出会った。

ξ゚听)ξ「えっと、ニュー速小学校から来ました。仲良くしてね!」

名を、ツンといった。
彼女はとても元気で優しく、誰にでも分け隔てなく接した。
なにがきっかけで仲良くなったのか、忘れてしまうくらいの些細な理由。
たしか、どんな漫画が好きかとか、そんな理由だったように思う。
とにかく内藤は、ツンと仲良くなった。

どれだけ一緒に遊んだだろうか。
やがて誰とでも親しげに話すツンは、ほんの少しだけ女子に嫌われた。

「内藤君ってさー、ツンちゃんのこと好きなの?」
「ねぇ内藤君、ツンってブリっ子じゃない?やめときなって」
(;^ω^)「え・・・いや・・・別に好きじゃないお?」
「だよねーwなんかさ、あの髪とかロールパンっぽくない?どこのお嬢様だよって感じw」

|听)ξ「・・・」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:08:53.19 ID:75qBrrQv0

ξ゚听)ξ「ねぇショボン君、何か面白いゲームない?」
(´・ω・`)「この間出たVPっての面白いよ?今度貸そうか?」
ξ゚听)ξ「本当?ありがと〜」
( ^ω^)「あ、それ僕ももってるお。あれ途中d」
ξ゚听)ξ「それでさー、昨日の学校へ行こうが面白くって」
( ^ω^)「・・・」

中学生といえば、恋愛に興味がでてくる頃。
二人で下校する生徒が増え、初々しいカップルが生まれては消えていく。
そんな中、内藤よりショボンと良く話すようになっても、ツンは内藤と一緒に下校していた。

ξ゚听)ξ「ちょっと駄菓子屋よって行こうよ」
( ^ω^)「おけおけだお」
「あっれー?内藤とツンじゃん?」
「え、何?おまえら付き合ってんの?」
( ^ω^)「あ、先輩」
ξ゚听)ξ「ぜーんぜんwこいつとは嫌ですよーw」
( ^ω^)「はは・・・ひどいおw」

駄菓子屋のおばちゃん「あらあら、君達いつも一緒ねぇ。もしかして付き合ってるのかしら?w」
ξ゚听)ξ「え〜?私もっとカッコイイ人がいいですよーw」
(;^ω^)「は、はは・・・」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:10:48.69 ID:75qBrrQv0

中学も2年生になると、少しは背伸びをしたくなるものだ。
男子は性に興味を持ち、AVの上映会を開いたり。
女子は年上の男に興味をもち、先輩を好きになったり。

ξ゚听)ξ「あ、あの・・・長岡先輩!私と、つ、付き合ってください!」
( ゜∀゜)「ん・・・まぁ、うん。良いよ別に」

('A`)「なぁ内藤。ツンが長岡先輩と付き合い始めたってマジ?」
(;^ω^)「え・・・?そうなのかお・・・?」
('A`)「なんだよ、お前いつもツンと一緒に帰ってるじゃん。知らなかったのか?」
(;^ω^)「・・・」


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:12:59.50 ID:75qBrrQv0

( ゜∀゜)「これマジうまー。ツンも食ってみ?奢ってやるから」
ξ゚听)ξ「ほんと、おいし・・・ありがと先輩」
( ゜∀゜)「だろ?次はゲーセンでも行く?俺UFOキャッチャーの腕プロ級よ?」
ξ゚听)ξ「あ、私プーさんとってほしい!」

( ^ω^)「ドクオー・・・ブックオフいこうお。立ち読みに」
('A`)「あー?ダリィから良いよ。それより俺んちでゲームしようぜー」

中学生の恋愛など、所詮はごっこ遊び。
その年頃の男子はまだまだ友達と遊ぶことに夢中で、恋に憧れる女子生徒とはすれ違ってしまうものだ。
長岡とツンも例外ではなかった。

ξ゚听)ξ「長岡先輩、なんでお祭りに誘ってくれないんですか?私のこと、嫌いですか・・・?」
( ゜∀゜)「えぁぁ?いや、お前だって内藤と一緒に帰ってるじゃん。別に俺なんかどうでも良いんだろ?」
ξ゚听)ξ「え・・・それは別に・・・」
( ゜∀゜)「大体俺もう受験だしさ、忙しいだよね。勘弁してくんない?」
ξ゚听)ξ「・・・はい・・・ごめんなさい・・・」

「なんかツンと長岡先輩って最近話してなくない?」
「あちゃー・・・自然消滅確定だね。ま、長岡先輩カッコイイし、仕方ないっしょ」
「そうよね、長岡先輩のこと好きな人いっぱい居るし、ツンにはちょっと荷が重かったって感じ?」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:18:41.64 ID:75qBrrQv0

(´・ω・`)「ねぇ聞いた?ツンと長岡先輩ってわかれたんだってさ」
('A`)「へーぇ。だから最近ツンの奴元気ないのか」
(;^ω^)「ほ、ほほう。そんなこと言って、ショボンとかツン狙ってるんじゃないかお?」
(´・ω・`)「いや、別に興味ないし。それよりトライエースの新作でるらしいよ」

内藤たちが進級し、ツンの憧れの長岡先輩も高校に進学する。
ツンが第二ボタンを貰いに行くと、長岡は名前も知らない下級生に第二ボタンをあげたそうだ。
その日の帰り道、ツンはため息ばかりついていた。

ξ゚听)ξ「・・・はぁ」
( ^ω^)「何かあったのかお、ツン」
ξ゚听)ξ「別に・・・ねぇ、内藤・・・長岡先輩ってかっこいいよね、良い人だし・・・」
(#^ω^)「・・・そうかお?ちょっとサッカーできてバンド組んでるだけじゃないかお!全然大した事ないお!すぐ彼女変わるし、全然良い人じゃないお!!」
ξ゚听)ξ「っ!なによ、あんたがそんな事言えないでしょ!?長岡先輩のこと知らないくせにそんな事いわないでよ!!」
(;^ω^)「え?あ・・・いや、僕は・・・」
ξ゚听)ξ「最悪・・・私こっちから帰るから」

(;^ω^)「・・・ツン・・・僕は・・・」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:20:29.67 ID:75qBrrQv0

「ドクオ先輩、ツン先輩って可愛いっすね」
「そうそう、なんか笑顔がまぶしいっていうか」
('A`)「んー、そうか?新入生のくせにおまえらマセてるなー」

('A`)「・・・ツン、か・・・」

三年生になると、クラスメイトの中にはお忍びで男子の家に泊まりに行く過激な女子が出てきた。
男子の中ではもてる奴の初体験の感想が広まり、それを聞いた思春期の少年達は否が応にも興味をそそられる。

('A`)「あ、もしもしツン?俺だけどわかる?」
ξ゚听)ξ「ドクオ君?どうしたのこんな時間に・・・」
('A`)「いや、なんか最近元気ないしさ、大丈夫かなーって」
ξ゚听)ξ「あ、うん・・・ありがと。・・・別に元気だけど?」
('A`)「そっか?けどさ、ツンって真面目にこう、かなり良いよな。俺さー彼氏に立候補しちゃおっかなぁ・・・なんてw」
ξ゚听)ξ「あ、あははは・・・w」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:21:46.81 ID:75qBrrQv0

(;゜A`)「ブフォッ!!」
(´・ω・`)「うわっ、汚っ!」
( ^ω^)「どしたおドクオ?」

居酒屋のテーブルにドクオの吹き出したビールが飛び散る。
ドクオは口元をぬぐうと、内藤に食って掛かった。

('A`)「てめぇ内藤!どこでその話を聞いた!?」
( ^ω^)「高校のときツンに聞いたお・・・にしても、中学生とはいえキモイお、ドクオ?w」
('A`)「・・・ぬぅぅぅ・・・!俺の黒歴史がまさか今頃・・・!!」
(´・ω・`)「ふーん・・・ドクオそんな電話してたんだ。若気の至りって怖いよね」
( ^ω^)「ちなみに結局スルーされたお」
('A`)「うっせーうっせー!」

(´・ω・`)「けど高校のとき聞いたって・・・内藤ツンと違う高校じゃないか」
( ^ω^)「まぁ聞くお。結構僕も青春したんだお・・・」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:25:44.82 ID:75qBrrQv0

高校進学を向かえ、仲良し三人組も離れ離れになることになった。
内藤は市内の工業高校に。
ドクオは農業高校。ショボンは、県立の高専に。
そしてツンは、長岡のいる進学校に進学した。

( ^ω^)「知り合い誰もいないお・・・情報科だから趣味があう人がいれば良いんだけど・・・」

中学時代、ゲームをして漫画を読んでばかりいた内藤は知らなかった。
自分がキモオタと呼ばれる人種だという事に。
新しい教室のドアを開けると、そこにはたくさんのクラスメイトがいた。

みんな、内藤と違った。
髪も整え、同じ学生服だというのにお洒落に見える。
中学校までは気付かなかったこと。
内藤はみんなとは違うという事実に、初めて気がついた。


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:30:28.87 ID:75qBrrQv0

( ,' 3 )「あれ?内藤じゃないか。内藤もここに来たんだ」
( ^ω^)「荒巻君・・・知り合いがいてよかったお」

だが、幸運だったのは荒巻という知り合いの存在か。
荒巻のおかげで、内藤は孤立しなかった。
まだクラスが打ち解けてない最初の頃は、荒巻が一緒に昼食をとってくれた。
そのおかげで、荒巻が作った友達と知り合う機会が生まれる。

(,,゚Д゚)「荒巻とオナチューらしいじゃん?よろしく」
( ^ω^)「こちらこそよろしくだお!」
( ´∀`)「あれ?暗い奴かと思ったけどそうでもないモナー」
( ,' 3 )「こいつあんまり垢抜けてないんだよね。おまえらで変えてくれない?」
( ^ω^)「お?お?」

こうして内藤は、恵まれた友人のおかげで高校デビューを果たした。
後に、内藤は心からデビューさせてくれた彼らに感謝することになる。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:34:26.96 ID:75qBrrQv0

高校デビューを果たした内藤の生活は変わった。
家に篭る時間が少なくなり、良く外で遊ぶようになる。
このとき、ビリヤードやボウリング、カラオケなどの内藤に縁がないと思われていた遊びも覚えた。

高校生活はとても楽しかった。
今まで縁のなかった文化に触れて、内藤の世界は広がった。俗だと切り捨て見向きもしなかった世間がとても新鮮に見えた。
楽しい高校生活はあっという間にすぎ、気がつけばもう3年生の夏。

(,,゚Д゚)「マジさー、彼女が最近ウザイのなんの・・・」
( ^ω^)「女ってそんなもんじゃないかお?」
( ,' 3 )「内藤のくせに言うようになったしw」
( ´∀`)「じゃ今度の夏祭りで内藤ナンパしてこいモナーw」
( ^ω^)「ちょwwwやってやろうじゃないかおwww」
(,,゚Д゚)「おーし、言ったな!じゃ帰りにカラオケよってこーぜ!」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:41:56.11 ID:75qBrrQv0

( ^ω^)「へい彼女、ちょっとお茶しないかお?」
「・・・はぁ?その台詞古すぎじゃない?wマジうけるんだけどw」
( ^ω^)「そうかお?まぁまぁ、それよりマックでも行こうお。それともちょっと奮発して居酒屋でも行ってみるかお?」
「補導されたりしないー?どうしよっかなぁ・・・w」

(,,゚Д゚)「な、なんであんなカビの生えた台詞で成功しそうなんだ・・・!?」
( ,' 3 )「内藤・・・恐ろしい子・・・!」
( ´∀`)「・・・って、あいつ何余所見してるモナ?」

( ^ω^)「・・・ツン・・・?」
「・・・?ちょっと、聞いてる?おーい?」
(;^ω^)「ごめんお!ちょっと急用が出来たお!」
「はぁ?ちょ、なんなのよあんたぁ!」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:46:51.45 ID:75qBrrQv0

( ^ω^) (・・・やっぱりツンだお。一人で何して・・・)

高校最後の夏。
花火に照らされた夏祭り会場で、内藤はツンの姿を見つけた。
ツンは一人で椅子に座り、どこかをじっと見つめて。
見つめて、どこか悲しそうな表情を浮かべたまま立ち上がった。

( ^ω^)「あ・・・」
ξ゚听)ξ「え・・・内藤・・・?」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:50:21.16 ID:75qBrrQv0

ξ゚听)ξ「なんか久しぶりじゃない?変わったね、内藤。服にも気つかってるみたいだし」
( ^ω^)「そうかお?以前がちょっとアレだっただけだお、そりゃ少しはマトモになるおw」
ξ゚听)ξ「そっかー・・・偉いね、内藤は。私はちっとも変わってないよ・・・」
( ^ω^)「・・・そうでもないお。ツンは前より、その・・・大人っぽくなったお」
ξ゚听)ξ「・・・ふん。べ、別に内藤に言われても嬉しくないけど・・・」
( ^ω^)「何があったか知らないし聞かないけど、一人で祭りにくるなんてつまらないお?一緒に夜店まわらないかお」
ξ゚听)ξ「・・・ううん、遠慮しとく。もう帰るし」
( ^ω^)「そっかお。人通りの少ないところまで送ろうかお?」
ξ゚听)ξ「い、良いわよ別に・・・」
( ^ω^)「・・・ツン、今度連絡しても良いかお?」
ξ゚听)ξ「好きにすれば?私が決めることじゃないわよ」

まだ祭りの真っ最中。
人ごみの中を縫って去っていくツンの浴衣が風でなびいている。
中学の時より、随分と綺麗になっていた。

( ^ω^)「ああ・・・そうするお」


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 02:57:58.83 ID:75qBrrQv0

(,,゚Д゚)「あーいたいた」
( ,' 3 )「せっかくナンパ成功しそうだったのに何処行ってたんだよ」
( ´∀`)「もったいないモナ・・・」
( ^ω^)「・・・ふっ。僕はロンリーウルフなんだおw」
(,,゚Д゚)「・・・はいはいクマクマ」
( ´∀`)「いってヨシ」

( ,' 3 )「・・・お、あれ長岡先輩じゃない?」
( ^ω^)「んぁ?」
(,,゚Д゚)「それ誰よ?」
( ,' 3 )「俺らの中学の先輩。上京したらしいけど帰ってきてたんだね」

荒巻の指した方向は、さっきツンが見つめていた辺りではないか。
道行く人々の合間に、彼女らしい女と腕を組んでいる長岡がいた。
二人で葡萄飴を舐めながら、とても楽しそうに笑っている。

( ^ω^)「・・・」

内藤は昔ツンと長岡が付き合っていた頃、少しだけ長岡のあの表情を見た記憶がある。
もしかしたら、ツンは椅子に座ってずっと長岡を見つめていたのだろうか。
ずっと悲しそうな表情で、楽しそうな長岡を。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 03:06:21.49 ID:75qBrrQv0

( ^ω^) (まだ長岡先輩のこと好きなのかお、ツン・・・?いい加減吹っ切れば良いお・・・)

高校最後の夏。
夏祭り殻数日後、内藤は随分久しぶりにツンにメールを送った。
高校卒業後はどうするのか、と。

ツン:大学行くわ。教師になろうかと思って。
内藤:へー。僕は上京して専門職につくお。なんか年収1000万とか言われたおwww
ツン:マジで?なんなら私を嫁にしても良いわよ?w
内藤:ほう?ぜひお願いしたいおw
ツン:別にあんたがどうとかじゃなくて、給料目的だからね?勘違いしないように。
内藤:はっは、おけおけ。贅沢な暮らしさせてやるお?w

( ^ω^) (まーたツンは心にもないことを・・・けどなんでこんなに頬が緩むんだお?www)


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 03:12:20.06 ID:75qBrrQv0

ξ゚听)ξ「そろそろ怖いところじゃない?・・・ほらきたっ!きゃーwww」
( ^ω^)「ビクッ」
ξ゚听)ξ「あ、内藤今びっくりしたでしょ?ださいわね〜?」
(;^ω^)「ははは、やだなぁ別にびっくりしてないお?僕をびっくりさせたら大したもんだお?」

夏祭りでの再会から、二人は良く遊ぶようになった。
地元が同じこともあり、学校帰りには良くどちらかの家でビデオを見た。
取ったばかりの免許でドライブにも行ったし、映画も見に行った。海岸で何時間も馬鹿話したこともある。
長い空隙を埋めるように、二人は本当に良く遊んだ。
ツンはどうだか分からないが、内藤にとって生涯で一番楽しかった時間だと断言できる。
たった、三ヶ月だけだったが。

ξ゚听)ξ「なんかね、うちの学校にミルナ君って人がいるんだけど、その人がすっごくかっこいいんだよね」
( ^ω^)「ふーん?それじゃ僕の嫁になるなんてギャグかましてないで、逃げないうちに告白でもすれば良いんじゃないかお?w」
ξ゚听)ξ「・・・うん・・・そうね。明日あたりアタックしてみるわ」
(;^ω^)「へ?・・・あ、ああ、善は急げだお・・・」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 03:22:11.43 ID:75qBrrQv0

贔屓目なしに、どう考えてもツンは可愛かった。
可愛いと綺麗の中間くらいだろうか。とりあえず、明らかにもてるのは間違いない容姿をしている。
そしてそれはつまり、告白してもふられる可能性が低いという事。

ξ゚听)ξ「ミルナ君OKだって。一緒に帰る約束したし」
(;^ω^)「そ、そうかお。バックアップは任せるお!」
ξ゚听)ξ「うん。何かあったら相談するわ・・・馬鹿・・・」

高校最後の、もう冬になるという時期。
そんな時期に、しかもいきなりの告白から始まった関係。
そういった経緯で付き合い始めて、うまく行ったカップルがいれば是非教えてほしい。
うまく行くはずがないのだ。それも進学校なら尚更。

(;^ω^) (・・・なんなんだお。この虚しさは・・・?)

内藤はわかっていたはずだ。
それが、恋心だと。
この時認めていたら、内藤はどんな人生を送ったのだろう。


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/19(水) 03:26:22.73 ID:75qBrrQv0

('A`)「お前・・・ダメダメだな」
(´・ω・`)「さっさと告白すれば?って・・・その台詞は無いよ、内藤」
(;^ω^)「う・・・僕も青臭かったんだお・・・」

一旦昔話を中断し、内藤は新しいビールとつまみを注文した。
ドクオとショボンもそれぞれ追加を頼み、煙草に火をつける。
煙を吐き出しながら、内藤は昔話を再開した。

( ^ω^)「ふーっ・・・けどまぁ。苦い経験だけど得たものは大きかったはず、だと思いたいお」

 

 

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