123 :1 :2006/04/20(木) 17:10:35.13 ID:Sw4T0s680

■第五話:螺旋


J( 'ー`)し「やめて!アナタ!」

( ゚д゚ )「静かにしなさい!だれか、カーチャンを抑えとけ!」

(;´ー`)「はい!」

J( 'ー`)し「離しなさい!危ないわよ!」


124 :1 :2006/04/20(木) 17:13:34.06 ID:Sw4T0s680

( ´ー`)「うわっ!!」

J( 'ー`)しの体が光ったと思った瞬間、( ´ー`)が吹っ飛んだ。

J( 'ー`)し「あなた、その子は私の子供です!やめてください!」

( ゚д゚ )「うるさい女だ。この子には魔が宿っている。このままここに置いておくわけにはいかない」


125 :1 :2006/04/20(木) 17:16:18.13 ID:Sw4T0s680

|||-_|||「・・・・・・」

J( 'ー`)し「貞子!貞子ー!」

( ´ー`)「ごめん!」

( ´ー`)がJ( 'ー`)しの背中に手を置くと、力を込めた。

J( 'ー`)し「うっ・・・」

( ゚д゚ )「良くやった。さぁ、おいで貞子」

|||-_|||「・・・・・・」


127 :1 :2006/04/20(木) 17:20:18.81 ID:Sw4T0s680

「おい!おいって!」

誰かが呼んでいる。

(。・д・)「おいって!しっかりしろよ」

(*゚ー゚)「・・・ピアスちゃん」

(。・д・)「あーもう、心配させやがって。立てるか?」

(*゚ー゚)「一人でだいじょぶ」

(*゚ー゚)は立ち上がると、刀に向かって歩き出した。

(。・д・)「おい、あぶねーって」
 


128 :1 :2006/04/20(木) 17:22:35.51 ID:Sw4T0s680

聞こえる。私と同じ血を持っている女性の嘆きが聞こえる。
だいじょぶ。うん。だいじょぶ。今の私になら、この刀はきっと力を貸してくれる。

(*゚ー゚)「危ないから、下がっててね」

(。・д・)を押しのけ、(*゚ー゚)が刀に手を触れた。


129 :1 :2006/04/20(木) 17:25:13.46 ID:Sw4T0s680

|||-_|||「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

( ´ー`)「電圧が高すぎます。少々抑えたほうがよろしいかと」

(■ム■)「どうかな?」

( ゚д゚ )「構わん。続けろ。」

(■ム■)「いいともー!」

|||-_|||「ぁぁぁぁああああぁぁぁああぁぁぁああぁ」

( ´ー`)「・・・・・・」


131 :1 :2006/04/20(木) 17:27:51.17 ID:Sw4T0s680

(。・д・)「しぃ、お前・・・」

(*゚ー゚)が刀を持った瞬間、鞘が赤く光った。鞘から、いや刀全体から鼓動を感じる。
(*゚ー゚)の体から湯気のようなものが立ち上っていた。

(*゚ー゚)「ボクだいじょぶって言ったでしょwさ、玄関に戻ろうかw」

その時、下の方からξ゚听)ξの悲鳴が聞こえてきた。

(。・д・)「ちっ!またオバケか!!急ぐぞ!」

(。・д・)が保管庫を抜け、走っていく。

(*゚ー゚)「待って、一緒に居たほうが・・・」

(痒い!体が痒すぎる!お前は許さん!)

(*゚ー゚)の頭で声が聞こえた後、暖炉の中から何かが這い出してきた。


132 :1 :2006/04/20(木) 17:30:40.97 ID:Sw4T0s680

(。・д・)「ったく、だから玄関ホールだって危ないって言っただろーに」

階段を凄い勢いで駆け下りて行く。すると玄関ホールと二階を繋ぐ階段がふさがれていた。

(。・д・)「なんだこりゃ・・・ってうぇぇ!」

ラファエロのキリストの変容だ。壁にかかっていた絵が倒れて階段を塞いでいた。

(。・д・)「これって高いんだよな・・・まぁいいや」

(。・д・)は絵を踏みつけながら慎重に玄関ホールへとたどり着いた。

明るいな・・・そう思ったとき、風が吹き込んでくるのを感じた。

玄関の扉は開いていた。


133 :1 :2006/04/20(木) 17:34:22.94 ID:Sw4T0s680

ビキビキビキ・・・

(■ム■)「なんだ?」

(■ム■)がモニターを覗き込んだ。そこには|||-_|||が閉じ込められているはずである。

(■ム■)「!!なんだと?これはまずい!」

牢屋の中心に|||-_|||が全裸で立っていた。
体を覆っていたはずの呪布が蛇のように足元に重なり合っている。

|||-_|||はカメラを見上げてにやっと笑った。

(■ム■)の意識はそこで途絶えた。
 


134 :1 :2006/04/20(木) 17:38:05.73 ID:Sw4T0s680

(*゚ー゚)の目の前に現れたのは、全長9メートルはありそうな大蛇だった。
禍々しい緑色の皮膚に白い網目の美しい模様、映画のアナコンダを思い浮かべて貰えればありがたい。

(*゚ー゚)「な、なにこれ・・・」

大蛇はゆっくり暖炉から這い出すと、鼻を突き出すようにして鎌首をもたげた。
あくまでゆっくりと、首を左右に揺らしている。

だが目は、黄色く切れ上がった瞳孔と毛細血管の張り巡らされた目だけは(*゚ー゚)をじっと見つめていた。
 


135 :1 :2006/04/20(木) 17:42:48.25 ID:Sw4T0s680

(;´ー`)「こっちみんなさん、大変です。貞子が・・・」

( ゚д゚ )「うむ、私にも見えた。タリモは殺されたようだな」

(;´ー`)「刀を手にしたようです」

( ゚д゚ )「やはり刀がなんなのか理解出来ているようだな。ニートを向かわせろ」

( ´ー`)「了解しました」

( ゚д゚ )は外を見ながら呟いた。

( ゚д゚ )「あと少しなんだが・・・」


136 :1 :2006/04/20(木) 17:46:39.56 ID:Sw4T0s680

(。・д・)は外へ飛び出した。
しかしどこからも声が聞こえてこない。( ^ω^)とξ゚听)ξはどこへ行ったのだろうか。

(。・д・)「オバケなんて居るわけないよな・・・」

葉と葉が擦れるザワザワと言う音がする。(。・д・)は一息つくと獣道を歩き出した。


137 :1 :2006/04/20(木) 17:50:02.90 ID:Sw4T0s680

(ー◎3◎-)「ぶひゅひゅひゅひゅ!貞子タン萌えー!!!」

|||-_|||「・・・・・・」

|||-_|||が無言で立っていると、刀が自動的に右手を動かした。
(ー◎3◎-)の首が転がる。

(;´ー`)「これはひどい・・・」

(ー◎3◎-)の首の切り傷は、熱い刃物で切断されたように重度の火傷を負っていた。

( ´ー`)「刀自体が熱いわけじゃないと思うが・・・」

|||-_|||が( ´ー`)の方に向かって歩いてくる。( ´ー`)は一息つくと手を|||-_|||に伸ばし、電気を飛ばした。

再び刀が動いて電気を防ぐ。電気はしばらく刀身の表面で音を立てていたが、吸収されるように消えてしまった。

(;´ー`)「能力を無効にするのか!とてもじゃないが勝てないぞ・・・」

逃げようとした( ´ー`)に向かって|||-_|||が微笑んだ。


138 :1 :2006/04/20(木) 17:53:26.91 ID:Sw4T0s680

大蛇が(*゚ー゚)に向かって頭を突き出した。

(*゚ー゚)「うわ!」

死ぬと思った瞬間、ガキンと大きな音がした。

(*゚ー゚)「え?」

(*゚ー゚)が顔を上げると、刀の鞘と大蛇の歯がぶつかり合っていた。

(*゚ー゚)「勝手に・・・動いたの?」

右腕に力が流れ込む。(*゚ー゚)は不思議に思いながら自分の右手を見つめていた。


139 :1 :2006/04/20(木) 17:56:15.53 ID:Sw4T0s680

右手の筋肉が躍動した。刀が大蛇の前歯を砕く。そのまま返す刀で右目を打ちつけた。

9メートルの大蛇は気を失うように倒れた。

(*゚ー゚)「な、なにこれ・・・ボク、なんかおかしいよ・・・」

 
140 :1 :2006/04/20(木) 17:58:55.85 ID:Sw4T0s680
くそ!刀はまだ完全に目覚めていないようだが、私の蛇がやられてしまった。
鞘から抜かれていないのにあの力では、私にはどうする事も出来んぞ!
あぁぁ!痒い!痒すぎる!くそ!くそっ!かぁぁゆぅぅいぃぃぃぃぃ!!!!!!


144 :1 :2006/04/20(木) 18:02:48.93 ID:Sw4T0s680

(。・д・)「うわぁぁぁぁ蛇!蛇!」

獣道を少し下ったところで、赤い蛇が振ってきた。マムシだろうか・・・それほど大きくはないが、毒がある。

(。・д・)「くそ!蛇の癖に早いぞこのヤロウ!」

結局(。・д・)は洋館の庭まで戻ってきてしまった。

(。・д・)「ぜぇぜぇ・・・マムシは撒いたか・・・だけどこれじゃ進めないよ」

(。・д・)(あの白豚とツンはどこに行ったんだ?まさか死んじゃいないよ・・・な)


145 :1 :2006/04/20(木) 18:05:30.61 ID:Sw4T0s680

(*゚ー゚)が二階の廊下まで来たとき、目の前に蛇が見えた。いつの間にか雨戸が開いている。

(*゚ー゚)「また蛇か・・・」

(*゚ー゚)が殺そうと近づいたとき、天井から蛇が降ってきた。

(*゚ー゚)「え?」

右手が勝手に動き、蛇を壁に打ちつけた。
だがその音を合図に、天井に張り付いた大量の蛇が(*゚ー゚)目がけて落ちてきた。

(*゚ー゚)「うそうそうそ!こんなん無理だよー」

だが(*゚ー゚)の手はヾ(・ω・ヾ)ァリェナィ!(ノ゙・ω・)ノ゙ァリェナィ!(*´ω`*)タハァ・・なスピードで次々と蛇を叩き落としていく。

(*゚ー゚)「え?え?ボクって天才?」

(*゚ー゚)は蛇を叩き落としながら一階への階段に向かって歩いた。

 


 


152 :1 :2006/04/20(木) 18:38:01.83 ID:Sw4T0s680

■第六話:貞子とカーチャン


( ゚д゚ )「貞子」

|||-_|||「・・・・・・」

( ゚д゚ )「まさかしらねーよまで殺すとはな。あいつはお前の師匠だったろう」

|||-_|||「・・・・・・」

( ゚д゚ )「ふん。すでに人の心など失せたか!ならば死ね!」

( ゚д゚ )が両手をかざすと、右手からは炎が、左手からは氷の結晶が現れた。

( ゚д゚ )「小娘にやられるほど私は弱くないぞ。さて、どうかかってくる?」

|||-_|||「・・・・・・」

|||-_|||は無言のまま足を前へ進めた。


154 :1 :2006/04/20(木) 18:42:25.21 ID:Sw4T0s680

( ゚д゚ )(バカめ・・・)

|||-_|||の後ろから氷の結晶が飛んできた。右手が自動で動き、氷を叩き落とす。

|||-_|||が後ろを振り向くと、そこにも( ゚д゚ )が立っていた。

( ゚д゚ )「分裂だ。言っておくが、どちらも本物だぞ」

( ゚д゚ )「ボーっとするな!」

( ゚д゚ )が炎の形を剣に変え、|||-_|||に斬りかかる。だが|||-_|||の右腕の方がすばやく動いた。

( ゚д゚ )は首と胴体を切り離され、その場に倒れた。


156 :1 :2006/04/20(木) 18:47:03.65 ID:Sw4T0s680

( ゚д゚ )「ふっふっふw二体じゃ足りないようだなww」

( ゚д゚ )が五体にまで分裂した。一体が炎の剣を両手に宿し、残った四体が氷を出現させる。

( ゚д゚ )「氷!氷!氷!」

四体が二つずつ飛ばした氷、計八個が一瞬で蒸発する。

|||-_|||「・・・・・・」

( ゚д゚ )「甘い!氷は目くらましだ」


158 :1 :2006/04/20(木) 18:48:09.56 ID:Sw4T0s680

|||-_|||が跳び上がった。そして斬りつけようとした( ゚д゚ )の肩を踏み台にして、残り四体を細切れにする。

バタン!扉が開いた。

J( 'ー`)し「貞子!やめなさい!」

( ゚д゚ )がJ( 'ー`)しの方をを振り返ったとき、|||-_||と目があった。
貞子がが微笑むと、( ゚д゚ )は意識を失った。


159 :1 :2006/04/20(木) 18:49:04.15 ID:Sw4T0s680

J( 'ー`)し「貞子・・・」

J( 'ー`)しは透視によって|||-_|||が監禁されているビルに辿り着いた。
だがそこで見たものは、自分の父親を殺した|||-_|||の姿だった。

|||-_|||「・・・・・・」

|||-_|||がJ( 'ー`)しに向かって歩いていく。右手には刀が握られたままだ。

J( 'ー`)し「貞子・・・これ以上人を殺めるのはやめて・・・」

J( 'ー`)しの言葉が途切れた。上半身が下半身から転がり落ち、血の水溜りを作る。

J( 'ー`)し「ぐひゅぐひゅ・・・さ・・・だ・・・こ」

上半身だけのJ( 'ー`)しが喋った。


160 :1 :2006/04/20(木) 18:51:07.42 ID:Sw4T0s680

|||;_|||「おかぁさん?おかぁさーん!!!!!」

J( 'ー`)し「気がついた・・・のね?ごほっ!もう・・・だめ・・・よ?貞・・・子・・・ころし・・・ちゃ」

J( 'ー`)しは|||-_|||の腕の中で息絶えた。

|||;_|||「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


ビル内に生存者はいなかった。髪の長い、全裸の女性を除いて・・・。

 


 


180 :1 :2006/04/20(木) 20:42:00.63 ID:Sw4T0s680

■第七話:交わる世界。


|||-_|||はその後、ビルを飛び出した。自分が人を殺してしまった。
記憶がなくとも、手に持った刀に付着した血を見れば自分のせいだと感じられる。

カーチャンも殺してしまった。父は・・・父の事はあまり憶えていない。

常に厳しく、修行と言って雪の舞う季節に滝に叩き落とされた位か・・・。
そんな悲しい思い出しかないのが余計つらかった。

カーチャンは優しかった。どんなに死にたくなっても、カーチャンの為に行きようと思えた。

|||;_|||「カーチャン・・・」

貞子は洞窟の中に入って行った。そして穴に落ちた。


181 :1 :2006/04/20(木) 20:43:13.39 ID:Sw4T0s680

( ^ω^)「やっとフェラレディまで着いたお・・・あの蛇はなんなんだお!」

ξ゚听)ξ「解らないけど・・・私達だけで逃げてきて良かったのかしら?」

( ^ω^)「集団行動では冷静な人以外は危険だお。ピアスって人はもっと頭を使って欲しいお」

|||-_|||「・・・・・・」

|||-_|||(ここはどこだ?気がついたら変な場所にいる)

|||-_|||(下の方は随分と明るいな・・・火事か?)

( ^ω^)「よし、エンジンがかかったお!ツン早く乗れお」

ξ(゚、゚ξ「ごめん・・・やっぱり置いてきぼりには出来ない。二人ともいい人だもの」

( ^ω^)「勝手にするお。俺はもう帰るお」


182 :1 :2006/04/20(木) 20:46:33.35 ID:Sw4T0s680

( ^ω^)のフェラレディが爆音を立てて道を下って行った。テールランプが遠ざかっていく。

ξ゚听)ξ「ホントに行っちゃった・・・冷たい人間だわ」

ξ゚听)ξは太い枝を拾い、獣道を登りだした。

( ^ω^)「全く、頭を使わない人間は最悪だお。人の為に命を捨てるなんてバカだお・・・ん?」

( ^ω^)の進路に人が見えた。髪の長い女性だ。白いワンピースが闇に浮き上がっている。

( ^ω^)「・・・・・・美人かもしれないお」

( ^ω^)がそう呟いた瞬間、車が真っ二つに割れた。


183 :1 :2006/04/20(木) 20:48:41.96 ID:Sw4T0s680

ξ゚听)ξ「きゃぁぁ!蛇!蛇!」

ξ゚听)ξが枝を振り回している。蛇は警戒しているのか、なかなか近づいてこない。

ξ゚听)ξ「なんでこんな季節に蛇がいるのよ!ばか!」

ξ゚听)ξの投げた枝が蛇の頭に当たり、蛇は地面に這いつくばった。

ξ゚听)ξ「きゃーきゃー!・・・あれ?」

蛇は気絶しているようだ。ξ゚听)ξは急いで枝を拾い上げると、先を急いだ。


184 :1 :2006/04/20(木) 20:52:27.61 ID:Sw4T0s680

月が光輝いている。(*゚ー゚)と(。・д・)は玄関外の階段に座ってボンヤリと月を眺めていた。

(*゚ー゚)が大量の蛇を叩き殺した事を(。・д・)に告げると胡散臭そうな顔をされたが、
二階廊下を埋め尽くしている死体を見て(*゚ー゚)の力を認めたようだ。

(。・д・)「その刀・・・呪われてんのかな?」

(*゚ー゚)「どうかなー?ボクを守ってくれたみたいだし、害はないと思うよ」

(。・д・)「まぁね。ってかこれからどうする?」

(*゚ー゚)「どっかの部屋に篭れば良いかなー。しっかりバリケードで塞いでさ」


189 :1 :2006/04/20(木) 20:59:53.57 ID:Sw4T0s680

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

ξ゚听)ξの目の前に巨大な影が立ち塞がった。月の光を浴びて、神々しいまでに光り輝く白い鱗を持つ大蛇だ。
10メートルはあるかもしれない。
ξ゚听)ξの背をはるかに超える高さまで鎌首をもたげ、ξ゚听)ξを睨みつけている。

( ^ω^)「おっ?ツンかお?」

ξ゚听)ξ「な、内藤・・・助け・・・」

( ^ω^)「だいじょぶだおwこっちには心強い味方がいるおwww」

なんてのんきな豚だ!と呆れそうになったが、ξ゚听)ξはすぐに気を張り詰めた。
蛇が襲いかかってきたのである。


194 :1 :2006/04/20(木) 21:08:50.40 ID:Sw4T0s680

きゃぁぁぁぁぁぁぁ!

下の方から叫び声が響く。(*゚ー゚)と(。・д・)は思わず顔を見合わせた。

(*゚ー゚)「ツンちゃんの声だよね?」

(。・д・)「急いだほうが良さそうだな、白豚も当てになりそうもないし・・・」

(*゚ー゚)と(。・д・)が走り出した。月のおかげで道ははっきりと見える。
飛び出してきた蛇を(*゚ー゚)の右手が勝手に払い、トドメをさす。

(。・д・)「マジで惚れ惚れするわ・・・」

(*゚ー゚)「あははwありがとwでもそんなコト言ってる場合じゃないねw」

(*゚ー゚)と(。・д・)が大きなカーブを曲がったとき、巨大なビルが倒れるのを見た。


195 :1 :2006/04/20(木) 21:12:16.84 ID:Sw4T0s680

ξ゚听)ξ「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

私は声の限り叫んだ。喉が張り裂けて内臓がせり出てくるかと思った。
だがそんなコトは構わなかった。死ぬ。初めて感じる恐怖。

私は死ぬのか・・・ふっと楽になった。あれだけ牙が大きければ、一瞬で死ねるだろう。
痛みなんて感じないはずだ。そう思ったとき、後ろから足音が聞こえた。

綺麗な長い髪の毛、白いワンピース、裾からのぞく脚線美。
私でも簡単に折れそうなほど細い腕の先には、光り輝く抜き身の刀が握られていた。


196 :1 :2006/04/20(木) 21:13:51.57 ID:Sw4T0s680

(。・д・)「あ・・・」

あたしは見とれていた。髪の長い女性に。女性はまるで舞うように大蛇に近づいていった。
ξ゚听)ξを追い越し、大蛇の前に立つ。堂々と立つ。
大蛇が大きな口を開け、ワンピースの女を呑み込もうとした。

何が起こったのか解らなかった。
女性の右手が見えなくなったかと思うと、蛇の顔がズタズタに切り裂かれていた。


197 :1 :2006/04/20(木) 21:14:50.07 ID:Sw4T0s680

ξ゚听)ξ「あ・・・あ・・・」

大蛇をあっという間に殺した女性は、ξ゚听)ξの方を見て微笑んだ。

|||-_|||「だいじょうぶ?」

ξ゚听)ξ「あ、だ、だいじょうぶ・・・です。あの、ありがとうございます」

|||-_|||「いいのよ、お礼なんて・・・立てるかしら?」

蛇の首を落としたとは思えないくらい細い手を握り、ξ゚听)ξは立ち上がった。

ξ゚听)ξ「あの・・・あなたは誰ですか?」

|||-_|||「私?私は貞子よ」


貞子は顔についた返り血も気にせずにそう言った。

 


 


20 :1 :2006/04/21(金) 02:21:52.73 ID:amZDBQ8A0

■第八話:医者とストーカー


ボクたちは全員で洋館に戻っている。|||-_|||さんは記憶喪失らしい。なぜこんな場所にいるか解らないそうだ。

|||-_|||「あなた、不思議な服を着てるのね。とっても可愛いわ」

|||-_|||さんに褒められると、素直に喜べる。スカートをめくられた時はショックだったが。

|||-_|||「こんな色の下着もあるのね」

ξ゚听)ξちゃんもめくられそうになったが、なんとか(。・д・)さんの裏に逃げ込んだ。
(。・д・)さんはジーンズだったので、めくれなかった。心なしか、|||-_|||さんは残念そうだ。
( ^ω^)がニヤニヤしていたので、(。・д・)さんが殴りつけたら泣き出したのには笑った。


21 :1 :2006/04/21(金) 02:27:31.83 ID:amZDBQ8A0

なにはともあれ、|||-_|||さんと言う戦力が増えたのは嬉しいことだった。
|||-_|||さんの刀とボクの刀は似ている。

|||-_|||「それ、似てるわね」

|||-_|||さんがこう言ったときも素直に頷けた。
ボクが嬉しそうに頷くのを見て、|||-_|||さんが微笑んだ。

何故だろう?|||-_|||さんはすごく悲しそうに微笑む。でも凄く綺麗だ。

 
22 :1 :2006/04/21(金) 02:36:02.14 ID:amZDBQ8A0
何故この世界に|||-_|||がいるのだ!俺は不安になった。
(*゚ー゚)は気づいていないようだが、二人の刀が妙な共鳴をはじめている。
鞘が抜けるのもそう遠くないかもしれない。あぁ痒い!また痒くなってきた!

10メートル程度の蛇では|||-_|||に傷を与えることは適わないだろう。
かといって、それ以上の蛇を出せば俺の力の消耗が激しくなってしまう。
俺はまだ死ぬわけには行かない。復讐だ!これは復讐だ!

もう少し時間を稼ぐ必要がある。小さいが大量の蛇で足止めをしておく事にしよう。


24 :1 :2006/04/21(金) 02:40:08.61 ID:amZDBQ8A0

ξ゚听)ξ(さっきから頭が痛む。起きながらにして夢を見ているような不思議な感じ)

('、`川(なんでなの?なんで私が!!)

ξ゚听)ξ(?この人は誰?さっきの大蛇に襲われたショックがまだ残っているのかしら?)

('、`川(ふざけないでよ!なんなのそれ!私は○○○○じゃないわよ!)

ξ゚听)ξ(え?なんて言ってるのかわからな・・・)


26 :1 :2006/04/21(金) 02:46:13.96 ID:amZDBQ8A0

('A`)「あ、ぷいちゃんwよく来たねw」

('、`*川「こんにちはせんせーw」

('A`)「あぁ、こんにちは」

('、`*川「私まだ風邪が治らないらしくてーw」

('A`)「そうか、肺炎かもしれないねwちょっと上着を脱いでそこに寝転んでみようか」

('、`*川「はぁーい♪せんせぇーエッチな事しちゃだめだよー」

('A`)「はははwそんなことするわけないじゃないかwほら早くw」


27 :1 :2006/04/21(金) 02:55:58.40 ID:amZDBQ8A0

('A`)は真面目で腕の良い医者であったが、童貞で女性と全く縁がなかった。
そんな('A`)につきまとっているのが('、`川だ。
('、`川は仮病を使っては('A`)の診療所を訪ね、肉体関係を結んでいた。

('、`川は毎日やってきた。そして毎日('A`)と寝て帰って行った。
('、`川は満足だった。いずれこの人と結婚する。そして可愛い子供を作るのだ。
('、`川は毎日('A`)を思っては体を火照らせていた。


28 :1 :2006/04/21(金) 03:01:30.04 ID:amZDBQ8A0

ξ゚听)ξ(なんなのこれ・・・変な女と不細工な医者・・・気持ち悪いカップルだわ)

(*゚ー゚)「んー?ツンちゃんなにか言ったー?」

ξ゚听)ξ「あ、なんでもないわよ。それにしても、さっきから蛇が出ないのは妙ね・・・」

(*゚ー゚)「そうだねー。でも出ないに越した事はないよw
    もう少しで洋館につけるし、そしたら朝までバリケードつくって閉じこもれるもん」

(。・д・)「そうだな。それが一番安全だろう。ポルターガイストは興味深いが・・・」

( ^ω^)「ちょwwwwもうオバケはこりごりだお」


29 :1 :2006/04/21(金) 03:05:57.23 ID:amZDBQ8A0

('A`)は次第に('、`川の行動に異常さを感じてきた。
診察中だと受付が答えても、何回も繰り返し電話をかける。
何回かけても('A`)が出なければ、我が家のように診察室に入ってくる。

('A`)(もう我慢できない。はっきりと断ろう)

('A`)はある女性とのお見合いの結果、相手側から了解を受け近いうちに結婚する事が決まった。
これ以上('、`川の相手をしていれば、いずれ縁談が壊れるかもしれない。

('、`川にはっきり言ってやろう。('A`)はそう決めると、('、`川を診察室に呼び出した。


31 :1 :2006/04/21(金) 03:17:01.54 ID:amZDBQ8A0

('、`*川「せんせぇ、来たよw大事な話しってなに?」

('A`)「うん、俺は今度結婚する事になったんだ」

('、`*川「えー?先生ったら!気が早いよw私まだ準備できてないもんw」

('A`)「いや・・・君とじゃないんだ」

('、`川「え?」

('A`)「お見合いの結果、ある女性と結婚する事になった。君とはもう付き合えない」


32 :1 :2006/04/21(金) 03:21:59.13 ID:amZDBQ8A0

(*゚ー゚)「あ、洋館が見えてきたよー」

(。・д・)「あ?洋館の方から変な音が聞こえね?」

ぞわぞわぞわ・・・洋館の庭から不気味な音が響いた。

( ^ω^)「ちょ・・・あれはなんだお?」

庭の中央に浮いた黒い球体。その中から嫌な音が響いている。

(。・д・)「もしかしてあれ・・・」

|||-_|||「そのようだ・・・みんなは隠れてて」

そう言うが早いか、|||-_|||は球体に向かって走り出した。


33 :1 :2006/04/21(金) 03:25:10.33 ID:amZDBQ8A0

('、`川「どういうことなの?!せんせーが好きなのは私でしょ?!」

('、`川が大声で怒鳴っている。目にはうっすらと涙を浮かべていた。

('A`)「いや・・・別に君と付き合っていたわけじゃないんだけど・・・」

びしっ!('A`)の頬に赤い痣が浮いた。

('、`川「なんなの?!散々私を弄んどいて!私との関係はなんだったの?」

('A`)「いや・・・俺の方から誘ったわけじゃ」

(;、;川「ふざけないでよ!なんなのそれ!私はおもちゃじゃないわよ!」

('、`川は泣きながら診察室を飛び出して行った。


34 :1 :2006/04/21(金) 03:26:59.52 ID:amZDBQ8A0

ξ゚听)ξ「・・・・・・」

(。・д・)「どうしたんだツン。さっきからボーっとして」

Σξ゚听)ξ「なんでもないわ。貞子さんはカッコいいなと思って」

|||-_|||が球体に向かって走って行った。それを合図に球体が割れ、大量のマムシが地面に着地した。

(。・д・)「あぁ、とてもじゃないが、あたし達にあんな芸当はできねーよ」

|||-_|||の右腕が動いたかと思うと、大量のマムシが千切れて飛んで行く。
だが少々疲れてきたようだ。

(*゚ー゚)「僕も手伝ってくるねー。一人じゃ大変そうだよ」

(*゚ー゚)がマムシの群れにとび込んで行った。

(。・д・)「まぁ、あいつらに任せとけば安心だな」

ξ゚听)ξ「・・・だね。それにしても白豚はさっきから影が薄いわね」

(;^ω^)「・・・・・・」


35 :1 :2006/04/21(金) 03:29:39.68 ID:amZDBQ8A0

ξ゚听)ξも幻覚を見ているようだ。目を見開いてよく見ておけ。それがお前達の業だ。
それにしても・・・あの刀は厄介だな。二振りもあるとは・・・。
なぜ|||-_|||がこの世界に来たのか解らないが、このままでは蛇の無駄使いだ。なんとかしなければ。

(*゚ー゚)の右腕が次々と蛇を斬っていく。だが動きが少々遅くなったようだ。

|||-_|||「全力で斬っていると疲れるぞ。意識を集中してスピードを下げろ」

|||-_|||が蛇を斬りながら叫んだ。


36 :1 :2006/04/21(金) 03:32:07.18 ID:amZDBQ8A0

('、`川は異常だった。診療所の前で待ち伏せしたり、日に何度も電話を掛けてきたり。
しまいには('A`)の部屋に忍び込んでパンツを盗んで行った。

だが('A`)が結婚すると共にそれも減っていき、ある日ぷっつりとなくなった。
診察に来た近所のおばさんが、('、`川は遠くで結婚したと聞いた。

('A`)「あぁ、俺は幸せだー」

(嫁)「なに言ってるのよアナタw私の方が幸せなんだからw」

('A`*)「コイツー」

だがそんな('A`)の幸せも長くは続かなかった。


37 :1 :2006/04/21(金) 03:35:22.62 ID:amZDBQ8A0

いつものように('A`)が診療所から帰宅しようと歩いていると、目の前から見知った女性が歩いて来た。

('A`)「ぷい・・・」

('、`川「久しぶりね、先生」

綺麗に化粧をした('、`川だった。喋り方も大人っぽくなり、しっとりした色気が('A`)を包み込んだ。

('A`)「いまはどうしてるんだ?結婚したと聞いたが」

('、`川「そうよ。私、結婚したの。でもね、悩みがあって・・・」

('A`)「ん・・・」

('A`)は断ろうとした。しかし('、`川の悲しそうな顔を見て情が沸いた。


38 :1 :2006/04/21(金) 03:38:45.67 ID:amZDBQ8A0

|||-_|||「キリがないわ!ひとまず引こう!」

(*゚ー゚)「りょーかーい。腕が筋肉痛だよ」

|||-_|||と(*゚ー゚)が蛇を斬りながら後退して行く。そして|||-_|||の合図で斬るのをやめて走り出した。

ξ゚听)ξ「私達も逃げるわよ」

全員が走って獣道を駆け下りて行く。ふふふ。いい気味だ。さすがの|||-_|||もあの人数は無理なようだな。
俺の計画通りに事は進んでいる。もう少しだ、もう少しで俺の計画が終わりを告げる。
体の痒みも取れてきた。バカなやつらだ。

しかし、これで('A`)までこの世界に現れたら少々やっかいだな。
あいつはただの医者だから|||-_|||のように戦う事は出来ないが・・・なんにせよ、時間稼ぎは成功した。
ふっふっふっ!殺してやる。殺してやる。殺してやる。


39 :1 :2006/04/21(金) 03:41:16.08 ID:amZDBQ8A0

('A`)と('、`川は崖の上に来ていた。岩壁にぶつかる波の音が規則的に聞こえてくる。

('、`川「あなたは全然変わってないのね・・・私は駄目だわ、身も心も汚れてしまった」

('A`)「・・・・・・」

('、`川「結婚した相手がひどいやつなの。私をおもちゃとしか見ていないのよ」

((;、;川「ふざけないでよ!なんなのそれ!私はおもちゃじゃないわよ!」)

('A`)の頭に('、`川との最後の会話がよぎる。
('、`川はいまだにおもちゃなのだろうか。見た目が変わっても・・・中身はあの頃のままなのか。

('A`)「・・・・・・」

('A`)はなんと答えて良いか解らず、ただ黙って波の音を聞いていた。


40 :1 :2006/04/21(金) 03:44:58.58 ID:amZDBQ8A0

('、`川「あははははは」

('、`川が急に大声で笑いはじめた。

('A`)「どうした?」

('、`川「私に幸せなんて来ないのよ。私は不幸な女」

('A`)「そんなことはないよ。ぷいは綺麗になった」

('、`川が('A`)を見つめる。

('A`)「そんな目で見るなよ。お世辞じゃないぞ」

('、`川は('A`)から目をそらすと、ポツリと言った。

('、`川「私の話しを聞いてくれる?」


41 :1 :2006/04/21(金) 03:47:24.57 ID:amZDBQ8A0

('A`)が結婚した後、('、`川は遠くに行ってしまいたいと思った。
そして当てもなく歩いているうちに大きな町に着いた。
繁華街。('、`川は店の人間にスカウトされて小さな店で働き始めた。
当然体を売る店だ。

('、`川「調子良かったのよ。田舎っぽい子ってあんまり居なかったから」

その内に('、`川目当てで店に来る客が増え、常連の中の男に求婚された。
町を仕切るヤクザの組長だった。

組長は真面目な男だった。('、`川は次第に組長に惹かれて行き、そのまま結婚した。

('、`川「娼婦達はみんな羨ましがったわよ・・・アイツの本性なんて知らないからね」


42 :1 :2006/04/21(金) 03:49:25.22 ID:amZDBQ8A0

幸せな結婚生活は長く続かなかった。組長は次第に('、`川に飽き、抱かなくなった。
そしてある日・・・

( ´┏_⊃┓`)「おい、ちょっとここに行って待っててくれるか?」

('、`川「解ったわ」

私はアイツの指定した場所に向かった。そこで何人もの手下に犯された。

('、`川「アイツは私に飽きたのね。アイツはすでに別の女を囲っていたのよ」

('A`)「つらかったんだ・・・な」

('、`川「そうね・・・アイツは私の名前を呼んでくれた事なんてなかったわ」

('、`川が('A`)に抱きついてきた。

Σ('A`)「おい」

(;、;川「お願い!少しだけで良いの!少しだけこのままで居させて・・・」


43 :1 :2006/04/21(金) 03:51:50.54 ID:amZDBQ8A0

それはあっという間だった。蛇が木の上から飛んできて、(*゚ー゚)を襲った。

(*゚ー゚)の腕は刀に操られた疲労により、石のように固まっていた。

(*゚ー゚)「あ・・・」

(*゚ー゚)の目の前を影が横切った。長い髪・・・|||-_|||だ。

|||-_|||が飛んできた蛇を斬り殺す・・・するとその瞬間に下を這っていた蛇が|||-_|||に飛びかかった。

(*゚ー゚)「あ、危ない!!」

 


 

 

71 :1 :2006/04/21(金) 11:38:13.83 ID:amZDBQ8A0

■第九話:新たなピース


(;、;川「アナタのせいよ・・・」

('A`)は一瞬('、`川の言ったことが理解出来なかった。

('A`)「あ・・・?」

('A`)が聞き返すまもなく、('、`川が('A`)を押し倒した。

('A`)「いてぇよ、どうした?」

('、`川「アナタのせいよ!アナタがあの時に私を捨てたから!捨てたから私があんな目にあったのよ!」

('、`川が('A`)の胸元に手をかけた。


72 :1 :2006/04/21(金) 11:41:33.20 ID:amZDBQ8A0

貞子さん!貞子さん!

声が聞こえる。私を呼んでいる声。すごく心配そうな声。やめて、心配しないで・・・

|||-_|||「おかぁさん」

(*;ー;)「え?なんて言ったの?貞子さん!貞子さん!」

左側が温かい。私は右手で左の首筋を触った。温かい液体が指を濡らした。

|||-_|||「私・・・噛まれたのね・・・」

(*;ー;)「だいじょぶだよ!かすり傷だよ!ね、しっかりして!」

他の三人は沈黙を守っている。

|||-_|||「大丈夫だ、私に悔いはない」

(*;ー;)「なにを言ってるの?!」


73 :1 :2006/04/21(金) 11:50:14.11 ID:amZDBQ8A0

|||-_|||「しぃ、私はお前だ・・・」

(*;ー;)「え?しっかりしてよ!貞子さん!」

|||-_|||「わ、私は正常だ・・・良いから黙って話しを聞け・・・」

(*;ー;)「手当てしなきゃ、ねぇ、誰か包帯もってない?ツンちゃん、ピアスさん、白豚くん」

ξ;;)ξ「・・・持ってないわ・・・」

(*;ー;)「ピアスさん、袖を破って私の肩を手当てしてくれたでしょ?あれ、あれ貞子さんにもやってあげて!」

(。・д・)が黙って首を振る。目には涙が浮かんでいるようだ。

(*;ー;)「もう!なんでみんな黙ってるの?」


74 :1 :2006/04/21(金) 11:54:46.82 ID:amZDBQ8A0

|||-_|||「しぃ!いい加減にしてくれ!」

|||-_|||が怒鳴った。(*゚ー゚)の目が見開かれる。涙が頬を伝った。

|||-_|||「私はもう死ぬ」

(*;ー;)「そんなこと・・・」

|||-_|||「良いから聞いてくれ、しぃは私と同じ血が流れている・・・つまり私の子孫がしぃだ」

(*゚ー゚)が黙って頷いた。気づいていた。いや、感じていた。ボクと似てるって。同じ血が流れてるんだって。

|||-_|||「隔世遺伝って言うんだろうな・・・何世代も経てしぃに私の力が受け継がれた・・・」


75 :1 :2006/04/21(金) 12:00:17.28 ID:amZDBQ8A0

|||-_|||「しぃはこの時代の私なんだろうな・・・だからこそ、試したいことがある」

|||-_|||が(*゚ー゚)の手を握った。

|||-_|||「力を、左手に集中していてくれないか?・・・私が死ぬまで・・・」

(*;ー;)「う・・・うん」

|||-_|||「出来るな?私の子孫だ・・・さぁ、涙を拭いて」

(*゚ー゚)「出来るよ!ボクは貞子さんの子孫だもん!」

|||-_|||が微笑んだ。嬉しそうに、楽しそうに。切なそうな微笑とは違う、心から、心から微笑んだ。

|||-_|||の手が冷たくなっていく。乱れていた呼吸が小さくなっていく。


|||-_|||は死んだ。
 


76 :1 :2006/04/21(金) 12:13:02.96 ID:amZDBQ8A0


('A`)「やめろ!」

('A`)が('、`川を突き放した。

スローモーション。

('A`)に押された('、`川が体制を崩し、後ろに倒れた。

そしてそのまま崖を落ちて行った。


77 :1 :2006/04/21(金) 12:20:03.87 ID:amZDBQ8A0

|||-_|||の息が途絶え、しばらくすると|||-_|||の体が光り始めた。

(*゚ー゚)「・・・え?」

|||-_|||の体が光の粒子に包まれ、次第に薄くなっていく。

(*゚ー゚)「どういう・・・こと?」

完全に光の粒子となった|||-_|||が(*゚ー゚)の手から体内へ入っていった。

(*゚ー゚)「なんで?どうなったの?」

(。・д・)「よくわかんねーけど・・・貞子はお前の中に入ったんじゃねーかな」

(*゚ー゚)「ボクの中に?」

ξ゚听)ξ「そうよ、きっとそうだわ!貞子さんはしぃちゃんと一つになったのよ」

(*゚ー゚)「貞子さんがボクと・・・一緒・・・」

(;^ω^)「・・・・・・」

(。・д・)「いつまでもウジウジしてんな!しぃがそんなんだと貞子さんが困るだろーが」

(*゚ー゚)「う、うん・・・」


79 :1 :2006/04/21(金) 12:28:09.51 ID:amZDBQ8A0

('A`)「ぷい!」

('A`)の中で何かが弾けた。そしてその弾けたものが('A`)の足を前へ前へと動かしていた。

('A`)「ぷぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

空もー飛べーるはずー♪

('A`)は跳んだ。間に合わないのは解っていたが、それでも跳んだ。
('A`)が崖を足で蹴飛ばしたとき、ボチャンと言う音がした。

('A`)(無駄死に・・・か。だが悪くはないな)

('A`)は目をつぶった。体が風を切って落下して行く。
美しく優しい妻。軌道に乗りはじめたドクオ医院。楽しかった思い出がスローモーションで再生されていく。

その時('A`)の落下地点に黒い穴が開き、('A`)をまるごと呑み込んで消えた。


80 :1 :2006/04/21(金) 12:34:06.08 ID:amZDBQ8A0

ゴン!

('A`)「いてぇ・・・」

('A`)は頭をさすりながら周りを見回した。壁一面に本棚が並び、隙間なく本が挟まっている。
絨毯は高価そうだが、埃が溜まって饐えた匂いを撒き散らしていた。

('A`)「なんだここは・・・確か俺はぷいを助けようと・・・」

新たなピースがこの世界に現れたようだな。ふっふっふ。体の痒みが収まってきた。
だがまだ完全に消えたわけじゃない。あと一人だ。残った一人がこの世界に現れれば良い。
だが、まだまだ時間稼ぎが必要だな。どれ、大蛇を二、三匹出しておくか。
グヒヒヒ。あと少しだ。


81 :1 :2006/04/21(金) 12:44:49.02 ID:amZDBQ8A0

( ^ω^)「・・・・・・」

(*゚ー゚)「はぁ。これからどうしよっか?」

ξ゚听)ξ「獣道にいるのは危険だわ。寒いし、どこから蛇が襲ってくるか解らないもの」

(。・д・)「そうだな。やはり洋館に戻るしかなさそうだな」

(*゚ー゚)「そうだね・・・」

(*゚ー゚)がそう言って刀を拾おうと手を触れた瞬間・・・

(*゚ー゚)「え・・・」


82 :1 :2006/04/21(金) 12:45:16.91 ID:amZDBQ8A0

(*゚ー゚)が洋館で拾った刀が突然光りだした。神々しいまでの光だ。
(*゚ー゚)が刀を持ち上げた。
そしてどんなに力を入れても抜けなかった鞘が、するりと抜けたのだ。

(*゚ー゚)「・・・・・・」

鞘はカランと音を立てて地面に落ち、(。・д・)の足元まで転がって行った。

(。・д・)「よっこらセックス」

(。・д・)が身をかがめて鞘に触れた。

(。・д・)の意識が闇に沈んだ。

 

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