ξ ;凵G)ξ「間違いない……アイツの車……」
川;゚ -゚)「あいつ……何しにきたんだ……」
殆ど誰も通らず、時たま轟音と共に凄まじい速さで車が駆け下りてゆく峠道の片隅……
そこで1人泣きじゃくる女性、そしてそれを取り囲む男女3人。その中で、女性が重い口を開いた。
ξ;凵G)ξ「いや……いやあ……」
(;^ω^)「ど、どうしたお!?いきなり……」
ξ#;凵G)ξ「う る さ あ い ! !」
心配して近づくブーンをツンが突き飛ばす。
ブーンは車道ギリギリの所に吹っ飛ばされ、直後にブーンの背後を轟音がかすめた。
そして、ブーンが見た表情は時たま見せるツンの恥ずかしがるような仕草ではなく、「怒り」という2文字の表現そのものだった。
ξ#;凵G)ξ「あんたに……分かるはずないじゃない……
あのZが何なのか……新参のあんたなんかに……!」
(;^ω^)「………」
川 ゚ -゚)「……ブーン、そういう事だ。
今日はお前ら2人で帰れ」
(;'A`)「せ、先生までどうしたんですか……?」
川#゚ -゚)「いいから帰れ!お前らが出る幕じゃない」
(;^ω^)「せ、先生達はどうするんだお?」
川 ゚ -゚)「ツンと一緒に他の友人に送ってもらう。
お前ら、帰路は分かるだろ?」
(;^ω^)「おk……」
(;'A`)「分かりました……」
2台のハチロクは峠を下り始めた。
2人のそれぞれの思いを、ハンドルにぶつけて……
( ^ω^)「何があったんだお…… ツンさん……」
('A`)「先生のあの一言、何か深い意味でもあるのか……?」
ドクオの予感は、大方当たっていた。
その頃、峠の頂上付近にある駐車場では、数人の人影が姿を見せていた。
川 ゚ -゚)「ギコ…… 久しぶりだな」
ξ;凵G)ξ「………」
( ,,゚Д゚)「おや、久々だな。クーにツン。ニラ茶でも飲むか?」
川 ゚ -゚)「何度も言うが、ニラ茶は好みじゃない」
( ,,゚Д゚)「おっと、これで138回は聞いたっけな」
ギコと呼ばれた男は、マイカーであるシビック TypeRに寄りかかり、アルミ缶詰めのニラ茶を口の中にこぼしている。
ニラ茶を飲み干すと、男は近くにあったリサイクルボックスへ缶を投げ入れた。
川 ゚ -゚)「まあ、とりあえず本題だ」
( ,,゚Д゚)「分かっている。
さっきのZ32、そして今のツンの落ち込み具合…… 奴だな?」
ξ;凵G)ξ「うん……」
( ,,゚Д゚)「ツンも、もう落ち込むな。もう数ヶ月前の話だ。
それに、俺だってあいつとは親友だった…… 辛いのは俺だって同じだ」
ξ;凵G)ξ「でも……」
( ,,゚Д゚)「悔やみたいお前の気持ちは分かる。
でも、あいつはもう帰って来ないんだよ……」
ξ;凵G)ξ「………」
( ,,゚Д゚)「さて、ちょっくら走ってくる。
ツンも来るか?」
ξ;凵G)ξ「いい……」
( ,,゚Д゚)「そうか…… 腕だけは落とさないようにしろよ。
お前は仮にも、榛名では双子の隼に次いで早い女だ
……その肩書きがどれほど重いか、きちんと考えろよ」
男はシビックの運転席に座り、エンジンをかけた。
( ,,゚Д゚)「クー」
川 ゚ -゚)「何だ?」
( ,,゚Д゚)「Z32の件については俺が片付ける。
もっとも、今の俺の実力で勝てるかどうかが問題だが……」
川 ゚ -゚)「ギコ……
無理だけはするなよ」
( ,,゚Д゚)「ああ。
じゃあ、行ってくる」
そういい残すと、ギコは真夜中の榛名に姿を消した。
川 ゚ -゚)「ツン、私達も帰ろう」
ξ;凵G)ξ「………」
クーも、今もなお泣き続けるツンを連れ、別の友人の車に乗って榛名を去った。
遠ざかっていく榛名湖を眺め、ツンは嘆いた。
ξ;凵G)ξ「モナー……」
一方、ギコも序盤のストレートを越えた先の連続コーナーを抜けている最中だった。バックミラーに、黒い影と白い光が映る。
(:::::::−::)「………」
( ,,゚Д゚)「来たか……」
”榛名の黒い死神”がシビックの背後に迫る。
( ,,゚Д゚)「大方予想はしていたさ。最速のモナーは消え、双子の隼も今じゃザコ同然……
ツンとクーが走れない今、榛名最速は成り上がりで俺しかいない。
来るなら来い……! 相手がZなら不足はねえ!」
次の日……
――東方総合高等学校
( ^ω^)「………」
ブーンは昨日の出来事を想い、窓の外を眺めていた。
「いや…… 嫌アアアアアアアアア!!」
「う る さ あ い ! !」
「あんたに分かるはず、ないじゃない……」
昨日のツンの言葉が、心の奥底で鳴り響く……
ツンが見せたあの表情は、どこか「憎しみ」を感じているように見えた。
( ^ω^)「何があったんだお……」
――休み時間
川 ゚ -゚)「……すまん。また呼び出してしまって」
( ^ω^)「大丈夫だお」
('A`)「昨日のこと、ですか……?」
川 ゚ -゚)「ああ……」
とある空き教室。ブーンとドクオはクーに呼ばれていた。
ブーンはこれで2度目である。
川 ゚ -゚)「昨日のZ32だが……
奴には近寄らないほうがいい。奴は凶悪だ」
( ^ω^)「……?」
川 ゚ -゚)「昨日の夜、ツンが「彼氏はいる」といっただろ?」
('A`)「ああ、はい」
川 ゚ -゚)「あれは嘘だ」
( ゚ω゚)
( ゚A゚)
川 ゚ -゚)「いや、正確には「いた」と言った方が正s……」
(*^ω^)「フヒヒ!!カワイイ女の子ゲットするチャンスだお!」
(*'A`)「俺にも……とうとう魔法を捨てるときが……」
直後、二人の顔に平手打ちが飛んだ。
川#゚ -゚)「ふざけんなタコ共!!」
( ^ω^)「………」
('A`)「………」
その平手はクーから放たれた物だった。
続けてクーの罵声が教室中を飛び交う。
川#゚ -゚)「お前ら、昨日といいふざけてんじゃねえよ!
ツンはあれでもかなり傷ついてんだぞ!ただ感情を表に出さないだけだ!
そんな気で走り屋やるなら、とっととやめちまえ!!」
( ^ω^)「………」
('A`)「………」
平手打ちを食らい、罵声を浴びた2人は自分の過ちに気がついた。
しかし、気づいた時はもう遅く、2人はただ黙っているしか無かった。
二人が落ち着いたことを確認すると、クーは話を進めた。
川 ゚ -゚)「あいつの彼氏…… モナーは事故で死んだんだよ。
あいつのホームコース、榛名峠でな」
( ^ω^)「!」
('A`)「!」
当然のごとくではあるが、2人は突然の言葉に驚いた。
川 ゚ -゚)「今から半年ぐらい前、モナーが榛名で走っている背後からZ32が現れた。
丁度4連ヘアピンの前辺りだろう。ツンはその下でモナーの走りを見ていた」
( ^ω^)「おー……」
川 ゚ -゚)「だが、悪夢が起こった。
3度目のヘアピンの所で、突然後ろについていたZがモナーの車を突き飛ばした」
('A`)「!」
川 - _-)「車は……ツンの目の前で無残な姿と化した」
(;^ω^)「………」
川 ゚ -゚)「急いでツンも駆け寄ろうとしたが、モナーは即死。
そして、その横をZ32が何事も無かったかのように通り過ぎて行ったよ」
(;'A`)「ひどい……」
川 - _-)「それからだよ。ツンが変わってしまったのは。
あれから何に対しても敵意を感じるようになって、感情すらコントロールできなくなってしまった」
( ^ω^)「それで……昨日のZ32が……」
川 ゚ -゚)「ああ。そのZだ。Zというか……「死神」だな」
「死神」の恐怖…… 事故という名の恐怖……
免許を取って間もないブーン達にとって、2つの恐怖は大きなプレッシャーと化した。
( ;ω;)「なんだか…… 怖くなってきたお……」
( ;A;)「だめだ、今度ばかりはもう……」
川 ゚ -゚)「私も流石にに言い過ぎた。すまない。
だが、今は榛名に近づくな。下手すれば命が危ない」
( ;ω;)「お…… おk……」
念願の免許取得、そして、走り屋という新たな道は、閉ざされようとしていた。
川 ゚ -゚)「だが…… これはあくまで榛名での話だ。
それにお前達なら、まだ練習も必要だろう。」
( ^ω^)「……お?」
閉ざされようとする扉を、クーが再びこじ開けた。
クーは、ブーンとドクオにある提案を持ちかけた。
川 ゚ -゚)「腕が上がるまでサーキットに行け」
('A`)「サーキット……?」
川 ゚ -゚)「ああ。レース用のきちんとしたサーキットだ。
まずはそこで、基礎的なことから学ぶんだ」
( ^ω^)「わ、分かったお!」
川 ゚ -゚)「無論、私も協力できることがあったら協力する。
今は、お前達のスキルアップが優先だ」
(*'A`)「は、はい……!」
2人は怯えていた。どうしようもなく。
しかし、その恐怖に打ち勝つ力が、2人には秘められている。
その証拠こそ、2台のハチロク…… 双子の隼だった。
双子の隼に選ばれた代償は大きいが、その分の期待も大きいらしい。
「二人は確実に伸びる……!」クーは心の中で呟いた。
第4話 END
(*’ω’*)「そういや、どうしてハチロクを売ったんだお?
ぽっぽ達、現役にはもう戻らないぽ?」
(´・ω・`)「……怖いんだ」
(*’ω’*)「あの事件…… ぽ?」
(´・ω・`)「ああ。あいつは榛名を地獄にする。
戦う前から、僕は気づいてた……」
(*’ω’*)「………」
to be contenued...