27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:26:25.03 ID:CIhsa/sD0
 

( ^ω^)「うおぉぉぉぉ!」
気合の掛け声と共に刀が一閃。何体かのわら人形を切り倒した。
ブーンは少しづつではあるが確実に強くなっている。
モララー軍との戦の後に起こった戦にも出陣し、何度か手柄をたてた。
しかし、まだ足軽小頭からは出世はしていなかった。当然ではあるが。
(♯^ω^)「何でだお……。何で出世できないお? もっと出世しなきゃあの娘に相手になってもらえないお!」
息を切らせながらも苛々を抑えられないブーン。


事の起こりは2週間ほど前。ブーンが今度は1人で城下町に出かけたときである。
勿論目的は以前見かけたあの華麗な娘だ。少しでもいいから、話をしたい。
ブーンは探し回った。そして、
( ^ω^)「見つけたお!」
少しはなれたところに彼女はいた。ブーンは嬉々とした表情で走っていく。
( ^ω^)「ちょ、ちょっとすいませんお!」
いきなり話しかける。彼女は驚きつつも、疑惑の目つきでブーンを見つめた。
ξ゚-゚)ξ「何よあなた。いきなり話しかけてきて」
( ^ω^)「いや実はその……えぇと……カフェで一杯どうですか」
ξ゚-゚)ξ「かふぇ? 何よそれ」
( ;^ω^)「(あっ、ここ戦国時代だってこと忘れてたお……)」
しかし、何とかブーンの意思は通じたらしい。
ξ゚-゚)ξ「あなた、もしかして私を誘ってるの?」
( ;^ω^)「コクコク」

 

29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:27:37.01 ID:CIhsa/sD0

 

ただ頷くブーン。しかし少女の答えは期待に反していた。
ξ゚-゚)ξ「バッカじゃないの?」
( ;^ω^)「うぇぇ?」
ξ゚-゚)ξ「私はね、結婚するんだったら偉い人って決めてるの」
ξ゚-゚)ξ「あなたは武士みたいだけど、あんまりパッとしないし。階級だって足軽か、せいぜい足軽小頭でしょ?」
( ;^ω^)「ギク」
ξ゚-゚)ξ「そんな低い位の人とお付き合いする気はないわ。じゃあね」
そう言って、少女は足早にその場を去っていこうとする。
( ^ω^)「あっ……」
慌てて呼び止めるブーン。
ξ゚-゚)ξ「何よ」
( ^ω^)「せ、せめて名前だけでも……」
少女はため息をつきながらも、それだけは教えてくれた。
ξ゚-゚)ξ「……ツンよ。これでいいでしょ、今度こそじゃあね」
少女、ツン子は結局行ってしまった。
( ^ω^)「(……ツンちゃんか……お)」
ブーンは心の中で、少女の名を繰り返し呼び続けた……。

 

30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:28:28.24 ID:CIhsa/sD0



(´・ω・`)「ぼさっとするな!」
( ;^ω^)「わわ!」
いつの間にかショボ之介がそこに立っている。回想していて気づかなかった。
(´・ω・`)「そんなことではいつまでたっても足軽小頭のままだぞ!」
( ^ω^)「でもそんなこと言われても……この間は1回手柄たてただけで昇進できたお? それなのに今回はなんでできないお?」
(♯´・ω・`)「ビキビキ」
ショボ之介の顔が急に引きつる。
(♯´・ω・`)「ぶぅわっかもぉん!」
( ;^ω^)「お!?」
いきなりの怒声に仰天するブーン。ショボ之介は構わず続ける。
(♯´・ω・`)「いいか、よく聞け。この前はお主が私を助けてくれたので殿に対しては多少の過大報告をしていた」
(♯´・ω・`)「その上殿がお前のことを気に入ってたからああも早く位を上げてもらえたのだ」
(♯´・ω・`)「そんな幸運が2度舞い降りるわけなかろう! そんな考え方では絶対に出世など出来んぞ。調子に乗るな馬鹿ぶち殺すぞ」
( ;^ω^)「あうあう……すいませんお」
ここでいい加減な答えをすると斬撃が飛んできそうだったので、とりあえず謝っておく。
ショボ之介はとりあえずそれで満足したのかそれ以上言わなかった。
 
33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:29:24.54 ID:CIhsa/sD0


(´・ω・`)「まったく……常識が欠落しているな。あいつは」
他の兵士の訓練も見に行こうと、歩き始めるショボ之介。
そこへ、1人の兵士が駆けて来た。
兵士「ショボ之介様、モナ丸様が及びです!」
(´・ω・`)「モナ丸が? ……わかった、すぐ行こう」
予定を変更し、城へと急ぐ。

――城中

(´∀`)「来てくれたかモナ」
モナ丸の言葉にはジョルジュに喋るときにはなかった、妙な口癖があった。
どうやら、敬語を使うときだけは口癖を抑えているらしい。
(´・ω・`)「して、用とは?」
(´・ω・`)「もしや、レッツくそみs(ry」
(♯´∀`)「だが断る。……その馬鹿げた思想を止めないといつか部下に見放されるモナ」
(´・ω・`)「うむ、気をつけよう。……で、用とは?」
(´∀`)「そうだったモナ。……お前、最近織田の勢が力をつけていることは知っているモナ?」
モナ丸の顔が急に緊張する。声も小さくなった。
(´・ω・`)「うむ。どうやら今川を破ったらしいな」
(´∀`)「そうモナ……。先程殿とも話したのだが、殿はまだ様子を見るつもりらしい」
(´・ω・`)「賢明なご判断であろう。下手に挑んで返り討ちにあったら大変なことだぞ」
(´∀`)「わかってるモナ……。しかし、かといってこのまま何もしないのも不安モナ」
ショボ之介はモナ丸が何を言いたいのか少し理解できた。
(´・ω・`)「成程、そこで私に様子を探りに行ってこいと」
(´∀`)「流石。いい勘してるモナ。……本当は殿に進言しようとも思ったのだが、あのお気楽な殿のこと。探りなどださんでよいと言うに違いないモナ……」
さり気なくジョルジュの悪口を言うモナ丸。しかし、ショボ之介は別段怒りもしない。彼だって実はジョルジュを気楽な性格すぎると思っているのだ。
 

 

34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:30:30.97 ID:CIhsa/sD0
 

しかしその依頼に対してはショボ之介はそれに対し難色を示す。
(´・ω・`)「ぬぅ……。他ならぬお主の頼みであるし、行きたいのは山々なのだが……」
(´∀`)「何か問題があるモナか?」
(´・ω・`)「うむ。数ヶ月前、殿が1人の得体の知れない奴を足軽にしたのは知っているな」
モナ丸は暫く考えていたが、やがて頷く。
(´∀`)「あぁ、思い出したモナ。最近足軽小頭になったとか」
(´・ω・`)「うむ、そうなのだ。……それで実は殿がそいつのことをかなり気に入っておってな。私が奴の面倒を見るよう言いつけられているのだ」
(;´∀`)「ぬぅ、それではそ奴から離れるのは無理モナか……。殿の命である以上逆らうわけにもいかぬし……」
頭を抱え考え込んでしまうモナ丸。他の奴に頼もうにも、やはり信用できるのはショボ之介しかいない。
無理に信用できない奴に頼んで織田の方に捕まったり、あるいは寝返られたりでもしたら自分の命、いや斉藤家の未来も危うくなってしまう。
(´∀`)「(かといって様子を探るのを怠っている間に大将信長が変な気を起こさないとも限らないモナ……。どうしたものか)」
悩みに悩むモナ丸。だが、数分の後急に頭を上げた。
(´∀`)「そうモナ! こうすればいいモナ。ショボ、そいつも連れて行くモナ!」
突然のことにショボ之介は驚く。
(;´・ω・`)「ちょっ、私の話を聞いていなかったのか。奴は殿のお気に入りn(ry」
(´∀`)「わかってるモナ。だから殿にはこう言っておくモナ。“これも奴の修行の内”、と」
(´∀`)「そうすれば勿論その足軽小頭のためにもなるし、僕だって堂々と殿に探りを出すことを進言できるモナ。まさしく一石二鳥」
(;´・ω・`)「ぬぬぬ……。モナ丸、やはりお主は侮れぬ男だ」
(´∀`)「今更言うな、モナ」
城中に、2人の笑い声が響いた。

(♯゚∀゚)「五月蝿いぞ! 余は寝てるのじゃ!」
(;´・ω・`);´∀`)「モウシワケゴザイマセンデシタ……」

 

35 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:31:08.82 ID:CIhsa/sD0



かくして、ショボ之介とブーンは織田の所へ探るに入ることとなった。
しかし、その話を聞いたブーンは慌てて断る。
( ;^ω^)「じょ、冗談じゃないですお! そんな怖い任務お断りですお!」
織田と言えばあの信長のことである。そいつがいかに危険極まりない奴であるかはブーンもよく知っていた。
(((( ;゚ω゚))))「(信長って言えば確か……天下統一の邪魔をしたからといってお寺の僧や使用人を皆殺しにした奴だお。そんな怖い奴のところに行くなんてご免だお)」
しかし、ショボ之介もこの言葉は予想していた。
ここで切り札の殺し文句を言う。
(´・ω・`)「 褒 美 は 欲 し く な い の か ? 」
( ;^ω^)「うっ!」

―――ξ゚-゚)ξ――

ブーンの頭にツンのことが浮かぶ。
彼女ともっと話すためには、位を上げなければ……。
( ^ω^)「わかりましたお! 行くお!」
元気よくブーンは返事をした。
(´・ω・`)「よし、よく言った!」

(´・ω・`)「(……またひっかかるとは、どこまでも単純な男だな。哀れに思えてしまう)」
ショボ之介は心でそう思ったのだった。
 

 

36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:33:04.04 ID:CIhsa/sD0


( ;^ω^)「ウボァー。獣道だお……」
城を出て早2日。2人は山道に差し掛かっていた。
(´・ω・`)「これくらいでへばるな。あと2日もすればたどり着けるはずだ」
( ;^ω^)「ふ、2日……。車プリーズ」
そんなこと言ってもこの時代に車などあるわけがない。
仕方がなく諦めて、ブーンは再び歩き始めた。

――カサッ

(´・ω・`)「!」
ショボ之介がいきなり抜刀する。
それを見てブーンも慌てて刀を構えた。
( ^ω^)「敵ですかお!?」
(´・ω・`)「わからん。だがそう考えたほうがいいだろう」
カサカサという音は鳴り続ける。相手の姿は見えないが。
(´・ω・`)「妙だな」
「何がですかお?」
(´・ω・`)「いくらなんでも音を立てすぎだ。すでに気づかれていることぐらい相手も知っているはず……。なのに何故来ない?」
(´・ω・`)「まさか……」
<ヽ`∀´>「そのまさかニダ! 斉藤の刺客め、覚悟するニダ!」
物陰から2つの影が飛び出した……かと思うと、こちら目掛け無数のクナイを投げつけてきた。
 

37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:33:55.51 ID:CIhsa/sD0

 

( ;゚ω゚)「おぉぉぉお!?」
咄嗟に岩の陰に隠れて事なきを得るブーン。一方ショボ之介はというと、全てのクナイを叩き落していた。
(´・ω・`)「この程度で私を倒せるわけなかろう。ところで、 や ら な い か ? 」
( ^ω^)「(ちょwwホモwwww)」
<ヽ`∀´;>「ぐぇ、気持ち悪いこと言うなニダ!」
刺客の1人が少し怯む。そこに
(´・ω・`)「隙あり」
( ^ω^)「(卑怯者www)」
ショボ之介の斬撃が飛ぶ。
それはクナイで止められてしまうが、慌てずに少し距離をとった後連続で浴びせる。
その一撃一撃はかなりの威力。クナイだけでは止めきれない。一端距離をとる。
だがしかし、くないは殆ど使い物にならなくなっていた。
<ヽ`∀´>「く!やばいニダ! おい毒男、ボーっとしてないで手伝うニダ!」
('A`)「マンドクセ」
<♯ヽ`∀´>「貴様www」
刺客はもう1人の刺客……やたらと青ざめた小柄な男に助けを求めるが、当の本人がやる気0のようだった。
しかしその尻を蹴り上げて何とか戦わせる。
('A`)「ハァッ!!」
毒男というらしい青ざめた男の手から放たれた刃は勢いよくブーン達目掛けて飛んで……こなかった。
(;'A`)「アレ」
(´・ω・`)「どう見てもド三流です本当に(ry」
( ^ω^)「ちょwwwショボ之介さんそんな言葉まで何で知ってるんだおww」
(´・ω・`)「お前のオーラg(ry」
( ^ω^)「それはもういいよwww」
<ヽ`∀´>「ぐぬぬぬ! (何で殿はこんな奴と一緒に行かせたニダ!? このままじゃニダーも危ないニダ……)」

 

38 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:34:35.30 ID:CIhsa/sD0

 

歯軋りをする刺客。一方毒男はただうろたえるのみ。
(;'A`)「エェト……ソノ、ドウスレバ……」
(´・ω・`)「ブーン、楽にしてやれ」
( ^ω^)「え、でも危害は加えられないみたいだし……かわいそうだお」
(´・ω・`)「褒美が逃げるぞ」
( ;^ω^)「うっ……」
うろたえるブーン。毒男はその隙を見逃さなかった。
(;'A`)「ニゲルガカチ!」
勝てないと悟った彼は、一目散にブーン達から離れていったのだ。
(´・ω・`)「チッ」
舌打ちするショボ之介に対し、ブーンはほっとしていた。むやみに殺さずにすんだのだから。
( ^ω^)「(危なかったお……。よく逃げてくれたお……)」
一方、取り残された刺客は……。
<ヽ`∀´;>「おのれぇぇ! 役立たずめ、覚えてろニダ!」
 

 

39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 17:35:17.09 ID:CIhsa/sD0
 

毒男に対して怒りを爆発させていた。そこに、ショボ之介がくる。
(´・ω・`)「すまない。一緒に逝かせてあげようと思ったんだが無理のようだ」
<ヽ`∀´;>「うぇ……!?」
(´・ω・`)「 さ ら ば 」
ショボ之介の刀が刺客の胸を切り裂いた。鮮血が飛び散りだす。
<ヽ`∀゚;>「ウギグェアッ……そ、そんな……これじゃ藤吉郎の二の舞ニ……」
最期の言葉を完全に言うことはできずに、刺客は血を撒き散らしながら息絶えた。
茶色かった土が、徐々に赤味を帯びていく。
(´・ω・`)「……さて、行くか」
刀についた血を払い除け、ショボン之介は歩き始めた。
慌ててブーンも後を追う。
( ;^ω^)「ま、待ってくださいお!」

ショボ之介についていく途中、ブーンは刺客が最期に言った言葉が気にかかっていた。
( ^ω^)「(藤吉郎の二の舞……? 藤吉郎って、確か豊臣秀吉のことのはず……。つまり、秀吉はこの世界では死んでいる……!?)」 
ブーンは何か嫌な予感がした。
これはただ歴史を繰り返しているだけじゃない。歴史が、変わろうとしている……?
この戦国の世の裏に何か、得体の知れないものがいるような気がして、怖くなる。

だがブーンにはこれから行く信長の城のことのほうが怖く、今思ったことは気のせいだということにして、忘れることにしたのだった。

 

49 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 18:50:09.96 ID:CIhsa/sD0
 

(´・ω・`)「あれが信長の城、安土城だ」
ショボ之介が指差す先、この山を降りて少しのところにその巨城はあった。
( ^ω^)「で、でかいお……。CGでの再現なら見たことがあるけど、やっぱ本物は格別お」
(´・ω・`)「CG? なんのこっちゃ」
( ;^ω^)「あ、何でもありませんお! それよりはやく行きましょうお!」
いちいち説明してたらきりがない。ショボ之介を急かさせて先を急ごうとする。
(´・ω・`)「まぁ待て。このまま行ったら殺られるのは確実だ。ここらで町人に化けるぞ」
そう言ってショボ之介は懐から服を出す。用意周到だ。
( ^ω^)「お! 町人ですかお! ………ここで着替えるんですかお?」
(*´・ω・`)「当然じゃないか」
( ;^ω^)「向こうで着替えてきますお……」
頬を赤らめたショボ之介に危険な香りを感じ、ブーンは離れて着替えることにした。
ショボ之介がチッ、と舌打ちしたのが後ろで聞こえた……。

( ^ω^)「着替えましたお!」
ブーンの服装はどちらかというと貧相な町人が着るような服だった。ちょっと汚い。
(´・ω・`)「遅いじゃないか」
ショボ之介はというと……まさしく億万長者のような服装。
( ^ω^)「何この差別www」
(´・ω・`)「お前のほうが格下なんだから当たり前だ。さっさと行くぞ」
 

 

50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 18:50:57.33 ID:CIhsa/sD0
 

――安土城下町

( ^ω^)「凄い人だお! さすが信長だお!」
敵を褒めてどうするのだか。
当然ショボ之介は顔をしかめる。
(♯´・ω・`)「何を言う。殿が治める城下町の足元にも及ばんではないか」
( ;^ω^)「あ〜そうでしたおね……」
勿論認めたわけではないが、そうとでも言っておかなければ喧嘩が起きかねない。
ブーンはこの時代に来てから大分賢くなってきている。
(´・ω・`)「とにかく、城の様子を探ろう」
( ^ω^)「はいだお」

――安土城内部

???「来たな」
若々しい声がした。透き通った感じで、女性のようだ。
???「反応は1つ? それとも2つ、3つ?」
それに対しふざけた感じの声が応えた。こちらも年齢は若いようだ。
女の声は1つだ、と応え射撃用の窓から様子を探る。
???「ここからじゃ見えないか……」
???「どうするんだ? 殺す?」
???「いや……まだ相手が危険かどうかわからないからな。お前、様子を探って来い。もし生きていると計画に障害が出るような相手だったら……殺せ」
ふざけた声の人間がりょーかい、と応え、暫く会話は止んだ。
やがて、再びふざけた声のほうが尋ねる。
???「そうだ、爺さんには言っておくか?」
女のほうは暫く考えた後、
???「いや、いい。あの人には天下のことだけを考えてもらわないと」
と言う。ふざけたほうはもう何も言わなかった。

 

51 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 18:51:45.31 ID:CIhsa/sD0

 

(;´・ω・`)「ぬぅぅぅぅぅ……」
ショボ之介の唸り声がする。
と言ってもそれは微かな声で、周りには聞こえない。
( ^ω^)「警備が厳しいですお……。忍者じゃないんだから忍び込むのは難しくないですかお?」
(;´・ω・`)「モナ丸め……。信用できる信用できないに囚われて肝心の技術を持つ、という点を抜かしおって……」
( ^ω^)「……じゃあ何で引き受けたんですかお?」
(;;;´・ω・`)ゝ「………テヘッ☆」
(♯^ω^)「テヘッ、じゃないですお!」
ブーンは怒りつつも焦った。これじゃただの無駄足になってしまう。
その気持ちはショボ之介も一緒であった。
(´・ω・`)「(奴の話を聞いているうちに自分でも出来ると過信してしまったようだ……。深くナリ)」

ブーン達が隠れている場所の、更に隠れられる場所。
そこに、1人の男がいた。
???「(反応はあの貧乏くさい奴からだな……。ケッ、上手い具合にこの時代に溶け込んでいるようだな……)」
男の目はブーンから隣のショボ之介に映る。
???「(あいつは……確か道三の部下じゃなかったか? っとぉ……)」
パラパラパラ……男は手帳らしきものをめくる。
???「(間違いない。あいつショボ之介とかって野朗だな。ヘヘ……あんな有名で顔が知られてる奴を探りとして送ってくるとは……。道三も間抜けだな)」
???「(……でも、“この”歴史が進むと信長は道三に敗れることになってら……。そしてむざむざ天下餅も道三に食われると。そうはさせないぜ)」
懐から何かを取り出す。そのメカニックな輝きを放つものは明らかにこの時代のものではない。
( ゚Д゚)「こちらギコ、目標を発見。どうやら道三に取り入ってるようだ……。始末するか?」
すると雑音に混じって、女の声が聞こえてくる。
???「そうね……。道三は最近こっちの天下を横取りしようと狙ってるって話だから……ここらで牽制しておくのも悪くないわね」
女はそこで一息つく。そこで、
???「いいわ、やっちゃいなさい」
( ゚Д゚)「了解ぃw」
 

 

58 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 19:43:28.56 ID:CIhsa/sD0



(´・ω・`)「さて……どうしようか」
( ^ω^)「ショボ之介さん。ここは1回宿に戻って出直したほうが……」
(´・ω・`)「それしか方法はないか……。しかし、生憎私は結構顔が知られていてね。あんまり人の集まるところには行きたくないんだよ」
( ^ω^)「ちょww普通そんな人を探りに出したりしないおww」
(;;;´・ω・`)ゝ「テヘッ☆」
(♯^ω^)「いい加減にするお」
(´・ω・`)「うむ、すまん……。仕方がない、戻るか」
そう言い、ショボ之介が立ち上がろうとすると、
( ゚Д゚)「おっとぉ、待ってもらおうか」
唐突に男が2人の前に立ち塞がった。
鎧などは着てなく、随分とヤンキー風な服装だった。
( ^ω^)「誰だお? ていうかその服装……もしかして僕と同じ目にあった人かお?」
だが男はその問いを完全に無視。
( ゚Д゚)「お前よく見たら餓鬼だな。その感じじゃあ俺等と同じことは考えてなさそうだ。粗方、間違ってあの宝石を触ってここに来ちまったんだろ」
( ;^ω^)「!? あの宝石のこと知ってるのかお!?」
( ゚Д゚)「知ってなきゃこんな時代にはいねぇーよw しかし何だ……餓鬼かぁ。それなら俺等の計画の邪魔にはならなさそうだな」
(´・ω・`)「私は無視ですかそうですか」
ショボ之介が話しに入り込めないので必死にアピールするが、無駄に終わる。
( ゚Д゚)「おめぇはちと黙ってろ。……しかしなぁ、もうしぃには殺すって言っちゃったしな。……残念だが餓鬼、ここで消えてもらうぜ」
( ;^ω^)「な、何でそうなるんだお!?」
( ゚Д゚)「黙れ。男なら、黙って勝負しろやぁ!」
言葉が終った瞬間、男の手から光の剣が現れる。
( ^ω^)「お!? ちょ、それ何てライトセイバー?」
( ゚Д゚)「うるせぇw ……さてと、冥土の土産に教えてやろう」
( ゚Д゚)「俺の名はギコ。この名を知っておけば、地獄への切符がただで手に入るぜ!」
ギコと名乗った男は、光の剣を回転させるとブーン達に飛び掛ってきた。
 

59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 19:45:56.33 ID:CIhsa/sD0

 

地面が蒸発していく嫌な音が立て続けに鳴る。
ギコはゆっくりと、剣を回転させながら近づいてきた。
( ^ω^)「どう見てもグリーバス将軍です。ほんt(ry」
(;´・ω・`)「言っている場合か! あれは何なのだ、御仏の力か!?」
( ゚Д゚)「んなわきゃねーだろw さて冗談はここまで、今度こそ行くぜ!」
たん、とギコが跳躍する。まずは弱そうなブーンから狙うつもりだ。
( ゚Д゚)「おらよっ!」
( ;^ω^)「わぁぁっ!」
ドン、という凄まじい音と共に砂埃が舞う。それは瞬時にギコをブーンの視界から消した。
( ;^ω^)「ど、どこだお!?」

――ヴン……

( ^ω^)「!」
微かな音を頼りにして、ブーンはそちらに刀を向ける。
直後、ギコの剣と刀が触れる音がした。
( ゚Д゚)「ありゃ、この程度のボロ刀ですら焼き切れねぇのか。やっぱまだ試作段階の武器だな」
戦闘中だというのにブツブツ文句を言うギコ。やがてブーンのほうに向き直り、不思議そうに呟く。
( ゚Д゚)「おっかしいなぁ。何でお前そんな動きがいいんだ? 餓鬼なのに」
(♯^ω^)「餓鬼餓鬼うるさいお!」
( ゚Д゚)「おっと失礼。手を抜いて悪かったな。じゃあ、本気で行こうか」
( ;^ω^)「え、別にそんなこと言って……」
( ゚Д゚)「問答無用!」

 

60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 19:46:24.28 ID:CIhsa/sD0
 

体を捻らせ、回転しながらブーンに斬り付ける。
ギャギャギャギャという嫌な音がして、刀身が少し消失した。
( ;^ω^)「ちょ、あんな武器に勝てるわけないお!」
悲鳴を上げるブーンに構わず、滅多斬りにしてくる。
傷ついた刀ではとても防ぎきれず、2回ほど攻撃を受けてしまう。
( ;-ω-)「うわぁぁっ!」
そんな深い傷ではないが、光の熱のせいで傷口が爛れている。相当な痛みだろう。
( ゚Д゚)「ウエッハァ! 終わりぃ!」
ギコは大きく剣を振り上げ、ブーン目がけ振り下ろしてきた!
( ;-ω-)「も、もう駄目お……!」
目を瞑るブーン。いつだったか、こんな時が前にもあった。
だがあの時とは違い、もう剣を振る余力はない……。

―――ドシュ!――

鈍い音がした。

 

64 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 19:55:12.66 ID:CIhsa/sD0
 


しかし数秒経っても痛みは襲ってこない。
( ;-ω゜)「……あれ、生きてるお?」
目を開けたブーンは、自分の足がちゃんとあることにホッとする。そして何気なく前を見ると……。
( ;゚ω゚)「うわぁぁ!」
驚いて後ずさりした。
( ;゚Д゚)「て……テメェ……」
ギコの肩口を、刀が貫いている。
よく磨がれた刀身。ショボ之介の物だ。
(´・ω・`)「私を忘れてもらっちゃ困るのだよ」
( ;^ω^)「し、ショボ之介さん!」
(´・ω・`)「やぁ、以前助けてもらったからね。その恩返しさ」
ギコの血が地面を赤く染める。
( ;゚Д゚)「くそっ……! このタイミングを狙ってたのか……」
(´・ω・`)「さて、最期に言い残すことは?」
表情を変えぬまま威圧的な言葉を告げるショボ之介。
だが、ギコは大笑した。
( ;゚Д゚)「ハハハハッ! 馬鹿だな、俺がこれぐらいで諦めると思ったか!」
そしてギコは体を大きく揺らすと、刀をへし折った!
(;´・ω・`)「何!?」
( ;゚Д゚)「ハハ……どうだ。俺はまだ死ぬわけには行かないんだ。ここは一端引かせてもらう。次会うときは……必ず殺してやるからな、餓鬼!」
そんな捨て台詞を残し、ギコは刀身を肩に残したまま駆け出していった。
( ;^ω^)「あ、待つお!」
ブーンは傷を負いつつも追いかけようとしたが、ショボ之介がそれを止めた。
(´・ω・`)「君は死ぬつもりか。少しは落ち着け」
( ;^ω^)「う……すみませんお……」
ブーンは恨めしそうにギコの逃げたほうを見た。
そこには、ただ茂みがあるだけだった。

 

69 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 20:39:25.49 ID:CIhsa/sD0
 

結局、安土城には忍び込めずにブーン達は帰らざるを得なかった。
話を聞いたモナ丸は、ガッカリしながらも2人を労った。
(´∀`)「傷を負いながらもよく頑張ってくれたモナ。感謝するモナ」
「いえ、当然のことですお……」
しかしブーンにはモナ丸の言葉もあまり耳に入ってこなかった。

あの、ギコという男。奴はやはりブーンと同じ時代の人間なのだろうか?
しかし、それでは腑に落ちない点もある。
「何だったんだお? あのライトセーバーは……。現代の科学でも作れるとは思えないお……」
ではまさか、未来から来たと言うのか。
だがあの宝石のことを知っていた。宝石があるのは現代だから現代にもいたのは確かだろう。
「……恐ろしいお」
暫くの間は安土城には近づきたくなかった。
ギコ自体も危険だが、あいつの言葉からしてまだ仲間がいる事を匂わせていて、そちらも危険だった。

「嫌なことは忘れるのが一番だお。城下町に遊びに出るお」
モナ丸の話が終った後、ブーンは城下町に繰り出した。
怪我をしたためしばらくは練習もしなくていいし、戦にも出なくていい。その点で言えば怪我をしたことはある意味幸運ともいえる。
「……と言っても何をすればいいんだお」
特にすることもないので、仕方がなくその辺をぶらつく。
 

 

70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 20:39:58.25 ID:CIhsa/sD0

 

ふと、ブーンの目がある一点に釘付けとなった。
( ^ω^)「ツンちゃん発見!」
怪我をしてるとは思えないほどの超スピードでツンに近づくブーン。
ツンはそれに気づき、刺々しい声で言った。
ξ゚-゚)ξ「ちょっと、またアンタなの?」
予想通りだが、やはり恐縮してしまう。
( ;^ω^)「す、すまんお。つい近くにいたから……」
ξ゚-゚)ξ「だからって近づいてくること……あら?」
ツンの目がブーンの包帯だらけの体に止まった。
ξ;゚听)ξ「ちょっと、何それ!? 凄い怪我じゃない!」
( ^ω^)「うぇ? あぁ、そんな大したことないお。ちょっとした切り傷と重度の火傷を……」
重度の火傷を大したことないなどという奴は普通いないが。
ξ;゚听)ξ「……もしかして、私が位が高くないと嫌とかいったから……無理したの?」
( ;^ω^)「べ、別にそんなことないお。位を上げるのは男のロマンだからそうしたまでだお」
またもや戦国の人に通じない言葉を使ってしまったブーン。しかしツンはそのことに対しては何も言わなかった。
このままいるとツンを心配させてしまうかもしれないと思ったブーンは、仕方なく去ることにした。
( ;^ω^)「じゃあ、また会おうだお!」
ξ;゚听)ξ「あ、ちょっと!」
しかしツンが呼んだときには時既に遅く、ブーンは人ごみの中へと消えてしまっていた……。

 

71 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 20:41:51.39 ID:CIhsa/sD0



( ;゚Д゚)「ゼェゼェ……。畜生、油断したぜ……」
安土城3階、長い廊下をギコは傷を抑えつつ歩いていた。
やがて、周りの風景と全く調和しない銀色の扉が現れる。
ギコは携帯電話を取り出す。ブーン達を見張っているときにも使った奴だ。
( ;゚Д゚)「しぃ……俺だ。開けてくれ……」
返答はない。が、その代わりに扉が開いた。
よろめきながら入るギコに対し、奥から、誰かが話しかけてきた。
(*゚ー゚)「大丈夫? ギコ」
長身の女性だ。髪は長く、清楚なイメージを見るものに与える。
( ;゚Д゚)「あぁ、大したことはない……」
しぃの言葉に応えながらギコはスプレーのようなものを手に取る。そして、突き刺さったままだった刀を抜いた。どろり、と血が出る。
しかしギコは驚く素振りも見せず、スプレーを傷に吹き付けた。
( ゚Д゚)「ふぅ。いつもながらこいつは効くな」
ギコの傷はいつの間にか消えていた。この速度、どう考えても自然治癒能力によりものではない。
(*゚ー゚)「あまり油断しないようにすることね。……ところで、結局は逃がしちゃったの?」
( ゚Д゚)「あぁ、情けないがな……。…でも、あいつはかなりの餓鬼だったぜ? あれなら大して計画にも障害は出ないんじゃないか」
(*゚ー゚)「そう……。でも、貴方はこれでそいつを逃がすわけじゃないでしょ?」
( ゚Д゚)「当たり前だ。このままじゃ俺のプライドが許さない」
ギコは窓から外を覗く。活気のある安土城下町が下に見えた。
( ゚Д゚)「……いずれ、もっと賑やかな町を俺達が支配できるようになるんだな」
しぃはそれに淡々と応える。
(*゚ー゚)「成功すれば……ね」

日が傾き始める。
昼間は終わり、長い夜が訪れた……。
 

77 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 21:45:17.18 ID:CIhsa/sD0

 

( -ω-)「ふぁ〜あ、よく寝たお」
思い切り伸びをして目を覚ますブーン。しばらくはここが戦国の世であることを忘れられた。
( ^ω^)「さてと……。今日はどうするかお」
まだ怪我が治っていない以上、下手に体を動かすのはまずい。
( ^ω^)「………町の中に行くとツンに悪いし。今日は家にいるお」
とは言えブーンの家ではないのだが。
( ^ω^)「そういえばショボ之介さんはどこいったんだお?」
辺りを見回すが人影はない。
城に行ったのだろうか?
( ^ω^)「まぁいいお。待ってるとするお」

 

78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 21:45:47.05 ID:CIhsa/sD0



――ジョルジュ城

(´・ω・`)「……結局、奴が何者なのかもわからないのです」
ショボ之介がここ最近、一番真剣な表情をしていた。
その話を聞いているジョルジュ、モナ丸も同じような表情だった。
( ゚∀゚)「ギコ、か……。しかしそちの言う通りだとすれば、そ奴が使った力は非常に興味深い」
(;´∀`)「殿……確かに興味深いですがそれよりも対策を考えねば。奴はどうやら織田の一味のようですぞ」
ジョルジュはどうやらギコの光の剣に興味津々のようだった。一方モナ丸は力よりも斉藤家の安泰を考えている。
( ゚∀゚)「勿論それはわかっておる。しかし、どうしようもないではないか。今の我等ではそのような奴がいる織田には勝てぬ」
全くもって正論だった。対策を立てようにも織田の勢力は予想以上に強い。忍びを送っても返り討ちにあうかもしれない。
(´・ω・`)「とりあえずは、城の防備を固めましょう」
ショボ之介が口を出す。その意見には2人とも同意した。
( ゚∀゚)「そうじゃな。とりあえずはそこから始めよう。モナ丸、早速頼む」
(´∀`)「承知しました」
(´・ω・`)「………あ」
ショボ之介が何か思い出したように呟く。
( ゚∀゚)「どうした?」
(;´・ω・`)ゞ「ブーンの飯を用意しておくの忘れてました」
( ;゚∀゚);´∀`)「…………」


( ;ω;)「腹減ったお……」
 

79 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 21:46:39.12 ID:CIhsa/sD0

 

それから数週間後。城の防備は着々と固まり、ブーンの傷もほぼ完治した。
それを見計らってジョルジュは織田にけしかけようとも思ったが、それはモナ丸に止められた。
そして今度はモナ丸が進言する。
(´∀`)「諸国と手を結びましょう。ここ最近力を伸ばしている織田にはどこも危機感を抱いているはず」
1つの国では倒せない相手でも、2つ、いや3つくらいの国が集まれば倒せるかもしれない。
そう考えての進言だった。
そして手を結ぶため、近隣諸国への使節に選ばれたのが……。

( ;^ω^)「またショボ之介さんですかお」
(´・ω・`)「五月蝿い黙れ」
本当はモナ丸が行くはずだったのだが、生憎城の防備が少しだけ遅れてしまったためそちらの指揮をとらなければならなくなったのだ。
( ^ω^)「ところで、今から行くのはどの大名のところですお?」
それに関しては全く聞かされていないブーン。ふと疑問に思って尋ねる。
(´・ω・`)「近くてそこそこの勢力を持っている国……荒巻が丁度いいという結果になった」
( ;^ω^)「(そんな国歴史の教科書に載ってたかお?) そこを治めている大名は誰なんですかお?」
(´・ω・`)「荒巻スカルチノフという者だ」
( ^ω^)「(そのまんまかおwww)」

荒巻までの道のりは比較的平坦な場所が多く、道もきちんと整備されてたので安土城までの道のりに比べれば遥かに楽だった。
2日後、ブーン達は荒巻へとたどり着いた。
 

80 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/19(水) 21:47:18.81 ID:CIhsa/sD0


やたらと広い応接間。そこでジョルジュが1人で考えていた。
( ゚∀゚)「(……近隣諸国と手を結び織田を滅ぼす……か。それもいいのかもしれない)」
( ゚∀゚)「(しかし織田が成し遂げようとしている天下統一。それ成し遂げられかけた所で横取りするのも悪くない……)」
( ゚∀゚)「(そのためには結局織田を倒さねばならぬ。それも見通せば諸国との同盟は必要か)」
( -∀-)「(だが織田を倒した後、手を結んだ国が何と言ってくるのか。それらを黙らせ、我が斉藤家が天下を統一するにはどうすればよいのか……)」
( ゚∀゚)「(課題は山積みだな。だが信長よ。結局貴様は、私に利用されているだけなのだよ……)」

ジョルジュの企みを知る者は、まだ誰もいない。

 

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