2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/21(金) 14:10:00.05 ID:NCk8rjnQ0
 

( ^ω^)「何か方法があるんですかお?」
身を乗り出してブーンは尋ねた。自分の時代を救えるのなら、救いたい。
今はもう親やクラスメイトに対する恨みも消えていた。
(`・ω・´)「えぇ。催眠術を使うのです」
( ^ω^)「催眠術?」
シャキンが何を言いたいかまったくわからない。とりあえず聞く。
(`・ω・´)「手順を簡単に説明しましょう。まず、信長とテロリストを抹殺する」
いきなり怖いことを言ってくれる。
(`・ω・´)「その後、適当に才能のある人物にお前は秀吉だと催眠術をかける」
(`・ω・´)「そして次に弱そうな人物に、お前は明智光秀だと思い込ませます」
だんだんブーンにも言いたいことがわかってきた。
(`・ω・´)「あとは織田の兵士達を適当に二分。秀吉と思わせた人と光秀と思わせた人にそれぞれ兵を与え、戦わせます」
(`・ω・´)「勿論それは秀吉側が勝つように仕組みますがね。あとは自動的に歴史が自らを修復していくでしょう」
(`・ω・´)「つまり私達は傷だらけの歴史の自己修復不可能な重傷のみを修復してあげるのですよ」
( ;^ω^)「そういうわけですかお……。でも光秀役の人テラカワイソス」
ふと、ブーンはまた疑問な点に気づく。やたらと最近冴えているこの男。
( ^ω^)「でも兵士を二分するときはどうするんですかお? 反抗する人だっているはずですお。催眠術をかけようにも1人や2人じゃえらく大変だお」
しかしシャキンはうろたえもせず容易く答える。
(`・ω・´)「ご安心を。そのようなこともあろうかとここでどんなに歴史が来るっても影響を受けない旧石器時代に未来にプロの催眠術師200人を用意してあります」
( ^ω^)「うはww用意周到www」
(’e’)「つまり、やるしかないのです」
いきなりジョーンズが割って入った。やっと気を立て直したらしい。

 

3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/21(金) 14:10:28.90 ID:NCk8rjnQ0

 

(`・ω・´)「ジョーンズ博士、無事でしたか」
(’e’)「まぁな」
(’e’)「しかし歴史が修復できる範囲でよかった。あまり目茶目茶にされるとややこしくなるからな」
しかしこのまま油断は出来なかった。
ギコ達が何をしでかすか。
( ^ω^)「でもまだ信長、それにバニッシュが残ってますお。こいつらを倒すまでは油断禁物ですお!」
(’e’)「うむ、そうですな。しかし奴等は信長の城に立てこもっているのか……。どうするべきか」
(`・ω・´)「未来に戻って軍隊をつれて……いやそんなことしたらもっと歴史が狂いますな。そもそも未来に政府の軍隊が残っているかが怪しい」
悩みに悩む3人。ここの時代の軍隊と使うという案も出たが、確実性にかける上余計な死者を出してしまう。
( ^ω^)「やっぱり、僕とここの知り合いの武士が忍び込んで、バニッシュと信長を殺すしか……」
(’e’)「しかしそれでは危険すぎる。それに君はそんな戦闘力も持っていないだろう」
( ^ω^)「え、でも僕は一応ぶs……あ、何でもありませんお」
武士ですよと言おうとしたブーンだが、急遽止めた。
自分が足軽小頭とはいえ武士であることを明かしたら、必然的に人を殺したと思われる。
(`・ω・´)「いえ、そこも大丈夫です」
またもやシャキンが発言した。しかし大丈夫とはなにか案があるのだろうか。
(’e’)「どういうことだ? シャキン」
(`・ω・´)「こんなこともあろうかと、『自動兵士訓練装置』を持ってきました」
(;’e’)「こんなこともろうかとって……一体幾つの事態を予想していたんだお前は」
( ^ω^)「何ですかお? それは」
(`・ω・´)「これは未来で兵士の育成を簡単にするために発明された物です。この中に兵士を入れればあら不思議、自動的に強力な兵士が出来上がります」
随分都合のいい装置があるものだ。
( ^ω^)「すごいお! でも、その装置の中ではどんなことをするんですかお?」
(`・ω・´)「そんなことは知りません」
( ;^ω^)「無責任杉wwww」
まぁ、殺されるわけではないだろうからひとまずは安心していいだろう。
しかし問題はまだある。この中に自分はともかくショボ之介……あとできたらモナ丸も入れたいのだが、簡単に入ってくれるのだろうか?

(`・ω・´)「まぁ、そこらへんはブーンさんが何とかしてください」
( ;^ω^)「だから無責任杉www」

 

86 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 18:12:01.66 ID:X/RE3eha0

 

( ^ω^)「さてと……どう気絶させるお?」
結局気絶させて無理矢理入れることにしたブーン。しかし相手だってそう容易く気絶してはくれまい。
この場合、ブーンがショボ之介たちにとって見方であることが鍵と言えた。
(((( ;^ω^)))「(最初の一発は結構楽に入れられるだろうけど、それに失敗したらおしまいだお……ガクガクブルブル)」
下手をすればブーンを敵だと思い込ませかねない。慎重に行動しなければならなかった。
そんなこんな考えてるうちにショボ之介が歩いてきた。
(´・ω・`)「む、ブーン。どうしたのだ?」
( ;^ω^)「あ、少し用事で……」
ショボ之介はどんどん近づいてくる。全く用心はしてなさそうだった。
やがて、手の届く範囲まで来た。チャンスは今しかない。
( ;`ω´)「すいませんお!」
(;;´゚ω。`)「ウボフッ!?」
ゴッ、という鈍い音共に崩れ落ちるショボ之介。どうやら完全に気絶してくれたらしい。
( ;^ω^)「(やっちまったお……。でももうこうなったら後戻りは出来ないお。すぐに連れてくお!)」
ブーンはショボ之介を抱え、一目散にジョーンズ達のところへと戻っていった。
 

 

87 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 18:13:17.37 ID:X/RE3eha0
 

ブーンが戻ると、すでにシャキンが準備を終えていた。
(;`・ω・´)「やぁブーンさん。1人つれてきましたね……って気絶してますね」
ぐったりとなってるショボ之介を見て少々驚く。
しかしあまりのんびりとはしてられない。
( ;^ω^)「早くしてくださいお! 目覚めてしまいますお!」
(`・ω・´)「む、そうですね。では早速入れましょう」

そうっと装置の中に入れられるショボ之介。幸いまだ目覚めてはいない。
(`・ω・´)「スイッチON!」
シャキンの声と共に装置が動き出す。装置の中はみるみる光に包まれ、見えなくなってしまった。
( ;^ω^)「ば、爆発したりしないお?」
(`・ω・´)「それは大丈夫です。すでに社会で使われている装置ですから」
そのような会話の間にも、装置の中の光は強くなっていく。
しかし、数秒した後、弱まった。
そして完全に光が消えたと思うと、すでにショボ之介の姿はそこにはなかった。
( ^ω^)「す、凄いお! 消えたお!」
驚きを隠せないブーン。シャキンはそんな彼に目もくれず、色々と確認しているようだった。
(`・ω・´)「さて、次はブーンさんですね?」
くるり、とブーンの方を向く。しかしブーンは慌てて止めた。
( ;;^ω^)「ま、待ってくださいお! あと1人連れてきたい人がいるんですお!」
勿論それは事実だが、半分は自分を後回しにしたいがための言い訳でもある。
(`・ω・´)「そうですか。ではなるべく早くしてくださいね」
( ^ω^)「はいだお!」
ブーンは再び城へと向かった。

修正ver投稿完了。まとめのときはこっちで頼む。

 

88 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 18:16:24.24 ID:X/RE3eha0

(´∀`)「おい、ショボ之介! ショボ之介〜?」
ブーンが城に戻ると、丁度モナ丸がショボ之介を探していた。
(´∀`)「おぉブーン。ショボ之介を見なかったモナか?」
( ;^ω^)「み、見てませんお!」
慌てて知らん振りをするブーン。
モナ丸はショボ之介と同等、あるいはそれ以上の強さを誇る。否が応でも緊張した。
(´∀`)「そうモナか……。しかしどこへ行ったのか……」
中々モナ丸は後ろを向いてくれない。かといって正面で行動を起こすのは危険すぎる。
仕方が無くブーンは嘘をついた。モナ丸の後ろを指差して叫ぶ。
( ;^ω^)「あ、ショボ之介さんですお!」
(´∀`)「おぉ、本当モナか!」
見事後ろを向いてくれた。すかさず、後頭部に一撃。
Σ(;;゚∀。)「ホゲァッ! な……何を……」
バタッ。こちらも上手い具合に気絶してくれた。今日は運がいいのかもしれない。
( ^ω^)「よしだお……。さて、戻るお!」
再びシャキンの元へ急ぐブーン。しかし、先程より遅くなったような気がするのは気のせいであろうか。
 

 

89 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 18:17:31.79 ID:X/RE3eha0
 

( ^ω^)「連れてきましたお!」
(`・ω・´)「ご苦労さんです」
再び作業にかかるシャキン。先程と同様にしてモナ丸も装置の中へと消えていった。
(`・ω・´)「さて、今度こそブーンさんの番ですよ」
どこか嬉しそうな表情でこちらを見るシャキン。こいつ、結構やばい人間なのかもしれない。
( ;^ω^)「わ、わかりましたお……」
仕方なしに装置の中へ入るブーン。
すかさずシャキンは扉を閉め、作業に入った。
( ;-ω-)「あぁ……どうなるんだお……」
不安と期待が入り混じった複雑な感情でそのときを待つブーン。
やがて周りの景色が薄れ始める。それと共に頭がボーっとしてきた。
( -ω-)「お……思ったよりも悪い感覚じゃないお」
そんなことを思いつつ、身を装置にゆだねるブーン。
やがて景色は完全に消え去り、ブーン自身の意識も薄れた……。


――ブーン……ブーン……。
誰かが自分を呼んでいる。優しくて、力強い声だった。
母ちゃんの声? いや違う。勿論父ちゃんのものでもない。
( -ω-)「う……誰だお?」
ゆっくりと目を覚ますブーン。
辺りを見回すと、一面の草原が広がっていた。
( ^ω^)「お……? もしかして、またタイムスリップしちゃったお?」
しかしその予想は後から聞こえてきた声によって否定された。
――いえ、違いますよ……。
( ^ω^)「さっきから誰だお?」
声は答える。
――私はあの装置の化身……それともつく精霊とでも言ったほうがいいかしら?

( ^ω^)「どう見てもただのシステムです。本当に(ry」

 

97 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 18:39:22.23 ID:X/RE3eha0

 

――失礼ね。システムなんて言い方味がないからわざわざ直してあげたのに。
随分とうるさいシステムだ。未来になるとこんなところにまで力を入れるのだろうか。
( ^ω^)「まぁ何でもいいお……。ところで、何をすればいいんだお?」
――まぁそう焦らないの。順番にやっていくんだから。
( ;^ω^)「それもいいけどあまり時間がないお。早くしてくれお」
こうしている間にもバニッシュや信長が何をしているかわからない。早めに終らせたかった。
――大丈夫。ここでたった時間がどんなに長くても、現実世界では3分くらいしか時間はたたないわ
( ^ω^)「そうなのかお。それを聞いて安心したお」
さすがは未来の科学力だ。心のそこから関心するブーン。
精霊こと装置のシステムはようやく本題を話し始めた。
――さて……今からあなたの戦いの腕前を一流にするわ。元が元だから結構時間がかかりそうだけど……。
(♯^ω^)「それどういう意味だお?」
――あら失礼。そうね、まずはこれから始めようかしら。
どこかでパチン、という指を鳴らすような音がした。そう思えば、いつの間にか周りの景色が一変していた。
( ;^ω^)「おぉ!?」
まったく、どこまでも驚かせてくれる装置だ。
移動した先は真っ暗な世界。色彩と言えば、ブーン自身と足元に落ちている刀のみ。
――さぁその刀を取って。今からあなたに様々な人が勝負を挑んでくるわ。それが誰かはあなたの刀の腕前で決まる。
――つまり、腕を上げれば腕を上げるほど相手が強くなっていくってこと。まずはここで腕慣らしをして刀を一人前に扱えるようになってもらうわ!
精霊の声が止んだかと思うと、突如目の前に誰かが現れる。
そいつは……

(・∀・)「………」

( ;゚ω゚)「!? この人は……モララー?」
 

 

111 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 20:43:15.58 ID:X/RE3eha0
 

突然目の前に現れたモララーに混乱しながらも、どこかしらでは嬉しさを覚えているブーン。
( ^ω^)「僕の剣の腕前は一国の大名クラスかおw 何か嬉しいおw」
だがしかし、
(・∀・)「残念だな。私などまだまだ。ここから先には更なる猛者がいるぞ」
モララーが余計なことを言い、ぶち壊しにしてくれた。
(♯^ω^)「く……許さんお!」
刀を構え、モララーに向かう。
(・∀・)「……甘い奴だな」
気合の一撃は容易くモララーに受け流される。隙だらけになったところで、モララーの攻撃が来る。
( ^ω^)「その手はくわないお!」
だが幸いなことに、このパターンはショボ之介との練習で対処法を身につけていた。
素早く振り向き、刀で防ぐ。
(・∀・)「ほう、案外やるな」
しかしモララーは落ち着きを乱さない。流石は大名だ。
( ^ω^)「今度こそこっちの番だお!」
再び斬りかかる。そして今度も受け流された。

 

112 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 20:43:43.96 ID:X/RE3eha0

 

しかし、それからが違った。
( ^ω^)「うぉぉ!」
今度はそのまま隙を見せずに即反転、斬りかかった。
(;・∀・)「ぬ!」
慌てて防ぐモララー。これは予想外だったらしい。
( ^ω^)「まだまだだお!」
素早く距離をとり、回転をかけながら斬りかかった。あのギコとの戦いで覚えた技だ。
回転による力を加えられた刀は威力を増大させ、モララーに襲い掛かる。
ガキュッ、という鈍い音がした。受け止めきれず、モララーは転倒する。
(;・∀・)「しまった!」
( ^ω^)「遅いお!」
起き上がろうとするモララーに、ブーンは一撃を浴びせた。
当然防ぐことは出来ず、肩を切り裂かれる。
(;;・∀・)「ぐああぁぁぁっ!」
刀を落とし、モララーは再び倒れた。
そして二度と起き上がることの無いまま、煙となって消えた。

 

113 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 20:44:03.24 ID:X/RE3eha0

 

――流石にこの程度はパスしたわね。
再び精霊の声がする。
( ^ω^)「当然だお!」
――……まぁいいわ。次の相手よ、ハイッ!
ボンッ。煙と共に次の相手が現れた。
( ^ω^)「今度は誰だお……」
( ,' 3 )「………」
( ゚ω゚)「不思議生物キター!」
次なる相手はどうやらスカルチノフのようだ。
立て続けの大名クラス。果たしてこの訓練のレベルが高いからなのか、それともこいつらのレベルが低すぎるだけなのか……。
( ,' 3 )「………」
寝たまま……いや立ったまま剣を構えるスカルチノフ。
いくら容姿が迫力に欠けるとはいえ、油断は禁物だ。
( ,' 3 )「………」
しかしどうしたのか、スカルチノフは一向にこちらへ向かってこない。
やる気が失せたのか?
( ^ω^)「こないならこっちから行くお!」
跳躍し、重力に任せて刀を振り下ろす。相当な威力を持ちながらスカルチノフへと向かった。
しかし彼は刀が触れる直前、猛烈な勢いで刀を防いだ。
( ;^ω^)「!?」
そのまま苦もなくブーンを弾き返す。
少々唖然としていたブーンだが、すぐに体勢を立て直し再び立ち向かった。
だが、その攻撃も防がれる。
( ;^ω^)「まだだお!」
連続で斬りかかる。だが、全て防がれていく。
モララーのときとは比べ物にならないほど素早い防御だった。しかしその代わり、自らこっちへ向かってくることはしない。
( ;^ω^)「くそ……防御だけは完璧かお……」
何とかしてあの鉄壁の防御を打ち崩さないと勝つことは出来ない。負けることも無いだろうが。
( ^ω^)「もう1回だお!」
ブーンは諦めずに斬りかかった。

 

128 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 22:02:15.71 ID:X/RE3eha0

 

――さぁて、最初の試練だ。
(´・ω・`)「何で私が試練など受けなければ……。ウホッな男(の声)でなければ断っていたところだ」
――……さっさと始めるぞ。
ブーンの手により無理矢理装置に突っ込まれたショボ之介。
いきなりの話に最初は戸惑ったが、すぐに飲み込めてきた。
それと同時に怒りがこみ上げてくる。
(´・ω・`)「(おのれブーンめ……。元に戻ったらやってやるがな……)」
果たしてやる、というのは殺すという意味なのか別の意味なのか。
パチン。音と共に景色が変わる。
ブーンの場合は辺りが暗くなったが、今回はその逆。あたり一面お花畑と化した。
(;´・ω・`)「ちょ、いつ三途の川を渡ったのだ?」
――死んではいないから安心しろ。さて、内容の説明だ。これからお前の前にお前自身の欲望を具現化したものが現れる
――お前はそれに惑わされず、具現化したものを全て斬り捨てろ。
(´・ω・`)「あんた鬼か」
戦闘のときですら己の欲望に忠実だったショボ之介にとってこれは辛い。
だがやめるわけにもいかないのでとりあえず引き受ける。
――己の欲望を断ち切り、戦いに集中させるためだ。出来るまで何度もやり直し。早く終らせたかったら頑張るんだな!
精霊の声は消えた。

 

129 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 22:02:41.38 ID:X/RE3eha0


その代わりに辺りに欲望を具現化した物現れ始める。
爽やかそうないい男「………」
(*´・ω・`*)「ウホッ」
予想通り早速つられた。だが何とか気を保つ。
(;;´・ω・`)「いかん! これではいつまでも地獄を味わうことになる!」
(;;´・ω・`)「致し方なし……でやあぁぁぁっ!」
爽やかそうないい男「ギャアァッ!」
いい男は真っ二つに両断される。しかし血は出ない。
(;´・ω・`)「とにかく1つ……」
しかしそんなショボ之介を嘲笑うかのように、次々と現れる欲望達。
ムキムキのいい男「………」
渋いいい男「………」
純粋にかっこいい男「………」
(;;;´;ω;`)「アンチキショォォォォ! オニメェェェ!」
漂う絶望感。狂人の如く叫びながら、ショボ之介は突撃した。
 

134 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 22:28:47.76 ID:X/RE3eha0

 

「ぜぇぜぇぜぇ……」
あれから数十分。
ブーンはまだ一撃もスカルチノフに当てていない。そろそろ体力の限界が近づきつつあった。
「少し休むお……」
相手から攻めてこないのが幸いだ。疲れたらゆっくり休むことが出来る。――精神面を除いてだが。
休みながらスカルチノフを観察する。相変わらず横になっていた。
( ,' 3 )「終わりか」
スカルチノフに疲れた様子は無い。あれほど動いたのに。
……実際のところ装置が作り出した幻なのだから当たり前だが。
「まだだ……まだ終らないお!」
再びブーンが動き出す。一瞬のうちにスカルチノフの横に来て、思いきり斬りつける。……しかしそれも防がれた。
だが、ブーンの動きは確実に良くなってきている。何度も何度も挑んだためか。
「いい加減に当たれお!」
中々当たらないことに苛々を募らせていたブーンは、我慢できず我武者羅に振り回した。
当然全て防がれる。だがこの途中、ブーンの耳に微かな音が聞こえた。
 

 

135 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/07/20(木) 22:30:02.57 ID:X/RE3eha0

――ピシッ

「お!?」
慌てて下がるブーン。自分の刀が折れたのかと思ったのだ。
しかし見たところ傷は無い。では今の音は?
「まさか……相手なの刀かお?」
ここにいるのは2人だけ。ブーンの刀ではないのならスカルチノフのものでしか有り得ない。スカルチノフ自身は実際の体ではないが、刀は本物らしい。
微かに、光りが見えてきた。
「よし……! このまま使わせるお!」
何度目かの斬撃。防がれるが無視して続ける。
なり続ける音、煌く閃光。
相手の剣が折れるのが先か、自分が疲れ果てるのが先か。
「僕は……諦めないお!」
やがて決着がつくときが来た。天高く、刀身が舞う。
( ,' 3 )「……!」
「今だお!」
吹き出る血。呻きが響く。スカルチノフは腹を切り裂かれ2、3度口を開閉させたかと思うと煙となって消失した。

運命はブーンに味方した。

 

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