('A`)「どうなってんだ……!!どうなってんだよ……!!」
ドクオは目の前の光景に腰を抜かしていた。
友達が飲み込まれようとしている。
('A`)「ああ……ああああああああ……!!!!」
全長5メートルはあるだろうか。
B級ホラー映画で出てきそうな軟体動物。
ミミズをそのまま大きくしたようなフォルム。
全身が粘膜のようなもので覆われ、頭と思われる部分には大きな口がついていた。
そしてその口には、頭から飲み込まれている友達。
今は下半身しか見えなくなっている。
('A`)「助けて……助けて……」
やがて友達の姿は見えなくなった。
膨れ上がった部分がゆっくりとミミズの体を移動していく。
昔見た大蛇の画像を思い出した。
あの膨れ上がった部分の中に友達がいる。
そして少しずつ溶かされていくんだ。
生きたまま、ゆっくりゆっくり……
('A`)「い、いいいいいいやだぁぁっ!!」
食事を終えたミミズはぐったりと動かない。
今なら逃げられるかもしれない。
大丈夫、ゆっくり、あのドアに……
('A`)「ヒッ!!」
ドアの前に、新しいミミズが落ちてきた。
( ^ω^)「ここは……どこ……だお」
目を覚ますと、見知らぬ部屋にいた。
次第に覚醒してきた頭に鋭い痛みが走る。
とりあえず今の状況を確認してみるが、六畳ほどの部屋に一人ということ以外分かりそうにない。
( ^ω^)「ブーンは……パーティーに居て……」
飲みすぎて潰れてしまったのだろうか。
だとしたらここはパーティー会場の控え室なのかもしれない。
しかし、あまりにも異様な部屋だ。
裸になったコンクリートの壁。
埃を被った冷たい床。
パーティー会場の華やかさと比べると、まるで別物だ。
立ち上がり、自分に異常がない事を再確認し、ドアノブに手をかける。
(;^ω^)「うわぁ……とっても薄暗いなりぃ……」
扉を開けた正面に、同じサイズの扉がある。
左右に伸びた長い廊下。
裸電球の照明はとても頼りないモノだった。
(;^ω^)「ここはどこなんだお……」
廊下の先に目をこらすも、暗闇しか見えない。
(;^ω^)「誰か〜……いませんかお〜……」
「い、いいいいいいやだぁぁっ!!」
(lli゚ω゚)「フヒィッ!!!!!」
目の前の扉からだ。
どこか聞き覚えのある声。
死に直面したとき、人は聞いた者を震え上がらせるような悲鳴を出すという。
これは、その手のものだ。
(lli゚ω゚)「なななななんだお……!!」
そして何か大きな物体を連想させる落下音。
(lli゚ω゚)「……!!」
('A`)「あ……ひ……」
目の前のミミズが鎌首をもたげる。
ドクオはミミズに睨まれたカエルのように動けなくなった。
('A`)「死にたくない……死にたくない……」
しかしこの部屋の唯一の出口はミミズの後ろにある。
少しずつ近づいてくるミミズの大口に、目をつぶろうとしたその時
「おらぁっ!!」
扉が勢いよく開いてミミズにぶち当たった。
( ゚∀゚)「大丈夫かっ!?早く!!こっちだ!!」
('A`)「!!」
部屋の外に転がり出て急いで扉を閉める。
ミミズは追ってこなかった。
思ったより鈍重なのかもしれない。
('A`)「た、助かった……!!ありがとう……ありがとう……」
( ゚∀゚)「いいから早くこの部屋から離れようぜ!!」
('A`)「あ、ああ」
薄暗がりの廊下を走る。
男の後を必死についていきながら、ドクオはブーンたちのことを考えていた。
( ゚∀゚)「この部屋は大丈夫そうだな……」
扉を開けて中の様子を伺う。
ミミズの姿は見えないので、とりあえずここに落ち着くことにした。
( ゚∀゚)「まず名前を聞いておこうか。俺の名前はジョルジュ。お前は?」
('A`)「あ、ああ。ド、ドクオ……です」
( ゚∀゚)「あんたもパーティーにいて気づいたらここに、ってクチだろ?」
('A`)「!! あ、あなたもですか!?」
( ゚∀゚)「ああ。パーティー会場から記憶がねえんだ」
('A`)「僕もです……」
('A`)「(そうだ…俺はパーティ会場にいたんだ)」
……パーティ。
そう。目を覚ます前は、立食パーティにいた。
いつもの仲良いメンツに、企業からの招待状が来たんだ。
お酒なんかも出たりして、結構飲んじまったのを覚えてる。
( ゚∀゚)「そうか……目を覚ましたら友達はもう……」
('A`)「はい……あ、あれなんなんですか……」
('A`)「あんなの見たことないですよ……ひ、人を食うミミズなんて……」
('A`)「ねぇ、なんなんですか!!ここはどこなんだ!!なんで俺が……っ!!」
( ゚∀゚)「……落ち着け。わめいたって俺は何も答えらんねーぞ」
('A`)「ううっ、なんで…なんで…」
( ゚∀゚)「俺もお前と同じ状況だったよ」
('A`)「!?」
( ゚∀゚)「目を覚ましたら彼女と二人で部屋に転がっててな。いまいち状況がわからずにぼーっとしてたんだ」
( ゚∀゚)「そしたら目を覚ました彼女が俺を突き飛ばして、俺を庇った代わりにあいつはあの化け物に頭から飲み込まれちった」
('A`)「……!!」
( ゚∀゚)「必死に化け物の体ぶったたいて吐き出させたんだけどな。もうダメだったよ」
('A`)「そう、だったんですか……すいません俺だけ取り乱して……」
( ゚∀゚)「いいよ。俺もなんか実感わかねぇんだ。どろっどろになったアイツ見ても……な」
そう言ってジョルジュは懐からタバコを取り出した。
二人は宙に浮かぶ煙を、黙って見つめていた。
(;^ω^)「なんなんだお!!」
その頃ブーンは廊下を一人走っていた。
(;^ω^)「あの悲鳴は絶対やばいお!!早くこっから逃げ出さないと……お?」
(;^ω^)「行き止まりだお……」
ズルッ
(;^ω^)「……」
ズルッ
(;^ω^)「な、なんだおこの音は……」
('A`)「も、もうちょっと明るくなんないかな……」
薄暗い廊下をおっかなびっくり進む。
廊下に一定感覚で規則正しく並ぶ扉。
中を見て回ったが、人もミミズもいなかった。
( ゚∀゚)「お、ドアがあるぞ……」
長い廊下の行き止まり、今までのモノとは違うふいんき(ryの扉があった。
ガチャ
( ゚∀゚)「お、結構大きい部
「おらぁっ!!」
( ゚∀゚)「モルスァ!!」
('A`)「うわっ!?」
ドアを開けた途端、鉄パイプがジョルジュの頭に振り下ろされた。
そのままうつ伏せに倒れこむ。
鉄パイプの持ち主は……
ξ゚听)ξ「!! ドクオ!?」
('A`)「ツン!!」
ドクオの友達、ツンだった。
('A`)「ちょ、ツン!? なっ、なにして、じょ、ジョルジュさん!!」
ξ゚听)ξ「え? あ、ご、ごめんなさい!!」
慌ててジョルジュを抱き起こす。
白目を向いているが、ちゃんと息はしている。
気絶しているだけのようだ。
ξ゚听)ξ「ご、ごめん……あの化け物かと思って……」
('A`)「ミミズがドア開けられるかよ!!」
ξ゚听)ξ「ご、ごめんって言ってるじゃない」
( ゚∀゚)「う〜ん……」
('A`)「!! ジョルジュさん!!大丈夫ですか!?」
( ゚∀゚)「……いや大丈夫だ。うん。こんな状況だし、仕方ない」
ξ゚听)ξ「ホントごめんなさい……」
('A`)「じゃあツンも気づいたらここに?」
ξ゚听)ξ「うん……全然記憶ない……」
('A`)「そっか……」
ツンの話によると、目覚めた時の状況はドクオ達と変わらないようだ。
ミミズが現れて、部屋を飛び出して逃げ出した。
この部屋に着いて、落ちている鉄パイプを拾ったら後ろから足音が聞こえてきた。
それでドアを開けて入ってきたジョルジュさんにボカン!!……ということらしい。
ξ゚听)ξ「ねぇ……ブーンは?ブーンは一緒じゃないの??」
('A`)「うん……」
ξ゚听)ξ「そっか……アイツは巻き込まれてないといいいけど」
こんな状況でもブーンの心配か。
ドクオはツンの気丈さにほとほと感心した。
ズルッズルッ
(lli゚ω゚)「ふおおおおおなんだこいつらきめええええ!!」
(lli-ω-)「落ち着くお。こんな時こそ素数を数えて落ち着くんだお」
(lli-ω-)「素数が一つ、素数が二つ、素数が……」
(lli゚ω゚)「落ち着かないお!!」
ミミズが鎌首をもたげ、襲い掛かる。
ブーンはすんでのところでそれを回避した。
(lli゚ω゚)「らめええええ!!こっち来ちゃらめなのおおおおお!!」
ズルッズルルッ
(lli゚ω゚)「まずいおまずいお!!なんかどんどん出てきたお!!」
ブーンは急いで今来た道を引き返した。
ξ゚听)ξ「とりあえず先に進みましょうよ」
('A`)「うん」
( ゚∀゚)「そうだな。でもその前に……」
チャッ
( ゚∀゚)「誰がリーダーか決めとこうぜ」
('A`)「ジョルジュさん!?」
ジョルジュはツンの持っていた鉄パイプを拾う。
右手にそれを持ち直し、ドクオとツンを威嚇するように構えた。
ξ゚听)ξ「ちょっと……あんた何考えてんのよ」
( ゚∀゚)「組織っていうのは3人以上の集まりの事を言うんだ。立場ってモノを決めとかねーとな」
('A`)「ちょ、そんな。リーダーは勿論ジョルジュさんでいいですよ」
ドクオはジョルジュの空気にただならぬモノを感じた。
幼い頃からの経験からか、場の空気には敏感に反応するドクオは、
ツンとジョルジュが対立するのではないかと不安になった。
( ゚∀゚)「こういう状況だしな……お互い助け合って行こうぜ」
対等な言葉を使いつつも、ジョルジュは穏やかな目をしていない。
鉄パイプを持つ手に力を込める。
それは二人に対する強制を意味していた。
( ゚∀゚)「おいおい、そんな構えんなよ……ホラ」
持っていた鉄パイプをドクオに差し出す。
そして他に落ちていた角材を拾った。
( ゚∀゚)「よし……とにかく先に進まなきゃな」
ξ゚听)ξ「……」
ジョルジュとドクオがツンと合流した頃、3人から離れた場所で男が目を覚ました。
( ´_ゝ`)「……弟者……」
( ´_ゝ`)「俺を……はめやがったな……!!」
ズルッズルッ
(;´_ゝ`)「ちっ」
襲い掛かるミミズを鮮やかな回し蹴りで迎撃する。
液体を撒き散らしながらミミズは壁にぶち当たった。
(;´_ゝ`)「あの野郎……」
床に落ちたミミズに止めを刺すように、踵を振り落とした。
何度も何度も何度も何度も。
その内ミミズの頭は原型を留めない形にまで潰され、白い中身がこぼれだした。
男は鬱憤を晴らすかのようにひとしきり暴れたあと、
ドアの右上、注意しなければ気づかなさそうな記号を見た。
(;´_ゝ`)「B地区か」
ミミズの死骸に唾を吐き、調子を確かめるかのように首を鳴らす。
男はまっすぐにドアを開け、迷いのない足取りで廊下を進み始めた。
ξ゚听)ξ「わ……なんか、様子変わったね……」
三人が合流した広間には、床に散在する鉄パイプ以外に、ドアが一つしかなかった。
ジョルジュを先頭にし、恐る恐るドアノブをひねる。
その先は薄暗がりの廊下が続いていた。
ただ、今までのむき出しのコンクリートとは違って、床や壁に綺麗な装飾がなされていた。
( ゚∀゚)「なんか……バイオっぽいな……」
鉄パイプを握り締めるジョルジュがつぶやく。
('A`)「……」
バイオハザードとはよく言ったもんだ。
さっきの化け物といいこのふいんき(ryといい、かなり近いモノを感じてしまう。
ジョルジュの後ろで、ドクオは唾を飲み込みながら思った。
( ゚∀゚)「さっきの廊下と作りはあんま変わんねぇな。左右にドアがある」
('A`)「ホントだ。入ってみます?」
ξ゚听)ξ「……?」
( ゚∀゚)「とりあえず片っ端から調べていくしかないだろ」
('A`)「で、ですよね……」
ξ゚听)ξ「シッ……なんか聞こえない?」
( ゚∀゚)('A`)「は?」
ツンが目を細めて、廊下の奥の暗闇に構える。
二人もそれを見て暗闇を凝視した
( ゚∀゚)「な、なんだ?」
('A`)「なんだこの音……」
鞭で床を叩いたような音。
乾いた音が廊下の奥から聞こえてくる。
最初は集中していなければ聞こえなかったような小さな音が、やがて断続的に、はっきりと聞こえてきた。
音の発信源は一つや二つではないようだった。
(;゚∀゚)「ち、近づいてくる……」
ξ;゚听)ξ「逃げましょ」
ツンの提案に二人とも頷くのだが、足は固まって動かない。
音に魅入られたように三人は暗闇を見つめていた。
(;'A`)「なんだ……アレ……」
胸の高さにまでピョンピョン跳ねながら、肌色のソレが姿を現した。
まるで尺取虫のように体をくの字に曲げ、器用に音を立てながらジャンプしている。
ペットボトルサイズの尺取虫。
それが暗闇から何匹も姿を現した。
ξ;゚听)ξ「うわっ!?」
ぴしっぴしっ、と小気味良く跳ねる尺取虫が一匹、ツンの肩に飛び掛った。
ξ;゚听)ξ「痛っ!!」
肩に鋭い痛みが走る。
ツンは反射的に素手で毟り取った。
尺取虫の裏側は、細かい歯でびっしりと埋め尽くされていた。
ξ;゚听)ξ「いやぁっ!!」
思わず顔を背け、尺取虫を放り投げた。
(;゚∀゚)「このっ!!」
ジョルジュが鉄パイプで叩き落す。
すると尺取虫はあっけなく地面に激突し、緑色の体液をぶちまけた。
ξ;゚听)ξ「な、なにこの匂いっっっ!!」
尺取虫の体液は強烈な匂いを発した。
辺りを刺激臭が立ち込める。
踊るように跳ねていた他の尺取虫たちが動きを止めた。
(;゚∀゚)「い、いやな予感がするぜ」
(;'A`)「同感です」
ξ;゚听)ξ「……」
廊下の奥からワラワラと新しい尺取虫が集まってくる。
その数は既に廊下の床を埋め尽くす程になっていた。
ドクオは冷静に今の状況を整理しようとしていた。
(;'A`)「……」
さっきまでピシピシ跳ねていた尺取虫達が動きを止めた……。
これはゲームとか漫画とかでいう『前フリ』みたいなモンだよな。
って事は次の瞬間にでも一斉に襲い掛かってくるってわけだ。
……まずい。非常にまずい。
そうださっきのドアに―――
ドクオを更に嫌な汗が襲った。
自分たちはいつの間にか後退していたのだ。
不気味な音に後ずさりしてしまっていた三人は、ドアから離れてしまっていた。
ドクオが逃げ込もうとしたドアには、尺取虫がわんさかと集っている。
(;'A`)「(そうだ、来た道を戻ればいいじゃないか―――?)」
もはやトラウマになりそうな、あの不快な音が三人の背後から聞こえてきた。
(;'A`)「(まさか……)」
背中越しに後ろを振り返る。
ミミズが鎌首をもたげていた。
(;゚∀゚)「……」
(;゚∀゚)「……後ろに戻るな。あのドアに逃げ込むんだ」
(;'A`)「え……?」
(;゚∀゚)「いいか……合図したら走り出せ。すぐにドアを閉めるんだ」
ξ;゚听)ξ「ジョルジュさん……?」
(;゚∀゚)「……」
(;'A`)「ちょ、待って。まさか……」
(;゚∀゚)「今だ!!」
叫んで、ジョルジュが先陣を切って走り出した。
顔を腕で隠しながら、尺取虫の中を突き進んでいく。
(;゚∀゚)「うおああああああっ!!」
それを合図に尺取虫たちも一斉に、ジョルジュ目掛けて飛び跳ねた。
ドクオの視界を肌色が乱舞する。
ξ;゚听)ξ「ドクオッ!!」
(;'A`)「え? わっ!!」
ツンに突き飛ばされ、ドクオは肩を壁にぶつけた。
さっきまでドクオがいた場所目掛けてミミズの口が落ちてきた。
ξ;゚听)ξ「ドクオ!! 走るのよ!!」
角材を思い切りミミズに叩きつける。
折れた角材を放り投げ、ツンはドアに向かって走り出した。
ドクオもツンを追いかける。
ジョルジュはしゃにむに腕を振り回し、飛び掛る尺取虫を振り払っていた。
ドアにくっついていた奴らもジョルジュを狙って飛び掛っていった。
(;'A`)「ジョルジュさん!!」
(;゚∀゚)「早くッ!! 行け馬鹿野郎っ!!」
ジョルジュは尺取虫を一人で引き受け、廊下を突き進んでいった。
(;'A`)「くそっ!! くそっ!!」
僅かに残った尺取虫を鉄パイプで迎撃しながら、ドクオとツンはドアの前まで辿り着いた。
(;'A`)「くそっ!! 来い!! ちくしょう!!」
ツンを庇うように立ち、鉄パイプを振り回す。
その後ろでツンはドアノブに手をかけた。
ξ;゚听)ξ「……っ!!」
ジョルジュを追っかけていた尺取虫がこちらに戻ってきている。
(;'A`)「ツン早く!!」
ξ;゚听)ξ「……かない……」
(;'A`)「え!?」
ξ;゚听)ξ「開かないのよ!! 鍵がかかってるわ!!」
(;'A`)「!? そんな……!!」
(;'A`)「ど、どうするんだよ!!」
ξ;゚听)ξ「わかんないわよ!! 開かないんだって!!」
(;'A`)「いって!!」
ドクオは太腿に食らいついた尺取虫を叩き落す。
角材の一撃を食らったミミズも詰め寄ってきた。
ツンは狂ったようにドアノブをガチャガチャ回していた。
(;'A`)「ツンどいて!! 」
ツンを押しのけドクオがドアノブを掴む。
押してもびくともしない。
(;'A`)「ふぬううううううう!!」
ミミズが口を大きく開いてツンに襲い掛かる。
(;'A`)「!! ツン!!」
振り向きざま鉄パイプを振るった。
鈍い音が腕に伝わり、ミミズが大きくのけぞった。
ξ;゚听)ξ「!? あ、開いた!!」
(;'A`)「……!! 引いて開けるドアかよ!!」
勢い良くドアを開き、飛び掛る尺取虫から逃れる。
空いた手で無理矢理ツンを押し込み、自分もドアの向こうに転がり込んだ。
すぐに立ち上がりドアを閉める。
二人はドアを背に部屋を見渡した。
薄暗がりの照明に、西洋風のインテリア。
生き物の気配は……ない。
(;'A`)「は、あああ……」
ξ;゚听)ξ「はぁ……はぁ……ジョルジュ、さん……」
(;'A`)「うう、くそ……くそ……」
そのまま力なくずるずると座り込んだ。
(;'A`)「ちくしょうっ……!! ジョルジュさん……!!」
鉄パイプを両手で握り締め、額にあてる。
目をとじると、尺取虫に集られ、なおも走るジョルジュの後ろ姿が浮かんでくる。
二人の心は泣いていた。
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