130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 21:56:07.41 ID:Yl5tVf0pO
( ´∀`)「今僕が言えるのはこれくらいモナ」
(,,゚д゚)「VIPも綺麗事だけじゃやっていけないって事か…」
(*´・ω・)「でもちょっと面白そうだね」
(・ω・`*)「夢が広がるね」(,,゚Д゚)「お前ら本気で言ってんのか?」
 
ギコは心底呆れたように聞く。今の話を聞いて恐れないばかりか面白そうだと思う考えは、ギコには理解出来なかった。
 
(*´・ω・)「そんな事よりお腹すいたね」
(・ω・`*)「そういえばペコペコだね」
(*´・ω・)(・ω・`*)「じゃあご飯食べに行こう。二人も来る?」
 
息もピッタリに誘ってくる。
ギコはげんなりしながら断ったがモナーは一緒に行くようだ。
姉妹は挨拶もそこそこに部屋を出て行く。
 
( ´∀`)「あ、さっきの話は秘密だモナ」
 
それだけ言い残してモナーも二人を追って退室した。

 
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 21:57:27.42 ID:Yl5tVf0pO
二月程経った。
モナーはいつものようにギコを出迎える。しかし今回はかなり興奮していた。
 
( ´∀`)「すごいモナ!! あのジスプロを倒したなんて!!」
 
まだギコが入隊して間もない頃、スクリプトの領域にあった衛星基地が襲撃された事がある。
建設されたばかりで配備が十分に行き渡ってなかった所に奇襲をかけられ、遂には基地内への侵入を許してしまったらしい。
 
突入したスクリプト兵の中でも猛威を振るった者がいた。
そのスクリプト人は圧倒的な力で立ちはだかる者を屠り、基地は完全に破壊されてしまった。そのスクリプト人がジスプロだったのだ。


 
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 21:59:21.28 ID:Yl5tVf0pO
二人は歩きながら話す。
立ち話も気が引けたので、とりあえずカフェに向かった。
 
(,,゚д゚)「まぁな。
だが俺の部下にもかなりの犠牲者が出た。あの腐女子共がいなかったら俺もやばかったな。それよりあいつらの動きがかなりよくなってたぜ?
……まあそのおかげで助かった訳だがよ…」
( ´∀`)「そういやその二人はどこモナ?」
(,,゚д゚)「なんか気分悪いから部屋に戻るってよ。頭痛がするって言ってたな…」
(;´∀`)「へぇ〜…」
(,,゚д゚)「……お前、なんか隠してるな?」
(;´∀`)「してないモナ」
(,,゚д゚)「嘘つくなよ。顔に書いてあるぞ」
 
そうこうしている内にカフェに着いた。
一番奥の席に座り、コーヒーを二つ注文する。

 
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:01:42.29 ID:Yl5tVf0pO
(,,゚∀゚)「オラ、白状しろ。全部吐き出して楽になっちまえよw」
 
ギコはそれほど興味があった訳ではない。ただ、モナーが隠し事をしていると、それを暴いてやりたいという幼稚な考えだけだった。
 
(,,゚д゚)「そういや腐女子共の話になった瞬間、表情が曇ったな。あいつらに関係ある事か?」
(;´∀`)「え〜と、その…」
(,,゚∀゚)「図星かよw なんだなんだ? お前あいつらのどっちか好きなのかよ?w」
( ´∀`)「二人共好きモナ。でも…」
 
モナーはため息をつき、
 
( ´∀`)「ギコには隠し通せないモナ…」
 
観念したのか、話す決心をした。
 
(,,゚∀゚)「で、どっちが好きなんだ? 姉か? 妹か?ww」
 
( ´∀`)「ちょ、違うモナ」
(,,゚д゚)「じゃあなんだってんだ?」
( ´∀`)「そういうのじゃなくて……前に話した事、覚えてるモナ? 例のプロジェクトモナ」
(,,゚Д゚)「ああ? なんだよつまんねー! そっちの話か──…例のプロジェクトだと?」

 
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:03:17.74 ID:Yl5tVf0pO
楽しげな表情が一気に暗くなった。
 
(,,゚д゚)「あいつらが気分悪いって言ってたのは…」
( ´∀`)「そうモナ…。あの子達は被験者に選ばれたモナ…」
(,,゚д゚)「……お前か? お前が推薦したのか…?」
( ´Д`)「ち、違うモナ…!」
 
ギコが険悪な雰囲気を漂わせ始めた所に、ウェイトレスがコーヒーを運んできた。
彼女が立ち去るまでの間、沈黙が場を支配する。
 
(,,゚д゚)「まさかとは思うが、あいつらが自分から…?」
( ´∀`)「それも違うモナ…」
(#,゚Д゚)「じゃあ誰だよ!」
 
モナーがなかなか切り出さないのでギコは怒鳴った。
仲が悪いようにも見えるが、ギコはネー姉妹を嫌っていた訳ではない。むしろ共に死線を潜った仲間として、自分に並ぶ実力を持つ戦友として好意を持っていた。
その者達が安全とは言えない実験の被験者になったとなれば穏やかな気持ちではいられない

 
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:06:49.00 ID:Yl5tVf0pO
( ´∀`)「…ギコはぼるじょあを知ってるモナ?」
(,,゚д゚)「ああ、先月第三に配属されたヤツだな」
 
ぼるじょあ───
VIP軍本部で幹部である父親を持ち、弱冠11歳で大学を首席で卒業した天才だ。
その後も二つの大学を出て、VIP軍に入隊。本部に配属されるかと思われたが、本人の希望で第三基地に配属された。
彼の実力ならすぐにモナーを追い抜くかもしれないと囁かれていた。
しかし、モナーもまた天才である。特に機械工学に優れ、本部でも並ぶ者はいないとされている。
一方ぼるじょあは生命工学を専攻し、この分野では他の追随を許さない。
互いに一長一短はあるが、総合的にいえばモナーが勝っているので彼の地位は、今の所不動となっていた。
だが、ぼるじょあはこれをよしとした訳ではない。
 
ぼるじょあはまずモナーの周りに手回しを始めたのだ。
父親の権力か金の力かは分からないが多くの研究者がモナーの下を去る。
僅かに残された、モナー自身を敬う者。
ぼるじょあに従う者。
いつの間にか開発部では二つの派閥が出来上がってしまった。
少数派のモナーには発言力はなくなり、行動も制限された。
口を縫われ、腕を縛られたモナー。
ぼるじょあが何をしているかを、まだ知る事は出来るが、いずれは目を潰され、耳も塞がれるだろう。

 
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:08:26.45 ID:Yl5tVf0pO
(;´∀`)「…って聞いてるモナ!?」
(,,゚д゚)「…え? お前の話長くってよ…。まあ大体わかった。
ぼるじょあってヤツが元凶だな?」
( ´∀`)「元凶じゃちょっとニュアンスが違うけど、そんな感じモナ。
あ、でも心配しなくていいモナ。今日の実戦テストは短時間だから身体にほとんど影響はないモナ」
(,,゚д゚)「なんだよ、それを早く言えって。それを聞いて安心したぜ。
……もうこんな時間か。俺は部屋に戻るぜ」
 
ギコは立ち上がると、何故か素早く立ち去った。
 
( ´∀`)「……あ」
(;´∀`)「やられたモナ…」
 
モナーの前には二人分の伝票がしっかり残されていた…。

 
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:11:03.21 ID:Yl5tVf0pO
──ギコの部屋
ギコはマイクに向かって話していた。通信は地球に繋がっている。
映像は出せるがギコは敢えて音声だけで話していた。
 
(;,゚д゚)「………まぁな………………おう………あ? ちゃんと食ってるってw………いや、ハハハ……」
 
世間話に華を咲かせながらどこかぎこちない様子だった。
ブザーが鳴った。
それもこちらの反応を待つような物ではなく、何度も鳴り響いている。
ギコはそれを無視して続けた。
 
(;,゚д゚)「ああ、それなんだけど…………こんな大事な事、通信で言うつもりはなかったんだけどさ………」
 
ギコは深呼吸をした。
ブザーは鳴り続けている。
 
(,,゚д゚)「ええ…と、そ、その…………もし、もしだぞ?
もしお前が良ければ、……」
 
そこでもう一度、深く息を吸った。
 
(;;,゚Д゚)「……お、おおおおおお俺と、けけけけけ、結k亜qw背drくぁwせdrftgyふじこlp;@:………」
 
呂律がうまく回らずにギコはガックリと肩を落とした。
そして失態を誤魔化す為に、先程から耳に突き刺さる音を理由にした。
 
(;;,゚д゚)「だ、誰か来たみたいだ。悪いけど、切るぞまたな」
 
相手が何か言う前に通信を切った。
彼の気分は沈んでいた。

 
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:12:41.54 ID:Yl5tVf0pO
(;,ーдー)「はあぁ……俺ってヤツは………」
(#,゚Д゚)「っにしてもやかましいな!」
 
八つ当たりをするように乱暴な動作で廊下と回線を繋げた。今度は映像付きだ。
画面には今にも泣きそうなモナーの姿が。
 
(#,゚Д゚)「なんなんだよッ! さっきからビービー鳴らしやがって!! こっちは大事な──」
(;´Д`)『大変モナ! 助けてくれモナ!!』
 
モナーのただならぬ様子に、ギコの熱は瞬間的に冷める。
 
(;´Д`)『とにかく出て来てくれモナ〜!!』
(,,゚д゚)「お、おお…」

 
140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:15:20.33 ID:Yl5tVf0pO
(,,゚д゚)「なんだよ?」
( ´Д`)「大変なんだモナぁ! 今すぐ実験室に来てほしいモナ! ぼるじょあが─!」
(;,゚д゚)「!!! …わかった、行くぞ」
 
実験室、ぼるじょあ、そしてモナーの焦り切った顔。
これらからモナーの心中をすぐに読み取り、廊下を駆け出す二人。
モナーは走りながら話す。
ギコの思った通りの内容だった。
 
ほぼ底辺まで地位を落されたモナーが開発部を去らない事に苛立ちを覚えたのか、ぼるじょあは以前にも増して積極的に実験を行おうとした。
ぼるじょあは自分の地位を不動の物にする為に、結果を出したかったのだ。
 
そこでぼるじょあは早くデータが欲しいと言ってネー姉妹を呼び出した。
当然モナーとモナー派の研究者は短期間での連続実験は危険だと主張して反対する。
だがぼるじょあは聞く耳を持たない。
 
今回ばかりはモナーも食らい着いた。その結果、モナー達は妨害者とされ、兵によって締め出されてしまったのだった。
そこにも金が動いていたに違いない。

 
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:16:19.64 ID:Yl5tVf0pO
(,,゚д゚)「でも何で俺なんだ? 別に悪い意味じゃないけどよ…」
( ´∀`)「それは──」
 
モナーはギコに期待していた。
ギコの何者にも屈しない精神、そこから生まれる恐怖に打ち勝つ力。
これは任務にも反映され、思い切った行動をとる事が出来た。
不可能と思われた事も可能にしてきた。
ギコならきっと何とかしてくれる、モナーはそう思っていたのだ。
 
( ´∀`)「ギコなら…あの二人を助けられると思ったんだモナ…」
(,,゚Д゚)「…ああ、やってやるぜ。助けてやる。
必ずだ!」

 
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:17:59.69 ID:Yl5tVf0pO
──生体実験室
実験室は二つに二分されていた。
ギコとモナーの前には透明の壁───
強化ガラスで塞がれている。
中からしか開閉の操作は出来ないようだ。
 
奥には、既に実験を始めている研究者とそれを指示するぼるじょあ、そして椅子に座らされたネー姉妹の姿があった。二人の頭には武骨な装置がつけられていた。
 
(,,゚Д゚)「モナー! これ開かねぇのか!?」
( ´Д`)「それが出来たらとっくにやってるモナ!」
 
ぼるじょあが二人に気付いて向かってきた。
 
(・3・)「…………………………」
 
ガラス越しに口をパクパクさせている。しばらく続けてから思い出したように壁のボタンを押した。すると遮る物がなくなったかのように声が聞こえた。

 
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:20:32.83 ID:Yl5tVf0pO
(・3・)「エェー 失礼、音声も遮断されるんだったNA.
君は確か…エースパイロットのギコ君だったNA.そのエースが何か用かNA? まあ、おおよそモナーさんに泣き付かれたってとこKA」
(,,゚д゚)「俺を知っててくれたのは光栄だな。俺はお前を止めに来た。
さっさとこのふざけた実験を中止しろ」
(・3・)「悪いがそれは了承出来ないNE.これが成功すればVIPは大きな力を得られRU.
そんな事も分からないのかI? …頭は愚鈍だNA」
(#,゚д゚)「喧嘩売ってんのか?」 
 
カチンとしたギコは反射的に拳を握り、ガラスを殴ろうとした。
 
(・3・)「おっと、ガラスに触るのはやめた方がいいZO.
黒焦げになりたいなら話は別だがNA」
 
よく見るとガラスの表面にはバリアが展開されていた。
出力を絞ってあるのか、厚さはあるが非常に見えにくい。うっかり触れば確かに黒焦げになるだろう。
ギコは伸ばした手を慌てて引っ込める。
 
(・3・)「エェー 見るのは自由だから、好きなだけ見学していってくれたまE…」
 
勝ち誇った顔をし、二人の前から離れていった。

 
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:22:36.88 ID:Yl5tVf0pO
(,,゚д゚)「モナー、どうにかしてこれ開かないのか?」
( ´Д`)「だから出来るならもうやってるモナ!」
(,,゚д゚)「だよな…。じゃあぶっ壊すしかねーな」
 
ギコはホルスターからレーザーガンを抜き、フルオートに切り換えた。
 
(,,゚д゚)「下がってろ」
 
モナーが避難すると同時にレーザーを発射した。
無数のレーザーが火花を散らして弾ける。連続して弾ける光の雨で視界が白む。
ギコは目を細めながらも撃ち続けた。
バッテリーが切れるまで撃ち込んだというのに、ガラスは無傷だ。
ギコはレーザーガンをホルスターに戻し、今度はレーザーサーベルを握る。
 
(,,゚Д゚)「これなら…っどうだッ!」
 
ギコが疾走する。
飛び上がって斬撃を打ち込む。
出力は最大、刀身がバリアに叩き込まれた。
高密度のエネルギーとエネルギーの衝突。ガラスとギコの間にあたかも斥力が発生したかのようにギコの身体は弾き返されてしまった。
 
(;,゚Д゚)「クソッ!」
 
また弾き返されないように踏ん張って何度も斬り付けた。
だがいくら打ち込んでもガラスには届かない。バリアは歪み、裂けはするものの、全て阻まれていた。
 
(;,゚д゚)「ハァハァ…ハァ…裂け目を作ってもすぐに塞がりやがる…」

 
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:25:47.52 ID:Yl5tVf0pO
(・3・)「そんな事しても無駄だC.
それより何をもたついていRU」
「しかしこれ以上は被験者の脳が…」
(・3・)「使えなくなったらいつものように破棄すればいいだRO.何をためらう必要があRU」
 
(,,゚Д゚)「…破棄だと? モナー! どういう事だ?」
( ´Д`)「それは…」
 
モナーは口ごもる。
まさに言葉通りの意味といったところか。
 
(・3・)「もういい、僕がやRU.コンソールオープン」
 
ぼるじょあの前に立体映像が出現した。
ぼるじょあは慣れた手つきでそれを操作する。するとネー姉妹がびくりとのけ反った。
手足をバタバタさせながら意味不明な言葉を口々に発する。
 
( ´Д`)「あの反応…! や、やめろモナァ!!!!」
 
モナーが飛び出した。
バリアが展開されている事も忘れて掴み掛かるように手を突き出す。
 
(;;´Д`)「ああああああああ!!!!!!!!!!」
 
素手で高密度のエネルギーに触れたせいで、手から腕にかけて肌が焦げる。

 
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:27:40.03 ID:Yl5tVf0pO
(;,゚Д゚)「ちょ、お前何やってんだよ!?」
  
ギコが慌ててモナーを引き剥がした。
その時には遅く、腕までが醜く爛れていた。
 
(;´Д`)「あああうぅ…」
(;,゚Д゚)「おい! しっかりしろ! どうしたってんだよ!?」
(;´Д`)「大脳…新皮質、皮質、間脳、の…一部…領域を破壊……もう二人は──」
 
話の途中で白目を向き、そのまま気を失ってしまった。
 
(;,゚Д゚)「おい! オイッ!
野郎…!」
 
モナーをソッと横たわらせてぼるじょあを睨む。
そしてサーベルの刀身を縮め、更にエネルギー密度を高めて床を蹴った。
 
(##,゚Д゚)「あああああああゴルァァァァアアァァアアアアア!!!!!!!!!!」
 
斬撃ではなく突き。
バリアに切っ先を突き刺し、持てる力全てで押し出す。
サーベルは徐々に潜り込む。バリアは穴を塞ごうとしても、サーベルが突き刺さっているのでその部分は塞がらない。
少しづつ、数ミリづつ侵入し、あと僅かでガラスに到達する時だった。
バリアの出力が跳ね上がり、それと共に厚さも増す。
それによりサーベルは破壊、ギコをまた後方へ弾き返した。壁に叩き付けられ、咳込むギコ。

 
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:29:58.36 ID:Yl5tVf0pO
(;,゚Д゚)「…なんだッ!?」
 
「被験者の精神波が増大している! すごい…まだ上がっているぞ…。博士!」
(・3・)「NA? 僕の言った通りだRO? 君達は黙って従っていれば間違いはないんDA」
(・3・)(しかし大きすぎるNA…。この2匹の中で何が起こっているんDA…?)
 
ぼるじょあはコンソールを操作して詳しく調べる。
すると姉妹は精神を共有している事が分かった。
それと───
 
(・3・)「!!! これは…」
(・3・)(なるほど…。精神をシンクロさせると精神波をここまで引き出せるのKA.その他にも面白い発見があったぞ…。
どれ、ここでもう一押ししてみるKA)
 
ぼるじょあは姉妹の精神波を制御している領域を、完 全 に 破 壊 し た 。
 
(´===)(===`)「あ…ア……ギ…k…」
 
それが二人の最期の人間らしい言葉となった。
あとは絶叫し、呪詛を思わせる言葉を吐き、のた打ち回る。
 
(##,゚Д゚)「テメェそいつらに何をしたァ!! ふざけんな! もうやめろぉ!!!!」
 
ギコの声はぼるじょあには届かない。

 
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:33:10.02 ID:Yl5tVf0pO
「こんな事が…」
「これが…この二人だけのエネルギーだというのか…? 信じられん…」
(・3・)(ふん、そうだろう、信じられないだろうNA.精神波だけでこれ程のエネルギーを得られる訳がなI…。
この…このエネルギーの発見は思わぬ副産物DA.ひとまず生命エネルギーとでも名付けようKA…)
 
(##,゚Д゚)「聞いてんのか!? やめろっつってんだよ…ッ!!」
 
「やりましたね博士! これで我々VIPの科学力は飛躍するでしょう」
(・3・)「HAHAHA! その通りDA! この技術を持ってすればスクリプトなど相手ではなI!
HAHAHAHAH──」
 
ぼるじょあの笑いを遮った物、それは────
 
「わああああ!!!!!」
(;・3・)「どうしたんDA!?」
「シ、システムの暴走っ! このままでは…うわあぁぁ!!!」
 
部屋を囲む大量の装置が火花を散らし、その内の一つが爆発、炎上した。近くにいた不運な研究者は爆発で吹き飛び、床に叩き付けられる。
 
(;・3・)「なんだTO…?
…………ふん、脅かすNA.システムは正常、こいつらの精神波が限界値を超えただけDA」
 
冷静なぼるじょあだが、装置はまた一つ爆発し、新たな犠牲者を生む。

 
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 22:34:51.43 ID:Yl5tVf0pO
「しかしこのままでは設備は完全に破壊されて…」
(・3・)「馬鹿か? 装置じゃなくエネルギーが暴走してるんだRO? だったら元を絶てばいいじゃないかYO.
意味は分かるよNA? 部長さんYO!」
(;^o^)「お、俺?」
 
実験の様子を終始何もせずに見ていた男にぼるじょあは声をかける。
ギコにも、ぼるじょあが放った言葉の意味は理解出来た。 
(#,゚Д゚)「何考えてやがる! テメェそれでも──」
(・3・)「うるさいZO.
さあ部長さんよ、アンタの出番DA.
これ以上犠牲者を出せばアンタの首が飛ぶZE.俺はそれでも構わないがNA」
(;^o^)「く、首!? そんな…約束が…」
(・3・)「アルェー 約束? 知らないC.
だがこれ以上被害を大きくしたくなかったら、さっさと始末する事DA」 
 
身体は震え、目が泳いでいる。この状況と、首がかかっているという現状に、完全にパニックに陥っていた。
対照的にぼるじょあは落ち着き払っている。
なかなか踏ん切りがつかない部長に、ぼるじょあは免罪符となる囁きを放った。

 
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