168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:11:13.02 ID:Yl5tVf0pO
(・3・)「エェー そんな怖い顔すんなっTE.今ホライゾンに現れている人格の記憶を探ってみるからYO」
 
そう言うと空中のキーボードに指を高速で這わせ、記憶の再生プログラムを入力した。
 
しばらくするとブーンも指を動かし、ブツブツと何かを言い始めた。
 
JJ・д・)し「あれは何か操作しているみたいね。ちょっと集音してみましょうか」
 
 
( ■ω■)「……大隊出撃…第二モ同様…………二日後予テイ………第さン…ヒロ…k………注意さレタs……」


 
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:14:02.43 ID:Yl5tVf0pO
(,,゚д゚)「…決定的だな」
(;'A`)「マジかよ……」
 
ドクオはかすれた声で呟く。
信じたくはないが、ここまで完璧といえる証拠があってはどうしようもなかった。
恐らく例の発信記録にもこれと同じ音声が記録されているに違いない。
 
(,,ーдー)「内藤ホライゾンを連行しろ」
 
ギコは部屋の外にいた部下に告げる。
二人の軍人が入って来た。
 
(・3・)「待てまTE、連れていくのは構わんがもう少し時間をもらおうKA」
(,,゚д゚)「なんだと…? まさか貴様…」
(・3・)「君は本当に勘違いが多いNA.ホライゾンが変異する原因を見つけられれば、自と治療法も見えてくるだRO?」
(,,゚д゚)「ム……」
('A`)「なあ、こいつ本当は良いヤツなんじゃねぇか?(ボソ」
 
ギコは首を横に振って否定した。
油断は出来ない、それしかギコの頭にはなかった。
 
(・3・)「よし、出力を上げRO」
JJ・д・)し「まあ、治療の為でしたら…。
しかし危険と判断した場合はすぐに中断しますわよ」
 
しかしぼるじょあの期待とは裏腹に、ブーンはこれ以上変化はなかった。

 
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:16:36.53 ID:Yl5tVf0pO
(・3・)(環境は同じはず……何が足りない…? 視覚効果、外部的圧力…。HIROYUKIには──HIROYUKI!)
JJ・д・)し「博士、もう…」
(・3・)「HAHAHAHA! 僕とした事がこんな単純な事に気付かなかったとはNA!」
 
一人盛り上がるぼるじょあ。
そして今度は別のコンソールを開き、データの入力を始める。
 
JJ・Д・)し「博士!」
(・3・)「うるさいZO.黙ってRO」
JJ;ーд・)し「きゃっ」
 
ルミナはぼるじょあに突き飛ばされて尻餅をついた。
 
JJ#・д・)し「あ痛たたたた…。あなたねぇ!」
 
またも声を荒げたが、今度は先ほどとは別の感情で顔を赤くした。
乱暴な扱いに、純粋に憤慨しているようだ。
 
(・3・)「すぐに終わるから見てろっTE.
これでっ………どうDA?」
 
入力を終え、ブーンを観察する。
すると彼の言う通りすぐに変化が現れた。
 
JJ;・д・)し「な…なによこれ……」
 
愕然と呟くルミナ。赤かった顔が嘘のように蒼白になる。

 
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:19:19.64 ID:Yl5tVf0pO
何が起こっているかいまいち分からないドクオは彼女を起き上がらせながら説明を求めた。
 
('A`)「先生、どうしたんだ? ブーンは静かだぜ?」
JJ;・д・)し「…アドレナリンの大量分泌、ゲシュタルトの完全崩壊…それに伴って心理グラフはメチャクチャ…。
これじゃ内藤君には敵味方の区別もつかないはず…。
でもそれより…」
(・3・)「見ろYO.ホライゾンの肉体が変異を始めたZO.
筋密度、骨密度が飛躍的に高まっていRU.そして細胞の大活性…なるほどなるほど、これなら…おお、ヘモグロビンまで変異しているZO! 酸素運搬能力でも向上するのKA? 血液採取」
 
ぼるじょあはかなり興奮している。目をギラつかせ、喜々として作業に没頭していた。
 
JJ;・Д・)し「いったい何をしたんです!?」
 
ルミナが泣きそうな声で叫んだ。
 
(・3・)「HAHAHA,たいした事じゃなI.ホライゾンにHIROYUKIの擬似感覚を送っただけDA」
(・3・)(それだけじゃないがNA)
(;,゚Д゚)「HIROYUKI…」
(・3・)「そうだ、HIROYUKIについて一つ教えてやろU.君はあれをただの兵器と思っているだRO?」

 
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:21:44.80 ID:Yl5tVf0pO
(,,゚д゚)「………」
(・3・)「HA! だんまりKA.まあいい、HIROYUKIの膨大なエネルギーはどこから生まれるんDA?
まさかHIROYUKI自体が発生させているとでも思っているのKA?」
(,,゚д゚)「なに?」
 
完全な図星だったギコは思わず口を開く。その反応を楽しんでいるように、ぼるじょあは口角を引き上げた。
 
(・3・)「HAHAHAHA! そんな訳ないだRO.もちろんHIROYUKIに内蔵されている動力源からのエネルギーも使ってはいるが、それはHIROYUKIの持つ──この場合は人間だNA.
それに比べれば微々たる物DA.HIROYUKIはただの増幅器SA」
(,,゚д゚)「…ではなんだというのだ」
(・3・)「エェー 知りたいKA?」
 
意地悪そうな笑みを浮かべ、作業を中断してギコに歩み寄る。
ギコの顔に10cm程の距離まで近付き言った。
 
(・3・)「教 え て や ら NEEEEEE」
(#,゚д゚)「…! この…!」
(・3・)「さっきのがヒントDA.その足りない頭で考えるんだNA」
 
怒りに染まるギコを満足そうに見、ぼるじょあは戻っていった。
どうやら遊ばれているようだった。
 
('A`)(あいつ嫌な性格してるな…)

 
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:25:29.60 ID:Yl5tVf0pO
(・3・)「さて次は──」
JJ;・Д・)し「これ以上は認められませんわ。今すぐ内藤君を解放しない!」
(・3・)「アルェー 君にその権限はないといったRO? それに、もうすぐ死ぬ男になにを気遣う必要があRU」
(;`A')「なんだと…? どういう事だよ!?」
(・3・)「分からんのKA? ホライゾンは情報を漏らし、その結果第二基地は壊滅しTA.その上仲間にも攻撃をした危険人物DA.
極刑──良くても幽閉は免れないだろうNA」
 
(;`A')「………ギコ、今の話は本当か…?」
(,,ーдー)「……その通りだ。これはどうにもならん」
(#'A`)「そんな、ひでぇよ…。あんまりだ…!」
 
ドクオは呟き、壁に拳を打ち付けた。
 

 
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:26:16.78 ID:Yl5tVf0pO
JJ;・д・)し「喩えそうだとしても博士の行動はあまりにも非人道的ですわ」
(・3・)「そんな事、VIPでは日常茶飯事──」
(・3・)(いや待てYO…? このまま貴重なサンプルを失うのは惜しいNA…)
(・3・)「ふむ……これでホライゾンが死亡でもすれば僕の立場も危ういNA.もみ消す事は簡単だが、目撃者にギコ、君がいるとなれば話は別DA.ここは引くとしようKA」
 
ぼるじょあは実験を中断し、ブーンから装置が外された。
 
(・3・)「さて、僕は本部に戻るYO.いろいろやる事があるんでNE.それでは諸君、ごきげんよU…」
 
ブーンは正常な意識ではなかったが、両脇を掴まれて連行、それを追うようにぼるじょあも出ていった。
 
後に残った物は戦きと脱力感、燃え上がり始めた燻り……。

 
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:29:18.58 ID:Yl5tVf0pO
──地球:VIP軍本部
(;^ω^)「司令……、僕はどうなるんですかお…?」
(,,ーдー)「…こんな時に気休めを言っても意味はないからはっきり言っておこう。
お前は今から軍法会議にかけられる。私も出来る限りの事はするが……極刑も覚悟しておけ」
(;゚ω゚)「そ、そんな…」
 
ブーンはショックで目の前が真っ暗になっていたが、そんな彼の状態などおかまいなしに会議は着着と進んだ。
 
 
 
「内藤ホライゾンは我々の──…」
(,,゚Д゚)「彼の行動は本人の意思に基づく物では──…」
 
ブーンは質問に機械的に答え、あとはただ頷くだけだった。ギコの弁護を聞いているかも怪しい。
 
大きなざわめきが起きた。
ブーンはその騒がしい声に現実に引き戻される。
 
(,,゚Д゚)「ホライゾン! 聞いているのか?」
( ^ω^)「え…あ、いや…」
「静粛に! これより判決を言い渡す」
 
ブーンは口を閉ざし、固唾を飲んで見守る。
 
「判決は───」

 
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:30:43.87 ID:Yl5tVf0pO
──ティーグル
(;゚∀゚)「ああ畜生、片手だと仕事がやりにくてしょうがねぇぜ…」
 
そう言いながらも、手慣れた手つきで書類に筆を滑らし、判を押す。
ジョルジュには一見、両腕があるように見える。
しかし片方は義手でほとんど動く物ではなかった。
これはビジュアル的な面も考えて、モナーが製作した物だ。
本当なら完全に動く物を作りたかったらしいが、それには材料、特に頭に埋め込むマイクロチップがなかったので断念したらしい。
しかし片手の作業に慣れたのか、見事な早さで書類の山を処理していった。
 
「今度は商人からの税金です」
(;゚∀゚)「うげ…」
 
執事が運んで来た大量の書類を見て、苦虫を噛んだような顔をするジョルジュ。

 
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:32:39.45 ID:Yl5tVf0pO
(;゚∀゚)「まあ…忙しいって事は栄えてるって事だしな…。その分、儲けもデカいもんな…」
(#゚∀゚)「オルァ! テル、テメェサボってんじゃねぇぞ!」
「サボるって…やる事ないじゃん。今日はまだ違反者も出てねぇし」
( ゚∀゚)「むぅ…だったら今季の奴等と過去の違反者のリストと照らし合わしたりしてろ。
ったく…ちっとはセレンを見習えよな…なあ?」
 
横でジョルジュに劣らぬスピードで売り上げや税金などの計算をしている少女──セレンの頭をなでると、彼女はコクリと頷いて再び筆を走らせる。
 
「ちぇっ、わかったよ…」
 
不満気に新たなリスト作成を始めるテルの前に、二枚の書類が置かれた。
 
「お、仕事だ。なになに……ふ〜ん。税関を潜り抜けて、更に周りの商人を蹴散らして商売か…」
 
そしてもう一枚の書類に目を通す。

 
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:34:18.56 ID:Yl5tVf0pO
「あちゃー、こいつら盗賊崩れじゃん。盗んだ物を売ってやがる。こりゃ討伐逝きだね」
( ゚∀゚)「ほう…税金も払わず丸儲けか…。いい度胸だな」
 
ジョルジュの目が怪しくすうっと細められた。
 
( ゚∀゚)「テル、兵を連れて袋にしてこい。骨の4〜5本はへし折ってやれ」
 
「でもこいつらの頭、女だぜ? しかもほとんど女で構成されてるし…」
( ゚∀゚)「よし、俺が行こう」
「ちょwwwwwwwwwww」
( ゚∀゚)「なんだその蔑んだ目は」
「…………」
( ゚∀゚)「分かった、お前も来い。俺流の討伐を見せてやるぜ」
 
あまり気乗りがしないテルを無理やり引いてジョルジュは部屋を出ようとする。
 
「兄さん、気をつけて…」
「善処するよ…ははは…」
 
二人がいなくなった後に、セレンは呟いた。
 
「スケベジョルジュ…」

 
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:37:14.07 ID:Yl5tVf0pO
──オズン
(><)「皆さ〜ん! そろそろ休憩してお昼にしますよ!」
「おお飯だ飯だ」
「疲れたぜー」
(><)「どうですか工事の方は?」
「ああ順調だよ。連合軍の連中がよくやってくれてる」
 
オズンは今、運河を作っている。約200kmにも及ぶ大運河だが、これが完成すれば物資の大量輸出入が可能になる。
海産物も鮮度をより保ったまま運ぶ事が出来る。
まずはティーグルへ、そして次はリヴムントに繋げる予定だ。
 
「しかしサイスの機械はすごいな。工事が捗るぜ」
(><)「そうですね。サイスの協力がなければ工事は倍…3倍、もっとかかるはずですからね」
「今日はちんぽっぽ様がいないな。どうしたんだい?」
(><)「ちんぽっぽさんはリヴムントに呼ばれたので行きました。リヴムントに行くのは数年ぶりですね。
相談があるとかで…」
「なんでビロード君は着いて行かなかったんだい?」
(><)「いつまでもちんぽっぽさんにくっついてる訳にもいきませんからね。僕にも出来る事はあるんですから!」
 
そう言って胸を張る。
 
「へぇ、成長したなぁ。頼りにしてるよ」
(><)「任せて下さい!」
 
自信満々に胸を叩くが、力加減を間違えたらしく、咳込んだ。
 
「(頼りねぇ〜…)」

 
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:39:10.50 ID:Yl5tVf0pO
──リヴムント
(*゚ー゚)「……でね、私一人じゃいろいろ無理が生じて…。とても一人じゃ治められないの。
もちろん頼りになる部下はいるけど、ガサツなのが多くて…」
(*`ω` *)「確かにこの街は大きいから大変そうだっぽ。
それでビロードちゃんを…」
(*゚ー゚)「ええ。ちびが大きくなるまでお願いできないかしら?」
(*`ω` *)「でも、ビロードちゃんだけで務まるっぽ?」
(*゚ー゚)「きっと大丈夫。あの子はずっと逞しくなったわ。
あなた、少し過保護すぎる傾向にあるわよ。それに頼りになる人をもう一人、呼んであるわ。彼は承諾してくれたし、上手くいくわよ」
 
ちんぽっぽが悩んでいる所に更に言葉を重ねる。
 
(*゚-゚)「私が完全に動けたらいいんだけど、ちびがいるからそうもいかないのよ…」
 
不甲斐ないといった表情で説得を続ける。その姿にとうとうちんぽっぽは折れた。
 
(*`ω` *)「……ビロードちゃんがいいなら問題ないぽっぽ。
一度ビロードちゃんと話し合ってみるっぽ」
(*^ー^)「そうしてくれると助かるわ♪」

 
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:40:29.00 ID:Yl5tVf0pO
(*`ω` *)「そういや、おちびちゃんはどこにいるっぽ?」
(*゚ー゚)「今はぐっすり眠ってるわ。見る?」
(*`ω` *)「見たいっぽ!」
 
SHIIに案内され、通された部屋には玉のような赤ん坊が静かに寝息を立てていた。
 
(*`ω` *)「うわぁ…可愛いぽっぽ…。名前はなんだっぽ?」
 
尋ねられるとSHIIはクスリと笑い、優しい目で赤ん坊を見つめながら答えた。
 
(*^ー^)「この子の名前はね、このリヴムントで最も強くて素敵な名前よ…。今はちびって呼んでるけどね」
 
ちんぽっぽもにっこりと微笑み、いずれ此所を背負って立つ小さな命を暖かく見守っていた…。

 
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:46:49.65 ID:Yl5tVf0pO
ξ゚听)ξ「コラー! もうお昼よ起きなさい!
今日が何の日か知ってるでしょっ!」
 
ツンはバタバタと騒がしく部屋を動き回りながら声を上げた。
 
(´<_`;)「ツン子殿…お主達はいいが、俺は少々大袈裟すぎではないか? 外ではもうお祭り騒ぎだぞ…」
ξ゚-゚)ξ「主役が遠慮するもんじゃないわよ。いいから弟者は座ってなさい」
(´<_`;)「ツン子殿も主役ではないか…」
ξ゚听)ξ「そうだけど…。あ、やっと起きてきた。まったく、こんな日まで寝坊なんてあなたの神経は大した物ね」
 
ツンの皮肉に、寝ぼけ眼の愛想笑いで誤魔化す。
 
ξ゚听)ξ「私も着替えるからあなたも準備しておいてね!」
 
|@@@
|#_、_ @
|  ノ` )「男共は覗くんじゃないよ。もし覗いたらパイルドライバーぶちかますからね」
(´<_`;)「お、OK母者」
 



 
193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:49:26.86 ID:Yl5tVf0pO
( ´∀`)「あ〜テステステス…よし…」
 
モナーは高さが3mはある台の脇に立ってマイクテストをしていた。台は垂れ幕によって隠されていた。
村人は期待した目でそれを見守る。
 
( ´∀`)「これより主役の三人が登場しますモナ! 皆さん拍手でお迎え下さいモナ」
 
何かが折れる音がした。
 
『いかん! まだ開けないでくれ!』
『ちょっ、ちょっと待っ──』
 
サッと幕が二つに分かれた。
前が階段状になっている台が人々の目に晒される。
その上には鎧を装備した弟者と、純白のウエディングドレスを着たツンが慌てふためき、間抜けな格好で立っていた。
 
(;´∀`)「あ、あれ〜???」
「おいおいツンちゃん、旦那はどうしたんだよ?」
「弟者と結婚する気かい?」 
(;´∀`)「………」
(´<_`;);゚д゚)ξ「………」
 
二人は黙って下を指差す。
沈黙する人々。
そこに…
 
『助けてくれお〜!』

 
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:51:07.19 ID:Yl5tVf0pO
どこからか声が聞こえる。
 
(;´∀`)「もしかして…」
 
モナーは慌てて台に登る。
ツンと弟者の間には、穴が開いている。中を覗き込んでみると、ブーンが必死に脱出しようとしていた。
モナーが縄を投げると、彼はようやく出る事が出来た。
 
(;;^ω^)「死ぬかと思ったお…」
 
どうやら幕を開ける寸前に床が抜けたらしい。
不運な男だ。
 
ξ;゚-゚)ξ「みっともないわね…」
(´<_`;)「この台を作ったのは兄者だ…。兄者に変わって謝罪する」
(;^ω^)「勘弁してほしいお…」
 
この祭りは二つの目的で開催されている。
一つは弟者の出世を祝った物だ。
弟者は翌朝、クアールを出る。リヴムントに行き、SHIIに仕える事になっていた。
 
そしてもう一つはブーンとツンの結婚式である。
幾度となくニューソク人を救った英雄が村の娘と結婚する。
この村でこのような事が、しかも重ねて起こるのは初めてだったので弥が上にも盛り上がっていた。

 
inserted by FC2 system