198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:52:21.05 ID:Yl5tVf0pO
何故ブーンがこの星にいるのか。
ブーンは軍法会議にかけられ、有罪判決を下された。
ところがブーン本人の意志でVIPを売ったのではない事が認められ、極刑は免れる。
だが本人の意志でないとはいえ、スクリプト軍に情報を送り、その結果、第二衛星基地が壊滅したという事実は消ず、この先も情報を流さないとは限らない。
そこで治療をするという案が出されたが、現在の医療技術では治療は不可。
 
そこでブーンに課せられた刑、それは治療法が見つかるまでVIPからは完全隔離、その為に惑星ニューソクへの幽閉だった。
この星ならばVIPの保護を受けているのでブーンを監視出来る。
ニューソクの最高技術はサイスにあるが、まだ飛行機械も開発されていないのでブーンが星を出る術はない。
実質上、無期限謹慎となったのだ。

 
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:53:38.67 ID:Yl5tVf0pO
(;´∀`)「と、とりあえず皆さん拍手をお願いしますモナ」
 
場がシラけてきたのでモナーが動いた。
 
「そ、そうだな」
「内藤君らしいというか…」 
三人は、改めて拍手に包まれた。
その中を弟者が先に一歩前に出て張りのある声で言う。
 
(´<_` )「皆、ありがとう。
俺は明日、村を出る。しばらくは留守にすると思うが元気でやってくれ。
みんなで力を合わせればどんな危機も乗り越えられるはずだ。だがそれでも困難が立ちはだかる時は…」
 
そして腰の剣を抜き、空高く掲げた。GIKOの剣だった。
 
(´<_` )「俺は必ず帰ってくる! これは誓いだッ!!!」
 
村中が沸く。
感化されたように男達は雄叫びを上げた。
 
∬´_ゝ`)「立派になったものねぇ…。ね、兄者?」
( ´_ゝ`)「そうだな。俺も引き籠もってはいられないな。真面目に仕事するか…」
∬´_ゝ`)「出来るの?」
( ´_ゝ`)「………」
∬´_ゝ`)「………」


 
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:54:42.98 ID:Yl5tVf0pO
( ´∀`)「弟者お疲れ様モナ。てかなんで降りて来たんだモナ?」
(´<_` )「皆と一緒に二人を見ようと思ってな。
それに派手なのは苦手なのだ」
( ´∀`)(その割にはすごく派手な挨拶だったモナ…)

( ´∀`)「さあ次はブーンとツンちゃんモナ!」
 
村人の注目を受け、二人は前に踏み出した───


 
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:57:16.80 ID:Yl5tVf0pO
──会場から離れた場所
ξ;--)ξ「あー…疲れた…」
(;^ω^)「僕も連れ回されて大変だったお…」
 
日は落ち、村から届く柔らかな炎の光が二人を照らしている。
村では皆が皆、祝いの言葉を送ろうとしたので二人はいつの間にかバラバラにされてしまった。
ブーンはブーン、ツンはツンで引っ張られ、それぞれが別々の場所で激励され、中にはかなり酔っている者が長々と夫婦生活に関する説教を聞かせたりもした。
ブーンは隙を突いてこの場所に非難したのだが、ツンも偶然ここに逃げて来たらしい。 
主役が消えたので村では大騒ぎだろう。
 
ξ#゚听)ξ「もう! みんなちょっとは気を使ってくれてもいいのに」
( ^ω^)「でも、いい人ばかりだお」

ξ゚ー゚)ξ「そうね…」
 
ツンはシミジミと言う。
皆、自分の事のように喜んでいたのは確かだった。
 
ξ゚ー゚)ξ「私、幸せよ」
( ^ω^)「僕もだお。僕はツンを──」
 
(,メ゚д゚)「貴様にも嫁ができたか。めでたいな。祝ってやる」

 
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/14(日) 23:58:55.32 ID:Yl5tVf0pO
(;^ω^)「!!?」
 
ブーンが言葉を切って振り向いたが、その場所には誰もいなかった。
 
ξ゚听)ξ「どうしたの?」
( ^ω^)「今…」
 
ブーンは再び言葉を切り、目を閉じて微笑んだ。
 
( ^ω^)「なんでもないお」
 
そしてツンを抱き寄せ、途中であった言葉を、彼の漢が途中で伝えられなかった言葉を囁いた……。
           fin

 
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