412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:26:59.61 ID:5wxMOfu9O
その気合いの入り方にジョルジュがため息をつくとGIKOがテルに歩み寄る。
 
(,メ゚д゚)「ほう…なら俺が──」
(;゚∀゚)「待て! 早まるな!」
 
GIKOの申し出にジョルジュは慌てて釘を刺す。
ジョルジュばかりか、その場にいた全員の顔に緊張が走っていた。
ジョルジュはもう一度深いため息をつくと、
 
(;゚∀゚)「…分かった、俺が鍛えてやる…」
 
とうとう観念した。
 
「ホントか!?」
 
ようやく了承してもらったテルは満面の笑顔だ。
 
(;゚∀゚)「…SHII、テルに訓練用の剣をくれてやれ。
普通のだとコイツにゃデカすぎる、短剣がいいな…」
(*゚o゚)「ちょっとぉ、本気ぃ?」
 
SHIIは眉を寄せる。


 
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:28:59.45 ID:5wxMOfu9O
(;゚∀゚)「俺がやらないと、あいつがな…」
 
ジョルジュはチラリとGIKOの方を向く。
 
(*゚ー゚)「う〜ん、納得せざるを得ないわね…。まあ私がやるんじゃないからいいけど。
テル、おいで」
 
SHIIに促されてテルは姿を消した。
 
( ^ω^)「GIKOだと何か問題あるのかお?」
 
ブーンはGIKOには聞こえないように尋ねる。
 
( ゚∀゚)「馬鹿、あいつに任せたら殺されるだろ。もの凄いスパルタだぜ?」
(;^ω^)「納得だお…」
(,メ゚д゚)「おいジョルジュ、俺が──」
( ゚∀゚)「悪い、一人にしてくれ…」
 
ジョルジュは顔を手で押さえながら退室。
 
(;゚∀゚)「めんどくせぇヤツを抱え込んじまったぜ…」
 
ジョルジュは消え入りそうな声で呟いていた…。

 
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:29:52.94 ID:5wxMOfu9O
それから三日経った。ゴロツキの街と呼ばれているが、慣れてしまえば平和なものだ。
帝国軍はしばらく動かないだろうとジョルジュは言った。全滅して報告する者もいない上、やはり被害が大きい事もあるのだろう。
 
そのジョルジュはテルを相手に忙しい(?)日々を送っている。
ブーンは一度クアールに戻る事にした。モナーから兵器の完成が近いと言われたからだ。


 
416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:30:50.09 ID:5wxMOfu9O
──クアール
(;^ω^)「も、モナー、随分とやつれたお…」
(ヽ´∀`)「そうモナ? それより手伝ってほしいモナ。この小型ソーラーパネルをあと50枚作らないといけないんだモナ」
 
連射する為には大量のエネルギー供給が必要らしい。
燃料と高性能のジェネレーターが手に入らないこの星では太陽光に頼るのがベターだとモナーは結論づけた。
 
(ヽ´∀`)「あと、銃弾作っておいたモナ」
 
5発の銃弾を渡される。
 
(ヽ´∀`)「手作業だから量産は出来ないモナ。いざという時まで撃つのはやめるモナ」
( ^ω^)「わかったお。それよりモナーは少し寝るといいお」
(ヽ´∀`)「そうさせてもらうモナ…」
 
モナーはフラフラとベッドに向かい、倒れ込むように眠ってしまった。
 
( ^ω^)(モナーもかなり無茶してるみたいだお…)
 
ブーンはモナーが起きるまでの6時間、作業に没頭した。

 
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:33:52.73 ID:5wxMOfu9O
──ラウン城:作戦会議室
川 ゚ -゚)「報告がないから調査隊を送った結果、火竜の砦は跡形もなく破壊されていた。残るはお前達二人だけだ」 
そしてクーが頭を下げた。
 
川 ゚ -゚)「今回のは私の失策だ。せめてもう少し頭の切れる者を同行させるべきだった。すまない…」
 
深々と頭を垂れるクーに、今回も起きていた荒巻が声をかける。
 
/ ,' 3 「…頭を上げろ。お前らしくもない」
( ・∀・)「そうだ、アンタは偉そうに俺達に指示してればいいんだからな」
 
モララーも励ます。
 
川 ゚ -゚)「…そうだな。
では簡単に我々の状況を説明する。我々の兵力は約75000まで減らされた。
まだ奴等よりは多いがこれ以上兵力を削られれば我々の敗北だ」
( ・∀・)「つまり、もう小細工はせずに総攻撃を仕掛けるんだな?」
川 ゚ -゚)「そういう事だ。…始めからそうしてれば良かったのだが、今更悔やんでも仕方がない。全兵に総攻撃の準備をするよう伝えろ」
 
荒巻はすぐに退室し、モララーもそれに続くと、声をかけられた。
 
川 ゚ -゚)「お前は傷が癒えていないが出陣してもらう事になる。すまない…」


 
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:36:27.31 ID:5wxMOfu9O
( ・∀・)「これは俺の不注意だからな、気にするな」

川 ゚ -゚)「それでも傷は傷だ。無理な動きは極力控えてくれ」
( ・∀・)「わかってる。俺も死にたくはないからな」
 
それだけ言い、モララーはクーの肩を軽く叩いて荒巻の跡を追った。



 
421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:39:34.98 ID:5wxMOfu9O
──リヴムント
( ゚∀゚)「そうか。いよいよ決戦って訳だな」
 
ジョルジュは各師団長を集めてそれを伝える。
 
(´<_` )「ジョルジュ殿、前の砦の件も火竜兵師団…といったな、奴等が来る事を知っていたが、その情報はどこから得ているのだ?」
 
弟者を始め、全員の疑問をぶつける。
 
( ゚∀゚)「奴等にスパイを抱えさせた。コイツを使ってな」
 
そう言いながら、以前回収した指輪を取り出す。
 
( ゚∀゚)「奴等の兵力は大きい。そこが付け入る隙と言えば隙だな。
奴等とて、全ての兵を把握している訳じゃないだろ」
(*゚ー゚)「あなた本当は参謀向きかもね。でも指揮官としても優れてるわよ」
( ゚∀゚)「かつての智将からそんな言葉を貰えるとは光栄だぜ」
 
その言葉にGIKO、弟者、そして彼女の本性を知る師団長はギクリと顔を強張らせる。
 
( ゚∀゚)「他にも呼び名があったよな…。確か血の──」
(;゚∀゚)「ぐふぉっ!」
 
GIKOがジョルジュの腹を殴り付けた。それも軽くではなく、体重の乗ったパンチだ。

 
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:41:59.87 ID:5wxMOfu9O
(#゚∀゚)「GIKO…テメェなにしやがる…!」
 
ジョルジュは怒りの形相でGIKOを睨む。
そこに弟者と師団長が詰め寄って言う。
 
(;メ゚д゚)「それだけはSHIIの前で言うな、この通りだ、頼む」
(´<_`;)「ジョルジュ殿、それは禁句だぞ…!」
「ジョルジュ様、それだけは言ってはなりませぬ!」
(;゚∀゚)「あ? ああ…わ、わかった…」
 
GIKOの滅多に見せない焦り切った表情と他の者の迫力に、ジョルジュもただならぬ物を感じたのか素直に応じた。
 
(*゚ー゚)「?」
(´<_`;)(間一髪だな…)
「(危なかった…)」
 
けして智将や血粧の言葉でSHIIが変貌する訳ではないが、彼らはその言葉に敏感になっていたのだった。
 

(;メ゚д゚)「と、とにかく奴等はもうすぐ攻めてくる。準備を始めろ。あと、ブーンを呼び戻せ」
 
GIKOは自身を落ち着けるようにゆっくり言い、師団長らはそそくさと退散した。
 

(*゚-゚)「なんなのよ…」


 
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:45:46.25 ID:5wxMOfu9O
──クアール
( ^ω^)「モナーには悪いけど呼び出されたお。決戦が近いらしいお」
( ´∀`)「大丈夫モナ。パネルはあと20枚程度モナ。何とかして決戦に間に合うようにするモナ」
( ^ω^)「頼んだお」
 
ブーンはモナーと別れると、今度はツンの家に向かう。
 
ξ゚ー゚)ξ「あらブーン、どうしたの?」
( ^ω^)「そろそろ行かないといけないんだお。決戦が近いお」
ξ゚-゚)ξ「…! そう…」
 
この反応はブーンの予想とは違った。
「さっさと行ってきなさい」くらい言われて送り出されるとばかり思っていたら、この反応だ。
 
(;^ω^)「ど、どうしたんだお? もうすぐ村長の、お祖父さんの敵が取れるんだお。うれしくないのかお?」
ξ゚-゚)ξ「そういう訳じゃないけど…」
 
ツンはキョロキョロと周りを見渡す。そして誰もいない事を確認してから…
 
(*^ω^)「ぉ!?」
 
ブーンの口にキスをした。


 
424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:46:38.59 ID:5wxMOfu9O
(*^ω^)「ちょwwwwwなんだお!?」

ξ//_//)ξ「お、おまじないよ。…無事に帰って来れるように…」
(*^ω^)「おまじない…」
 
ブーンが固まっていると、ツンはブーンを突き飛ばす。
 
ξ////)ξ「さっさと行きなさい!」
 
それだけ言うと、ドアを閉めてしまった。
 
(;^ω^)「訳わからん…」

 
425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:47:46.86 ID:5wxMOfu9O
──リヴムント
(><)「あ! ブーンさんが来ました!」
( ^ω^)「お待たせしたお」
(,メ゚д゚)「おう。話は聞いてるな?
これが俺達にとっても奴等にとっても最後の戦いになる。遠慮はいらねぇ、全力で行くぞ」
(´<_` )「しかしGIKO殿、やはりブーンには師団長を任せてはどうだ?
全軍出すにあたって、まとめる人間がこう少なくては…」
(,メ゚д゚)「ダメだ。貴様はコイツに指揮官が務まると思うのか? この阿呆面に」
(;^ω^)「ちょwwwwwヒドスwwwwwww」
 
いきなり侮辱されたブーン。しかしGIKOが相手ならいつもの事だ。
 
(,メ゚д゚)「確かに個人では強いが指揮となると話は別だ。それにコイツは以前、敵前逃亡した事があるしな。そんなヤツに兵は着いていかない。
上に立つ者に必要な物が欠けている」


 
426以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:50:12.03 ID:5wxMOfu9O
GIKOが弟者に説明をしていると、ブーンが割って入って来た。
 
( ^ω^)「あの〜」
(,メ゚д゚)「なんだ?」
( ^ω^)「話が見えないお」
(,メ゚д゚)「見えなくていい。いつも通り戦え」
( ^ω^)「それは分かりやすくていいお」
(,メ゚д゚)「な? 単純すぎるだろ?」
(´<_`;)「そのようだな…」
 
確かに一個師団を任せる訳にはいかないな、と弟者はこの話を打ち切った。
 
(,メ゚д゚)「SHII、ワイルドデビルはどうなってる」
(*゚ー゚)「300匹くらい捕獲出来たわ。これならかなりの戦力になりそうよ」
(,メ゚д゚)「よし…。貴様ら、準備はいいか?」
( ゚∀゚)「いつでも行けるぜ。兵の士気も最高潮だ。
……しかしよくボロも出さずにうまく事が進んだもんだ。もうこんな苦しい戦はゴメンだぜ…」
 
ジョルジュは渋い顔で言う。
 
(*`ω` *)「問題ないぽっぽ」
(><)「大丈夫です!」

(´<_` )「こちらもOKだ」
( ^ω^)「こんな戦争は早く終わらせるお」
 
各師団長の士気も上がっている。
 
(,メ゚д゚)「奴等はまだ来ていない。今度はこちらから攻めるぞ!
全員配置につけ!」

 
427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:51:10.75 ID:5wxMOfu9O
終わりそうだな

 
428以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:52:43.83 ID:5wxMOfu9O
──ラウン城
大隊長を四人も失った帝国軍は全ての兵をまとめるのにてこずっていた。
連合軍が進軍を開始してから四日後、ようやく編成が整ってきた状態だ。
師団長は多数残ってはいるが、彼らはここで改めて大隊長の偉大さを思い知った。全てを任せ切り…いや、任される事のなかった彼らには軍をまとめ上げる能力が育ってはいなかったのだ。
 
川 ゚ -゚)「これも私の失策か…」
 
確かに大隊長を動かしていたのは彼女だ。彼女は他の師団長にも作戦を任せるべきだったと後悔していた。
 
/ ,' 3 「いつまで後悔している。参謀がそのような態度では俺達の士気まで下がる。
尊大にドンと構えろ」

川 ゚ -゚)「分かっている。
…お前達、いや、全軍に伝えてほしい。閣下が出陣なさる御つもりだ」
 
その言葉に戦慄が走った。
 
( ・∀・)「閣下が…」
/ ,' 3 「これが吉と出るか凶と出るか…」
 
逃走する者はいなくなるだろうが、果たして恐怖が兵に与える影響は如何ほどの物だろうか…。
そう思考を巡らせている時、 
「報告します。連合軍が進軍、間もなくガイドを越える模様!
…規模は今までにない大部隊です!」
/ ,' 3 「なんだと?
先手を打たれるとは…」


 
429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:53:48.63 ID:5wxMOfu9O
川 ゚ -゚)「…裏切り者、もしくはスパイを掴まされたか…。
今回が小細工なしの突撃で助かった。策を練っても奴等には筒抜けだからな」
 
そう言いながら自虐的な笑みを浮かべる。
策略がない事が唯一の助けという事態は、参謀にとって屈辱でしかなかった。
 
川 ゚ -゚)「頼んだぞ…」
/ ,' 3 「我々に敗北は、ない」
( ・∀・)「その通りだからな!」
 
二人は勇ましく言い放ち、出陣の為に戻って行った。


 
430以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:55:23.88 ID:5wxMOfu9O
帝国軍が進軍し、両軍共に視認出来るまで近付く。
帝国軍が目にした物、それは巨大な箱型の何かだ。それには布が掛けられていた。
その中からは獰猛な唸り声が響いている事を、彼らは知らない。
 
(,メ゚д゚)「来たな…ギリギリまで引きつけろ」
 
帝国軍は何も知らずに前進して来る。前衛が間近に迫った時、GIKOが吠える。
 
(,メ゚Д゚)「檻を開けッ!!」
 
一斉に布をはぎ取り、レバーを上げる。檻から多数のワイルドデビルが開放された。
檻を開けた兵はすぐに身をひるがえして馬に飛び乗り、帰還する。
だが不幸な者は逃げ遅れてワイルドデビルの餌食となった。
帝国兵は突如現れた獰猛な獣に驚愕した。だが進軍は止められない。
ワイルドデビルは近くにいる、帝国軍を敵とみなして襲いかかる。
その逞しい腕は一振りで兵の頭を吹き飛ばし、引き千切る。
迎え打つ帝国兵。
一体のワイルドデビルを斬り裂こうとした時、その巨躯の陰からもう一体のワイルドデビルが飛び出した。
着地したワイルドデビルは巨体で帝国兵を踏み潰し、引き裂き、咀嚼する。
一体が斬り裂かれるともう一体が飛び出して敵を薙払う。
みごとな連携、まさに荒野のハンターだ。


 
431以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:56:33.96 ID:5wxMOfu9O
(,メ゚д゚)「どうだ、すげぇだろう。あいつらにはあまり餌を与えてないからな、凶暴性は増すってもんだ」
 
GIKOは矢を放つ指示を出してからその様子を惚れ惚れしながら見ている。
 
(;^ω^)「確かにすごいお…。てか、むごい…」
 
その言葉は帝国軍にむけた物だろうか。
それとも全滅する運命にあるワイルドデビルにむけられた物であろうか。
 
(,メ゚д゚)「貴様はいつまで経っても甘いな。戦ではその感情を捨てろ」
 
GIKOは武人の表情で諭すように言う。戦いに生き、そして戦いに散るであろう漢の顔だ。
甘さを排除する事は、哀しいが戦いに生きる者にとっては必要な心構えでもあった。

 
432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:57:41.96 ID:5wxMOfu9O
重装歩兵の頑丈な鎧でも、ワイルドデビルの一撃には紙に等しい。
その衝撃に、鎧は砕けはしなかったが肉体の方が耐えられない。衝撃は鎧の中の内蔵を破壊する。
素早い動きの出来ない重装歩兵は一時後退した。
たった一人を除いて。
彼は既に三体を屠り、更に敢えてワイルドデビルが密集している場所に躍り出る。
 
/ ,' 3 「岩に突進させるなど、弱者の考え方だ」
 
荒巻は持っている巨大な、刺のついたハンマーを振り下ろす。
その一撃はワイルドデビルの頭部を完全に粉砕し、脳漿を撒き散らせながら地面に突き刺さる。
二体のワイルドデビルが肉薄する。
荒巻は地面に突き刺さるハンマーを横に振り回すと、一体は横腹を強打されて内蔵をぶちまける。その勢いは止まらずにもう一体の肉体も破壊した。腰に挿してある剣を使うまでもない。
その背後の陰から更に一体のワイルドデビルが飛び出した。
上空からの一撃──
荒巻は一歩下がってかわす。そして顔面を素手で殴り付けた。
よろめくワイルドデビル。
その顔面を今度はガッシリと掴んで地面に叩き付ける。
 
/ ,' 3 「獣風情が」
 
地面に顔を埋めたワイルドデビルにハンマーが振り下ろされた───

 
433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 22:59:23.38 ID:5wxMOfu9O
ワイルドデビルの数が減ってきた。やはり、如何に強靱な肉体を持とうとも、300の数では全滅も時間の問題だった。
帝国兵に滅ぼされたのが多数だが、中にはこちらからの矢で命を落としたものもある。
 
(,メ゚д゚)「残り100ってとこか…。奴等は5000程兵を減らしたな。…上出来だ」
 
禍々しく笑い、その目はこれから始まる戦いに爛々と輝いている。
 
(,メ゚д゚)「頃合いだ」
 
GIKOから剣を抜く軽やかな音が響く。
それに続いて兵も剣を抜き、その音はGIKOを中心に拡がっていった。
 
(,メ゚д゚)「ブーン、貴様は俺と来い。貴様に背中を預ける」
 
GIKOの言葉に隊長補佐がブーンに詰め寄って来た。
 
「頼むぞ、GIKO様は一人で突っ込みなさるからな…。むろん、この私も御二人を援護するつもりだ」
( ^ω^)「任せろお!」
 
ブーンは力強く頷いて見せた。


 
434以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 23:00:39.89 ID:5wxMOfu9O
(*゚ー゚)「先陣は私達よ。しっかりね」
「SHII様、くれぐれも無茶はなさらずに…」
 
副隊長の言葉に兵の間に戦慄が走った。
皆、顔を強張らせている。
 
(*゚-゚)「…何よ、ここは無茶する場面でしょうが」
 
口を尖らせながら、いつかの弟者の言葉を借りて言う。
 
「その…なんと言いますか、SHII様は興奮されるといつも…」
(*゚-゚)「はっきり言いなさいよ、全く…。
とにかくみんな! 生き残るのよ!」
「ハハ、本当に無茶な事をしなきゃいいけどな…」
「まあ、その時は全力で着いて行くさ」
 
兵達のざわめきは、SHIIの頬をヒクつかせる程度で終わった。

 
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