485以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:18:17.86 ID:j0xcX/jkO
(><)「やっぱりジョルジュさんは僕達の兵力が少ない事を配慮してくれたんでしょうか?」
(*`ω` *)「う〜ん、そうかもしれないぽっぽ」
 
オズン隊に与えられた作戦は、撤退してもいいから数回敵の前に現れる事だった。
姿を見せるだけでも、敵の士気には大きな影響を及ぼすとジョルジュに言われていたのだ。
大きな活躍は出来なかったが、元々戦いを好まないオズンの兵達は劣等感は感じていない様子だ。
 
(*`ω` *)「でも人があまり死なずに済んでよかったぽっぽ」
(><)「そうですね! でもこれからが大変ですよ! 街を元に戻す事とか、仕事が山積みです!」
(*`ω` *)「二人で、みんなで力を合わせればすぐに終わるぽっぽ!」
 
そこに、オズンの兵が歩いて来た。
 
「ちんぽっぽ様も飲みませんか〜?」
 
かなり酔い潰れている。
 
(><)「ちんぽっぽさんはお酒が飲めないんですよ!」
 
ビロードが止めると、兵は肩を落として大層ガッカリした様子になった。
それを見て、
 
(*`ω` *)「…一杯だけならいいぽっぽ。今日は特別っぽ」

 
486以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:19:13.09 ID:j0xcX/jkO
兵の顔が明るくなり、グラスを手渡す。
それをちんぽっぽは一度に飲み干した。
 
(;><)「ちょ、そんな一気に…」
「イケる口ですねぇ!」
(*`ω` *)「………」
(*@ω@ *)「ぽっ…ぽ…」
 
一気に飲んだせいか、ちんぽっぽは目を回して倒れてしまった。
(;><)「ちょ、ちんぽっぽさん? ちんぽっぽさん! だから言ったのにぃ!」


 
487以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:20:54.88 ID:j0xcX/jkO
( ^ω^)「モナー! 生きてたのかお!」
(´<_` )「おお、生きていたか」
( ´∀`)「僕はメカニックだと言ったモナ。戦場には出ないモナ」
 
モナーは戦車は遠隔操作していたと伝える。それに対しブーンはそんな機能つけるくらいならもっと早く出撃してほしかった、と冗談を飛ばして再会を大いに喜んだ。
 
( ´∀`)「ああ、そうそう君達に合わせる人がいるモナ」
 
モナーは含み笑いしながら奥から人を手招きする。
奥からはドレスを着たツンともう二人、歩いて来た。
 
(´<_` )「おお、姉者と妹者ではないか。わざわざ来てくれたのか?」
∬´_ゝ`)「本当は村でゆっくりしたかったんだけどね。呼ばれたのを断るのも悪いし…」
l从・∀・ノ!リ人「こんなパーティーは初めてなのじゃ。楽しいのじゃー♪」
(´<_` )「兄者はいないのか?」
∬´_ゝ`)「家から出ようともしなかったわよ」


 
488以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:21:53.67 ID:j0xcX/jkO
流石家の人間が談笑している中、ツンはブーンに歩み寄る。
( ^ω^)「ツン! この通り、生きて帰って来たお! きっとおまじないが効いたんだお」
( ´∀`)「おまじない…?」
 
モナーが興味深そうに尋ねるとツンは顔を赤らめて、何でもないわ、と言った。
 
ξ゚ー゚)ξ「それより、踊りましょ」
 
ツンはブーンの手を取り、既に始まっているダンス会場へと歩き出す。
 
∬´_ゝ`)「弟者も私と踊る?」
(´<_` )「けっこうだ」
∬´_ゝ`)「………」
(´<_` )「………」


 
489以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:23:05.63 ID:j0xcX/jkO
(;^ω^)「うわっとと…」
 
ブーンはツンの足を踏みそうになりながら不器用にステップを踏む。
モナーはそれを微笑みながら見ていた。
しばらく踊り、ブーンが慣れてきた所だった。
 
『オラァ! ブーン、てめぇいつまで待たせんだよ!』
 
通信機からドクオの怒鳴り声が響いた。
 
(;^ω^)(すっかり忘れてたお…。てか空気嫁)
( ^ω^)「今いい所だから後にしてほしいお」
『ふざけんな! 暇で死にそうだぞ!』
『まあまあ、落ち着きなよ。そんなに暇なら…』
『ちょ、それは勘弁してくれ…』
 
ドクオのタジタジといった感じの声に、ブーンは首を傾げる。
 
( ^ω^)「そんなに暇ならこっちに来ればいいお。ご馳走もあるお」
『あんまりこの星の人間とは接触したくないんだよな…。
法に触れるかもしれねぇしよ』
『フフフ…ならやっぱり僕と…』
『OKブーン、今からそっちに行くぜ』
『チッ…』
 
最後の舌打ちに、何か不気味なものを感じた。


 
490以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:24:21.18 ID:j0xcX/jkO
ドクオから、やはりあまり接触しない方がいいと言われ、ブーンは中庭に呼び出された。
待つこと数分、上空から一機の戦闘機が飛来する。
それは空中で停止し、ブーンの前に、懐かしい友が転送されて来た。
 
('A`)「よう、久しぶりだな…」
( ^ω^)「久しぶりだお! この星には二人で来たのかお?」
('A`)「いや、仲間はいるが、近くの無人惑星で修理も兼ねて待機している」
( ^ω^)「修理…って、交戦したのかお?」
('A`)「一人、殉職した」
 
その言葉にブーンは気が重くなった。自分の為に仲間が死んでしまったのは辛い。
その家族に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
 
( ´ω`)「そうかお…」
('A`)「そんな顔するな。お前がそんな態度じゃ、死んだ仲間も報われねぇぞ」
( ^ω^)「…すまないお。
ところでショボンはどうしたんだお?」
 
ショボンがいない事に疑問を感じて尋ねる。
 
('A`)「ショボならダルいから来ねぇだとよ。まぁ…俺もマンドクサかったんだけどよ…。
で、いつこの星を出るんだ? お前がいいなら今すぐにでも──」

 
491以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:26:17.08 ID:j0xcX/jkO
ξ゚听)ξ「あ、こんな所にいた。いきなりいなくなるなんて非常識よ!」
 
ツンがブーンを探してやって来た。一瞬に探していたのか、GIKOとSHIIもいる。
 
(,メ゚д゚)「何やってんだ?
…誰だコイツは」
 
GIKOがドクオを観察するように見ると、ドクオはかなり驚いた様子で、変な声になってしまった。
 
(;'A`)「うぇ!? なんでアンタらが此所にいるんだよ!?」
( ^ω^)(また面倒な事になりそうだお…)
 
ブーンがこの星の事を説明する。ドクオはその話をポカンとしながら聞いていた。
もう一度何気なくGIKOを見るドクオ。
 
('A`)(ん…? まさかアレは…)
 
ドクオの視線はGIKOの腰にぶら下がっている、拳より大きめの箱に釘付けになった。
その箱にはどの生命体にも属さない生物を形取った装飾が施されている。


 
494以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:28:51.78 ID:j0xcX/jkO
('A`)「ブーン、ちょっといいか?」
( ^ω^)「なんだお?」
('A`)「あの司令そっくりさんの腰にある箱、見覚えないか?」
( ^ω^)「……あるようなないような…」
('A`)「確かありゃ捜索中の──…名前忘れちまったぜ。
輝くなんとかってヤツじゃないか? 妙ないわく付きの…」
( ^ω^)「…………!
ああ、そういえば似てるお。…でもなんでこの星に?」
('A`)「そんなの知るかよ。なあ、どうにかしてアレ貰えないかな? 」
( ^ω^)「聞いてみるお」
 
ブーンはGIKOに、まずその箱はどうしたのかを聞く。
 
(,メ゚д゚)「…こいつは皇帝──親父が持ってた物だ。何故か見覚えがあったから、つい持ってきちまったんだが…」
 
それから深慮するように眉間にシワを寄せる。
 
(,メ゚д゚)「…………そうだ、これは俺がまだガキの頃、ティーグルの商人が此所に来た時にくれた物だ」

( ^ω^)「なんでそれを皇帝が持ってたんだお?」
(,メ゚д゚)「…だんだん記憶が鮮明になってきたな。
…俺が親父にくれてやったんだ。ヤツはいらねぇとほざいたが無理やりな。それからしばらくして親父が死んだと聞いた。
だから覚えてたのか…」
 
GIKOは懐かしんでいたものの、その箱が何かを思い出した途端、表情を歪めた。

 
496以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:31:13.87 ID:j0xcX/jkO
(;^ω^)「一応形見って事かお…。
…無理は承知で聞くお。それ、貰えないかお?」
(,メ゚д゚)「ああ、こんな物くれてやる。俺からしてみれば疫病神だ」
(; ω ) ^^
 
絶対に断られると思っていたブーンは驚いて二の句が告げられなくなる。
 
(,メ゚д゚)「ホラよ」
 
固まっていたので、GIKOが放り投げた箱を取り落としそうになった。
 
(;^ω^)「断られると思たお…。ドクオ、貰えたお」
(#'A`)「………」
 
せっかく手に入れたというのに、ドクオは険悪な表情をしている。
その原因はブーンの手にあった。彼がGIKOと話している間、ツンがずっとブーンの手を握っていた事を発見したのだ。
 
(#'A`)「お前ェェ…! 俺らが必死こいて探してる間に、こんなかわいい彼女作ってやがったのかっ!」
(;^ω^)「そ、そんなに怒る事ないお…」
(#'A`)「うるせぇッ! 俺なんか、俺なんかなぁ…!」
 
今度は半ベソをかきながら言葉を失う。このままだと泣き出してしまいそうだ。
突然怒ったり泣きそうになったりするので、この場にいた全員が訳も分からず目を合わせる。

 
497以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:32:06.05 ID:j0xcX/jkO
(;^ω^)「どうしたんだお?」
(#;A;)「何でもねぇよチクショウ!」
 
とうとう泣き出したドクオ。何でもない訳がない。
 
(;^ω^)「いや、なんかありそうだお…」
 
話を切ろうとするドクオに、ブーンが追及する。
ドクオは観念したのか、声を絞り出した。
 
(;A;)「ショ、ショボのヤツ…」
(;゚ω゚)「ショボンがどうかしたのかお!?」
 
不吉なものを感じて、声を荒らげてしまった。そこに返ってきた返答は、意外なものであった。
 
(;A;)「……ショボのヤツ、両刀使いだった…」
( ^ω^)「!!!」
(;^ω^)「それはご愁傷様だお…」
 
ようやく全てを理解したブーンは、ドクオが泣きやむまで励ましていた……。

 
501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:34:33.79 ID:j0xcX/jkO
──数日後:クアール
ブーンは村の人々に別れの挨拶をしていた。
辺境の村だというのに、各街の領主と兵が集まっている。
 
( ^ω^)「やっぱりモナーは来ないのかお?」
( ´∀`)「ギコにも会いたいけど、ここの暮らしのほうがのんびりしてていいモナ。
……それに、あそこには戻るつもりはないモナ。
ギコには僕は元気だと伝えてくれモナ」
 
モナーはこの星に止どまるようだ。多少の説得はしてみたが、彼の決意は変わらないらしい。
それにはどこか痛みのような物が垣間見えた。
 
( ;∀;)「お前の事は忘れないぜ…」
(;^ω^)「そんな、もう会えないような挨拶はやめてほしいお…」
 
ジョルジュの泣き真似に、つい突っ込んでしまう。
 
(,メ゚д゚)「気が向いたらいつでも来い。貴様ならいつでも歓迎してやる」
(*゚ー゚)「また来てね♪」
( ^ω^)「弟者との対決が見れないのが残念だお」
(´<_` )「まあ、GIKO殿もしばらくは戦後処理に追われるだろうから、それは先の事になるだろう。元気でな」
( ^ω^)「弟者も元気でやるお」


 
502以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:37:41.14 ID:j0xcX/jkO
(><)「しばらく会えないのは寂しいです! また戻って来て下さいね!」
(*`ω` *)「次に来る時には綺麗な街に戻ってるぽっぽ。期待してっぽ」
( ^ω^)「再建頑張ってくれお」
 
一通り挨拶を済ませると、ツンが俯いて歩いて来た。

 
ξ;д;)ξ「………また会えるよね?」
( ^ω^)「いつでも会えるお! だからそんな顔しちゃダメだお」
 
ブーンに言われ、ツンは涙を堪える。
 
ξ;ー;)ξ「……そうね。また戻って来なさいよね! 戻って来ないと許さないんだから!」
 
('A`)「おーい……もういいだろ…?
さったと帰還したいんだが…」
 
二人ののろけ話に嫌気がさしたのか、ドクオが水を注す。
待たせすぎるのも悪いのでブーンは話を打ち切った。
 
(´・ω・`)「早く乗りなよ。どっちに乗るんだい?」
(;^ω^)「ドクオの方にするお…」
 
ショボンの舌打ちが聞こえたような気がした。
ブーンがドクオの戦闘機に乗り込むと、兵士達からも声がかけられた。
 
「お前さんがいなかったらこの勝利はなかったぜ!ありがとな!」
「今度生まれる子が男だったらホライゾンと名付けさせてもらうよ」
( ^ω^)「みんなも元気でやるお!」

 
505以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 00:39:36.20 ID:j0xcX/jkO
('A`)「おい…切りがねぇな。出るぞ」
 
ブーンが手を振っている最中に、ハッチが閉められた。
そして離陸する。
防音は完備してあるはずだが、人々の歓声がしばらくの間聞こえてきた。
 
('A`)「未練は…そりゃあるよな…」

( ^ω^)「………」
 
ドクオの問い掛けにブーンは答えない。
徐々に涙が溢れるのを止める事は出来なかった。
 
( ;ω;)「やっぱり寂しいお…」

('A`)「…俺も泣きたいぜ…」

 
ドクオはブーンの肩をポンと叩き、この星を後にした────
       第一部 完

 
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