238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 13:48:34.48 ID:5wxMOfu9O
──二日後:ティーグル
ジョルジュ邸には各領主とその護衛兵が集まった。
連合軍の名前───
それはブーン達の村の(ク)アール、ちんぽっぽの街(オ)ズン、GIKOの街(リ)ヴムント、ジョルジュの街(ティ)ーグル、これらの頭文字から、
 
( ^ω^)「ここにクオリティ連合軍を結成するお!」
 
ちんぽっぽだけが拍手をした。それ以外は冷ややかな視線を送る。
 

( ゚∀゚)「何故お前がまとめる」
( ^ω^)「何となくだお」
 
ブーンはハハハ、と笑いながら茶を濁す。
 
(,メ゚д゚)「それより貴様ら、兵はいくつ出せるんだ?」
( ゚∀゚)「うちは17500くらいまで集まった。商人はまだ分からんが、2500人ってとこだな。その代わり報酬は弾んでもらうぜ」

(*`ω` *)「こっちは6500人くらい集まったっぽ。予想以上に参加志願者が多くてびっくりしたぽっぽ」
( ^ω^)「各地の村からは1900人くらいって聞いたお」
 
予想以上に兵が集まったようだ。GIKOから笑みがこぼれる。

 
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 13:51:37.82 ID:5wxMOfu9O
( ^ω^)「そういや今日話すって言ってた秘策ってなんだお?」
(,メ゚д゚)「ワイルドデビルは知ってるな? リヴムントではヤツらを捕獲して食用やサーカスに売ったりして利益を得ている。
今から飼い慣らすのは無理だが一斉に放てばかなりの戦力になるはずだ」
(´<_` )「なるほど…。確かに一匹いれば大人5人以上の戦力にはなるな…」
(,メ゚д゚)「貴様らはワイルドデビルのチームワークを知らないな? 群れでいる事は少ないが、集まるとその力は厄介な物になるぜ。
リヴムントを出る時に捕獲命令を出しておいた。200は集まるだろう」
 
GIKOは喉で笑いながら目を閉じた。
その時、
 
「り、リヴムントより通達ーッ!! 帝国軍が進軍を開始した模様! 敵は騎兵師団と歩兵師団です!
現在、SHII様が指揮を取り警戒中との事です!」
 
慌てて入って来た兵士は噛みながら報告する。


 
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 13:55:08.25 ID:5wxMOfu9O
(;メ゚Д゚)「な、なんだと!? いくら何でも早すぎるぞ!」
(*`ω` *)「ど、どうするぽっぽ?」
 
冷静を失う二人にジョルジュが静かな声で語りかけた。
 
( ゚∀゚)「…落ち着け。今報告があった事と帝国からの距離から考えても後二週間は時間がある。その間に準備を整えればいい」
 
今の口調からは、あのスケベ男とは到底考えられない。彼もこの事態を重く見ているに違いない、
やはり顔はニヤけてはいるが…。
 
(,メ゚д゚)「ところで貴様の言っていた兵器の方はどうなっているんだ?」
 
落ち着きを取り戻したGIKOが問う。
 
(;-ω-)「それが…充実した設備がないからまだまだ時間がかかるって言ってたお…」
 
ブーンはバツが悪そうに言う。
 
(,メ゚д゚)「チッ…使えねぇな。俺らの兵だけで戦うしかねぇって訳か…。
それに今進軍している奴等に重装歩兵がいないのも気になる…」
( ゚∀゚)「なぁに、喩え奴等の戦力差が多少デカくてもなんとかなるもんだ」
(,メ゚д゚)「なに?」
( ゚∀゚)「お前みたいな筋肉馬鹿にゃ分からんだろうな。
ココを使うんだよ」
 
ジョルジュは人差し指で側頭部をつつきながら言う。


 
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 13:58:29.62 ID:5wxMOfu9O
(,メ゚Д゚)「なんだと貴様…。
…フン、まあいい」
 
低く唸ってから突然立ち上がった。
 
(,メ゚д゚)「よし、俺は一度街に戻る。ブーン、貴様も着いて来い」
(;^ω^)「え? なんでだお?」
(,メ゚д゚)「貴様も戦場に出るつもりだろう? 装備一式をくれてやる。それと人手が欲しい。貴様もワイルドデビルの捕獲を手伝え」
( ^ω^)「う〜ん……、わかったお」
(´<_` )「俺は一度村に帰ろうと思う。兄者の馬を死なせてしまった事を報告しないといけないのでな…」
( ^ω^)「ツンはどうするお?」
ξ゚听)ξ「私は…」
 
そこでブーンは考えた。
もしブーンと共にリヴムントに向かえば、ツンはワイルドデビルの捕獲に着いて行くと言い出すだろう。
 
ξ゚听)ξ「私もブーンと──」
( ^ω^)「やっぱりツンも村に帰るお。みんなに元気な姿見せてあげるといいお」


ξ゚д゚)ξ「………」
ξ゚-゚)ξ「そ、そうね。村に帰る事にするわ」
 
ツンはあえて何も言わずにブーンの意見を受け入れる。足手まといになる事を察したのだろう。


 
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:00:01.84 ID:5wxMOfu9O
( ゚∀゚)「そうだな。一度解散しよう。俺も商人への呼び掛けを強化する事にした。忙しくなるぞ」
(*`ω` *)「そうするぽっぽ。ビロードちゃん一人じゃ今頃大変な目に会ってると思うっぽ」
 
 
 
 
 
 
──その頃:オズン

(;;><)「ひぃ〜忙しいです! あ、ハイ、そこに名前を書いて下さい!
装備を追加ですね! そこの君、発注をお願いします!
あ、今行きます! ちんぽっぽさん早く帰って来て下さ〜い!!」
 
一同はそれぞれの街に戻る為に解散した。
決戦予定日までおよそ二週間────


 
246以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:03:25.47 ID:5wxMOfu9O
──リヴムント
(,メ゚д゚)「サイズはどうだ?」
 
ブーンはGIKOから渡された鎧を装備していた。
 
( ^ω^)「サイズはピッタリだお。でも…」

(,メ゚д゚)「なんだ?」
 
ブーンはゆっくりと歩くが、すぐに倒れてしまった。そのまま鎧の重みで動けなくなる。
 
(,メ゚д゚)「何を遊んでいる…」
(;^ω^)「動けナスwwwwwww」 
GIKOは呆れた様子でブーンを見る。
 
(,メ゚д゚)「おい…それの他にも身に着ける物はあるんだぞ。それくらいで動けなくなってるようじゃ話しにならねぇ」
 
GIKOは倒れてるブーンを蹴りながら言う。
 
(;^ω^)「とにかく起こしてくれお…」


 
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:05:26.94 ID:5wxMOfu9O
──クアール
( ´∀`)「それは3番に、そっちのは5番に組み込んでくれモナ」
 
モナーは村の男に指示を送る。あの日から、村人の態度は大きく変わった。中にはまだ嫌う者もいたが、多くの人がモナーの下に集まって作業の手伝いをしていた。
 
ξ゚听)ξ「大きい馬車ね。こんな重そうな物、馬で引っ張れるの?」
 
骨組みだけだがその大きさは相当な物だ。
 
( ´∀`)「馬なんかいらないモナ。勝手に動くんだモナ」
 
勝手に動くというのは正確ではないが、分かりやすいように簡単に説明した。
 
ξ゚听)ξ「ふーん。すごいわね…」
(´<_` )「モナーよ、それは何をやっている? やけに細かい作業だが…。手伝おうか?」
( ´∀`)「レーザー……すごく強い矢の発射装置だモナ。この作業は難しいから僕しか出来ないモナ」
 
モナーの手元には細かい部品をいくつも組み立てて作った物があり、更に細かい部品を組み込んでいる。
 
(;´∀`)(ブーンもこっちに来て手伝ってほしかったモナ…)


 
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:07:25.21 ID:5wxMOfu9O
──ティーグル
街の大広場には全てと言っても過言ではない商人が集まっている。
 
( ゚∀゚)「皆の集、よく集まってくれた。知ってるとは思うが我々連合軍は兵を募集している。
そこで君達には是非参加してもらいたい。もちろんタダでとは言わない。参加した者には関税の5割を免除しよう」
( ゚∀゚)o彡゚「後、それとは別に俺におっぱモゴモゴ…」
 

何か言いかけて、召使とメイドに口を押さえられて裏に連れていかれるジョルジュ。
 
「えー、説明は以上です。参加する方はジョルジュ様のお屋敷きに来て下さい」
( ゚∀゚)「おい! 最後まで言わせろ!」
「今はふざけている場合ではありませぬぞ!」
「戦争が終わるまででいいですから…」
 
召使とメイドが口々に言う。
 
( ゚∀゚)o彡゚「仕方ないな…。お前で我慢しよう、揉ませろぉ!」
「だ、旦那様!? キャー!」

 
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:08:50.20 ID:5wxMOfu9O
──オズン
(><)「川を遡って北側から奇襲をかけるのはどうですか?」
 
広げられた地図の川をビロード指でなぞる。
 
(*`ω` *)「それは良い考えだぽっぽ。早速この事を伝えるっぽ」
(><)「はい!すぐに使者を送る手配をします!」
 
ビロードはスラスラと筆を進め、オズンの進軍経路を書いた手紙を書き上げる。そして召使にそれを渡した。
召使はすぐに使者に手紙を渡す為に出て行った。
 
(><)「戦争かぁ…ちょっと怖いです…」
(*`ω` *)「ビロードちゃんは私が絶対に守るから心配いらないぽっぽ」
 
不安を拭うように優しく言う。
(><)「…でも僕だってやる時はやりますよ! いつまでも守られる訳にはいきません!!
…僕がこんな事を言うなんて、可笑しいですね」
(*`ω` *)「………強くなったぽっぽ…」
 
しかしちんぽっぽは彼を笑いはしない。成長したビロードに優しく微笑む。
 
(><)「いつまでも頼りない男ではいられませんからね!」
 
ビロードは力強く言い放った。
 
決戦予定日までおそよ11日────



 
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:10:21.35 ID:5wxMOfu9O
──リヴムント領:荒野
ブーンとGIKOはワイルドデビルの捕獲に来ていた。
目の前には一頭のワイルドデビルが事前に置いておいた肉を貪っている。
 
(,メ゚д゚)「分かりやすく説明するぞ。檻の口を開けてその前に立つ。そして突っ込んで来たら避けて素早く檻を閉める。簡単なもんだ。
まあ聞くより見た方が早いな」
 
そう言って檻の前に移動する。そして石を投げた。
数回当てている内にワイルドデビルの怒りが頂点に達した。叫びながら突進してくる。 
(,メ゚д゚)「よく見てろ…」
 
ギリギリまで引きつけ、横に跳ぶ。そして跳びながらレバーを下ろした。
檻の中で暴れ回るワイルドデビル。その身体に極細の剣を突き刺す。剣には麻痺毒が塗られていた。
 
(,メ゚д゚)「ま、こんなもんだ。後は任せるぞ。俺は別のポイントに移動する」
 
そう言ってGIKOは馬に飛び乗って去って行った。
 
(;^ω^)「ちょwwwww冷タスwwwwwww」
 
ブーンも仕方なしに別のポイントへ移動した。


 
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:11:47.84 ID:5wxMOfu9O
──クアール
モナー達は相変わらず作業に急がしそうだ。設計図はこの星の人間にも分かりやすくと、出来る限り詳しく且つ、簡単に書いてあった。
が、モナーに聞きに来る者は跡を絶たなかった。
 
(;´∀`)「このままじゃ僕の作業が終らないモナ…」
 
苦悩するモナー。疲労も溜まっている。
 
ξ゚听)ξ「みんな、ご飯持ってきたわよー」
 
ツンの呼び声で全員が作業を中断して集まってくる。モナーもとりあえず作業を中断して食事を受け取る。
 
( ´∀`)「そういやツンちゃん、ブーンとはどうなんだモナ?」
 
スープを口に運びながら何気なく尋ねたが、ツンはむせ返りながら顔を赤に染める。
 
ξ////)ξ「ゴホ…ちょ、ちょっといきなり何言い出すのよ! な、なんにもないわよっ! ゴホゴホ…」
( ´∀`)(非常に分かりやすいモナ…)」
ξ////)ξ「…! もうっ! 知らない!」
 
ツンの様子を見てニヤニヤするモナーに、更に真っ赤になりながらそっぽを向いてしまった。
 
( ´∀`)(戦争の事を忘れるくらい平和だモナ…)
 
ツンとのやりとりに和やかな気持ちになったモナーであった。

 
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:15:02.38 ID:5wxMOfu9O
──ティーグル
(;メ゚∀゚)「おい……ちょっと多過ぎないか…?」
 
ジョルジュはどんどん持って来られる書類にサインを書いては執事に渡す。
彼の顔にはひっかき傷がついていた。
 
「関税を5割免除するというのが効いたのでしょうな」
 
ジョルジュの演説を聞かなかった者も関税免除の噂を聞き付け、どんどん集まっているようだ。
 
ジョルジュは既に2000回はサインをしている。運ばれて来る量が半端ではないので未処理の書類が山積みになっていた。
それでも、まだまだ書類は運ばれて来た。
 
(;メ-∀-)「腕が痛ぇ…。もう勘弁してくれ…」
 
とうとう弱音を漏らすジョルジュ。そこに更に大量の書類が運ばれて来た。
 
(メ゚∀゚)「…………」
 
ジョルジュは絶句して固まる。遂に筆を下ろそうとした時だった。
書類を運んで来た、胸の大きいメイドがジョルジュに耳打ちをする。
 
(メ゚∀゚)「…………」
 
死んだ魚のような目をしていたジョルジュの瞳に、徐々に光りが戻る。
 
(;メ゚∀゚)o彡゚「………!」
 
ジョルジュは目を光りを放つかのよう見開き、そして筆の速度は上がった。


 
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:15:51.87 ID:5wxMOfu9O
──オズン
(><)「皆さん列を崩さないで下さい!」
 
ビロードは装備を取りに来る人々に声をかけている。ちんぽっぽはというと、自ら剣を渡していた。
下の者に任せればいいのだが、自分も何かやらなくてはと、この役を買って出たのだ。
 
「帝国の奴等なんか蹴散らしてやりましょう!」
(*`ω` *)「もちろんだぽっぽ」
「ちんぽっぽ様! 俺絶対この街を守ってみせますぜ!」
(*`ω` *)「頼りにしてるぽっぽ」
「実は俺、少し不安で…」
(*`ω` *)「力を合わせればきっと勝てるぽっぽ。頑張ろうぽっぽ」
 
このように、剣を受け取る者全てに声をかけている。闘志を燃やす者には共に闘志を燃やし、弱気な者には勇気を与える…。
並の苦労ではないが、ちんぽっぽは顔色一つ変えずにこれをこなした。
 
(;><)(さすがちんぽっぽさんです! 僕はもうバテましたよ…)


 
255↑これが抜けてた :2006/05/12(金) 14:16:57.79 ID:5wxMOfu9O
決戦予定日までおそよ9日────



 
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/12(金) 14:18:53.36 ID:5wxMOfu9O
──王都セイレム:ラウン城内王室
<ヽ`∀´>「失礼しますニダ」
( ゚д゚)「ニダーか。何用だ?」
<ヽ`∀´>「将…いえ、閣下、恐れながら申し上げますニダ。例の物の完成は間近との報告がありましたニダ」
( ゚д゚)「そうか…クックック…。これで世界を支配するのも時間の問題だ…」
 
この男こそ帝国の皇帝、コッチ=ミルナである。
その残忍な性格から、帝国兵も恐怖と畏怖を込めて『魔王』と呼ぶ者もいる。
 
<ヽ`∀´>「完成次第、投入しますかニダ?」
( ゚д゚)「待て。あれを出さずとも我等の勝利に揺るぎはない。少しは夢を見させてやろう…。後に悪夢へと変わる夢をな。クックック…」
<;ヽ`∀´>「は! 仰せのままに…」
 
皇帝の姿に、何か恐ろしい物を見たかのようにニダーは冷や汗を垂れ流す。
 
( ゚д゚)「GIKO…私に牙を剥くとどうなるか、思い知るがいい…」
( ゚д゚)「クククク…それにしても愚かな者達だ。何せ…」


 
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