603以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:10:23.06 ID:j0xcX/jkO
何者かの攻撃に、二人はレーダーの範囲を拡げる。
しかし機影を探すまでもなく、攻撃した者の正体はすぐに分かった。
 
『私で〜す!』
 
緩い声が機内に響いた。
 
(;^ω^)「おまwwwww帰還命令が出たはずだお!」
『それより内藤先輩、あのタイミングじゃ遅いですよ?
私が撃たなかったら全滅でしたね』
 
それからも得意気に発射のタイミングとブーンの遅さを繰り返し力説する。きっと天狗になっているのだろう、遂には射撃訓練ではいつもトップだった事まで語りだした。
 
( ^ω^)(コイツうっぜぇwwwww)
 
黙って聞いているといつまでも続きそうだ。
それを危惧した訳ではないだろうが、ドクオが口を開く。
 
『命令無視は一ヵ月の謹慎だな。
…だが結果オーライ、よくやった。今回の処分は始末書にしてやる』
 
ブーンは甘いと騒ぎ立てたが、ドクオの声は柔らかい。やはりドクオも被害を出さずに破壊出来てホッとしているのだろう。
しかし彼女は不満をあらわに抗議する。
 
『えぇ〜!? 破壊出来たんだし、いいじゃないですか!』
『減俸処分か始末書のどちらかを選べ』
『…始末書でお願いします』
 
ドクオに冷たく言われ、しぶしぶ了承した。

 
604以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:12:40.92 ID:j0xcX/jkO
(,,゚д゚)「お前はこれをどう見る?」
('A`)「んぁ?」
 
基地に戻ったドクオは戦闘艦の事をギコに報告した。
今回はオフィスではなく指令室で話していると、突然質問されて間抜けな返事をしてしまった。
ギコはこの戦闘艦をお前はどう見ているのか、と聞いているのだ。
ドクオは軽く咳払いをし、口を手で押さえて思考を巡らせる。
 
('A`)「…………。
これまでに存在が確認されていない事と、一機しか出てなかった事、バリアがなかった事を考えると試作品って所か?
その試作品を出撃させたのはテストの為か、そうせざるを得ない状況だったのか、これは不明…。
ただ、スクリプト人は基本的に戦闘機の操縦が下手糞だからな、それをカバーする為にアレを開発したって感じか…?」
 
ひとまずドクオの推論が終わるとギコは頷く。
 
(,,゚д゚)「大体そんな所だろう。だが仮に完成してるとすれば既に配備は完了しているかもしれん。調査が必要だな…」
 
そして背を向けると一息間を置いてから続ける。
 
(,,゚д゚)「今夜の会議にはお前も出席しろ。今後の方針を決める大事な会議だ。遅れるな」

 
605以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:13:26.80 ID:j0xcX/jkO
ブーンは任務が終了するとすぐに部屋に戻り、ベッドに入った。初日から精神状態が普通ではなかったので激しい眠気に襲われていた。
そしてまた精神的疲労の原因になった夢と、同じ夢を見る。
例のごとくブーンは目を覚ます。汗が止めどなく溢れ、喉の渇きを訴えた。精神安定剤を嚥下し、一旦は落ち着いたが眠気は吹き飛んでしまった。
あの時と同じ3時過ぎ…
また、アルコールの力を借りるハメになりそうだった。

 
606以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:14:39.92 ID:j0xcX/jkO
(;'A`)「うぇ…臭ぇ…。またかよ…」
 
ドクオの声に目を覚ます。
どうやら床で寝てしまったらしい。身体が痛みを訴えてきた。
 
('A`)「お前、そんなに酒飲むヤツだったか?」
( ^ω^)「眠れなくて…」
 
ブーンは頭痛に苛まれながらも起き上がってベッドに腰掛けた。
 
( ^ω^)「で、なんの用だお?今日は休みのはずじゃ…」
('A`)「昨日の事を伝えに来た。…飯はまだだな。食堂で話そうか」
 
そう言うとドクオはさきに食堂に向かう。ブーンも顔を洗ってすぐに追いかけた。

 
607以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:15:53.27 ID:j0xcX/jkO
( ^ω^)「何か分かったのかお?」
 
今日もブーンはサラダだけをフォークで突き刺しながら尋ねる。ドクオは食事は済ませていたらしく、コーヒーをすすっていた。
 
('A`)「ああ、昨日会議に出席したんだが──」
从*'ー')从「あ! 先輩〜!」
 
スズが二人を発見して手を振っている。ブーンは露骨に嫌そうな顔をしたがスズはそれに気付かずに向かって来た。
そしてブーンの横に座る。
 
从*'ー')从「昨日はお疲れ様です」
( ^ω^)(なんで二日酔いの日に限って毎回出くわすんだお…? 新手の嫌がらせかお…?)
 
さすがに本人の前では嫌悪感を表には出さないように努めた。
 
('A`)「ちょうどいい所に来た、お前にも話しておこう」
从*'ー')从「楽しいお話ですか?」
('A`)「いいや、俺達VIPにとっては面白くない話だ」
 
スズはそれを聞くと不満の声を漏らすがジュースを吸い上げるとすぐに上機嫌の顔に戻った。
 
从*'ー')从「朝から暗い話だけはやめて下さいよ? ね、内藤先輩」
 
同意を求めてくるスズに適当に相づちを打ちながらドクオを促す。
ブーンに促されたドクオは淡々と話し出す。

 
608以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:17:05.82 ID:j0xcX/jkO
('A`)「あの戦闘艦の事だが……、新興勢力の兵器である線は捨て切れないが、スクリプトの物である説が有力だ。
近々大規模な調査を行う予定だ。ブーンはもちろん、スズにも参加してもらう。調査というからには、敵と遭遇する可能性も高い。
戦闘艦との交戦は覚悟してもらおう」
从*'o')从「私もですか?」
スズの疑問はもっともだ。
いくつか任務をこなしてるとはいえ、新人がこのような─つまるところ死亡率が高い任務に─参加する事は稀だ。
だがスズは恐れというより、どこか楽しげな表情をしている。
 
('A`)「ああ。今日昨日入隊したヤツ以外は出撃するそうだ。切羽詰まってんだろ」
 
正しくは、入隊から半年以上経っている隊員は全て参加するらしい。
 
从*'ー')从「腕が鳴りますねぇ。任務はドクオ先輩の隊がいいなぁ」
 
スズは期待した目でドクオを見る。
 
('A`)「考慮しておこう。それから…」
 
ドクオはスズと、周りをチラリと見てからブーンに話しかけた。
 
('A`)「ブーンには別の話がある。俺の部屋に来てくれ」

 
609以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:17:50.66 ID:j0xcX/jkO
从*'o')从「えぇ〜? 私には内緒ですかぁ?」
('A`)「好奇心もけっこうだが始末書は書いたのか? まだ受け取ってないが」
 
スズはそれを聞くと、頬をヒクつかせながら誤魔化しの笑みを浮かべた。
 
从;'ー')从「アハハ…まだです…」
('A`)「今日中に提出しないと減俸処分だ。嫌ならさっさと部屋に戻って書くんだな」
从*-д-)从「う…了解しました…」
 
スズはそそくさと退散し、ブーンはドクオと共に彼の部屋に向かった。


 
610以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:18:54.71 ID:j0xcX/jkO
ドクオはブーンを部屋に招き入れると部屋全体を見渡してからドアをロックした。

なかなかの念の入れようだ。
 
( ^ω^)「人に聞かれるとまずい事なのかお?」
('A`)「機密事項って程じゃないが一応、な。
それよりお前、スズの事嫌いなのか? 顔も性格も悪くはないだろ」
 
( ^ω^)「そういう訳じゃないけど、二日酔いだったから……そんな話の為に呼んだのかお?」
('A`)「いや、これは興味からの質問だ。
スズが来た途端に喋らなくなったし、不機嫌オーラ出まくってたぜ」
( ^ω^)「マジかお? 隠すのは難しいお…」
 
別段どうでもいいのか、ブーンには罪悪感はなかった。
 
('A`)「たぶんあいつも気付いてるぜ」
( ^ω^)「まあ…その話はいいお。で、なんの話だお?」
('A`)「そうだな、本題に入ろう。
お前もVIPの新兵器の噂くらいは聞いた事あるよな?」

( ^ω^)「FOXの事かお?」


 
611以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:21:45.17 ID:j0xcX/jkO
対スクリプト用兵器FOX───
強大な兵力を持つスクリプトに対抗する為に開発された、VIP期待の新兵器の事だ。
 
( ^ω^)「それがどうしたんだお?」
('A`)「FOXは実は完成しているんだ。ただ量産がされていないのと、戦況が均衡状態であるから公表はしていない。
量産されてないと知れたら躍起になって破壊しに来るだろうからな、手の内は見せなかったって訳だ」

( ^ω^)「まさかFOXが完成してたなんて驚きだお…。でもそれはVIPにとって面白くない所か、良い話だお」

('A`)「いや、それは戦闘艦の話だ。
…それとは別に、厄介な事がある」
 
ドクオは声を低くして語る。闇取り引きをしている訳ではないのだが、そんな気分にさせられる。
 
('A`)「実はな、FOXってやつは相当危険な代物らしい。そのせいで今まで実験は行われなかったんだ」


 
612以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:23:10.73 ID:j0xcX/jkO
そこまで聞いてブーンはさっきから気になっていた疑問をぶつけてみた。
 
( ^ω^)「でも、なんで僕にそんな事を話すんだお?」
('A`)「次の任務、お前とショボ、スズ、それとお前は知らないかもしれんがドキュで編成を組んでもらう事になっている。一日で終わるような任務だけどな。
そこでお前には隊長を務めてもらう事になった。
…任務内容はFOXの実験だ」
 
最後の部分をとりわけトーン低くして言った。
 
(;^ω^)「ちょwwwwwww唐突過ぎるお! なんでそんな重要な実験を僕がやるんだお!?
それに…隊長はショボンのほうが相応しいと思うお…」

('A`)「実力からだとそうだが、まあテストみたいなもんだな。なんでお前がこの任務に選ばれたかは知らん。まぁ、開発部の連中の気紛れだろうがな。
ただ、ここで重要な任務を遂行しておけば、いずれ昇進のチャンスが巡ってくる事には間違いないぞ」

 
614以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:27:29.10 ID:j0xcX/jkO
(;^ω^)「それは嬉しいけど…」
('A`)「もう決まった事だし、グダグダ言うなよ。それから──」
 
ドクオは言いかけて言葉を切った。何か葛藤している顔をしている。
 
('A`)「……いや、なんでもない」
( ^ω^)「なんだお? 最後まで言えお」
(;'A`)「なんでもないっつーの。それよりカジノ行こうぜ。新台入ったんだよ」
 
やはり何か隠しているような感じで、話題を変えた。早口で捲し立てる。
そして返事もしていないブーンを無理やり引っ張っていった。

 
615以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 16:28:07.58 ID:j0xcX/jkO
( ^ω^)「うはwwwww15連目ktkrwwwwwwwwww」
(#'A`)「チッ! またバケ単かよ。やめだやめだ、ポーカーやってくるぜ」
( ^ω^)「それ明らかに6wwwww引き弱乙wwwwwwwwww」
(#'A`)「うるせー」


 
623以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:13:12.96 ID:j0xcX/jkO
(´・ω・`)「今夜部屋に来ないかい?」
从*'ー')从「ストレート過ぎますねぇ」
q( `д。')p「あ〜…だりぃ…」
( ^ω^)「コラ、お喋り止めるお」
 
格納庫にはブーンの知っている二人と、いかにも頭の悪そうな男が集まっていた。
この耳と口にピアスを付けている頭の悪そうな男がドキュらしい。
 
(´・ω・`)「堅いなぁ。もっと気楽にやろうよ。
それよりブーン、君でもいいよ。クフフフフ…」
(;^ω^)「おまwwwwww誰でもいいのかお…」
 
ブーン達の任務は新型魚雷、FOXの実験。
FOXがどんな物かを知らなかったブーンでだったが、魚雷であった事に、特に驚きはしなかった。
今までと同じ重力魚雷ではあるが性質は全く違う物、と聞かされた。
一発撃ち込んで帰還という任務だが、その一発をスクリプトの戦闘機を巻き込む形が望ましいらしい。
交戦の可能性も考慮しているので、四人で出撃するようだ。
 
(´・ω・`)「もっと長期の任務がいいよね」
 
そしてボソッと、一日じゃ何も出来ない、と呟く。
 
(;^ω^)(ショボンと長期任務はやりたくないお…)
( ^ω^)「説明は以上だお。三人共、発艦準備に入れお」
从*'ー')从「了解〜」
q( `д。')p「へいへい…」
(´・ω・`)「OK、フフフ…」

 
626以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:16:45.57 ID:j0xcX/jkO
──第五宇宙域
第五宇宙域にはVIP軍の施設はない。代わりにスクリプトの施設が点在している、敵の領域となっていた。
ブーン達は比較的施設の少ない場所に待機する。
 
( ^ω^)「ここでスクリプト軍が巡回してくるまで待機だお」
『了解。でもその新型、どれくらいの威力なんだろうね?
旧式もかなりの威力だし、それに勝る程の物なのかな?』
( ^ω^)「それを調べる為にここにいるんだお。報告書には衝撃波はないって書いてあったお」
『へぇ? あまり期待出来そうにないなぁ。開発部門の連中、遊んでるんじゃないの?』
( ^ω^)「あと、手前に撃ち込めとも書いてあるお。注意事項には長距離から撃ち込めとも…」
『そういうのは出撃前に言おうよ…。
それにしても、ホント何考えてるんだろうね? どうなるかを詳しく書けばいいのにさ』
 
ブーンとショボンが威力を推測していると、スズから通信が入った。
 
『先輩方〜、レーダーに反応ありですよ。二機です。
データ照合開始しま〜す』
 
スズの機体には広域レーダーが装備されているのでいち早く敵を確認出来る。ただし、その分ステルス機能が低下するという欠点もあった。
そしてドキュの機体には超望遠カメラが装備されている。

 
627以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:17:37.71 ID:j0xcX/jkO
『照合の結果、スクリプトと見て間違いありません。普通の戦闘機ですね』
( ^ω^)「ショボン、準備はいいかお?」
『OK、いつでも発射出来るよ』
 
FOXはブーン、ショボンの戦闘機に各一発。一発は予備という事のようだ。
 
( ^ω^)「じゃ、僕から撃つお」
『ミスらないでよ。不意打ちを失敗すると命中させるのが難しくなる』
『心配ですね〜』
(;^ω^)「ちょっとは信用しろお…」
『失敗は勘弁なぁ〜先輩よぉ〜』
( ^ω^)(DQNは黙れお)
 
ブーンはFOXを発射した。亜空間を潜航するのか、目視はもちろん、レーダーにすら映らない。
 
『映像送るぜ〜』


 
629以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:18:25.93 ID:j0xcX/jkO
ポイントは300kmは離れているのだが、一瞬で到達したらしい。
その映像から、魚雷が命中したのは彗星だと確認出来た。
砕けた彗星の表面と半径数百M圏にある物質が一ヵ所に集まる。集まったかと思うと、さらに凝縮し始めた。
数秒で彗星はビー玉程のサイズまで凝縮する。…まだ、止まらない。
やがて、質量が変わらずに密度が高くなり、面積が縮小した彗星は強力な重力場を発生し、ブラックホールを形成した。
その間十数秒。
そこにやって来たスクリプトの戦闘機はブラックホールに引き寄せられ、飲み込まれてしまった。

 
630以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:19:09.98 ID:j0xcX/jkO
(;^ω^)「ちょっ…………」『すご〜い!』
『うおっ! マジかよやっべ〜ってマジやべぇ!』
『これは……危険過ぎると判断するね…』
 
小規模のブラックホールは周囲に何もなければ短時間で蒸発するが、もしこれを巨大な惑星に使用したらどうなるか。想像するだけでも恐ろしい。
引き寄せられる物質がある限り、周りの物を際限なく飲み込んでやがては巨大なブラックホールへと成長するのだ。
ドクオから危険な代物とは聞いていたがこれには驚きを隠し切れなかった。
 
(;^ω^)「と…とりあえず任務は終了だお。帰還するお…」


 
635以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:23:47.93 ID:j0xcX/jkO
──オフィス
( ^ω^)「FOXは危険過ぎますお。すぐに生産を中止するか使用を制限するべきですお」
 
ブーンは実験の結果をありのままに報告し、説得を試みる。
対するギコはデータに目を通しながら答えた。

 
(,,゚д゚)「しかしそうは言っていられないのが現状だ。
お前も敵戦闘艦と交戦して分かっているだろう。確かに未完成で、そして単体なら従来の魚雷でも対抗出来る。
だが艦隊の場合はどうだ? ましてやそれが完成した物の場合、成す術もなく全滅もあり得ない事ではない」
 
ギコの言葉に、戦闘艦との戦いを思い出す。ギコの言う事は尤もだった。
 
(,,゚д゚)「そして……これが一番厄介な事だ。
輸送中であった黄衣の王、それとセラエノ断章の情報が納められているディスクが奪われた」

 
637以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:26:28.55 ID:j0xcX/jkO
( ^ω^)「あの禁書ですかお…」
 
読むと発狂する物もある言われている数々の魔本。
有名なのは─とはいっても一般人は知る由もないが─狂えるアラブ人、アブドゥル・アルハザードが書いたキタブ・アル=アジフ。後に翻訳され、ネクロノミコンとされているが、一冊を残して遥か昔に失われていた。
一説によると禁断の知識を恐れた者が燃やしてしまったとの見解もある。
VIPはこれらの禁書等を複数保有している。
読むだけで精神を狂わせる悍ましき書物は、厳重な警備の下、大切に保管されていた。
だが本部へ移動させる為に輸送艦で運んでいた所へスクリプトが襲来。
艦内に侵入され、強奪されてしまったという。

 
638以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:27:45.30 ID:j0xcX/jkO
しかしこれらの本に如何ほどの価値があるというのか。
読んで正気を保てれば強大な力を得られるというが、それを成した者はいない。
記録によるとこれらの魔本を読んだ者は皆狂気に染まっているのだ。
既に一般の手には届かず、存在自体が一部─一部とはVIPで幹部や隊長を務める者とある大学を出た人間である─を除いて知られていない。
現在では軍の中でも、気が狂うだけでその魔力はただの噂だという考えが普通だった。
 
信憑性は眉唾物だと考えられているので事態を深刻に捕らえている者は少ない。


 
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