641以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:29:24.12 ID:j0xcX/jkO
(,,゚д゚)「我々には読む事すら赦されぬ書物…。奴等に使う事が出来るかどうかは分からぬが、仮に奴等の目的が旧支配者の復活ならば──
それが成功してしまえば我々VIP、この宇宙に棲む全生物の絶滅すらありえるだろう…。
所詮は伝説の域を出ないが奴等の行動から考えると本当なのかもしれん」
( ^ω^)「それでもやはりFOXは…」
( ^ω^)(てか今の話嘘臭えwwwwwwww)
(,,゚д゚)「さっきも言ったがそうは言ってられんのだ。
奴等は他に存在する禁書も集めていると聞く」
( ^ω^)(そんな物集めてどうする気だお? スクリプト人にコレクターでもいるのかお)
(,,゚д゚)「だが危険過ぎるという事に関しては同意する。使用制限の申請をしておこう。
それより、話は聞いてるな?」

 
642以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:30:28.19 ID:j0xcX/jkO
( ^ω^)「調査の事ですかお?」
(,,゚д゚)「そうだ。調査は第二〜第五攻撃部隊で行う。実行は三日後だ」
( ^ω^)「了解ですお。
……ところで、なんで第一は参加しないんですかお?」
(,,゚д゚)「……お前には関係のない事だ」
 
ギコの表情が一瞬冷静を失った。つい口が滑ってしまった、といった感じだ。
 
( ^ω^)「何か…隠してませんかお?」
 
ブーンは追及する。
ギコはもう表情を崩す事はなく、いつもの厳しい顔で言った。
 
(,,゚д゚)「お前には関係ない、と言った。別任務にあたるとだけ言っておこう。
報告が済んだなら立ち去れ」 
そう言ってドアを指差した。
ここまで言われたら立ち去るしかない。粘っても答えを聞く事は出来ないだろう。
ブーンは軽く頭を下げてオフィスを後にした。


 
644以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:34:01.98 ID:j0xcX/jkO
──翌日
( ^ω^)「これから任務かお?」
('A`)「おう」
( ^ω^)「また巡回かお?」
('A`)「いや、今回は護衛だ。かなり重要な物を運ぶんだと」
 
それだけ言われると、やはり興味が湧く。ブーンは何を運ぶのかを尋ねた。
 
('A`)「黄衣の王とセラエノ断章がスクリプトに渡ったのは聞いたよな?」
( ^ω^)「聞いたお」
('A`)「あの件で幹部連中は大慌てらしい。
とりあえず旧支配者に関わる本や道具を一度本部に戻すんだと。第三からはルルイエ異本と、昔お前が持ち帰った箱、輝くトラペゾヘドロンだ。
あんな物に価値があるとは思えないけどよ、命令だから仕方ねえ」
( ^ω^)「すっかり忘れてたお。何か分かったのかお?」

 
645以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:34:54.08 ID:j0xcX/jkO
('A`)「さあ? 一見ただの箱だが…。
なんでもニャ、ニャル……なんだったかな、ニャルなんとかってヤツに関する物だってさ」
( ^ω^)「うさん臭ぇwwwwwwww」
(;'A`)「俺だって信じてねーよw だいたい何だよ、旧支配者って…」
( ^ω^)「子供用の物語の登場人物です」
('A`)「んな訳ねーだろ。
でもホント、そうだといいよな。ああマンドクセー!」
 
任務には一応まじめに取り組むドクオが不満の声を漏らした。
ドクオは今回のような非現実的な事に関わる任務は嫌らしい。
 
('A`)「もう時間だから行くぞ。じゃあな」
 
普段はキビキビと歩くドクオだが、この時ばかりはやる気がなさそうに歩いていった…。

 
648以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:36:27.98 ID:j0xcX/jkO
──数日後
ブーンはあの日からずっと考えていた。
その時は特になにも思わなかったが、合点がいかない所があった。
司令は何か隠している。
そしてそれはブーンに関係ある事だ。
そうでなければ第一攻撃部隊という組織全体の行動を隠す理由が見当たらない。
秘密裏に動く事はよくある。だがそれなら組織全体ではなく少数で動くはずだ。規模が大きくなるに伴って、情報が漏洩する可能性も高くなる。
 
( ^ω^)(第一に確認してみるかお?)
 
しかしギコの事だ、恐らく既に手回しはされているだろう。通信の相手から情報を引き出せるとは思えない。
第一の基地に出向いて隊員に尋ねれば、真相は聞けるだろうが、距離が離れすぎている。それに無許可で戦闘機を出せる訳もなかった。
 
q( `д。')p「お、内藤先輩じゃん。なに変な顔してんスか?」

 
650以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:37:45.56 ID:j0xcX/jkO
ブーンがあれこれ考えていた時、声がかかった。
このなれなれしい態度──
ドキュだ。
彼はタバコに火をつけながら向かって来る。
 
( ^ω^)(嫌な相手に捕まったお…)
( ^ω^)「何でもないお」
q( `д。')p「俺に隠し事なんて水臭いっスよ〜」
(;^ω^)(お前とはそんな仲じゃないお! 一回一緒の任務に就いただけだお!)
 
ブーンがどうやって追い払おうか考えている間も、ドキュはギャンブルの話、女の話、過去の武勇伝など、つまりどうでもいい話をして来た。
 
q( `д。')p「…それでムカついたからボコったんスよ。相手は三人だったけど俺の圧勝wwwwwwww」
 
そしてタバコを深く吸い、煙を大きく吐き出した。
それはブーンにモロにかかる。
 
( ^ω^)(DQN死ね!)
 
ドキュの話は尽きないようで、そろそろブーンにもストレスが溜まってきた。拳で黙らせようとした時、ドキュの口から、それを思い止どまらせるに十分な言葉が飛び出した。
 
q( `д。')p「そーいや第一の奴等がどっかの惑星に向かったらしいっスね」
 
( ^ω^)「!!!」

 
652以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:40:28.48 ID:j0xcX/jkO
q( `д。')p「あ、これあんま言うなって言われてたんだったわ。ま、いっか」
(;^ω^)「そ、それ誰に聞いたんだお!?」
q( `д。')p「え? 佐藤先輩っスけど」
 
佐藤…ブーンは何度か彼を隊長とした部隊に加わった事があった。それにドクオも何か隠している感じだった。
どうやら隊長クラスの人間には伝わっているらしい。
 
( ^ω^)「kwsk」
q( `д。')p「でもな〜佐藤先輩怒らせると怖えーからなぁ」

(#`ω´)「いいから早く教えろお!」
 
ブーンはドキュの胸倉を掴んで怒鳴りつけた。
その突然の豹変に、ドキュは完全にビビっている。
 
q(;`д。')p「うおぉっ…なんスかいきなり…」
(#`ω´)「教えれば手荒な真似はしないお」
 
これでは完全にブーンがDQNだが、それを認識する余裕はなかった。
 
q(;`д。')p「い、言いますよ…。昨日佐藤先輩と飲んだ時に聞いたんスけど、スクリプトがどっかの惑星を侵略したらしいんスよ。
で、スクリプトを追い払う為に第一が出撃したって話っス」
 
その話を聞いた時、ブーンの不安は爆発しそうになる。
スクリプトの侵略…。
惑星…。
そしてそれはブーンに関係がある…。


 
653以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:41:45.70 ID:j0xcX/jkO
嫌な感じがした。
更に凄い剣幕で質問…いや、尋問する。
 
( `ω´)「その惑星の名前はなんだお?」
q(;`д。')p「そ、そこまでは聞いてないス」
 
ブーンは舌打ちし、佐藤の居場所を尋ねたが、今日は任務に就いていて基地にはいないらしい。
それを聞くとブーンは荒々しくドキュを放し、踵を返した。
 
q( `д。')p(なんなんだよ…マジあいつウゼー…。佐藤サンにボコってもらうか…)
 
憤慨するドキュだが、ブーンはこの時初めてドキュの存在に感謝していた。

 
655以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:43:46.71 ID:j0xcX/jkO
彼はカフェにいた。
女性と仲良くお喋りを楽しんでいる。すこぶる上機嫌だ。 
('∀`)「お、ブーンじゃねーか。どうした?」
从*'ー')从「内藤先輩もお喋りしますか〜?」
 
ドクオとスズが手招きしている。ブーンは当然、といった感じで二人の下に向かった。
 
( ^ω^)「ドクオにちょっと聞きたい事があるんだお」
('∀`)「ん? なんだ?」
( ^ω^)「あの箱を運ぶ任務でスクリプトには襲われたのかお?」
 
とりあえず、何気ない会話で不信感を持たれないようにする。
 
('∀`)「それがマジで出やがってさ、それもけっこうな数がよ。
あんな箱の為にご苦労なこった。全機墜としてやったぜww」
从*'ー')从「それだと先輩一人で戦ったように聞こえますねぇ…。パイロットは私も含めてたくさんいましたよ」
( ^ω^)「へぇ…。
それともう一つ聞きたい事があるお」
('∀`)「なんだよ?」
( ^ω^)「ニューソクに向かった第一攻撃部隊の事だお」

 
656以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:44:47.04 ID:j0xcX/jkO
(;'A`)「!!!」
 
ドクオの顔色が変わった。
相当驚いた様だが、なんとか冷静を装い続ける。
 
( ^ω^)「司令から聞いたんだけど、スクリプトが侵略したらしいお?」
('A`)「なんだよ、全部知ってんのかよ…」
(#`ω´)「やっぱりそうなんだお! ニューソクが侵略されてるんだお!」
 
突然大声を出したブーンにカフェ中の注目が集まる。
だがそんな事は気にしてはいられない。
 
(;'A`)「な……テ、テメー、カマかけやがったな…」
(#`ω´)「そうなんだお!?答えろお!」
从;'-')从「あ、あの〜」
 
スズが状況を把握出来ずにうろたえながら声をかける。
周りからの視線にも居心地が悪そうだ。
 
('A`)「チッ、バレたなら仕方ねえ。話すから座れよ」


 
657以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:46:01.47 ID:j0xcX/jkO
──数日前:会議の後
(,,゚д゚)「明日にも第一はニューソクに向かうだろう。
だがこの事はホライゾンには伝えるな」
('A`)「そうだな、あいつの事だ。言ったら最後、何が何でも向かうだろうからな」
(,,゚д゚)「そしてお前もな」
('A`)「………」
(,,゚д゚)「ホライゾンがニューソクに向かえばお前も必ず追いかけるのは分かっている。それも部下を連れてな。
だがホライゾンが向かわなければお前も向かわない。
ホライゾン一人欠けるのにはさほど問題はないが、お前や部下が欠けると作戦に支障が生じるかもしれん。この件は内密にしろ」

 
658以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:46:57.95 ID:j0xcX/jkO
('A`)「…って訳だ。第一が向かった訳だし、頼むからおとなしく任務に就いてくれよ」
( `ω´)「それは出来ないお」
 
ドクオは低姿勢で説得するが、ブーンはこれを断固として拒否する。
しかしドクオはその言葉を予想していたようだ。
 
('A`)「そう言うと思ったぜ。
…でもな、行くのは無理だぜ。お前が勝手な行動を執るなら発艦許可が降りないしな」
( `ω´)「………」
('A`)「お前の選択肢は二つ。俺達と調査の任務を行うか、基地で待機するか、だ」
( `ω´)「ドクオの力でなんとかならないかお…?」
('A`)「それは無理だな。俺にそこまでの権限はないし、俺自身、お前に行かせたくない」
 
その言葉はブーンの期待を粉々に打ち砕いた。
彼にその意思がないならいくら頼み込んでも無駄だ。
 
( ´ω`)「分かったお…。ニューソクは第一に任せるお…」

 
659以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:47:43.50 ID:j0xcX/jkO
ブーンは観念したのか、ガックリと肩を落として俯く。
そこにスズが空気を読まずに口を挟んだ。
 
从*'ー')从「でも調査よりスクリプトをやっつける方が面白そうですよねぇ〜」
('A`)「お前は黙ってろ」
 
せっかく説得出来たのに思い直されたらたまらない。
ドクオは短く叱責する。
はぁ〜い、と緩い声で返事をするスズを余所に、ドクオはブーンを元気付ける為に背中を叩いた。
 
('A`)「心配すんな。第一の奴等は強いぜ。
ちょっとくらい信用してやれよ」
( ´ω`)「おk…」
('A`)(思ってたより素直に納得してくれたな…。よかったよかった)
 
ホッと胸をなで下ろすドクオだが、この時にブーンの思考が高速で回転している事を知る由もなかった。

 
660ドクオ視点です :2006/05/13(土) 17:49:19.23 ID:j0xcX/jkO
──格納庫
(,,゚д゚)「本作戦は第五〜第七宇宙域にかけて他の部隊と協同して行う。我々の担当は第六宇宙域だ。
不審な反応を捉えたら即刻調査に向かえ。その際に連絡を忘れるな。
恐らく戦闘は避けられない。
敵と交戦する際、原則としてFOXの使用は禁止する。
ただし敵戦闘艦隊と遭遇、その他やむを得ない状況では使用を許可する。各自で判断せよ。
総員、発艦準備に入れ」
 
ギコの演説が終了すると、隊員はそれぞれの戦闘機に乗り込み始めた。
FOXは各戦闘機に2発づつ積まれていた。ただし、新人の戦闘機には冷静な判断が出来ないかもしれない、という理由で積まれていない。
 
( ^ω^)「絶対に見つけて破壊するお!」
('∀`)「お、乗り気じゃねーか。安心したぜw」
 
ブーンからは一見やる気が溢れているように見える。それに安心したドクオは、その表情が無機質な事に気付かない。
それは、全員にも言える事だった。
 
从*'o')从「今日はドキュ君がいませんねぇ〜」
('A`)「佐藤のヤツが自分の隊に入れるってよ。別にいいだろ、ドキュなんかよ」

 
662以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:51:15.22 ID:j0xcX/jkO
从*'ー')从「私、ドキュ君の事あまり好きじゃないからちょっと嬉しいです」
 
その言葉に、驚いたとばかりに大袈裟なリアクションでショボンが絡む。
 
(´・ω・`)「珍しいね。君にも好き嫌いがあったんだ」
从*'-')从「私だってそれくらいあります。あたり前じゃないですか」
 
心外だ、とばかりに膨れっ面を見せる。
 
('A`)「よーし、そろそろ雑談は終わりだ。早く乗らねぇと外に吸い出されるぞ」
(´・ω・`)「確認しないでゲートを開く訳ないじゃないか」
('A`)「うるせぇな。いいからさっさと乗り込め。ブーンはもう乗ってるぞ」
 
いつもなら雑談に混ざってくるブーンはいち早く発艦の準備を行っていた。


 
663以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:52:11.03 ID:j0xcX/jkO
ショボンも叱責されて戦闘機に乗り込んだ。スズもそれに続く。
ドクオも女神のエンブレムに軽く触れてから素早く乗り込み、搭乗者IDを入力する。
 
《パイロットの搭乗を確認しました。これよりゲートを開きます。作業員は速やかに…》
 
アナウンスが流れ、ゲートが開く。
確かに生身では空気と共に外に吸い出されていただろう。
そこに、ギコから通信が入った。
 
『これより作戦を実行、発艦を許可する。総員、必ず生きて帰還せよ!』
 
その通信が終わると共に、各戦闘機が順番に外へ飛び出した。
そしてドクオの隊の順番が回ってきた。
 
('A`)「行くぜ。全員着いて来いよ!」
 
ドクオは颯爽と宇宙空間へと飛び出して行った。

 
664以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:52:39.47 ID:j0xcX/jkO
第三基地から十分に離れた頃、ドクオは確認の通信を入れる。
近くにはドクオの隊以外の戦闘機はない。
 
('A`)「全員揃ってるな?」
『は〜い、ちゃんといますよ〜』
『レーダーを見れば分かるじゃないか、そんな事』
('A`)「うるせぇな。一応だ、一応。
……ん? おいブーン、どうした?」
 
ドクオは改めてレーダーに目をやる。
反応は三つ。
左側の反応がブーンだ。確かにブーンは近くにいる。
 
('A`)「おいどうした? 通信機の故障か?」
 
返答はない。
 
('A`)「おい! 聞こえてんならなんらかのアクションをしろ!」
『…そろそろだお』
('A`)「あ? 故障してねーじゃ──」
 
その時、レーダーに映っていたブーンの機体が大きく進路を変えた。
 
(;'A`)「おい! 進路がズレてるぞ! どこへ行く!?
戻れ!!」


 
665以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:53:45.91 ID:j0xcX/jkO
慌てて怒鳴るドクオ。
プツッ…と、通信を切った音が聞こえた。
 
『ど、どういう事ですか?』
『あの方向は、極秘の別任務って訳じゃないね…』
(;'A`)「クソッ! あの野郎、芝居してやがったな!
…演技上手いじゃねーか…」
『いや、それつっこむ所違うよ。それよりどうするのさ?』
 
ドクオはすぐに基地へ通信を入れた。
 
('A`)「こちらドクオ隊、司令に代わってくれ」
『私だ。…まさかとは思うが──』
('A`)「ああそのまさかだ!
ブーンのヤツが離脱した! トラクタービームの射程外だ!」
『やはりか…』
 
ギコは低い声で唸る。きっと眉間に深いシワを作っているに違いない。
 
('A`)「本機は部下を引き連れてブーンを追跡する! この事項は決定済みだ。アンタの命令でもそれは覆らねぇ」
 
半ば怒鳴るように伝える。今更ではあるが、ギコにこのような口を聞けるのはドクオくらいだろう。
 
『お前の今後の昇進…いや、除隊されるかもしれんぞ』
('A`)「覚悟の上だ。ダチを見捨ててまで軍に残るつもりはねぇ」
 
これは悩む事なく即答する。

 
666以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 17:54:50.88 ID:j0xcX/jkO
『……いい覚悟だ。お前達の穴は私が埋めよう』
 
オペレーターのざわめきが聞こえる。その言葉はドクオにも衝撃を与えた。
 
(;'A`)「…マジかよ。アンタが出るとはな…」
『ふ…お前達の穴を埋められる者はもう残っていない。
…身勝手な部下を持つと苦労するよ、フフフ…』
 
ギコは、楽しげで、不敵な笑い声を発しながら通信を切った。
確かにドクオの部隊にはドクオとショボンのエースパイロットが二人。そしてその二人に最も近いブーンがいた。
彼らの代わりを務められるのは、ギコとその部下しかいないだろう。
 
('A`)「…話は聞いたな? 責任は俺が取る。任務変更だ!
任務内容は内藤ホライゾン隊員の援護、そして第一と合流して惑星ニューソクの奪還だ!」
『君には心底呆れるね…。自分の首をかけてそこまでやるなんてさ。
まぁあの星ならそこらの彗星よりも、フフフフフ…』
『すっごいですね〜! こんな任務始めてです!』
 
二人は既に乗り気のようだ。
ドクオはこの二人の存在と性格に、深く感謝した。
ショボンは自分と並ぶ実力、スズは経験は浅いながらも戦闘能力は高い。
これならある程度は戦えるだろう。
 
('A`)「本当に、身勝手な部下を持つと苦労するぜ…」
 
ギコと同じ言葉を残し、三機の戦闘機は、ブーンを追いかけて惑星ニューソクへと向かった。

 
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