711以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 18:51:29.42 ID:j0xcX/jkO
(;^ω^)「何笑ってるんだお?」
(*^ー^)「クスクス…今の彼、面白いわね」
 
笑ってはいるが、SHIIの目は赤く腫れていた。
 
(*^ー^)「彼の姿を見た時ね、我慢出来なくて泣いちゃったの。で、私って弱いなーって思ってたら彼がね…」
 
ブーンはそんな事はないと心から思った。冷たいと言われるかもしれないが、SHIIはGIKOの死を受け入れている。
彼女にはその冷たさが必要だった。
この先、彼女一人でリヴムントを支えていかなければならないのだ。
 
(*^ー^)「彼ったら、私が泣いてるのを見て焦っていたわ。そのままどっか行っちゃうかな、と思ってたら、急におどけだしたり、変な顔をしたり…」
(;^ω^)「へ、へぇ〜…」
(*^ー^)「でね、つい吹き出しちゃったの。
それを見た彼、もっと変な顔をし出して。もう大笑いよ」
( ^ω^)(ドクオもなかなかやるお!)

 
712以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 18:53:07.80 ID:j0xcX/jkO
ブーンは素直に感心する。
だがSHIIの本性を知っていたら、ドクオはここまでやっただろうか。
ブーンには、無理だろう。逆に怒りを買えば殺されかねない。
 
(*^ー^)「で、何しに来たの? みんなが呼んでるとか?」
 
くだらない事を考え、当初の目的を忘れていたブーンは、慌ててSHIIに向き直った。
 
( ´ω`)「その…GIKOから最期の伝言があるんだお」

(*゚-゚)「ッ!!」
 
SHIIから笑顔が消えた。
一語一句を聞き逃すまいとしている。
 
(*゚-゚)「あの人は…なんて?」
( ´ω`)「それが、途中で…。一言、『愛』とだけ…」
(*゚ー゚)「…そう。分かったわ、あの人が何を言いたかったのか。とてもありふれた、でもとても強い言葉よ…」
( ^ω^)「僕もそう思うお」
(*゚ー゚)「…ちょっと昔話しましょうか。あの人と出会った時の話よ。そうね、4年くらい前かしら…」

 
713以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 18:56:23.70 ID:j0xcX/jkO
──盗賊の砦
「姐さん! 何者かが攻めて来やした! ここに到着するまであと一日程かと!」
(*`ー´)「なんだい騒々しいねぇ。それに何者かじゃないだろう、アタシ達に喧嘩を売る大馬鹿なんざ、帝国かリヴムントくらいさ!」
「へぇ、恐らくリヴムントの奴等で…」
(*`ー´)「兵力は?」
「15000程かと…」
(*`ー´)「はっは〜ん、どうやら奴等も堪忍袋の尾が切れたようだね。本気で討伐する気だよ。
15000ねぇ…ちょっとやっかいな数だね」
「どうしましょう?」
(*`ー´)「アンタは馬鹿かい? いいや馬鹿だね。
迎え打つに決まってるじゃないか」
「しかし我らの兵力は10000程…」
(*`ー´)「たった5000の兵力がどうしたってのさ。そんなもん、ココを使えばなんとでもなるよ」
「頭突きで攻めるんですね!」
(*`ー´)「はぁ〜…、アンタは本物の馬鹿だね。まあいいさ、指示はアタシが出すよ。アンタは迎撃準備してな」「分かりやしたー」
(*`ー´)「ハァ〜、馬鹿が多くて困るよ…。さて、どうするかねぇ…」

 
714以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 18:57:44.21 ID:j0xcX/jkO
──砦周辺:森
(*`ー´)「よーしお前達、準備は終わったかい!?」
「オッケーでーす、姐さんー!」
「こっちも準備終わりやしたー」
(*`ー´)「よーし、一旦戻るよ!
砦に来る頃には勝手に数が減ってるさ」
(*`ー´)「まだまだ、これからだよ…」

 
715以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 18:59:58.37 ID:j0xcX/jkO
──盗賊の砦
(,,゚д゚)「貴様がSHIIか。貴様の束ねる盗賊団は大きくなりすぎた。それに伴って貴様らの悪業は目に余る。
俺は貴様を殺しに来た」
(*`ー´)「おやおや、リヴムントの領主様じゃないか。よくここまで辿り着けたもんだねぇ」
(,,゚д゚)「貴様のような盗賊風情が俺を知っているとはな。
勉強でもしたか」
(*`ー´)「ハッ! ナメた口叩くんじゃないよ!
…それより随分と数が少ないじゃないか。どうしたんだい…?」
(*`ー´)(予想以上に数が少ない…。まあ、嬉しい誤算だね)
(,,゚д゚)「数々の罠を使って底なし沼に誘導…、沼には大量の血が混じってやがった。
 おかげで獣共に襲われ、その後も蜂、毒蜘蛛、毒蛇…数え上げたら切りがねぇ。
おかげで部下が大勢死にやがった…」

 
716以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:01:52.95 ID:j0xcX/jkO
(*`ー´)「アハハッ! それはお気の毒。山を越えた後だしねぇ…。注意力散漫、薄暗い森、そして知らない地理…。
アンタ達が引っ掛かるのも無理はないさ」
(,,゚д゚)「そんな事はいい。重要なのは結果だ。現に、俺はここに辿り着いた。仮定など問題じゃねぇ」
(*`ー´)「ふぅ〜ん…。大雑把な男だね。嫌いじゃないよ」
(,,゚Д゚)「…御託はいい。貴様ら、行け」
(*`ー´)「お前達も出番だよ! 奴等を返り討ちにしてやりな!」
「行っくぜぇ! リヴムントのゴミ共を蹴散らせぇ!」
「姐さんは見ていて下せぇ!」
 
 
 
(*`ー´)「だいぶ混戦してるし、そろそろかねぇ…」
 
ピ───!!!
 
「姐さんの笛だぜ! 奴等驚くだろうな!」
「さぁ森から仲間がゾロゾロと……アレ…?」
(;*`-´)「………おかしいねぇ…?」

 
718以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:07:07.52 ID:j0xcX/jkO
(,,゚Д゚)「これが貴様の切り札か?」
「あ、姐さん…すいません…」
「捕まっちまいやしたぁ…」(*;`o´)「な…」
(,,゚Д゚)「俺が貴様の伏兵に気付かないとでも思ったか?
それにあれくらいの罠で部下があれ程死ぬと本気で思っていたとはな…。笑わせるな」(*;`-´)(3000の伏兵を全て捕らえたっていうのかい!?
それより何故殺さずに捕らえてるのかが疑問だね…)
(,,゚д゚)「貴様にチャンスをやろう。
俺と戦え」
(*`o´)「なんだって…?」
(,,゚Д゚)「貴様が俺を殺す事が出来れば貴様の部下を解放、そして俺達は撤退してやる」
(*`o´)「アンタ馬鹿──」
(*`ー´)(いいや、これはまたとないチャンスだよ。この馬鹿を殺せば奴等の士気もいくらか下がる。
コイツが約束を守らなくても、逃げる隙くらいは作れるかもしれないねぇ…)
(,,゚д゚)「どうした、やるのか?
やらないのか?」
(*`ー´)「いいだろう…。受けてやろうじゃないか」
(,,゚Д゚)「クク…決まりだな。
貴様らッ! 一旦剣を引け!」
(*`ー´)「お前達もだよッ!」

 
719以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:07:33.53 ID:j0xcX/jkO
「GIKO様ー! その女の血を見せて下さーい!」
「姐さ〜ん! 頼みますよー!」
(,,゚д゚)「二刀流か…。奇遇だな、俺もだ」
(*`ー´)(裏は…なさそうだね…。本気でアタシと殺り合う気かい…)
(,,゚Д゚)「行くぜ…」

 
721以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:10:28.96 ID:j0xcX/jkO
SHIIとGIKOは走り出す。
距離は瞬時に消滅し、互いに剣を打ち合った。
 
(*`ー´)「ホラホラ! 少しでも気を抜くとあの世逝きだよ!」
 
SHIIは高速で斬撃を放ち、反撃の隙を与えない。
対するGIKOは全ての斬撃を弾き返して様子見といった所だ。
SHIIは軽くステップを踏みながら刃の雨を降らせる。その剣撃は速いが、注目すべきは何と言ってもその足捌きだ。
相手を翻弄するかのように左右に跳び、尚且つ手も休めない。
その姿はまるで舞いのように美しい。
やがて、受けきれなくなったGIKOの腕を刃がかすめ、血を吹く。いくつもの傷が生まれ、吹き出した鮮血はSHIIの顔に斑点を彩った。
 
(*`ー´)「血はいいねぇ…。この温もりが堪らないよ!」
(,,゚Д゚)「フン、狂人め。遊びは終わりだ」

 
722以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:11:46.88 ID:j0xcX/jkO
GIKOは言い放つと同時に剣を一閃する。そして受けられる前に突きを繰り出した。
SHIIは初撃を受け止め、突きを身を捌いてかわす。かわした瞬間、GIKOの首をはね飛ばそうと剣を振り下ろした。
しかしそれは空を斬る。
GIKOは身をかがめて斬撃をやり過ごし、初撃を放った剣でSHIIの足を斬り付けた。
足を切断される寸前でSHIIはステップを踏み、薄皮一枚の被害で納める。
GIKOはしゃがみ込んで剣を振り切った姿勢だ。
SHIIはこれを好機と見て、胴を斬り裂こうとするが、GIKOは勢いを殺さずに回転した。
そしてSHIIに蹴りが迫る。
蹴りはSHIIの腹部に直撃するが、後ろに跳んで威力を軽減する。地面に着地し、間髪入れずに踏み出した。
SHIIの突きはGIKOの背中を削る。そのままもう一本の剣で止どめを刺すべく背中に突き立てた。
だがGIKOは後ろに目があるかの如く一歩前に踏み出した。
SHIIの剣が地面に突き刺さる。
GIKOは即座に身をひるがえし、動きの止まったSHIIに肉薄した。
迫る死の刃。
剣を破棄し、しゃがみ込んで刃をかわした。その際に土をすくいとり、GIKOの顔面に叩き付けた。

 
723以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:13:24.73 ID:j0xcX/jkO
(;,゚Д゚)「ぐ…うおおお!!」
 
視界を奪われたGIKOだったが、その程度では彼の剣は鈍らなかった。雄叫びを上げ、自分を奮立たせる。

その気迫に押されたのか、追撃され、横腹を斬り裂かれる。
痛みに顔を歪ませながら飛び起きて、GIKOの肩口に斬撃を浴びせた。
視界のないGIKOは受ける事が出来ない。
鋼の塊はGIKOの肩に食い込み、肉を斬り裂き、骨を少し砕いて停止する。
骨に阻まれた訳ではない。
その気なら肩から腕を落とす事は出来た。
それを止めたのはGIKOの突きだった。
GIKOの突き出した剣はSHIIの首の動脈にピッタリとくっついている。
少し力を込めて引くか押すだけで鮮血が迸るだろう。
もしくは、SHIIがGIKOの腕を落とす為に力を込めても、その反動で同じ結果が待っていた。
 
(,,゚д゚)「俺の肩を斬り落とすのと貴様の首を斬り裂く…どっちが早いか試してみるか?」
(*;`-´)(やばいね…コイツの腕を落とすのは訳ないけど代わりにアタシの首がスパッといっちまうよ…)

 
724以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:16:21.22 ID:j0xcX/jkO
(,,゚Д゚)「貴様の負けだ」
(*;`д´)「あぅ…っ!」
「あ、姐さん!!」
「この野郎! 二度も姐さんを足げにするたぁ良い度胸じゃねぇか!」
(*;`д´)「う…なんで殺さないんだい…? ちょっと剣を引けばそれで終わりだろう?」
(,,゚д゚)「貴様、リヴムントに来い」
(*`-´)「…意味が分からないね。情婦にでもするつもりかい?」
(,,゚Д゚)「俺は貴様が気に入った。嫁になれ」
(*;`O´)「はぁ!? アンタ、気でも違ったかい? たった今殺し合いをしていた相手だよ!?
それになんでアタシがアンタの嫁にならなきゃいけないんだ」
(,,゚д゚)「理由は言ったはずだ。俺は、貴様が気に入った。それじゃ不服か?」
(*`-´)「………」
(,,゚д゚)「今回は一旦引いてやる。その気があるなら後日リヴムントまで来い」
(*`o´)「ちょ、ちょっと待ちなよ! アタシは負けたんだよ! なんで部下を殺さないんだい?
って聞いてるのかい!?
……行っちまったよ…」
「姐さん…どうするんですか?」
(*`-´)「…ちょっと一人にしておくれ…」
「はぁ…」
(*`-´)(あんな事言われたの初めてだよ…。跳ねっ返りのアタシを気に入っただって?
おかしな男だよ…)

 
725以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:18:10.90 ID:j0xcX/jkO
──翌日
(*`o´)「お前達、ちょっと集まりな」
「なんスか姐さん、まさかあの野郎の嫁になるってんじゃ…」
(*`ー´)「ああ、そのまさかさ」
「えぇー!? なんでそんな…」
(*`ー´)「いいかい、よくお聞き。アタシが拒否してこの暮らしを続けたとするだろ?
その場合、また奴等が攻めて来ないとは限らない。むしろ徹底的に潰しにかかるかもしれないよ」
「………」
(*`ー´)「そこでだ! アタシがあのGIKOとかいう男の嫁になって骨抜きにするんだ。
内部からリヴムントを頂いちまうって訳さ!」
「おお! さすが姐さん! 黒いっスね〜!」
(*`ー´)「女は怖いんだよ…」
(*`ー´)(少しはあの男が気に入ったなんて言えないねぇ…)

 
727以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:20:36.58 ID:j0xcX/jkO
──リヴムント
(,,゚д゚)「よぉ。俺の嫁になる気になったか?」
(*`ー´)「ああ! アタシも盗賊団の頭だ。決める時は潔く決めるさ」
(,,゚Д゚)「ククク…それでこそ俺が認めた女だ…。貴様らッ! 式の用意だ!」
「はっ!」
(*`ー´)「ちょっと待っておくれよ。アンタの嫁になる事は不満はないんだけどさ、一つ頼みがあるんだ…」
(,,゚д゚)「なんだ、言ってみろ」
(*`ー´)「アタシの部下…いや、家族だね。あいつらを傭兵として迎え入れてほしいんだ。アタシがいなくなったらあいつらは路頭に迷うだろうし…。
兵力増加に繋るし、アンタにとってもいい条件だと思わないかい?」
(,,゚д゚)「そんな事か。断る理由もない、いいだろう」
(*`ー´)「ホントかい!? やっぱアンタいい男だねぇ!」
(*`ー´)(フフ…これでアンタは伏兵を抱えた事になったよ…)
(,,゚д゚)「ただし、妙な気は起こさん事だな」
(*;`ー´)「も、もちろんだよ。やだねぇこの人は! 今から女房妻になる女を疑うなんてねぇ…アハハ…」

 
728以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:21:41.84 ID:j0xcX/jkO
(*^ー^)「これが私達が結婚するまでの話よ」
(;^ω^)「壮絶なプロポーズだお…」
 
ブーンは引きつった笑顔で相づちを打つ。
GIKOらしいと言えば、その通りだが…
 
(*^ー^)「そうね。こんなプロポーズされたの私くらいじゃないかしら。
でね、最初は夫婦喧嘩を装って暗殺しようとした事も何度かあったけど、あの人と暮らす内にそんな気は薄れていったわ」
( ^ω^)「それは、なんでだお?」
 
夫婦喧嘩で暗殺、に引っ掛かかったが、もう常識は捨て去る事にする。
そうしなければまともな会話を成立させる自信がなかった。
 
(*^ー^)「んー…、簡単に言えば惚れちゃったからかしら?
私はそれに伴って穏やかな性格になっていったわ。盗賊団のみんなもリヴムントの暮らしに満足してるみたいだったし、このままでもいいかなーってね」
 
空を見上げたSHIIは、遠い目をして更に思い出を語り出す。

 
729以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:22:58.65 ID:j0xcX/jkO
(*^ー^)「最初のデートはワイルドデビルの捕獲だったっけなぁ…」
( ^ω^)「釣りみたいなもんだお」
(*^ー^)「毎朝真剣で打ち合ったわ」
( ^ω^)「ジョギングと同じだお」
(*^ー^)「そうそう、闘技場で猛獣相手に100匹斬りをやったりもしたわ」
(;^ω^)「え〜と、これは…」
(*^ー^)「毎日が刺激的だったわ…」
(;^ω^)(そりゃそうでしょうお…)
(*;ー;)「楽しかった、なぁ…」
 
やはり伴侶を失った悲しみは隠せないようだ。4年…夫婦生活で言えば長いとは言えないかもしれないが、けして短くはない。そもそも、時間の問題ではなかった。
 
(*;д;)「絶対、あなたの敵を取るわ…」
 
 
その夜、やはりリヴムントに帰る事が彼の望みだろうとGIKOの遺体は火葬され、骨は砦に安置された。
人々は黙祷する。
勝利し、必ず故郷に帰す事を誓って。

 
739以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:55:57.85 ID:j0xcX/jkO
それから三週間が経った。
サイスに集結した人間は500人たらずだった。
多少残ってるとはいえローレン達第一の保持している兵器には限りがある。足りない分を、この星の武器を装備して攻めたとしても、スクリプトの兵器の前にはそれこそ赤子の手を捻るように迎撃されてしまうだろう。
いたずらに被害を増やす事はないと、比較的身体能力の高い者を選び、この人数だけが集まった。
 

( ФΔФ)「調子はどうや?」
( ^ω^)「一通り使い方は教えたお。みんな驚いてたお」
( ФΔФ)「そうやろなぁ。実際、ここまで干渉するのは早すぎなんやけど、非常事態やから仕方あらへん。
戦闘機はどうや? 乗れるヤツ、おったか?」

( ^ω^)「それも一応教えたけど理解してるのは一握りだお。
それに実際に乗るとなると、まともに飛べるのは極僅かだと思うお」
 
兵器の説明はブーンとモナー、そしてツンが行った。
何故ツンがいるかというと、モナーの推薦があったからだ。
さすがに神童と呼ばれていただけある。彼女は彼の期待通り、各兵器の使い方を短時間で理解してくれた。
彼女がいなければここまでスムーズに事が進まなかっただろう。

 
741以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:57:58.26 ID:j0xcX/jkO
( ФΔФ)「ま、それもしゃあないわ。戦闘機の操縦は銃や剣を使うんとは訳が違うかんな。そこまでは期待してへん」
( ^ω^)「てことは直接侵入して基地を落とすのかお」
( ФΔФ)「そうするしかあらへん。俺達が撹乱してその隙に侵入するんや。数が数やから気付かれずにってのは無理やと思うけど、そこは切り抜けてもらわなあかんな」
 
そう言うとローレンは踵を返した。
 
ここ数日間、訓練に時間を費やしてきたが、その間スクリプトに目立った動きはない。ブーン達が来た事には気付いているだろうが、4機だけなので油断しているのだろうか。
それは好都合ではあるが、あくまで援軍が来るまでだ。これ以上敵勢力が増加したら、それこそ手のつけようがない。
ローレンの部下は惑星間を巡回している。今の所増援は確認出来ないが猶予はあまりないと言えよう。
 
( ´∀`)「付け焼き刃じゃ不安だけど、そろそろ攻めたほうがいいモナ。今回は僕も参加するモナ」
( ^ω^)「モナーが戦場に? 大丈夫かお?」
( ´∀`)「本当は嫌だけどそうも言ってられないモナ。
僕がいないと基地にセキュリティロックがあった場合、進めなくなるモナ」


 
742以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 19:58:46.05 ID:j0xcX/jkO
VIPの隊員は全員戦闘機で出撃する事になっている。
隊員の誰かを侵入部隊に入れる事は出来るが、そういった技術面ではモナーが格段に優っている。
確かにこの役はモナーが適役だろう。彼も一応、元軍人だ。
まるで戦えない訳ではない。
 
('A`)「ローレンが呼んでるぜ。最後の作戦会議だ」


 
743以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/05/13(土) 20:02:17.44 ID:j0xcX/jkO
( ФΔФ)「…って訳や。日が沈んだら出撃するで」
 
作戦は単純なものだ。
まずブーン達が先に出撃し、ラウン城の近くに待機する。
その後を侵入部隊を乗せた輸送機が追いかけ、攻撃されそうなら援護する。
仮に先にブーン達が発見された場合はその場で戦闘を開始、その隙に乗じて侵入部隊を乗せた輸送機がラウン城に侵入するというものだった。
 
( ФΔФ)「あ〜、一応言っとくけどな、間違えてもFOXなんか使うんやないで。もし地表に着弾したらニューソクはこんなんなってまうで」
 
ローレンは親指と人差し指で小さな丸を作ってゾッとしない事を言う。

 
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