177 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 16:04:54.53 ID:TIdpdzbH0
――ジョルジュ――
同日 AM 11:01
( ゚∀゚)「っ……」
ギコが先頭を歩き、その二メートルほど後ろを兄者とジョルジュ、二人が肩を並べて歩く格好だった。
( ´_ゝ`)「大丈夫か?」
いつも通りあまり表情の変化がとぼしい兄者だったが、
心配そうな声色で話しかけていることは、ジョルジュにもわかった。
( ゚∀゚)「……まあ、大丈夫」
手を軽く振り、心配ないというジェスチャーをしながらいった。
実際には、歩けないほどではなかったが、やはり体中の節々が痛んだ。
本来なら少しばかりの休憩をもらいたかったが、こんな状況で休むもくそもないことは、
ジョルジュが一番理解していた。
( ゚∀゚)「さっさとやることやって脱出しようぜ」
少し足を速め、ギコの隣りに追いつく形で歩いた。
( ´_ゝ`)「……」
兄者はそんなジョルジュの気丈さを信頼してはいたが、
それがどこか危なげなことも心配していた。
179 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 16:38:46.59 ID:TIdpdzbH0
(,,゚Д゚)「あれか。崩れてなくて安心したぞゴルァ」
ギコが声をあげ、前方のビルを仰ぎ見ていた。
ジョルジュもそれを見て、一瞬安堵した。
VIP商事のビルはほぼ原型をとどめており、
辺りがほとんど倒壊寸前の建物に囲まれた状況だと、いっそう頑丈に見えた。
外観ではガラス窓が割れているくらいで、倒壊の恐れはまったくなさそうだ。
20階建てのビルの正面玄関へと赴いた。
真下から見るビルは山のように高く、いや頂上が見えない分、山よりもたちが悪かった。
(,,゚Д゚)「……こんなかから図面とかいうのを探すのか……」
ギコが呆然としていった。
顔は心なしかげんなりしているようにも見える。
( ゚∀゚)「まあ、貴重な図面なら資料室にあるかもしれんな。
もしくは社長室とか、その辺の重役室だな。
そんなところ、まったく無縁な生活だったんで位置くらいしかわからんが……」
189 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 17:15:02.72 ID:TIdpdzbH0
( ´_ゝ`)「で、ジョルジュ、お前の用事ってのは、何なんだ?」
( ゚∀゚)「ああ、俺の机にな、色々はいってるからな。
やっぱ持って行きたいものとかもあるんだよ。
もしこのままビルが無事で、ここに戻ってくるようなことになってみろ。
俺のデスクの中には様々なエロ本が、会社のやつらに露見したら自殺もんだぞ」
(,,゚Д゚)「そりゃおめーが悪いぞ」
正面玄関の自動ドアは開いたままになっていた。
シャッターも降ろされておらず、三人はすんなり入ることができた。
( ゚∀゚)「シャッターが降ろされてないのは、ここも電力が供給されてないってことだな」
( ´_ゝ`)「だろうな」
(,,゚Д゚)「で、開いてたのは、中の人間が脱出するときに開けっ放してたってことか」
( ゚∀゚)「ああ、生きてる人間もいたってことだな」
そういうと、ジョルジュはほっと一息ついた。
これだけ大きな会社だ、見知らぬ人間もいたが、
やはりそういう犠牲者を発見するのはあまり好ましいことではなかった。
191 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 17:34:50.05 ID:TIdpdzbH0
一階のロビーは全面ガラス張りになっていて、太陽の光で明るく、見通しは良かった。
端には高級感のある黒いソファーがいくつかあり、
地震の影響か微妙に位置がずれているだけで他に変わったことはなかった。
受付付近は何かの書類が地面に散らばっていたが、ギコの望む図面ではなかった。
全体的に雑然とはしていたけれど、死体らしきものや変わったものは見当たらなかった。
( ゚∀゚)「……とりあえず、俺の仕事場に行くか。
どうせ資料室も重役室も、俺の仕事場よりずっと上だ。
エレベーターも止まってるし、階段で行くんだから、俺の用が先でもいいだろ」
(,,゚Д゚)「まあ、それくらいならな」
三人はエレベーターの隣りにある階段から上を目指した。
ジョルジュの職場は七階にある。
このビルは一階一階の高さがなかなかあり、それを階段でのぼるというのは、
かなり労力を必要とするものだった。
実際、ジョルジュと兄者は四階途中の踊り場で息をあげていた。
(,,゚Д゚)「おまえらなぁ、いい歳こいて体力なさすぎだぞゴルァ」
まったく疲れた様子を見せず先を歩くギコが振り向き、
二人を呆れ顔で叱咤した。
193 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 18:03:31.46 ID:TIdpdzbH0
( ゚∀゚)「い、いい歳だから元気もねえんだよ……」
( ´_ゝ`)「て、ていうか、タバコ吸ってたんだし、最低でも俺と同い年ではないか……」
(,,゚Д゚)「あ? 俺はまだ17だっつの。一緒にするなよゴルァ」
( ゚∀゚)「……老けてんな」
(,,゚Д゚)「う、うっせ! お前な、身体的特徴での悪口は最低なんだぞゴルァ!」
自分が老け顔だということを少しは自覚していたのか、
ギコは顔を紅潮させてわめいた。
( ゚∀゚)「……体力ないって馬鹿にするのはいいのかよ……」
(,,゚Д゚)「ふんっ!」
鼻を鳴らすと、ギコは一人でさっさと行ってしまった。
それを体力のない、老いに足を踏み入れ始めた二人は、
息を切らしながら見送ることしかできなかった。
( ´_ゝ`)「……初めて自分が情けないと思った」
( ゚∀゚)「……ああ」
二人はそう奮起しながら、でも結局スピードを上げることができず、
よちよちと一歩ずつ階段を上がっていった。
197 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 18:23:00.86 ID:TIdpdzbH0
(,,゚Д゚)「ったく、おせえなぁ」
目標の七階の防火シャッター前に、壁に寄りかかって二人を待つギコの姿があった。
( ゚∀゚)「り、律儀に、待ってた、のか……はぁはぁ……」
息を切らしながら、少しは可愛いところがあるじゃないか、と
ジョルジュは心の中で呟いた。
だがギコは顔色一つ変えず、当然だと言わんばかりにいった。
(,,゚Д゚)「どこの部屋かわかんねえだろ」
( ゚∀゚)「そういうことなのね……」
( ´_ゝ`)「……まぁ、実際の話、お前の職場はどこなんだ?」
( ゚∀゚)「あ、ああ。わかった、ついてこい」
そういうと、ジョルジュはギコの隣りを通り、右に曲がった。
フロアはなかなか広いわりに、部屋自体はそこまで大きくないようで、
入りくんだ通路を長々と歩いているような感覚があった。
205 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 18:48:30.23 ID:TIdpdzbH0
あまり脳内で地図を作ることが上手くない、方向音痴な兄者は
次第にどこをどう曲がっただとかがわからなくなってきた。
( ゚∀゚)「まあ、俺も最初はよく迷ったな。
そのせいでしょっちゅう課長に叱られてたもんだ。
あのジジイも無事だといいんだけどな」
「ジジイで悪かったな、ジョルジュ」
ジョルジュの何気ない言葉に、どこからか反応する声があった。
しわがれたその声は、どう考えても二人のものではなかった。
( ゚∀゚)「げ、幻聴か!? もしくは霊か!? 成仏しろよジジイ!」
「馬鹿野郎! 生きとるわ! こっちだ!」
年老いた声がするほうを向くと、スーツを着た老人がドアの影に隠れるようにたっていた。
(’e’)「こんな状況になっても上司の陰口とは……まったくお前は成長せんやつだな!」
( ゚∀゚)「かかか、課長! とんでもない!
男ジョルジュ、ちんこ機能不全ジジイなんて言ってません! 神に誓って!」
(’e’)「そりゃあ言ってないわの。言い訳でグレードアップした暴言吐く奴なんて初めて見たわい」
課長と呼ばれる老人はいった。
見た目は老人というより、老け込んだだけの人間かもしれない。
会社にまだ勤めているところを見ると、定年間近なのはたしかだ。
207 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 18:57:21.28 ID:TIdpdzbH0
(’e’)「それよりお前ら、知らん顔もあるが、ちょっとこっちにこい」
老人はそういいながら、手首を振り、自分のいる部屋にくるよう合図した。
三人は訝しがりながらも、ジョルジュを筆頭にその部屋の中へと入った。
部屋は別の課の職場だった。
ジョルジュの所属する課の職場とほとんど同じく、
各社員の仕事机が規則的に並んでいた。
その数はおよそ40近くあった。
(’e’)「……お前ら、ここは危ない。はやく逃げろ」
部屋の扉を閉めた老人は、開口一番そういった。
( ゚∀゚)「ハァ? 何言ってんですか課長。ここだけじゃなくて島全体やばいんすよ。
それくらい、ここの窓からでも分かるでしょうが」
軽口を叩くようにジョルジュはいったが、老人は真剣な面持ちで首を振った。
眉間にしわを寄せてはいたが、それはジョルジュの軽口にではなかった。
(’e’)「……わしは知ってしまった。この島の計画、この地震の理由。
悪いが今はその説明をする時間が惜しい。
これを持って、その辺に隠れておれ」
老人はふところからある書類袋を取り出した。
厚みがあり、その大きさは、どこか重大そうな雰囲気を放っていた。
209 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 19:15:15.18 ID:TIdpdzbH0
(,,゚Д゚)「……もしかして、図面か?」
ギコが静かに口を開いた。
時々、扉の向こうを振り返り、気配を探っている。
このビルに来る前に聞いた、危険察知とやらが発動しているのだろうか。
(’e’)「お、お前、なぜ知っとる!? 奴らの手先か!?」
老人が明らかにうろたえ、ギコをにらみつけていた。
(,,゚Д゚)「いや、このビルに、今回の地震に関する重要な書類があると教えられ、
それを借り……盗んでくるように言われた。俺も事実は分からん。
だがその依頼主は俺の恩師だ。決して悪い奴じゃない」
(’e’)「……」
訝るような目つきでギコの顔を見る老人だったが、
ふと視線を落とし、呟くようにいった。
(’e’)「……お前さん、嘘はいってないようだな。
目を見れば分かる。だから、これをお前らに渡す。
奴らも、必死になって探すかもしれん。
お前らはこれをもって、島を出ろ。
そしてこの地震の真実を、世間に公表しろ」
まくしたてるようにいうが、当のジョルジュたちには何が何だかわからなかった。
( ゚∀゚)「おい、ジジイ、訳の分からんこと言わんでくださいよ。
それに奴らだの地震の真実だの、さっぱり分からんよ」
211 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 19:27:34.98 ID:TIdpdzbH0
(’e’)「すまんが、説明している時間はない。
奴らがここにくる。その図面を見れば、お前なら分かるはずだ。
……はやく隠れろ。あいつらが去ったら、すぐビルを出ろ。
いいな?」
老人はそういうと、近くに散乱していた書類をかき集め、
元々自分が持っていた書類袋の中身とそれを入れ替えた。
そして書類をジョルジュに手渡し、一つだけ頷いた。
( ゚∀゚)「だ、だから何もわからん!
そりゃあただの地震じゃないことはわかるが、真実だなんだの、
俺からすれば関係ない! 俺は一般市民だ!」
ジョルジュはそれを受け取らず、小声で、しかしわめくようにいった。
その様子を見ていたギコが、突然びくりと体を反らし、
口の前に人差し指をおきながら呟いた。
(,,゚Д゚)「……隠れろ。来る」
それだけいうと、ギコは老人の差し出す書類の束をひったくるように受け取り、
小走りで奥の机の中へと隠れた。
口を挟まず見守っていた兄者も、ギコのその様子に気付き、
自分も奥の机のほうへと駆けて行った。
213 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 19:49:08.15 ID:TIdpdzbH0
( ゚∀゚)「……な、なんだよ。意味がわからねえって」
(’e’)「今は分からなくていい。とにかく隠れろ!」
老人は、書類袋を持っていたライターであぶった。
書類袋の下のほうから火はつき、次第にそれをこげカスへと変えていった。
(’e’)「はやく!」
これまで昼行灯を決め込んでいた定年間近の頼りない課長の、
未だかつて見たことのない只ならぬ剣幕に、ジョルジュはただ引き下がるしかなかった。
おずおずと老人を見ながら、二人のほうへと走りよった。
次の瞬間、扉が大きな音を立てて開いた。
「……誰か他の声が聞こえた気がしたが」
聞いたことがありそうで、でも思い出せない声が聞こえてきた。
老年者特有の深みのある声質で、老人――課長と同じくらいの年齢かもしれない。
(’e’)「なんじゃ、お前もとうとう空耳が聞こえるほど老いたか」
「……何を燃やしている?」
(’e’)「分かりきっとる。あれを燃やしとるのだ。
あの書類さえなくなれば、お前らの言う『計画』とやらも水泡に帰すはずだ」
214 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 19:55:16.22 ID:TIdpdzbH0
その言葉があって一瞬の後、扉の近くにいる男から含み笑いが聞こえてきた。
「ふふ……ふふふ……はは……」
(’e’)「……何がおかしい!」
「いやいや、日頃から使えない奴だとは思っていたが、
お前がそこまでバカでグズだとは思わなかった。
あの話を聞いておきながら……」
(’e’)「どういうことだ!」
「その書類、無くなってしまったほうがこちらとしては好都合なんだよ。
ジョーンズ、お前はよくやってくれたよ」
(’e’)「な……はっ……!」
半分近く燃えている書類の火を、床にたたきつけ、
必死に消そうとしている音が聞こえてきた。
「礼をささげる。むげにするな。受け取ってくれ」
男の声の後、部屋中に破裂音のようなものが聞こえてきた。
パン、パン――
合計二発の、破裂音のような渇いた銃声があった。
216 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 19:59:48.61 ID:TIdpdzbH0
「……お前とは、今生の友人になれると思っていたのだがな……」
そういって、男は去った。
部屋には書類の燃え散る音とその臭いだけが残った。
( ゚∀゚)「ジジイ!」
男の気配がなくなると同時に、ジョルジュはすぐさま老人のもとへと駆け寄った。
老人は腹部と胸に一発ずつ銃弾を身に受けていた。
(’e’)「……じょ、ジョルジュ……」
( ゚∀゚)「おい、しっかりしろよ!」
ジョルジュは老人の体を抱き上げ揺さぶった。
(’e’)「……ふ、はは……どうだ、わしの、演技は……。
いくら無能なわしとて、その書類が奴らにとって、
あってはならんものだということくらい、
わかって、おったわ……」
( ゚∀゚)「いいから、しゃべんな! すぐニュー速総合病院連れてってやるから!
おい、二人とも、手貸してくれ!」
ジョルジュはそう机から這い出た二人に叫んだが、
二人は悲痛な面持ちでただ突っ立っているだけだった。
219 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 20:08:30.30 ID:TIdpdzbH0
( ゚∀゚)「おい、手伝えよ! 死んじまうだろうが!」
( ´_ゝ`)「……これは、もう……」
(,,゚Д゚)「無理だな。諦めろ」
( ゚∀゚)「……おい……」
(’e’)「そ、の二人の言うことは、ただしい……。
ジョルジュ……お前は、真実を見ろ……。
自分の、置かれている、状況を、真実を、その目で、
しかと見るんだ……」
息も絶え絶えに、時々血を喉の奥から吐き出しながら、
老人は語った。
( ゚∀゚)「……な、なんだよそりゃ……
俺はただの市民で、真実だとか、状況だとか! 関係ねえだろ!
俺は生きて、今までと同じように、平和に生きていくんだよ!
本島の家族や彼女と一緒に!」
目の前にある死を認め、ジョルジュは心乱された。
なぜ銃声が?
なぜ課長が死ななくてはならない?
奴ら?
真実?
なんで俺はこんなところにいるんだ?
220 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 20:09:37.69 ID:TIdpdzbH0
訳が分からない。
今まで自分の身ひとつ守ることだけでも必死だったのに、
この地震の謎だとか、真実だとか、課長が死ぬだとか、
もう何が何だか分からなかった。
(’e’)「そ、それでも……せめて……その書類を……
心あるものに……渡し、て……」
( ゚∀゚)「あ……ああ、あ、いや、ダメだ!
それはジジイ、お前の役目だろうが!
あんたが知った真実なら、あんたが生きて、公表するべきだろうが!」
(’e’)「む、無茶を言うな……この、老体に、鞭打つようなことを……。
……確かに、自分勝手で、済まない……。
だが……これは……誰かがやらねば……。
い、きろ……」
突然、腕の中の重みが増した。
思わず老人を床に落としてしまいそうになった。
( ゚∀゚)「……おい、これもまた演技なんだろうが……
起きろよ……起きて、またいつもの説教しろよ!
ジジイ! おいこら!」
上下左右に老人をゆすった。
だが体のすべての力をなくした老人は、もうまぶたすら持ち上げることはなかった。
221 : ◆girrWWEMk6 :2006/03/26(日) 20:11:37.61 ID:TIdpdzbH0
( ´_ゝ`)「……ジョルジュ……」
(,,゚Д゚)「その爺さんはもう死んだ。俺たちも早く出るぞ」
ギコの容赦の無い一言は、ジョルジュの胸に突き刺さった。
信じたくない現実がそこにあった。
老人は、自分が世話になっていた上司が死んだ。
それも人の手にかかって。
老人を殺した犯人は分からない。
だがジョルジュの上司は、ある秘密を知ってしまったため、殺された。
( ゚∀゚)「……なんなんだよ、そりゃあ……」
( ´_ゝ`)「ジョルジュ、はやく!」
兄者がジョルジュの腕を掴み、無理やり立たせた。
茫然自失としているジョルジュは、まだかつての上司の亡骸を見つめていた。
( ´_ゝ`)「おい、行くぞ!」
( ゚∀゚)「……」
兄者に腕をとられ、ふらふらと歩き始めた。
ギコは先行し、あたりの気配を探っていた。
だがもう老人を射殺した男の気配はないらしく、ギコはすぐさま階段を駆け下りた。
二人もそれにならい、兄者はいまだ呆然としているジョルジュを引っ張って、
三人は外へ出た。
318 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/27(月) 21:16:25.87 ID:GAs69u6I0
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
│……ジョルジュ……
\__ _
∨ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|……おい、これもまた演技なんだろうが… | その爺さんはもう死んだ。俺たちも早く出るぞ。
|起きろよ……起きて、 \ ________
| またいつもの説教しろよ! ∨
| ジジイ! おいこら! ∧ ∧
∧ ∧ \_______________ (゚Д゚,, )
( ´_ゝ`) ∧ ∧ ⊂ )
( ) (; ゚∀゚) │ | │
│ | │ ( ⊃ (_)_)
(_)_) / / /
(_)_) ⊂⌒~⊃’e’)
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ギコの容赦の無い一言は、ジョルジュの胸に突き刺さった。
信じたくない現実がそこにあった。
老人は、自分が世話になっていた上司が死んだ。
それも人の手にかかって。